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マティニランチとは我ながら1950年代の習俗だが、この日はこの行事だけと腹を決めてしまえば、甘露なる事この上なし!
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おとおす。メバチにナスですから「こちら側」に傾きそうになるところを、キチンとフランス料理に仕上げてくる、というのは安直な言葉選びだが「思想の強靭さ」というしかない。
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#食べログ的に撮るとこうなる。賽の目のおさかなとアルトラ・スムーズなナスのペイストによる食感の妙。
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栗のロワイヤルに玉ねぎのヴルーテ。「舐めもの」のようなスープ。
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#食べログ的に撮るとこうなる。ザラリとした見た目を裏切り、舌触りは別珍のよう。栗の風味、玉ねぎの甘みと旨味で素直に舌が悦び、思わず一合点けて貰いたくなったのはヒミツだ!
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雷鳥帝国ホテル風。荒く叩いた雷鳥にフォアグラをカマせ、内蔵なども加え、ここに濃厚なソースが掛かる。
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#食べログ的に撮るとこうなる。家禽とは明らかに異なる歯応え、苦味とほのかな酸味の奥からグッと浮かび上がる圧倒的な生命力。コレに向き合うソースの芳醇。補完というより「高め合い」重層に広がる旨さ。
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ズーチー盛り。
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牛乳由来のものを選んでもらう。モンドールは出始めの初々しさたが、他の寝かせ具合は万全。グラスに残ったピノ・ノワールと共にジンワリ…と脳幹から背中に広がる充実、余韻を大いに楽しむ。
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オチャウケビンボー!
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甘いの。
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ドレスコード:店の規定通り「男性のお客さまにはジャケットの着用をお願いしております。」
...という付帯条件がつく午餐へのお誘い。
上衣を着なさい、という事は、周囲に溶け込み、悪目立ちしない、いわばタウンウエアたるアンサンブルの無地暗色(≠暗黒醤油)背広に白無地シャツ、無地ないし古典的柄のネクタイを締め、足元は紐付き革底、またはそれに準ずる黒オクスフォード・シューズを履いていることが望ましい
...なる服装作法がプロトコルとして採用、つまり「イイトコの子」の恰好で、それにふさわしい所作を用い、宴に臨め、というナゾである事は、道理であり、社会通念であり、ワールド・ヴァリュー(世界基準©副島隆彦)である事、いうを待たぬ。
これを堅苦しいと考えるか、決まり事だからラクチンと考えるか、或いは、決まったルールの中でどのように面白がって遊ぶか、と腕まくりするか、というのは、受け取る側の思想、信条、生活習慣、社会との距離感、これまで修養してきたDiscipline(敢えて和訳せず)、のそれぞれ、ないし、複数の事象によってさまざまであるが、お声がけを頂戴したのが、なによりも「例の」大旦那、という前提にたてば、まあ、どう振舞うべきかは、自然、「見えてくる」
はいはい喜んで。他の用事? ンなもんぶっ飛ばし、いぇこっちの話で万難を排し参上いたします!
...くだんのプロトコルに「あんまり」調和していないウワついた返信をする。
迎えた当日。
ワードローブからチャコールグレー・ナチュラル・ショールダァ三つ釦中ひとつ掛け、サイドベントのジャケットに、共生地のワンプリーツ・カフスつきトラウザーズを引っ張り出し、ブロードに見えるがじつはやや厚めのピンポイント・オクスフォード・スプレッド襟つき白無地シャツの上にこれらを着け、口の悪い友達からは「ミョーバンの効きすぎたナス漬みたい」と悪評を得がちだが、落ち着いた色合いの(と、独断している)無地ネクタイをエスカイアに結び、前の晩に磨いておいたストレイト・チップを履き、紐を結び、現場に向かう。
ズボンと靴に隠れた湯に六(仮 の靴下、そして顔の造作、内からにじみ出てくる吝嗇と無教養については、即席では対処できないから、無視する。 #いんだよ細けえ事は!
ホテルわきの、たまに出入りする酒場へ直行できる階段のついた入口から足を踏み入れ、酒場を横目にこちらの店の前に至り、一度通り過ぎ、タメネン場所を確認し、宴会場入り口ちかくのクロークに荷物を預け、改めて店先に至り、受付氏に、o...さまのお席へ、
...と声をかけたところ、大旦那をはじめとしたお歴々は隣のウェイティング・ルームにすでに到着済み。
みなさまプロトコルに準拠しつつ、ごじしんの、やや大げさに申せば「人生観」があらわれた身なり、佇まいを呈していて、
あ、ヘンなカッコしてこなくって良かったナ
と、腹の中でホッとしつつも、教養に溢れた紳士諸兄とのこれからの食事が間違いなく愉しくなる事が、容易に予想でき、うれしくなる。
ダイニングを経由して落ち着いた個室に移る。
初手の飲み物が尋ねられ、お二人は昼らしくエレガントにシャンペーン、ホストの大旦那はスプリツァ、ときているところで、
MSSBさんはいつもの?
と、大旦那のいたずらっぽい瞳に促され、これに甘えてマティニを頼んでしまう自らの軽薄さには、呆れないでもないが、ノボセ症の「わんぱく坊主」ぶりが、この席でわたくしには求められている役割な「ような気がし」てチョーシこき
あー、オリーブなし、レモンピールはトゥイストして入れちゃってください(やだねぇ、イキがっちゃって、さ。はは)
その後、粛々とつづく会食の中、給仕氏や酒匠諸君による過不足ない料理や酒の説明、こちらを愉しませ、同時に、わたくしどもの会話を割るような事はせず、それでいて適切な接待ぶりには、同じ人を相手にする商売人としては舌を巻き、感服するばかり。
具体的な御菜、ならびに御菜の詳細は、別掲のシャシンないしシャシンのコメント欄に当たっていただくとして、普段の「徳利と猪口」「箸袋入り割り箸」を、「大ぶりなボウルを持つワイングラス」「クリストフル業務用ステンレス鋼カトラリ」に持ち替えた、この方面の食事につきシロートなるだしな門外漢として唯一感じた事は、こちらの料理、なかんずく主菜にとった野禽は、「ニオイ消し」「磨く」という「誰の口にも合う」ための消極的な割烹を採用せず、ケダモノ(同伴した方のことじゃありません)のクセを「持ち味」としてとらえ、あえて殺さず、刀工と他の素材との組み合わせ、加熱により「存在そのもの」をより旨くし、更にここに添える、これも濃厚なソースのちからで「補完」するのではなく、重層的に出来栄えを高めている
...らしい、という点。
例えば本邦の「御狩場焼き」「炉端焼き」などの場合、磨いて雑味を排した素材の性質(たち)と塩、そして直火焼きの加熱で「いいとこどり」する旨さであり、これはこれで佳いものであるが、明らかにアプローチが異なる。
ご案内のようにもともとこの類の割烹に縁が薄いところにもってきて、イマドキな、昨今の(磨いて歩留まりを落とし)素材の良さを前面に出してくる西欧料理を食っている限りでは感じる事の「あんまり」ない、
素材まるごととソースで構築するのがキュイジーヌ・フランセなンだゼ!
というコック長氏のココロモチと手腕の一端を垣間見たようで、後頭部をドン! とやられたような「衝撃」と、ああ、いい食事したな、ここでまた、食いたいな、という「憧憬」が同時に浮かんでは消えない、事もない。
大旦那に感謝。