上海では店回りと御挨拶、仕入先の工場視察、百貨店の日本フェアで実演販売と結構タフに動き回り、ようやく上海浦東空港にたどりつき、成田行きの飛行機に乗り込む。
キャリアは又…あのエアチャイナ。一応C席。
ふぅ、疲れた。あ、小姐、じゃなくって服務(ふえん)、シャンペーンあります? あ、ある。じゃあお願い…って又、壜をもってこないでギャレーで注いできたよ。ホントにこれ、シャンペーンなのかねえ? フツーのバンムスーだったりして。いや、もしかすると、スペンサーの小説に出てきたアメリカ製「グレート・ウェスタン・シャンペーン」かも…ま、いいか。どうせオレの舌じゃ気にならないし、よく冷えてるし。
えっと、つぎは食事? 何、チキンかさかなか選べ? ほぅ先回と違って今度は「量で勝負」じゃないんだな。じゃチキンでお願い。
…って、ああ! これ器と付け合わせが変わっただけで、こないだの崇明島風味? の鶏の旨煮とまったく一緒じゃねーか! それしにても…食べラさんの画像処理をどんなに駆使しても、おおよそウマソーに見えな…いやなんでもないよ。うん、シャンペーン、もう一杯もってきて。
はあ…見た目もそうだけど、口に入れれば入れたでやっぱりあの味とあのニオイだよ。んーなんだか筍もアクが抜けてなくってシブ…いや素材本来の味が発揮されているなあ。
うう、なんで朝の便なのに生野菜の端っこがシナび…いやなんでもない。きっと保存料を使ってない天然素材なんだろう。
え? シャンペーン? ああ、もーどーでもいいからじゃんじゃん持ってきて!
鼻ぁつまんで、流し込まなきゃ、とってもじゃないけど…コンチクショーッ!