「ミミック」「ブレイド2」で知られるギレルモ・デル・トロ監督作品。
ダーク・ファンタジーというふれこみで、いったいどんな作品だろうと思ってみてみた。ファンタジーなのにダーク? みながら、なるほどと納得。相当に、ダークサイドなところにおりていく感じ。
今までいたファンタジー系の映画のどのパターンにも当てはまらない。少女が大人になっていくイニシエーションの物語でもなければ、現実から逃避することへの警告でもない。
どういったらいいのか、ファンタジーと現実の重みが等価なのだ。
主人公にとって、ファンタジー世界は、居心地のよい逃避場所ではない。ある意味、現実よりも厳しい試練を科してくる場所だ。では現実はどうか? スペイン内戦における恐るべき殺戮の嵐が吹き荒れ、ファナティックな義父からは精神的にも追いつめられていく。ある意味、ファンタジー以上に、恐るべき魔物の巣窟だ。
いったいどちらがファンタジーなのか? そしてどちらがリアルな世界なのか? たぶん解釈はみている側に科せられているような気がする。
たぶん、監督は、こんな作品をずっと作りたかったのだろう。そういう思いがにじみでている映画だ。決して、見易い映画ではない。おそましいばかりの粘液性、造形のグロテスクさ、肉体が切り刻まれる痛み・・・ちょっと目をそむけたくなる映像表現もかなりある・・・しかし、それでしか表現できない何かがある。
オフェリアのたどった旅は、いったい、自分にって何を意味するのだろうか? じっくり考えてみたい。