この口コミは、NishiazabuBoyさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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夜の点数：4.2
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￥15,000～￥19,999 / 1人
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料理・味 4.0
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|サービス 4.5
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|雰囲気 4.5
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 4.5
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［ 料理・味4.0
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| サービス4.5
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| 雰囲気4.5
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク4.5 ］
名もなき名店で、春の兆しにひたる夜
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2025/03/26 更新
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［ 料理・味4.5
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| サービス3.9
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| 雰囲気4.0
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| CP3.5
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| 酒・ドリンク4.0 ］
中目黒最強イタリアン
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2025/03/25 更新
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目黒川のほとり、まだ蕾のままの桜を横目に、ひっそりと佇む「Onda Tokyo」。看板もなく、知らなければ通り過ぎてしまいそうな一軒。しかし足を踏み入れた瞬間、その静けさと気配に心を掴まれる。
オープンから8年。気づけば月一のペースで通い続けている。黒を基調とした空間は、落ち着いていながら、どこか優しい。キッチンカウンター4席、窓側カウンター4席、半個室が2席。今夜はたまたま他にお客様がいなくて、中村シェフの手仕事を目の前でひとり占めできるという、なんとも贅沢なひとときだった。
最初のひと皿は、生ハムを添えた小さなブリオッシュ。
ふわりと焼かれたパンに、薄くスライスされた生ハムがふんわりと重なる。卵とバターの優しい甘さ、そして生ハムの塩味と香りが見事なバランスで、口に入れた瞬間に春の訪れを感じた。
続いて供されたのは、目にも麗しい冷菜のワンプレート。
ガラスのグラスに盛られたつぶ貝のピメント風味から始まり、紅くるり大根と胡瓜を乗せたアジ、サヨリとオレンジのマリネ、金目鯛にシチリア産フェンネルシード、真蛸にライムを搾ったものなど。どのひと口にも、しっかりとした個性と余韻がありながら、決して主張しすぎない。
中央に置かれたブリのカマのタルタルには、ブラックオリーブのパウダー。甘エビにはシチリアのコラトゥーラとニンニクの風味がふわりと香る。ひと皿でまるで小旅行に出たかのような、豊かな海の物語が広がっていた。
その余韻を受け止めるように供されたのは、ズワイガニの身とミソを使った茶碗蒸し。魚のアラから取った出汁が深みを与え、体の芯まで温まるような一品。蟹の甘みと出汁の旨みがじんわりと染み渡る。
ここからは、温菜と炭水化物で構成される満足度の高い終盤戦へ。
菜の花とヤリイカのスパゲッティーニには、自家製のカラスミがふんだんにふりかけられ、春らしい爽やかさとコクが同居する。菜の花のほろ苦さ、イカの甘さ、パスタの塩加減すべてがぴたりと決まり、素材のリズムが舌の上で踊るようだった。
続くリゾットは、新潟産コシヒカリを使ったサフランリゾット。
牛タンの赤ワイン煮と、とろけるようなブッラータチーズが重なり、香り・甘み・旨みの三重奏。お米がしっかりと粒立ち、口の中でふっくらとほどけていく感覚が心地よい。
メインは蝦夷鹿のロースト。
しっとりと火入れされた鹿肉は、赤身の旨みが凝縮されていながらとても柔らかい。キタアカリのマッシュポテトと、契約農家から届いたルッコラのサラダが寄り添い、構成としても非常に洗練されている。
そして最後を飾るデザートは、まるでアートのような一皿。
卵黄入りの濃厚パンナコッタの上に、王道のあまおう苺がたっぷりと。仕上げには、アマゾンから届いた野生カカオを焙煎・粉砕してふりかけ、ラムとキャラメルのソースが香りを添える。甘さと酸味、苦味と香ばしさが口の中で折り重なり、デザートの域を超えた“締めの料理”として心に残る。
この日はボトルワイン1本に、グラスワインを2杯ずつ。会計は2人で38,000円。
このクオリティ、この空間、この体験でこの価格は、まさに“通いたくなる無名の名店”という言葉がぴったりだ。
まだ咲かぬ桜に、少し早かったと笑いながらも、
春は確かにこの皿の上にあった。そんな余韻を胸に、夜の目黒川を歩いて帰る――。
4.5:感動 4.0:お勧めできる 3.5:再訪したい
3.0:普通 2.5:問題点あり