mutsumutsu7さんが投稿した緑山 松田家(東京/鶴川)の口コミ詳細

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緑山 松田家鶴川、柿生、こどもの国/フレンチ

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2018/08 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

我が家のようでいて我が家ではない、非日常の素敵な場所

素敵な空間の中でまるでプライベートな時間のように美味しい料理を楽しんだ、そんな素敵なひと時がそこにはありました。
そんな体験を、ここで伝えたいと思います。

東京とはいえ多摩丘陵が続く、少しのどかな緑が多い住宅街。
辺りにはスーパーはおろかコンビニさえ見当たらない、静かな場所。
そんな中、本当にこの辺りにお目当てのレストランがあるのか、と心配しながら立派な一軒家が整然と並ぶ住宅地の静かな道を慎重に一軒一軒確認しながら車を進めると、「遠藤」と書かれた表札を見つけました。「ここだ」と安どして車を降りて確認すると、食べログの写真で見た場所に間違いないと確信して1台しかない駐車場に車を止めました。

少し大きめの普通の一軒家。
表札はあるけど、看板も暖簾も出ていません。ここがレストランであるとは、外観からは想像がつきません。
まるで知り合いの家に尋ねたかのように、呼び鈴を鳴らすと、ご主人が出てきて中に招き入れてくれます。玄関に入って中を見渡しても、建物の中も普通の住宅のようです。
ただよく見ると、玄関の先にガラス張りの小さな中庭があり、そこに丸く並べた瓦の上には野菜の置物が、ここがレストランであることを認識させてくれます。

玄関の右手にある大きめのダイニングキッチンに私達の席が用意されていて、そこに着席した時から素敵な時間は始まりました。

この日は少し早いカミさんとの結婚記念日のお祝い。
ご主人には特に告げていませんでしたが、一日に二組まで受けるランチに、この日は他のお客はなく、ダイニングキッチンはまさに私達だけの空間となりました。

静かな住宅街で私たち二人とシェフ。そんなプライベートな空間に聞こえるのはダイニングに備え付けられたステレオシステムのスピーカーから流れる静かな音楽だけ。
日頃のせわしい時間を忘れる、とても贅沢な時間と空間。
ご主人がこの日のメニューを静かに語り、日頃は私もカミさんもアルコールはたしなまず、この日も車の運転があるので、もちろんアルコールはダメですが、この流れる時間がお祝いの日に何も無しというのは、という気分にさせてノンアルコールワインを二人でチョイス。赤と白と一つづつ。

初めて見る、わざと傾いて不安定に揺れるワイングラスに注がれた液体がゆらゆらと揺れて、よく晴れたこの日の木漏れ日を受けて輝いています。

そして、ここから始まった、素敵な料理の数々。
ご主人は、まるで自宅に来た友人をもてなすように私たちのすぐ脇のキッチンで料理を振る舞います。

この日のメニューは

 魚介とひよこ豆のサラダ 半熟卵を添えて
 山梨と愛知の畑から季節の野菜の盛り合わせ
 魚介のポワレ スーブドポワッソンと共に
 スペイン産赤豚の肩ロース ブルーベリーソースと共に
 桃のコンポート マラスキーノ風味のグラニステと共に
 コーヒー又は紅茶
 
一つめの前菜は、緑のソースに絡められた魚介サラダの上に、白いフワフワの半熟卵がサラダに覆い被さるように乗っています。
一目見ただけでは、白いメレンゲが乗っかっているように見えます。
その卵にナイフを静かに入れて柔らかな感触を実感すると、中からオレンジ色に光る半熟の黄身が見えます。
少し塩味が買った柔らかな半熟卵はとても美味しいです。
その下の魚介のサラダは、海老やサーモンなどの魚介に茄子やズッキーニなどの夏野菜とひよこ豆が混ざり、季節を感じられます。
緑色の複雑な味わいのソースがとても美味しいです。
薄いブラウン色のライ麦パンにこのソースを付けて、ソースを余すことなく、頂きました。

二つ目の前菜は、まるで薄い氷のようなお皿に盛りつけられた見た目も涼しい、小さな野菜のオールスター。
20種類近い小さな野菜が丸い氷のお皿に合わせて、丸く円を描くように盛り付けられています。
外側の野菜は一つ一つの野菜が瑞々しく、内側の野菜には揚げてあるものもありますが味付けは最小限で、それぞれの野菜そのものの味を堪能する楽しさがあります。
少しづつの野菜を沢山の種類で楽しむ、贅沢な一品です。

魚料理は、深いオレンジ色の中にマヨネーズベースだという白いアクセントが特徴的なスープに真っ白な烏賊がとても映えています。
このスープが濃厚なブイヤベースのようでとても美味しく、最後までしっかりスプーンですくって味わいました。

肉料理は、低温調理でピンクに輝く豚肉が柔らかく、しっかりと感じられる肉の味わいはそのまま食べても美味しいですが、甘いブルーベリーソースに絡めるとさらに旨味が増してとても美味しいです。
肉の下に添えられたマッシュポテトは非常になめらかで、このマッシュポテトにブルーベリーソースを絡めて食べてもとてもも美味しいです。
残ったブルーベリーソースをライ麦パンに付けて食べると、ブルーベリージャムのパンを食べているような感覚。このソースで二度美味しさを味わいました。

デザートは、つめたく冷やした桃のコンポートの下に、マラスキーノが掛けられたかき氷です。
桃はとても大きく食べ応えがありました。
マラスキーノの薄い紫がかった色合いがかき氷を涼しげに見せて、正に夏のデザートという季節感を感じる一品でした。

この数々の素敵な料理を、私達は私たちとご主人しかいないこの空間で、我が家での食事のようでいて我が家ではない非日常の空間を時を忘れて楽しみました。

こんな空間と時間は、名立たる高級店でも味わえないのではないかと思います。
そんな素敵な場所がここにはありました。
お陰で素敵な記念日となりました。

また次の記念日には必ずお伺いしたいと思います。
まるで友人のお宅に訪れるように。
ごちそうさまでした。

2018/08/12 更新

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