昔、今で言うセントラルキッチンで出来合いのソースで作られた大手チェーンないしフランチャイズの洋食を食うと、子供ながらにやるせない気持ちになったけれど、そのうち慣れて、これは「出来合いの味」というカテゴリであって、うまいまずいを語るモンじゃないと意識するようになった。
その後、ひとり暮らしを始め、カップラーメンやスタンドカレー、立って食うそば、吉野家の牛丼やファミレスのハンバーグなんかも、「このカテゴリ」と決めつけ、良いも悪いもなく食い続けていたが、最近、ふと気がつくと、これら「出来合いの味」以外の味わいを、街中に見出すことが却って難しくなっているのに、ちと狼狽えている。
高校時代の夏休み(40年も前の話です)亡父の出張に「小判鮫」で、初めてアメリカに行った時、昼夜とこの「出来合いの味」にヤラれ、アメちゃんって雑だね、と思ったものだが、いつの間にやら「こっち側」もそーなっていたのだなぁ、と、改めて感じる訳です。
「出来合いの味」が分かりにくいという方、ぜひ竹橋パレスサイドビルの中にある「カレーの店
タカサゴ」でカツ・スパゲッティをお試しいただきたい。
アレがアタシの子供時代、なんとかパーラーとかで大いに流行った「出来合い」の原点。つまり
MCC業務用ソース缶のあじ。