6回
2017/12 訪問
至高の食材、至福の味・・・Part4
ぴんころ地蔵君のレビューで店を知って彼と6月に初めて訪問して以来、一か月おきに8月10月12月と半年で4回も岐阜の山奥まで来てしまいました。
何度も繰り返しますが、こちらの店では(私の知る限り)他の店では絶対に味わえない究極のジビエ類を楽しむことができます。初回訪問時、帰るときに食べたい食材と連絡先をノートに書くのですが、サービス精神豊かな清水仙人は美味しい?両生類をしっかりと用意してくれました。
一緒に行った天ちゃんは、鳥が好きだと言ってイチ「バン」二「タシギ」サン「うずら」と唱えていたら、前回のタシギに続いて、何と今回は「バン」を手に入れてくれました。カモ猟の網にかかるそうなので他の店でも手に入れることは不可能ではないと思うのですが、20年通った柳家でも食べたことはなく、私も今回が初体験となります。
「バン」はツル目クイナ科の鳥で、鴨を集めるのに米を撒くと一緒にやって来るそうですが、狩猟鳥の中では一番美味しいと言われるだけのことはあり、肉に独特の甘味があります。とても小さな水掻きがあって水鳥なら鴨とそう味は変わらない気がしますが、鴨、小鴨、カルガモ、オ○ド○、雁、などとは、まったく味も風味も違うのが驚きです。やはりツル系統の鳥はカモ・キジ系の鳥と根本的に味が違うのでしょうか???
昔は天皇や家康が食べたと言う「親玉の方」も是非食べてみたいものです。道東(北海道の東の方)では、厳寒期に電線に引っかかったり車にはねられたりして死んだタ○チ○ウ○ルは、届けずに普通に食べているという話はよく聞くのですが・・・
両生類の方のスープはスパイシーな味がスープに移っていて、名前が付いた理由が何となくわかります。こんな味の(美味しい不思議な)スープは過去に味わったことがありません。同じ両生類のカエルの肉は鶏のささみと似ていて、中華料理で出されても気が付かない人が多いと思いますが、こちらの方は鶏のささみと言うよりは白身魚のような味と食感でした。皮はゼラチン質で、骨は軟骨が多くコリコリと噛んで食べられます。
「瑞浪柳家」の先代にしても、こちら「かたつむり」の清水仙人にしても、この両生類は子供の頃から焚火に放り込んだり串焼きにして食べていたそうですが、二人からそれほど美味いものではないと聞いていました。しかし以前徳島の「虎屋 壺中庵」の岩本さんと、魯山人が書いた美味しい料理法などで大いに盛り上がった際に、この両生類の煮込みはスッポンより美味しいと言う話が出ていたので、清水仙人にその話をしたところサービス精神旺盛な仙人が作ってくれたようです。個体が小さかったので、スッポンのエンペラのように皮を楽しむ訳にはいきませんでしたが、スープの味は本当に独特で、次は大きい奴の煮込みをまた食べてみたくなりました。
岐阜県の中央線沿線では秋から冬にかけて昔から伝統的によく食べる小鳥は、今まで柳家の秘伝のタレ(生姜)醤油味で食べていましたが、今回はシンプルな塩味でこれもとても美味しかったです。
お隣さんは毎月のように来ている(食べログレビュアーらしき)常連さんらしく「鴨の内臓」を食べていましたが、奥の若いカップルはこの店の凄さを知らないまま初めて来たようで、普通に鴨の鉄板焼きを食べた後、
「何か他の肉食べますか?」・・・清水さん
「何がありますか」・・・客
「アナグマとか、ハクビシンは今年4匹目で良いの入りましたし、ツキノワグマとか、ああアライグマもあった」・・・自慢気な清水さん
・・・絶句する若いカップル・・・結局追加は食べなかったようで・・・
ヤマドリは、店に最初に来た時、この鳥の長い尾羽が飾られているのを見て瞬時に店の特徴を理解するきっかけになりましたが、噂通り雉以上に美味しかったですし、今回も絶品の熊出汁ポルチーニ鍋(ポルチーニ=ヤマドリダケ、ヒラタケ、キクラゲ)が強烈にポルチーニの香りを振りまき、さらに猪肉をしゃぶしゃぶして最後に雑炊で締めるなど、素晴らしく美味しい料理が続きます。
ああ最初に出てきた、この店定番の猪のスペアリブ(と言うよりリブロース)とか、今回は猪出汁で焼き蕪の入ったお雑煮とか、吸うと骨からはがれる鴨の首の煮込みとか・・・もう書ききれませんね!!!写真を見てください。
今回はお腹いっぱいで、室内にぶら下がっている「いろいろなジビエ肉のスモーク」はとても食べられませんでした。冬はとにかく食べるものと言うか食べたいものが多すぎて、本当に困ります。
P.S.
ジビエ肉を長期間―20℃冷凍するとどうしても冷凍焼けして風味も味も落ちてしまいます。ジビエが本当に好きな方は、絶対にこの時期(冬)に店を訪ねることをお勧めします。
P.S.2
今回は、蘭奢待に、黒龍の三十八号、八十八号、龍、となかなか美味しい酒が揃っていました(^o^)
採ってきたばかりの巨大なヒラタケを持つ清水仙人
口取りはいつも通りに、アジメドジョウ、稚鮎、膵臓のスモーク、熊出汁大根など
鹿の漬け
蘭奢待がありました
柔らかく煮て吸うと骨からはがれる鴨のネックです
猪出汁で焼き蕪と丸餅の入ったお雑煮
かたつむりのスペシャリテ、猪のスペアリブ
ヤマドリ
猪の脳みそ、クワイ、蕗の薹、栗、ワカサギの天ぷら
某鳥の塩焼き
ヤマドリの足
国産黒トリュフ!
マガモの焼肉
右から、ヤマドリの砂肝、肝、心臓
ヒラタケとネギ
バン(ツル目クイナ科)は小さな水かきがありました
バンの胸肉と足
スパイシーな皮と白身魚のような肉質の両生類
熊出汁茸鍋
80Kgの猪肉をしゃぶしゃぶで
雑炊に
フルーツ
今の季節でも茸はこんなにとれるそうです
2017/12/29 更新
2017/10 訪問
至高の食材、至福の味・・・
宮崎からわざわざこの店のために飛行機に乗って食べにやってきた天ちゃんと二人で訪問です。可愛がっている宮崎のレビュアー「ぴんころ地蔵」君に先を越され、ジビエ好きの親分は居ても立ってもいられなかったようです(^-^)名古屋在住のレビュアーはずいぶんお誘いしたのですが、皆さん忙しくて二人きりの宴でした。
前回9月は大豊作の夏茸だらけでしたが、夏茸が良い時は秋茸は駄目なことが多いそうで松茸など今年は大変不作だったと清水仙人が嘆いていましたが、代わりに用意された食材が凄かった!!!
☆が五つと言うのは、全ての料理が美味しいからと言う訳ではなく、-20℃の普通の冷凍庫を使っているようなので、冷凍の川魚より「柳家」の方がずっと美味しいとか、冷凍肉は「柚木元」の方が美味しいとか、比較すればきりがありませんが、「そのようなものを突き抜けた他では食べられないとんでもない食材」がここにはあるのです。
この歳までずいぶん食べ歩きを重ねてきましたが、この世の中にこんな美味しいものがまだあったのかと秘密の食材もあって驚愕です。
それ以外にも、天ちゃんは一羽だけ(冷蔵庫に?)残っていたタシギの塩焼きを生まれて初めて食べられて感動していました。宮崎では、猟師はイチ「バン」ニ「タシギ」サン「ウズラ」と言うそうで、狩猟が環境庁で正式に許可されている鳥では、バン、タシギ、ウズラの順に美味しいと言われているそうです。
名古屋の某医学部麻酔科では、(あくまで噂ですが)、昔まだ薬品の管理に関して厚生省の規制がそれほど厳しくなかった頃、秋の飲み会は硫酸アトロピンを持って毒(を含むかもしれない)キノコを食べに行き、冬の忘年会・新年会は挿管セットをもってフグの肝(が入っているかもしれない料理)を食べに行ったと言う、豪傑話が残されていますが、(しつこいようですが噂です)そこまでしてでも食べたいほど、毒キノコやフグの肝は美味しいのだろうと容易に想像は付きます。
話は外れますが、「イボ○○酸」と言うアミノ酸は昆布などに含まれる「グルタミン酸と比べ数十倍のうまみ」があると言われているので、なんとなく分かるような気がします。茸は無数に種類があり、毒性もすべて分かっている訳ではないので、先人の知恵と茸ハンターの経験をもとに我々は安全に美味しい茸を食べさせてもらえる訳ですが・・・
まあとにかくこの世の中には、「信じられないくらい美味しい茸」があります。茸ハンターの清水仙人はよくご存じですので、こちらの店に何回か通って親しくなれば、めったに手に入らないような美味しい茸も食べさせてもらえるでしょう。
さて珍しい茸はともかく、今回の料理では、鴨のモモ肉が絶品、幻クラスの食材は別にして、最後に出てきた熊の手(正確には足)入り熊茸鍋はこれまた絶品でした。今回はリクエストして秋茸からヤマドリタケとムラサキヤマドリタケにキノコを代えてもらいましたが、和風出汁+熊の骨の出汁+ポルチーニ系の茸で食べる熊茸鍋は、この世で最高に美味しいものの一つだと再々確認しました。
それにしても、この歳になって熊の手の煮込みを年に二度も食べることになろうとは、想像もしていませんでした!!!(正規料金は大きさにより手は5万円から足は3万円からになっていますが、今回は仔熊の足だったので格安にしてくれたのだと思います)
それこそ天ちゃんは香港などの中華料理屋は制覇していて、最高のスープとして乾物類・烏骨鶏・金華ハム・野菜・漢方食材など、数十種もの食材をスープとともに蒸した10万円の「佛跳牆」(フォティオチャン)も飲んでいるそうですが、今回の熊茸スープの方がずっと美味しいという評価。
ベースになっているのは昆布と鰹節の和風出汁ですが、熊の骨を煮込むことによって信じられないくらい美味しくなりますし、何度も言うようにヤマドリタケ(日本のポルチーニ)との相性が最高です。
口取りに出てきた、シャキシャキした食感が素晴らしい「シモフリシメジ」とか「冬蕨:フユワラビ」、脂身の少ない「夏猪の巨大リブロース」も素晴らしかったです。モヅクガニも普通は茹でたり蒸したりしてポーンと一匹出てきますが、こちらでは料亭でセイコガ二を食べるように、身を外して蟹味噌と甲羅に詰めてあるのが驚きです。基本的にシカやイノシシは夏より冬の方が脂肪がたっぷり乗っていて美味しいのですが、先日ビストロダイアで食べた夏の蝦夷鹿とか、今回の夏猪など、肉自体が本当に美味しくて脂が少ないことが全く気にならない「素晴らしい個体の夏の獣肉」も存在します。散々それほど美味しくない獣肉を食べてきたからこそ分かるのですが・・・
幸せな宴でした。
注
ジビエに関しては、初めてここに食べに来ても本当の良さは分からないと思います。他のいくつかの店に行って、初めてこの店の凄さが分かる食材があまりにも多いですし、時期によっては仕入れがなかったんだろう「今回は少し外れでも仕方がないと諦められる鷹揚さ」も必要です。
P.S.
昨年出た全国版料理誌にも、今年出た男性雑誌にも、料理はランチ3500円、夜は5000円からと書いてありますが、遠くから私のレビューを見てわざわざここまで食べに来る方は、せっかくですので、初回は1.熊茸鍋、2.猪のリブロースを料理に入れて、後は好きなものがあれば頼んで、1万5千円くらいのお任せがお勧めです。
P.S.2
今回、鳥と茸は事前にお願いしましたが、宮崎から大グルマンがくるのなら九州には熊はいないだろうと言うことで、清水さんが熊の手入り茸鍋をわざわざ用意してくれました。頭が下がります。
P.S.3
八寸と焼き物は清水さん、それ以外の料理は岩田さんと分けられているそうですが、熊の骨を煮込んでもスープがいっさい臭くならないのは、「新鮮さ以外に事前の掃除が丁寧で素晴らしい」のだと思います。料理の基本ですが、こういう料理を食べると下ごしらえの凄さが分かります。
口取りに素晴らしい食感のシモフリシメジや冬蕨にいつもの膵臓のスモーク、アジメドジョウ等
鹿の漬け
イワナの塩焼き
熊の手に値段がついていました(^-^)5万円から!!!
松茸にロウジ
焼き鳥
塩味のタシギ
こちらは醤油味
禁断のスモーク肉を削る清水さん
いろいろな動物の足のスモークがぶら下がっています
噛んでも噛んでも味が出てくるのが凄いです
天ぷら
夏猪の巨大スペアリブと言うよりリブロース
ツガニ(上海ガニの日本版)は身を綺麗に外して味噌と甲羅に詰めてあるのに感動です
天然ウナギ
鴨の絶品胸肉と背肉
信じられないくらいうまみがあり超絶美味しかった茸
仔熊の足煮込み入り熊茸鍋
足が一個入っていました
地蜂のハチノス
むかご御飯
漬物
デザート
珈琲
2017/10/17 更新
2017/08 訪問
今年の夏茸は大豊作だったそうです
今年は雨も多く夏茸が出ているのではないかと電話したところ、清水さんはちょうど高山へのキノコ採りから帰る車の中(^O^)早速予約して行ってきました。
沢山写真を載せておきましたが、今年は10年に一度くらい茸の豊作だそうです。季節外れのボケ松茸が各地でずいぶん出てきたことはすでに他の店でも聞いて食べていましたが、今年は秋のキノコも豊作だとうれしいですね。
さて料理は、卵入りアジメドジョウや真鯉の卵などの前菜に始まり、イワナとヤマメの食べ比べ、香茸とポルチーニのリゾット、天然ウナギや熊の脳みその天ぷら、天然ウナギの白焼きと蒲焼といつも通りに続きます。
ここで採ってきた茸を持ってきて見せてくれました。ポルチーニ系のヤマドリ、アカヤマドリ茸にアンズ茸、アメリカウラベニイロガワリ等々
最後のアメリカウラベニイロガワリは、名前の通り包丁を入れると、あっという間に色が濃く変色していきます。これを猪の頬肉とソテーにしてくれました。
部屋には、生きた赤マムシが入ったペットボトルがいくつか置いてあるのですが、お隣のお客さんが注文した唐揚げを一切れ頂きました。写真のように鰻の骨のような感じで身の付いた骨を唐揚げにしたのですが、お腹には卵がたくさん入っていて、一匹はほぼ子マムシ状態で動いていました。子供の頃から毒があったら大変なので、結局卵や子マムシは食べませんでした。
ここで清水仙人が禁断の前足スモークを一切れスライスして食べさせてくれます。脂肪が真っ黄色で肉は赤身で繊維質が強く、いくら噛んでもずっと口の中で味が出続けます。
この店では、来る度に珍しい野生動物のスモーク肉があって驚きます。お隣の客がハクビシンのスモークも食べてみたいと言ったら、「この人達がこの間全部食べちゃったからもう無い・・・」スミマセン(-_-;)
最後は茸鍋に猪のしゃぶしゃぶ。ほうきだけの炊き込みご飯とフルーツに珈琲でお腹はいっぱいです。ヤマドリ茸の茸鍋は和風出汁で美味しいですが、前回食べたツキノワグマの骨で出汁を取ったクマ茸鍋に比べると、言葉で説明できないくらい味の差があるのはどうしようもないです。
今回も料理は一人2万円で値段の高さにちょっと驚きました。前回が熊の手やハクビシンなどがあったのに比べると、今回の料理で柳家の倍は、いくら何でも値段は高いかな?と言う印象です。
天然茸は貴重ですし、他の店では絶対に食べられない貴重な「野生のもの」を食べられるので、私自身は全く値段にはこだわらないのですが、カミさんは柳家や柚木元と比べるので高すぎるとかなり不満だったようです。
P.S.
ジビエや他の店では絶対食べられない珍しい食材に興味のある方にとっては、CPは無限大ですが、そうではなく「ただ天然の季節の普通の食材+キノコを美味しく食べたい」と考えられている女性客でしたら、低予算でもやってくれるはずですので、事前に予算をよく相談した方が良いと思います。
両脇に卵入りアジメドジョウと真鯉の卵の前菜
イワナと山女の食べ比べ
香茸とポルチーニのリゾット
鴨
天ぷら
本日の天然ウナギ
白焼きと蒲焼で
アカヤマドリ茸
ヤマドリ茸他
あんず茸
桃とチーズ
アメリカウラベニイロガワリ
アメリカウラベニイロガワリは、裂くと・・・
一瞬で色が変わります
猪のほほ肉と茸のソテー
禁断の黄色い脂肪
お隣のお客さんが赤マムシの唐揚げを注文してご相伴にあずかりました・・・
ペットボトルに入った赤マムシ
こちらは抱卵していて・・・
既に小さなマムシが卵膜の中でウニョウニョ動いていました
和風出汁の茸鍋
猪のしゃぶしゃぶ
ほうきだけのごはん
果物
珈琲
ペットの瓜坊(ハルちゃん)
2017/11/26 更新
2017/06 訪問
ここにまた究極のジビエの店がありました
食べログでは、岐阜県瑞浪市の「柳家」、長野県飯田市の「柚木元」、名古屋市錦の「柳家錦」とジビエの名店を紹介してきましたが、また凄い店を見つけました。
「ツキノワグマ茸鍋」を食べたら、「もうこれ以上の鍋は絶対に無い」と断言したくなります!
最近は熊が増えて害獣駆除されるせいなのか、しのはらが銀座進出した影響なのか、東京の高級和食店で突然猛烈な熊肉ブームが始まったそうで、今年の春は熊花山椒鍋を出した店が随分あるそうですが、次は間違いなく「熊茸鍋!」でしょう。今回はこちらの店で、昨年は長野の柚木元で食べましたが、すべての鍋の中でこれが究極の味と言えそうです。
ツキノワ熊肉のほのかな甘みを含んだ繊細な脂肪の味と、ヤマドリ茸(日本のポルチーニ)系の香りとの組み合わせは、至高の組み合わせと言いましょうか?イタリアやフランスではこの手の熊は見かけないので、この組み合わせは日本だけで味わえる神様の贈り物なのでしょう。
食材に関しては、こちら「かたつむり」はキノコ採り名人の超絶きのこで圧倒し、柚木元は熊取り名人の超絶ツキノワグマ肉で圧倒しているので、東京の日本料理の高級有名店がいったいどの程度この味に追いつくことができるかは、興味の湧くところです(^-^)私の経験では、ヒグマではこの味は出ないと思います。
・・・・・・・・・・
店名は摘草料理「かたつむり」、オーナーの岩田さんがサービス、お嬢さんが普通の料理、ジビエはキノコ採り名人の清水さんと、3人で営業している岐阜県山県市のお店です。
お店の前には「天然ウナギ」「天然きのこ」と表示してあり、実際5年前に店を始めた頃は、ジビエと言っても鹿や猪を出す程度だったそうですが、お客さんの要求もあり、いろいろ猟師にコネを持っていて全国の超有名料理店に獣肉を世話していた清水さんが、自分の店でも茸だけではなく次々と素晴らしい獣肉を使うようになって、現在はかなりワイルドなジビエ料理の店となったようです。
今や全国的にジビエで有名になった瑞浪の柳家も、私が初めて食べに行った30年前のきっかけは、先代の奥さんから「天然ウナギとかの店です」と聞いたことだったのですが・・・「天然うなぎとか」です(-_-;)
こちらのオーナー岩田さんもやはり女性なので、ジビエの店とは言わずに「天然ウナギときのこの店」と表示したいのかもしれません。食べログでも最初の頃のレビューは鰻と茸しか載ってないようです。
まあ、店頭の毛皮(熊、アナグマ、ハクビシン)はともかく、店内の「数々の羽根」を見過ごさなければ、分かる人は分かろうかと言うもの。珍しいものを食べたくて初めて食べに行く人は、紹介を受けた方がきっと良い思いができるでしょう。
前菜盛り合わせからぶっ飛びましたが、香茸のリゾット、長良川天然遡上稚鮎の天ぷら、長良川支流の天然ウナギ、熊茸鍋に、刺しの入った猪ロースのしゃぶしゃぶ、ハクビシンのスモーク、熊の手・・・進めば進むほど圧倒されます。
ぴんころ地蔵君が、「神!神!!!」を連発していますが、この店で出てくるワイルドでかつ美味しい食材は、他ではまずお目にかかれないでしょう。また岩田さん(お嬢さんの方)は和食洋食どちらも修行経験があるようで、清水さんとどのように料理を分担しているのか詳しくは分かりませんが、火入れも味も絶妙です。
それにしても凄かった!!!今回は特に、ぴんころ地蔵君が10日間に3度も行くほど入れ込んだのに対して、お店の仙人も喜びと驚きをもって答えてくれたのだと思いますが・・・4時間以上かかって食べまくってきましたが、開いた口が塞がらないほど圧倒される店です。「熊の手」を食べたので2万円のコースになっていますが、普通は1万円~1万5千円で十分すぎるくらい満足できると思います。
料理は
まず前菜から圧倒されます
写真の右端から時計回りに
行者にんにく
真ブナの酢の物
淡水手長エビ
熊出汁で炊いた大根
鹿レバーのスモーク
モミジイチゴ
ハンゴンソウ
モクズガニの新子
イワナシ
山の桑の実
猪と鹿の膵臓のスモーク食べ比べ!!!
イワナの甘露煮?
ロウジ(苦めの茸)
猪のハム
酒の肴が続きます
長良川の鮎の塩焼き
つ○〇のうるか(柳家以外で食べるのは初めてです)
小鳥の丸焼き
超絶品の香茸のリゾット
天ぷらは一皿目が、山葡萄、天然遡上の稚鮎、コシアブラ、トウモロコシ
二皿目が、蕗の薹、ノビル、ハンゴンソウ、熊の脳みそ
長良川支流の天然ウナギのかば焼きと白焼き
鴨のスモーク
絶品のハクビシンのスモーク!!!
後ろ足はスライスで、前足は噛り付いて食べ比べましたが、癖のない肉で驚くくらい美味しいです。
60Kg超処女猪のリブ
なんと一人に一つ30cmを超えるリブ!!!喜んで全員かじりつきます
箸休めのフルーツに
熊の手の煮込み
もう暑くなったので醤油煮込みではなく、あっさり目に塩味にネギでしたが、素晴らしかったです。
日本のポルチーニと言われるアカヤマドリ茸バターソテーの握り!
都会のイタリアンなどでも奪い合うように使い始めた日本のポルチーニの一つです。清水仙人によると日本のポルチーニは4種類くらいあるそうで・・・。昨年は「柚木元」と「柳家錦」で食べましたが、これだけ続くと今年はブームになるかもしれません。
絶品熊茸鍋!!!
長野県飯田市の「柚木元」では和風だしに熊肉を入れた絶品熊茸鍋を食べましたが、こちらは熊の頭骨を含む骨から熊出汁を取ってスープにし、四種の茸と根菜を入れたと言う、これまた究極の熊茸鍋です。どちらも絶品で甲乙つけられません。熊とポルチーニ(ヤマドリ茸)系の相性は非常に良いようです。
またこの汁で、メスイノシシの首の後ろのロースのしゃぶしゃぶをします。この部分は脂肪が周りについているだけではなく、何と赤身に刺しが入っていると言う絶品肉。
そしてすべてを吸い込んだ雑炊!!!
フルーツとコーヒーで宴は終わりました。
サービスの岩田さんは花や木の実に詳しく、自分で撮影した写真を見せながら説明してくれますし、清水さんはキノコ採り名人の上にジビエも食べつくしています。
ぴんころ地蔵君は、熊や他の動物の脳みそのしゃぶしゃぶ食べ比べをすでに経験していますが、それでも清水さんに言わせると猪の巨大オスの金しゃぶ(睾丸のしゃぶしゃぶ)を食べないとグルメとは認められない?(冗談です)とか・・・
住所電話に食べたい食材を登録すると、貴重な食材を入手した時に連絡してくれるそうなので、いろいろと頼んできました。また食べに行くのが楽しみです!
P.S.
熊の手は40年ぶりに食べました。ハクビシンはSARSが問題なった後も未だに中国で珍重されていることは以前から聞いて知っていましたが、まさかここまで美味しい動物だとは思いませんでした。アナグマのような臭みがないのは食べているものが違うのでしょうか?
P.S.2
清水さんは、DANCYU茸特集で紹介されるくらいのキノコ採り名人ですので、食通を自認する方は一度はこの茸鍋を食べに行くべきでしょう。ただ我々はラッキーなことに写真の熊の骨で取った出汁の熊茸鍋でしたが、普段は熊出汁ではなく普通の和風出汁のようですので味はかなり変わるかもしれません。
P.S.3
ぴんころ地蔵君のレビューで店を知り、頼んで連れてきてもらいましたが、彼は関市山奥の某○○所に2週間修行?にやってきたにもかかわらず、この店に来て禁断の味を知り、10日間で3回も通ってお店の新記録を作ったとのこと!!!お店とキノコ採り名人の清水さんは、昨年秋のDANCYUキノコ特集に取り上げられて、全国的にも知名度が広がりつつあり、食べログでも総合点が上がりつつあり・・・どうしよう総合☆5つでまた自分の首を絞めるのか・・・悩ましいところです。今日も常連さんが、「食べログで☆5つ付けた奴がいるよ!(もちろん地蔵君のことです)予約できなくなったらどうするんだ」清水さんは「でも店が有名にならないと次はいきなり店閉まってるかもしれないよ」・・・悩ましいですねぇ・・・
前菜盛り合わせも凄いです(本文参照)
幻のイワナシ
長良川の鮎
○○〇のうるか・・・まさか柳家以外の店で食べることになろうとは!!!
スズメの丸焼き
香茸のリゾットは絶品!!!
長良川支流の天然鰻
白焼きと蒲焼で
天ぷらは、山葡萄、天然遡上の稚鮎、コシアブラ、トウモロコシ
蕗の薹、ノビル、ハンゴンソウ、熊の脳みそ
鴨のスモーク
60Kg超メスイノシシのリブ
焼き上がりました
見て下さい、写真からはみ出すこの長さ
鹿の膵臓とハクビシンのスモーク
鹿の膵臓のスモーク
ハクビシンの後ろ脚
ハクビシンの前足
前足は直接かじります(絶品)
箸休め
熊の前足(右手)の煮込み
熊のスープ
切り分けた熊の人差し指(~_~;)
こちらは頭骨と後ろ足。前足は食べちゃいました
ポルチーニの寿司
熊の頭骨と清水さん
熊茸鍋
熊茸鍋の出汁になったクマ
猪は首の後ろの差しが入った部分をしゃぶしゃぶで
雑炊
漬物
デザート
珈琲
オーナーの岩田さん
「天然ウナギの店???」実は瑞浪の柳家も最初は先代の奥さんから天然ウナギの店と聞いて食べに行ったのですが・・・
ハクビシンとアナグマ
熊
2017/10/15 更新
久しぶりの訪問ですが、相変わらず素晴らしくてもう感動の連続です。
この歳までずいぶん食べ歩きを重ねてきましたが、この世の中にこんな美味しいものがまだあったのかと、秘密の食材もあって驚愕できるのが凄いというか何と言うか・・・クリックを追加すると、下に私の過去のレビューで凄い食材いろいろ出てきますので、どうぞ!
全て美味しかったですが、白眉は最後のキノコ鍋。清水名人が選び抜いた各種キノコを楽しみ、獲れたての小熊肉をスライスしてしゃぶしゃぶした後は、最後に秘密のキノコを追加して煮込んで食べて、イ○○ン酸で濃厚なうまみだらけになった雑炊で締めるという一品。この店はやはり最高です。
今回は世界的グルマンのH君をお連れしましたが、シーズン20回くらいは熊肉を食べる彼でも過去最高の熊肉だったとの評価。「柳家」「柚木元」「かたつむり」に通っていると、こういう凄い食材に当たることがあり本当に幸せです。
P.S.
今回は写真の2歳の小熊(30Kg)でした。先代の「柳家」で真冬に穴にこもって冬眠中母熊の乳で育っている乳飲み熊を食べて以来、2番目の小ささでしたが、出会えて幸せです。