ねこのこ全国ぐるめさんが投稿したristorante DONO(京都/東山)の口コミ詳細

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ねこのこ

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ristorante DONO東山、蹴上、三条京阪/イタリアン、オーガニック、イノベーティブ

1

  • 夜の点数:4.8

      • 料理・味 4.5
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2024/09 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク5.0

野菜の価値を最大限に、借景に頼らない技術

平安神宮の大鳥居が望める最高立地にあるのは、京都食材と旬野菜を生かしたシェフ・中東俊文氏のイタリアン。窓を生かした内装ではあるものの借景に引けを取らない渾身の料理がいただける。

中東俊文氏の父は京都銀閣寺の「草喰 なかひがし」、従兄は京都花背の「美山荘」を営む。やはり育ちから美食というものが身近にあったのだろうか。

18歳ですでに単身でイタリアに渡り、トスカーナのミシュラン二つ星に就職。その後、イタリアのミシュラン一つ星、パリのミシュラン三つ星で研鑽を積む。帰国してからは京都にて料理長の経験、現在は東京・西麻布のカウンターにも現れる。経歴を見れば”異彩を放つ”という言葉が似合う料理人だと私は思う。

才能性という言葉では片付けたくない、圧巻のノウハウがひと品ひと品に詰まっている。人生初リストランテ訪問の私にも伝わるものがあった。素人目の感想だが訪れる方の参考になれれば。

◉カルタダムジカ
テーブルセットの時点で置かれているパリパリのパン。恥ずかしながら食べ方が分からず尋ねると「楽譜」という意味で、1番最初にいただくものだという。お野菜が埋め込まれているのは「今日はお野菜を提供しますよ」の意だそう。初めてのことだったもので帰って検索するも、詳しいことは出てこなかった、そりゃ分からないわけだ(笑)ちなみにパーネ・カラザウとも言うらしい。

◉茄子
原木椎茸のようなデザインだが、これは茄子。茄子をカカオの生地でまとわせアメリカンフリットで仕上げたもの。自然の恵みを最大限感じさせるビジュアルだ。見た目できのこだと思えば思うほど、茄子であることの感動は大きく感じられる。

◉万願寺唐辛子
この美しいオレンジの見た目からは唐辛子を感じさせない。雲丹のようにも見えるがここは野菜を生かした料理が専門。サワークリームで巻いてムース状になっているので、爽やかな味わいの中にほんのり唐辛子の存在も感じられる。

◉黄瓜
皮を剥きタネを除いた黄瓜は一見、大根のようだがこちらも予想とは反する食感と味わい。剥いた皮は揚げ手前に置かれている。胡麻と白味噌のソースは強そうで勝ちすぎない、むしろ野菜を引き立てる存在。

◉花びら茸
野生からこんなふっくらした花びら茸が取れるのか、凄いや、食材ひとつにとっても世界は広いようだ。ここで登場するのは猪で作ったバーコンと自家製ヨーグルトのソース。意外な組み合わせに驚かされる。なんだか森の中にいるようだ。

◉松茸
軸部分は冬瓜と一緒に炊いてある。リゾットと和えることでより旨みを深める工夫が為されている。こちらからわざわざ香りを嗅ぎに行くまでもなく、芳醇な香りが一瞬にして空間に立ち込める。松茸の香りに癒されるディナーはなんと贅沢なものか。

◉とんび舞茸
こちらの舞茸も野生。今度は食感の訴えも聴こえてくるし、タリアテッレのソースも肉肉らしい。力強い味わいの組み合わせを楽譜に起こせば、フォルテシモが登場するシーンに違いない。

◉鮎
鮎が最後の季節になった。この季節の鮎を釣り上げたときは何故だかスイカの香りがするんだそう。「何故ですかねぇ?」「いやぁ、もしかしたら食べているのかもしれません」と中東シェフの茶目っ気回答にほっこり。

◉鹿肉
大原で育った鹿を薪で焼いたもの。全力の赤身肉で当然臭みはなく新鮮な弾力。ソースにはブルーベリーを。豆ひと粒でさえ壮大な香り、瑞々しさを感じられるヤングコーン、インゲンからも草原のイメージだ。五感の刺激により、脳内では大自然が描かれる。

この後のスイーツは、今の席を離れ敢えてカウンターで。まるでシーンを変えるような仕掛け。実はコースの中には物語が隠れていたのかもしれない。

◉すもも(アバンデゼール)
すももの甘さを生かしつつ、さっぱり口当たりのセミフレッド。紫蘇のグラニテはちょっとしたスパイスで、口の中を整理してくれる。

◉ロゼワインわらびもち、シャインマスカット2種、きなこのブラマンジェ
甘すぎない上品なわらびもち。シャインマスカットも食べられるなんて。このひと皿に使用のハーブは2種類。ハーブでさえ油断ならない。

◉焼きたてフィナンシェ、ブルッティマブオーニ、シュー生地の中にレモンのマシュマロ
中東さんちょっと待って、あなた洋菓子もイケるタチなの?って思わず笑ってしまう。こんなのそこらの洋菓子店も歯が立たないよ〜。もはや脅威(笑)

最後は呼吸を整えるハーブティーでフェードアウト。実はワインのペアリングもかなり面白いもので、語り出すと2,000文字を超えてしまうので今回はパスで(笑)

平安神宮が近いので両家ご挨拶や結婚記念日などのハレの日にはもちろん、頑張った自分へのご褒美にでも訪れてほしい。野菜にここまで尽くす人間には初めて出会った。ぜひ、稀有な経歴をお持ちの中東氏との会話も含め楽しんでほしい。

2024/09/20 更新

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