3回
2025/09 訪問
箱根の山間に佇む、静謐な酒の隠れ家
台風一過の箱根は、湿気を帯びつつも涼やかな風が心地よく吹き抜ける一日でした。
そんな中、岡田美術館近くに位置するこのバーホテルは、喧騒から離れた大人のためのオアシスです。
クラブラウンジの華やかな雰囲気も魅力的ですが、ゆったりと酒を味わうなら、このバーの落ち着いた空間が格別だと感じます。
カウンターに腰を下ろし、まずは地元のクラフトジンをオーダー。
箱根の自然を思わせるハーブの香りが、グラスの中で静かに花開きます。
バーテンダーの丁寧な所作と、酒にまつわる軽やかな会話が、時間を忘れさせるひとときを演出。
窓の外に広がる箱根の山々を眺めながら、季節のフルーツを使ったカクテルや厳選されたウイスキーを味わうのは、旅の疲れを癒す至福の体験です。
この店の魅力は、洗練されたドリンクだけでなく、細やかなホスピタリティにもあります。
スタッフのさりげない気遣いが、訪れる者を特別なゲストとして迎え入れてくれるのです。
次回は正月の箱根駅伝を楽しみつつ、冷えた空気の中で温かな一杯を求めて再訪したいと思います。
このバーは、箱根の旅に深い余韻を残してくれることでしょう。
2025/09/06 更新
箱根の深淵なる森の中で迎える新年において、これ以上の贅沢な選択肢は存在しないでしょう。
元旦からの二泊三日、私がこの地を訪れた主たる目的は、伝統ある駅伝という名のドラマをその舞台の最前線で目撃することでした。
重力に抗い山を登り、そして疾風のごとく駆け下りるランナーたちの姿は、人間の肉体的限界への挑戦そのものであり、そのひたむきな姿には魂が震えるほどの感動を覚えました。
そして、その熱狂の余韻を静かに反芻するための場所として、バーに泊まるという稀有なコンセプトを掲げたこの宿は完璧な舞台装置を提供してくれました。
チェックインの瞬間から約束されるフリーフロースタイルは、酒を愛する者にとってはまさに楽園であり、時間を忘れて極上の銘酒と向き合う行為は、大人の休日における最高の権利行使と言えます。
暖炉の炎が揺らぐ重厚な空間で、質の高いアルコールに身を委ねる時間は、昼間の興奮を心地よい静寂へと昇華させてくれます。
スタッフの方々の付かず離れずの洗練されたホスピタリティもまた、この宿の格調を高める重要な要素です。
熱い戦いの記憶と冷たい美酒のコントラストに心身共に満たされ、私は早くも春の再訪を心に決めています。
三月の柔らかな風が吹く頃、再びこのカウンターでグラスを傾けることは、私の中で確定した未来なのです。