1回
2021/03 訪問
【島原半島と有明海の恵みを存分に味わう、至福のイノベーティブ】素材そのものを活かしつつ、そこに絶妙な香りを加える料理の数々に感動。
2025/09/08 更新
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長崎市内から車で約1時間程
島原半島北部の雲仙市国見町
農道の中にひっそりと佇む一軒家のレストラン
ミシュランガイドでは一つ星を獲得した名店。
島原の水や食材、素材の良さを存分に活かし
イタリアンをベースにした創作料理の数々。
店内は木の温もりを感じるモダンでカジュアルな雰囲気。ゆったりとスペースを取った席配置が嬉しい
今日は10000円コースを注文
ドリンクは4種のワインペアリング
そして、私は一品目でヤラれました。
①烏賊 香
［原木椎茸のフリットと国産ポルチーニのペースト、有明海産のコウイカとフェンネル］
手でパクっと一口…鼻から抜けるフェンネルの香り
そのあとから追いかけてくる、椎茸とコウイカの香り3日間水分を抜いた椎茸は味と香りが凝縮してます。
これを食べただけでこの店に対する期待値が、ぐーーーん！と爆上がり。
②生魚 麹
［有明海産や真鯛のマリネを雲仙赤紫大根で包み、豆腐とじゃがいも麹のエスプーマにニラオイルとドライトマト］
ほんのりと香るニラオイルが心地よく豆腐とじゃがいものエスプーマが、マリネの酸味を中和し絶妙なバランス。
③魚 自家製海老醤
［有明海産の真鯛と白菜を、三年熟成の自家製海老醤と豚の網脂で包みフリット］
三品目が、今回のハイライト。有明産真鯛を白菜と豚の網脂で巻いたフリットに自家製の海老醤と青のり塩で味付け。これが堪らない。
カリっとライトな食感で油っぽさは皆無
自家製海老醤と青のりの香りがふわっと鼻から抜け
遅れてやってくる白菜の独特な甘ったるい香りが最高。白菜というよりカリフラワーのような香り。口の中で真鯛と豚と白菜の香りが広がります。
④牡蠣
［牡蠣紐と里芋のポタージュ、在来米のパンと牡蠣ブルスケッタ］
このポタージュもやばい。牡蠣の紐部分に里芋を合わせたポタージュのトロッとした舌触りの中、牡蠣の香りが… どんぶりでください。もちっとした在来米のパンに、プリっと大ぶりの牡蠣のマリネもとても良い。
⑤極細素麺
［吉岡製麺の極細プレミアム素麺と、有明海産のワタリガニ］
少し硬めに茹で上げた素麺の上に有明海産のワタリガニの卵と身をのせ自家製のオイルと和えたもの。カッペリーニのように冷製パスタ風に素がとても合いますね！
個人的にカニの中でワタリガニが1番うまいと思う。身のしっとり感と繊維の細さが好きですね。
⑥在来米
［朝日米と白エビとクミンの雑炊］
国見町で栽培している在来米にクミンを合わせた雑炊です。まるっとして、歯応えのある在来米をクミンを入れた優しい味に仕上げてます。そこに白エビを合わせているので優しい中にエビの甘みと旨味が感じられます。
⑦パスタ
［自家製フロマージュブランとイリコのラヴィオリ、チーズソースと猪スモーク］
もっちりした食感のラヴィオリにチーズソースと猪スモークの香りがふわっと…濃厚な旨味と香りが口の中に広がります。
⑧口直し
［恋みのり］
国見産いちご、これが美しい。一粒が大きくハリのあるボディのあるルージュのような色合い。
一口かじると水分少なめで酸味の少なく甘味の強い味。こんなに美味しいイチゴは初めてです。知人の農家さんから、その日の予約分だけ毎回いただくそうです。
⑨肉
［長崎和牛のハラミの藁焼き、白菜のソテー添え］
柔らかく歯応えの良いハラミは藁焼きの香りが香ばしく最高。三品目でも登場した白菜のソテーは歯応えと香りがこれまた最高。肉汁と赤ワインのソースは濃すぎず肉そのものの味と香りを邪魔しない。
⑩デザート
［自家製カステラとサワークリーム］
最高のデザートは自家製のしっとりしたカステラを使ったケーキに酸味のあるサワークリームを合わせたもの。そこにキンカンのコンポート。酸味のあるサワークリームと甘さ控えめなカステラケーキがさっぱりしておりコースの〆に良いです。
最後は寺門さんの焙煎珈琲でフィニッシュ。
イタリアンをベースにしつつ和のテイストを取り入れた料理の数々。
この店を漢字一言で表すなら
”香”
素材そのもの活かした優しい味わいに様々な香りをプラスすることで料理全体に強いインパクトと印象を与える。全ての料理美味しかったが特に前半の四品は秀逸。
コース料理を食べ慣れていない人でも美味しいと感動できるような調理をしている点が国見町という立地でも愛される理由ではないのかな…
いやぁ、絶対また来ます。
ごちそうさまでした。