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昼の点数:5.0
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¥20,000~¥29,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 5.0
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|雰囲気 5.0
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|CP -
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味5.0
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| サービス5.0
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| 雰囲気5.0
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| 酒・ドリンク- ]
日本料理を変えた男
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霧の向こう側からやってくる
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湯葉の擂り流し
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名物!?塩昆布で食するお造り
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先代・親方以外は承諾済みなのですが
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2006/05/19 更新
京都・祇園の
見落としそうな路地を入ると
そこには奇跡のような日本料理店「千花」がある・・・・・
こんな文章を目にしたのは、20数年前。
「四季の味」という季刊誌の編集長
森須さんという人の「食べてびっくり」
という、個人的食べ歩きコラム欄だった。
まさか、京都までワザワザ
値段も高そうな京料理を食べに行くわけも無く
しかし「千花」という可憐な店名は
心の奥底にシッカリ刻み込まれていた。
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10年近くの時を経た、ある夜のこと。
僕は浅草の大好きなフランス料理店
「ラ・シェーブル」のカウンターで食事をしながら
田口シェフと話をしていた。
「今度、セミナーで京都行くんですけどねえ」
すると、シェフは
「あ、でしたら千花に行ってみてくださいよ」
「え、千花って!?」
僕の中で、何かがスパークした。
その数ヶ月前だったろうか
「四季の味」の森須編集長が亡くなった事を誌面で知り
当時は、いたくショックを受けていたのだった。
お会いした事は無かったが
食べて、楽しむ事に命を掛ける“先輩”として
尊敬していた方であったし
いつかどこかの店でお会いできる事を期待していた。
(ある意味、追っかけだった僕)
「あ、つながった!」そう感じた。
「イグイグ~(by谷岡ヤスジ)」とは言わなかったが
即座に田口シェフに電話してもらい
翌日の予約を取り付けたのだった。
(やっぱ紹介がないと、入れてもらえないのね)
最初の時はムチャ緊張してた。
料理の味なんか、わかりゃしなかった。
記憶にあるのは、ひたすらに淡い「椀物」
・・・最初は、(え、お湯?)かと思うほどに淡い。
しかし、二口三口するうちに
香りを感じ、味を知り
霧の向こうから姿を現すように。
それともひとつ「湯葉の擂り流し」
・・・猪口の如く小さな珍味鉢にトロトロのスープ。
だがそれは、とてつもなく強烈な味わい。
思わず「お代わり!」と言いたくなるような
インパクトに仰天し、打ちのめされた。
奥の厨房に「日本料理を変えた」と称される
永田さんがいた。
カウンターの中には、永田さんの長男次男が
競うように料理の盛り付けをしていた。
それも、音も無く静かに。
次に行ったのは、2年後。
親方・永田さんの姿は見えず
長男氏が「先代は」と言ったのが印象的だった。
そして、また2年後の2002年。
いつも一緒に行ってくれる佐藤氏、
そして何故か連れて来られた部下2名。
「ご無沙汰してます」と入店すると
「も少し、こまめに来てくださいや」と
長男氏に冷やかされる。
なんだか、少し嬉しかった。
その時、先代・永田氏が鉢巻姿で現れた。
「ほんま、お久しぶりですなあ」
あまりにも、先代はカッコ良かった。
そして帰り際、思わず「写真撮らせてください」
との願いにも、快く応じてくれたのだった。
嬉しくて嬉しくて嬉しくて
木製のフレームに入れて、大切にしていた。
その後も、長男氏の「千花」、次男氏の「千ひろ」に
時々はお邪魔しているが
先代の姿を見たのは、それきりだった。
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そして、つい先日のことだった。
わが茶園に5年越しでようやく
前出の田口シェフ(&3名)一行が茶摘みに来てくれた。
茶摘みを楽しんだ後、ログハウスで一杯飲り
(というか、5人でシャンパン・ワイン3本・焼酎一升瓶等々)
昔話や、10年来の付き合いに爆笑していた
そのとき、シェフが「アレ、この写真」と指をさす。
TVの上に、件の写真が飾ってあった。
「先代は、先月の25日に亡くなったんですよ」
そう、教えてくれた。
「あ、そうだったんですか」とは言ってみたものの
たぶん、僕にとって
凄いショックだったんだろう。
その後も飲み続け、僕と田口氏は
街に出て、いきつけの居酒屋へ行った(ようだ)
断片的には覚えているが、ほとんど不覚。
翌朝、なんだか居酒屋に迷惑をかけたような
居心地の悪さに目覚め
女房にそっと聞いたのだった。
「昨日さあ、アノ店に失礼しちゃったかなあ?」
女房が言った。
「ううん、大丈夫じゃない?でもね
なんか、二人でずっと泣いてたんだって」
そか、そだったのか。
ヤケにまぶたが重いと思ったら。。。。。
永田氏のご冥福をお祈りいたします。
合掌
*料理写真は次男氏の「千ひろ」のものです。
先代が心に掛けておられたので
並べて掲載させていただきました。