2回
2025/06 訪問
大崎シェフの集大成を銀座で『Ryumi』おまかせコース
2025年4月オープン。
元・ザ・ペニンシュラ東京「ヘイフンテラス」で、日本人初の総料理長を務めた大崎氏が、40年以上の広東料理の経験と還暦を超えた情熱を胸に、銀座で独立開業した『Ryumi』へ伺いました。
店内は、カウンター7席のみのオープンキッチン。料理の臨場感を目の前で楽しめる、まさにプライベートダイニング。シェフと会話を交えながら、目の前で繰り広げられる一皿一皿に、食への探究心と技術が感じられます。
【おまかせコース】
・海月と無花果
コリコリ食感のクラゲをナツメと紹興酒でマリネ。無花果の優しい甘みが静かに広がります。
・蝦夷鮑と花山椒
やわらかく蒸された蝦夷鮑に、香る花山椒。豆腐クリームがまろやかに包み込む逸品。
・島根県産アオリイカ 雲丹 八珍甜醋
甘みのある黒酢「八珍甜醋」でマリネされたアオリイカに、濃厚な雲丹。深みある味わいです。
・和歌山産 足赤海老と桜海老
ぷりぷりの足赤海老に桜海老の香ばしさを重ねて。海の恵みを感じる一皿。
・キビ丸豚&近江鴨
沖縄のキビ丸豚と、滋賀の近江鴨。ズッキーニのクミン風味を添えて、肉の旨みが際立ちます。
・看板スープ
吉切鮫、衣笠茸、干し貝柱、天白椎茸。素材の旨みが凝縮された、店の真髄とも言える蒸しスープ。
・三陸産 乾鮑と北海道産ナマコ
旨みが詰まった乾鮑と、プルンとしたナマコの組み合わせが贅沢。
・鹿児島産 虎魚(オコゼ) 熱陳皮
虎魚の繊細な白身に熟成陳皮の香りを添えて。骨から取った出汁が絶品。
・芥蘭(かいらん)と熟成大蒜
シャキッとした歯ごたえの芥蘭を、コクのある熟成にんにくで炒めたシンプルながら力強い一皿。
XO醬冬瓜 金華腿 上海麺
冬瓜にXO醤と金華ハムの旨みが染み、麺に絡む味わいがたまりません。
・開心湯丸
ピスタチオの白玉にマンゴーソース。とろけるような食感とプーアール茶で〆。
・苺アイスと桃の樹液
芳醇な苺アイスに、希少な桃の樹液を添えて。
【ドリンク】
・アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール・ジー
洗練された果実味と膨らみのあるシャンパーニュ。
・マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー 2017
名門の技が光る、エレガントな赤ワイン。
・満寿泉 純米大吟醸 樽熟成
華やかな吟醸香と奥行きのある味わい。日本酒好きにはたまらない一本。
お酒が苦手な方にはティースパークリングやノンアルもあり、誰でも楽しめる心遣いも嬉しいです。
『Ryumi』は、広東料理の枠を超えた、新たな美食体験ができる特別なお店。
一皿ごとに大崎シェフの哲学と技が込められ、銀座で記憶に残るひとときを過ごせました。
特別な日のディナーや、本格中華を超えた料理を求める方におすすめです。
Ryumi
東京都中央区銀座1-20-8
吉澤銀座一丁目ビル 6F
03-5915-4761
2025/07/08 更新
銀座の喧騒から一歩入ったビルの6階に、ひっそりと佇む『Ryumi』。
店内に足を踏み入れると、わずか7席のカウンターが整然と並ぶ、静謐な空間が広がっていました。
ここは、ザ・ペニンシュラ東京「ヘイフンテラス」で日本人初のエグゼクティブシェフを務めたオーナーシェフが開いた、完全予約制の広東料理店。40年にわたり磨き上げられた技と、厳選された旬の食材が織りなす“おまかせコース”は、一皿ごとに感動が宿ります。
まず運ばれてきたのは、前菜三品。
大連のクラゲ・金柑甘露煮・数の子は、ぷるりとしたクラゲに、甘酸っぱい金柑、そして梅干しや棗でマリネされた数の子の奥深い味わい。
続いて、牡丹海老と菜の花の一皿。胡麻と山椒が香る海老の濃厚な甘みを、菜の花のほろ苦さがキリリと引き締めます。
さらに、最上牛の煮こごりは、出汁の透明感と牛の旨みが美味。
季節の訪れを感じさせる、対馬穴子と聖護院大根の大根餅とタラの芽を巻いた春巻きは、カリッとした皮の中に、ねっとりと濃密な旨みが閉じ込められています。
印象的だったのは、沖縄県産キビ丸豚。高温で焼き上げられた豚は、外は香ばしく、中は驚くほどやわらか。甘みのある脂がじんわり広がり、スナップエンドウの瑞々しさが良いアクセントに。
そして、『Ryumi』の真骨頂とも言えるのが、蝦夷鮑、吉切鮫、干し貝柱などを用いた蒸しスープ。
乾物の旨みが丁寧に引き出されていて、香りとコクが幾重にも重なる滋味深い一杯でした。
さらに、ほどよい脂としっとりとしたやわらかい鵪鶉(うずら)や辛味・甘味・酸味・旨味が折り重なった滋味醤の車海老、上品な旨み虎河豚、大船渡の真牡蠣の発酵玄米と、次々と登場する料理には、シェフの食材への敬意と探求心が感じられ、ただ“美味しい”では言い表せない奥行きがあります。
ピスタチオの白玉団子には、くるみやいちじく、ピーナッツが忍ばされており、香ばしさと自然な甘みが余韻として残る、まさに“大人の甘味”。なめらかでクリーミーな苺アイスと香ばしい生地に、卵のコクと優しい甘さが印象的な香港式エッグタルトも素晴らしかったです。
ドリンクは、ロココビールで乾杯。華やかな香りと軽やかな口当たりが心地よく、料理の風味を引き立てました。
中盤には、黒酢ソーダを。香港産の黒酢がもつまろやかな甘みに、炭酸のキレが加わって、口の中を爽やかにリセット。食中のアクセントにぴったりの一杯でした。
そして、紹興酒のイメージを覆すような一杯が夏三酒。2019年仕込みのものをワイングラスで提供するというスタイルも新鮮。
軽やかな香りと澄んだ味わいが広がり、食後にかけてゆったりと余韻を楽しむのに最適でした。
カウンター越しにシェフとの会話を楽しみながら、ひと皿ごとに物語が展開されていくような時間。
この静かな7席の舞台で、広東料理の可能性を新たに感じることができました。
大切な人との記念日や、心を整えたい夜に。
『Ryumi』は、ただ「食べる」だけでは終わらない、記憶に残る体験を与えてくれる特別なお店です。