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タルトシトロン(2015年4月5日)
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ブリュレも濃くて渋い(2015年4月5日)
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プラリネパンプルムース(2015年4月5日)
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グレープフルーツムースにカカオの組み合わせ(2015年4月5日)
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先ずは一個目モンブラン(2011年9月24日)
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こんな環境で外ケー(2011年9月24日)
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店頭テーブルにて(2011年9月24日)
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公園で二個目モンブラン(2011年9月24日)
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朝陽に浮かぶ剣が峰かのような(2011年9月24日)
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実はデザインされた緻密なカーブ(2011年9月24日)
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建築美的な土台と上屋の接合部(2011年9月24日)
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外観に負けない、迫力の断面(2011年9月24日)
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久しぶりの再訪。この4年で、名実ともに日本のトップパティスリーの座を不動にしてしまった。どこが一番か?なんて決めること自体は、単なる自己満足であって大した意味はない。だが確かにトップグループだなってのは、今回も良く分かった。一方で、ちょっと残念な事もあったのだが・・・
【2015年4月5日】
雨の日曜日の15時。行列対策と思しき店内レイアウト変更が功を奏してるのか、さほどの待ち時間じゃない。雨にも濡れずに店内で並べるのも幸い。ガラス越しの厨房からは、川村シェフが相変わらずの鋭い目線で客捌きの様子をチェックしている。しかし、もはやイートインができぬようになっていたとは。パティスリーとして大事な要素を見捨ててしまわれたなぁ・・・仕方なく、本当に仕方なくテイクアウトして、帰りの飛行機内で喰う事に。
【タルトシトロン】380円
テイクアウトしてからの時間経過による劣化分を差っ引くならばバカウマ。浅め焼き込みのタルトレットに、レモンクリームのフィリング、強めにブリュレされた生クリと、シンプル過ぎる構成だが、何でこんなに切れ味鋭いか。酸味、甘味の何れもが、ガツン!!とかましてくれる。それでいて爽やかなこと極みなし。流石のア・テ・スェ川村流儀。この出来で、この値段ってのは、もう大バーゲンプライスのブランド品のようなもの。味☆4.5
【プラリネパンプルムース】490円
こっちは恐らくあまり劣化してなさそう。といかく意外性というか、コントラストの渋さが粋だ。グレープフルーツムース、スポンジ、カカオムースの3層が2度リフレインするだけの、あまり凝っちゃあいない構成だが、グレープフルーツの酸苦味にカカオの風味は、相対する味系がクッキリ層をなしつつ混ざり合うコントラストの高さ。味の輪郭が明瞭でメリハリが抜群に効く。味☆4.0
【まとめ】
流石に旨い。相変わらず、外見で惹き付けるタイプじゃないし、ディティールに凝ってる訳でもない。つまり大したイケスイじゃあないのだが、それでも流石だなと思わせるのは味わいの鋭さ故。喰って旨くてなんぼでしょ!?って感じである。とにかく、メリハリの効いたレシピと、切れ味鋭い味わいは、明らかに作り手のキャラが乗り移っている。一方で、イートインが一切できないって事実に、どうしても無条件でベスト評価はできない。箱渡して、代金受け取ってサヨナラ。これじゃ絶対に片手落ちだと思うのだ。
【2011年9月24日】
A tes souhaits・・・和名表記じゃ「アテスウェイ」となってるが、本来のフランス語発音に倣うなら「ア・テ・スェ」だろう。直訳するなら「願いが叶うように~」食べログ上ではかなりの人気店だし、魅惑的なモンブランの画像をみるにつけ、是非とも攻略したかった物件。JR西荻窪駅から結構な距離を歩いて辿り着けば、開店直後の店内には既に大勢のお客さん達。しばし並んで念願のモンブランをやっとゲットできた。ウキウキで店頭のテーブルに陣取って外ケーを始めたのだが・・・何だか雑踏がすんごい。昼時の東京女子大のまん前なので、女子大生が無用に行き来してて、アイツらこっちをキモ見してやがる。う~相当恥ずかしい(- -;)
【モンブラン】
そのアピアランス。栗の鬼皮すら連想させる、少し荒々しくさえもある彫りの深い面立ち。その表面は、シットリ優しげと言うよりは、男性的なドライで硬質な趣だ。その躯体は濃いモカ色で、その存在をキッチリ主張するメレンゲ土台にガッチリと接合しつつ、更に天空に向けて、機微に富んだ絶妙のカーブを描きながら、一気に突き抜ける。その、パンパンに張った面構成、土台と本体の色彩構成は正に栗。イガに収まりきらずに弾け落ちた、パンパンに膨らんだ和栗の趣だ。
マロンクリームは洋栗風味がベースなるも、モカのような風味と微かに洋酒が香る複雑な味わい。その舌触りは滑らかでネットリとした素晴らしいものだ。内側には甘みを抑えながらも、相当濃厚な多量のホイップクリーム。そして下段には、マロングラッセならぬ甘栗が埋まる。噛んだ食感、味わいは全くの甘栗。こんな栗を使ったモンブランも初めてだ。その下には、正に止めを刺すように和栗のペースト。その風味は和栗全開の最上級。
コイツは最後まで手を抜かない。その土台は厚みのある円盤形状のアーモンドメレンゲ。この土台も、艶消しの鈍いアーモンド色を放っており、もうただ者ではない雰囲気。相当にシッカリしたこの土台に、先の本体がガッチリと噛み合う。正にてっぺんからつま先まで、恐ろしいほど隙のない構成。この凄みすら漂わせる佇まいがこの一個の最大の魅力だろう。
実はこの後、もう一度列に並んだ。モンブランおかわり。今度はテイクアウトして西荻窪駅へ至る途中の公園で2個目の外ケー。もちろん、もう1個喰いたいってのもあるのだが、何より陽の光を受けて堂々と輝くこのモンブランをどうしても撮影したくなったから。念願のモンブランととことん付き合う事ができて、実にハッピーな秋の一日。
【まとめ】
このモンブラン、パティシエ川村氏の個性が全開だ。例えば「高級」という尺度だと、高級な味わいで、これより唸るモンブランは確かにある。しかし、この一個の、その男性的な荒々しさをも感じさせるアピアランス、一方で端正に仕上げられたディティールは、魅せるモンブランとして圧倒的な存在感。そして、その意表を付く味わいは、食べ手を驚かす個性に溢れている。「個性」という尺度でオンリーワンでありたい事を主張する、その押し出しの強さには、ちょっと比類できる相手が見つからない。