2回
2025/08 訪問
「ただいま〜」と言いたくなる、地方の老舗
カウンター8席で、高齢の女性お一人で切り盛りしているお店だ。なんでも佐伯市で最も長い歴史を持つラーメン店らしいが、私のような初めて来店した客でも、常連さんと区別せず対応してくれて、まるで故郷の馴染み店にでも入ったような気持ちになった。
店主が1人で切り盛りする古参のお店って情報から、常連以外には淡々と対応する勝手なイメージを持っていたのだが、実際はその逆で、親しみと温かみのあるやり取りが、店主のおばぁちゃんと客の間で成立されていた。そこに常連客と一見客との垣根は無く、初めて来たにも関わらず「ただいま〜」と言いたくなった、そんなお店だ。
ラーメンの味は、佐伯ラーメンにカテゴライズされるのだろうが、他の佐伯ラーメンより塩気が強いってワケではない。おそらく佐伯ラーメンの定義が固まるよりも、ココ天津が先にラーメンを提供していたであろうから、寧ろこの味や形が佐伯ラーメンが形成される雛型の一つになったのではないだろうか?
作りは店主の(敢えて親しみを込めて)おばぁちゃんの人柄が滲み出るように、丁寧な作りだ。
ただ濃いダケではなく、かと言ってアッサリしたワケでもない、飽きの来ない深みのあるスープだ。
それでいて、一番高額のチャーシュー麺ですら、値段は800円。普通のラーメンに至っては驚きの500円だ。(大盛りは全種+100円)
これだけ丁寧に作られたラーメンなら、もうちょっと値段が高くても全然不満は無い。これでも値上がりはしてるみたいだが、このクオリティの前では、申し訳ないぐらいのお得感がある。
おばぁちゃん1人でやってるから、水はセルフだし、混んできたら客同士で席を詰め合ったりする必要がある。別にお願いもされてはいないが、食べ終わったらカウンターの上に丼を上げるなど、まぁ客であってもやった方が良いコトはある。
そんなコトを苦痛に感じる方や、健康志向で食を選ぶような方にはお勧めしない。
この家庭的で暖かい雰囲気を一緒に作れる方に、このお店を訪れて欲しいと思う。
さて、私がココ天津のレビューをする前の評価点が3.08である。
レビュー総数が少ない為かは分からないが、この店の高いホスピタリティやラーメンの質とコスパから考えれば、極めて不当な評価と不満を覚える。
メディアに取り上げられ、バズってレビューが増えない限り、地方の小さなお店は不当に低い評価のままだ。
おばぁちゃんが1人でやってるようなお店が、バズって客が殺到するような事態になれば、ソレはソレで深刻な問題になるのだろうが、だったらどうすれば正当な評価を得られるのだろうか?
まぁこうしたお店が、食べログとかのグルメサイトの点数や評価を気にしているとは思えない。そんなモノよりも、目の前の客1人1人を、常連や初見の区別なく暖かく迎える…そういうお店である。
たからこそ、根強い常連客が各世代に渡り続いていて、今も客足が途切れないのだろう。
こういうお店があるから、「食べログの評価基準はおかしい」と、自信を持って主張出来るのだ。
チャーシュー麺800円(大盛り+100円)
麺は柔らかだが、コシはちゃんとある。
何を材料にしてるかは分からないが、雑味もなく深みのある味わいからは、丁寧にスープの仕込みがされてると感じる
チャーシューもスープと同じように、丁寧に作られてる。
2025/08/31 更新
前回初訪問の時に、隣の方が食べていたバターラーメンが凄く美味そうに思えて、次回はぜったいコレにしよう…と決めていた今回の訪問である。
開店の5分ぐらい前に到着するも、店の駐車場は既に埋まっていて、隣の広大な市営駐車場も近くで地域の催しが行われていた為に、空車スペース待ちとなり、そうこうしてるうちに開店となった。
先客は5人ほど居たか、運良く待たずにカウンター席に座れた。直後すぐさま満席となり、並ぶ人も出てきた。
そんな風には見えないのだが「身体の調子が悪くてねぇ、ちょっと時間かかるけど大丈夫?」と、お店を1人で切り盛りしてる高齢の女性店主。その笑顔からはキツそうなカンジは全くしないのだが、どうやら手の調子が悪いようだ。
私事で恐縮だが、ばね指(腱鞘炎)持ちの自分からすれば、痛みや強張りがある中で笑顔の接客が出来るダケで頭が下がる思いだ。
決めていた通り、バターラーメンの大盛りを注文。「バターラーメンは肉入ってないけどイイ?」と、丁寧に確認してくれる。
私はまだ2回目の訪問で、残念ながら顔馴染みの常連ではない。常連ではないからこそ、わざわざ確認を込めて訊いてくれたのだろう。この心配りが心地よいのだ。
前回の初訪問で、故郷の馴染みの店に来たかのような雰囲気…と書いたのだが、懐かしいのは雰囲気だけではなく、亡くなられたご主人が修行したのが宮崎県の青島(チンタオ)というラーメン店だったらしい。
道理で、加水率高めの中細麺や、博多ラーメンや久留米ラーメン程に濃厚ではないが味わいの深い豚骨スープなど、私が幼少から慣れ親しんだ宮崎ラーメンとの共通する点があるワケだ。
漁港や港湾での従事者のニーズに応え、塩気の強い濃厚なラーメンとして、独自性を伴って出来た佐伯ラーメン。以降、他地方と交わるコトの無いガラパゴス的進化を果たして今に至る…と思っていたが、佐伯ラーメンの源流と言われる天津にもやはりルーツがあって、ソレが遠く離れた自分の故郷とも繋がっているのを知ったら、より一層天津への思い入れが強くなった。
まだまだこの店の、暖かい雰囲気に身を置いていたいが、並んで待っている方々の為にも、食べ終わり速やかに席を立つ。
(バターラーメン)どうだった?と訊かれ、「前回隣の人が食べてるのを見て美味そうに思ってたんですけど、期待してた通りに満足でした。ごちそうさまでした」と、笑顔で店を出た。
また食べに来ます。お身体を大事にされて下さいね。