レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
1回
2014/09訪問 2014/09/02
安定した技術水準と素材へのこだわりは埼玉1番だと思う住宅街にあるフレンチ
訪問履歴:[初回:2006/8/14 12:00、頻度:昼10回、夜14回]◇
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2014/03/22/7251229 (2014/3/22)
■ 店の特徴
典型的な個人経営のフランス料理店。シェフと奥様の2人だけで営む埼玉では普通にある店だが、料理の水準は正真正銘のフランス料理である。プリフィックスコースのみだが、メニューに記されていない構成でもリクエストできるので実質的にはアラカルトとしても楽しめる。
最大16名、実質8~10名程度しか収容しないという小さな店なので、安定したシェフの腕前と奥様のサービスを受けることが出来る。
100店以上の埼玉フレンチを食べ歩いてレビューしているが、素材の良さ、時間をかけた丁寧なソース作り、レパートリーの広さと、その水準は群を抜いていると思う。
例えば野菜に注目してみても、地場産を使っているとアピールしているだけの店とは視点がまったく異なり、自ら足を運び生産者を選んで市場に出回らない野菜を取り寄せるといった、鮮度ではなく野菜そのものの味にこだわっている点で、ありきたりではない。最近は、過去以上に野菜にこだわっているようで、季節によって皿が寂しくなることは無くなったようだ。
初冬に楽しめる窒息鴨料理を4年連続でいただいたが、網で捕ることにこだわったもので、銃で撃ち落とした鴨とはまったく異なるという具合。知り合いの猟師から羽付のままで送ってもらうとのことだが、1年目に店でさばいているところを偶然発見し、半端でないところを見せ付けられたものだ。自然が相手の鴨だけに入荷しないと食べられないが、運がよけれれば熟成度の違うものを複数楽しめることもある。特に内臓や血を使ったソースを楽しむことが出来ればラッキーだ。ただし、入荷しだいの食材なので確約的な予約は出来ない。現在は事前リクエストベースでお願いしたいとのこと。(未入荷ならキャンセルというのは不可)
最大定員数の半分程度しか予約を受け付けていない。それでも昼は1.5時間以上、夜は2時間以上はかかるので、時間に余裕のない予約は避けるべきだ。短時間で済ませたい場合は、対応可能かどうかを事前に電話確認してから予約するのがスマートだろう。
■ 味の傾向とおすすめ
バターやクリームを多様しているわけではないが、ライトフレンチのような軽いものではなく、メインには正統派フレンチ風の濃厚なソースが使われることが多いだろう。素材を惜しみなく使い、手をかけて作られたベースを使って作られたソースの奥深さを十分に堪能できる。
個人的なお勧めになるが、魚料理よりは肉料理で楽しみたい。また、特にフレンチ好きの方には平日の夜の訪問を強くお勧めする。
■ 価格(税サ込、現金のみ、2010/7現在)
ランチは2400円で、前菜・スープ・メイン(3択)・デザート・珈琲
他に、平日のみ前菜抜き2100円 ←前菜も魅力的なのでお勧めしません、
休日のみ前菜がフレッシュフォアグラで、スープがミニとなる3900円コースがある。
ディナーは5100円で、前菜(3~6択)・メイン(3~6択)・デザート・珈琲・小菓子
他に、魚か前菜を1種加えて6800円、多品種楽しめる季節のコース7800円 ☜一番お勧め
小食の方向けにボリュームを抑えたハーフコース(4400,6000円)も用意されている。
一部追加料金のかかるものがあるが、例えば店の特徴で紹介した窒息鴨の半羽が1800円(2008年価格;同格クラスの他店では、普通に打ち落としたものでも1羽1万円以上するのが普通)といった具合で、余計にかかった材料費の差額程度しか取られない点でもきわめて良心的。
■ サービス
サービス担当の奥様の知識にも目を見張るものがあり、夫婦共々フランス料理への半端でない情熱を感じさせられるし、それを口先だけでなく実際に行動している点でも素晴らしいと思う。御夫婦で積極的に食べ歩きされているという点でも、研究熱心であることがうかがえる。最近は奥様が副菜の調理と盛付でシェフがサービスという局面も見られるようになったが、ややサービス面が疎かになった感じも。
■ お勧めのシチュエーション
フレンチが初めてという方でも楽しめるが、料理の内容が本格的なフレンチということもあり、特に夜は小学校以下の子連れには向かないと思う。また、酒を飲んで騒ぐような親父には向かないし、声の大きなおばさんやワイワイやりたい向きにも向かない。
豪華な雰囲気はないので、オシャレをして楽しむという局面では彼女ががっかりするかもしれない。(料理でカバーできるとは思うが)
■ その他のコメント
普段着でまったく問題ないが、ファミレスや居酒屋ではないので他の客のためにも最低限のマナーは守る必要がある。運よく貸切状態となれば、奥様との楽しい会話も弾むことだろう。ただし、最近は昼夜共に事前予約無しでは入れない状態となっているので無理だと思う。
2010年3月上旬現在、平日でも昼夜共に2週間以内の予約は日程が限られる状況。また、予約電話はランチ&ディナータイムを外すのがマナー。実際、出ることが出来ない事もあるのでお互いのためだ。
なお、客が多い状態で長々と話しかけるといったマナーの悪い客がいるとのレビューがあった。楽しいのは分かるが、自分ひとりのためにサービスしているわけではないということをわきまえて利用していただきたい。もちろん、料理技術を聞き出すには、それなりの基本知識も必要だろう。
また、東京以南から時間とコストをかけてわざわざ訪れる価値があるかは疑問。埼玉の10倍の店がある東京フレンチの方が選択肢は広いだろうし、安くて優秀な店も少なからず存在すると思う。
店側は地元客志向が強い感じなので、食べログ高評価店だからといって遠方から出かけて期待はずれと言われても困るし、何万もするミシュラン星付店と比較されても困る。あくまで埼玉での最高水準という評価だ。
高級酒を頼まなければ万札1枚で水準の高いフレンチにありつけるのだから、私のようにレストランで万札を飛ばすことに躊躇する者には嬉しい存在だ。
■■■ 以下、全面書換以前のレビュー(文字数制限のためかなり割愛してある)
----- 07/12/15 19:30
昨年食べて感動した窒息鴨を食べたく、家内とともに出かけてきた。ちょうど新しい鴨が入ったとのことで、熟成させていない癖のない鴨と十分に熟成させて鴨の特徴を出したものを半羽ずつお願いして味比べをしてきた。
----- 07/10/15 19:00
今日は初めて「季節のコース(7600円)」をいただいた。
----- 07/6/22 12:40
----- 07/4/17 19:00
今日は野菜群が素晴らしかった。その野菜を用いたソースも絶妙。
今日の野菜は週1回の休みの日に産地に出かけて吟味した生産者から直接仕入れたものが中心。
あまり見かけないものや旬の野菜をいろいろと楽しませていただいた。
----- 07/1/2 12:30
イタ飯屋では定番の牛ホホ肉のワイン煮があったので選択したが、出来が違う!
相変わらず訪問の度に、感激を味わうことが出来る。再訪問で評価を下げる店が多い中で貴重な存在だ。
----- 06/12/11 19:20
ここの特徴は、メニューの選択肢が非常に多く、コースといってもアラカルトと同じ感覚で頼めること。その選択肢も半端でなく、オーソドックスなものから季節感のある珍しい食材までさまざま。
今回は前菜に「フォアグラ」料理を2種類と「自家製仏産鴨の生ハムと地鶏の白レバーのムース」、メインに「蝦夷鹿」と「窒息鴨」という構成。ディナーはデザートも2皿になる。
その場で羽付の物をさばいていた「窒息鴨」は普通の店で出される鴨とはまったく異なる美味しいもの。
フォアグラも1口食べた瞬間、焦げ目に絡んだ甘めのソースが何ともいえない幸福感を出してくれた。そんなに凝ったソースではないのだが、焦げ目の入れ方が絶妙なのだろう。
「白レバー」が予想外の美味しさ。小菓子として手間のかかる自家製の栗の渋皮煮が出てきた。
これで2人で15000円弱というのだから、驚きである。
最後はお菓子作りの話などでシェフと奥様と話し込んでしまったが、夜のメニューはフランス料理好きにはたまらない内容で、まさか埼玉でこの水準を出してくれる店があるとは思ってもみなかった。
シェフと奥様のこだわり度に敬服。
----- 06/8/14 12:00
ランチはコースのみ(\2200)。前菜(2択)、スープ、メイン(3択)、パン、デザート、珈琲という構成。メニューがこの手の店でよくある安っぽい料理でないことから出かけてみたのですがので、期待を裏切らないどころか量的にも充分でサービスも完璧と大変満足できました。
オーダーする前にひとつひとつメニューを丁寧に説明してくださるので安心できます。食事中にも料理や素材等の質問をしたのですが、的確な回答が返ってきます。フランス料理店ではこれが当然だと思っているのですが、大宮周辺の個人経営店では皆無。夫婦共に料理に対して情熱を持っていなければ無利でしょう。
前菜2皿目の黒豚のテリーヌは量も充分でメインと見間違えるほどの皿でした。
自家製パンにはバターに加えてポークリエットが添えられています。
スープは「ブルゴーニュ産のグリーンピースの冷製スープ」。カップとお皿をしっかり冷やして注がれたたっぷりの冷たいスープに地鶏のコンソメのジュレが添えられ、このジュレと合せて飲むと濃厚なグリーンピースの味と一体となり素晴らしい味が楽しめました。
メインの「鴨胸肉のロースト」はボリューム満点。付け合せに「なたまめ」を採用している点などにもこだわりを感じさせられます。
おまちかねのデザートですが、これがシンプルながらも素晴らしいもの。
2200円でここまで楽しめてしまうとは、常連化しそうな気分です。
2位
1回
2015/02訪問 2015/02/02
再訪:[2009/6/28 19:30] 《昼:5.0/5.0-4.0-4.5-5.0、夜:4.5/4.5-4.5-4.0-5.0》
まだ試していない定番料理と前回到達できなかったデザートを食べようと出かけてきた。
●鮮魚のマリネのサラダ仕立て(800円)
古くからの定番メニューとのことで、どんな皿で出てくるのかと期待していた。
見た目はどこでもあるようなサラダだったが、野菜の下に隠れている魚介類が半端でなく旨い!
帆立の活物も何度も食べたことがあるが、歯ごたえ・甘みともに過去最高(こうなると、産地の問題か?)、甘エビも過去食べたものの中で最高、ほうぼうの塩が旨味を引立て感動の連続だった。こうなると珍しいホッキの紐の出番が無くなってしまう。
野菜類も鮮度だけではないということは熟知しているつもりだが、魚介類も鮮度だけの拘り以上のものを求めなければこの味に巡り会えないのだろう。わずか800円のサラダでこの質の魚介類が出てくるとは驚きである。
●毛蟹のフラン、ウニのクリームソースとともに(1600円)
6月のメニューとしてHPに掲載されていたもの。これも予想外の旨さに驚いた。ここのシェフ、本当に魚介類を扱う腕は確かなんだろうと思う。
帆立貝のムースに枝幸産の毛蟹のほぐし身がこれでもかっていうほどたっぷり!(断面写真参照)
白ワインで蒸してピュレ状にしたウニのクリームソースも毛蟹のフランも味の主張はそれほど強くなく、塩分を最小限にして素材本来の味のハーモニーを楽しめる調理。グラスの底には軽く刻んだ完熟アボカドで埋められているが、無くても良い。
他の方がコースで選択されていた皿と比べると、フランがかなり厚くカットされていた。アラカルトだからか、遠方から再訪問とのことでサービスしてくれたのかは不明だが、後でブログに掲載されている写真と比べても大きなカット。十分堪能させていただきました!
●阿寒湖産ヒメマスとホワイトアスパラガスのムニエル、ウチダザリガニを添えて(3000円)
開店20周年記念謝恩メニューとしてHPに掲載されていたもの。通常は2人で食べる量だが、構わずお願いしてみた。
埼玉で1番のお気に入りMaison d'Hでも、このエクルビスを食べたことがあったので(参考:http://r923e.asablo.jp/blog/2008/06/09/)期待していたが、姫鱒は良かったものの出汁を取った残骸という味だったエクルビスが期待はずれだった。内臓から出ているエグミも強かったので、見栄えは無視して身だけを供した方が良かった気がする。また、可食部が少ないので一人でも量的には問題ないと思う。
ホワイトアスパラは、千歳市の隣の安平町産の露地物だそうだ。国産のホワイトアスパラでこれだけ太いものを出す店は、高級店を除けばそうそう無いと思う。それが4本も付いてきたわけだから、食べ応えがあった。やはり旬の太いアスパラは旨い! (実は細い道内産ホワイトアスパラを翌日の夕方デパートで買って帰ったが、元々直径1cm程度の細さだったのでケチケチ皮をむいたのが影響してか苦みが強く食べれなかった)
●グランマニエのムース、木苺のソルベ添え(500円)
別に用意されているデザートメニューは6種類あった。ほぼ定番系のラインナップであり、重いケーキ類が苦手な方でも選びやすい品揃えになっている。ムース、ソルベ共に満足出来た。
前回の訪問を奥様が覚えていてくれたようで、今日は最初からにこやかな対応。客層も常連ばかりだったようで、あちこちで会話が弾んでいた。ここ数年、安い冬の札幌ツアーで来ているので、今度の冬の訪問でも楽しみたいと思う。アラカルトばかりなので、今度はディナーコースかな?
----- 2009/1/9 19:30
11月の訪問で感動を得たので、第4次札幌フレンチ巡りの最初のディナーで訪問。
今年は開店20周年とのことで毎月記念スペシャルメニューが用意されるようだが、今回は前回気になっていた魅力的な前菜を食べたく、アラカルトで前菜3皿、魚、肉と選んでみた。デザート用の別腹は持ち合わせていないので肉料理までで満腹となってしまったが、総額7千円でこれだけ楽しめてしまう。
●殻付き生牡蠣、レモンとエシャロット・ヴィネガー(1個200円/厚岸産)
サロマ産(1個400円)はちょうど切れてしまったとのことで、厚岸産をお願いした。知名度全国区の厚岸産の方が安い理由は、サイズが小さいとのこと。厚岸漁業協同組合直売店で食べたときに3種類の品種があることを知ったが、形状と抜群の旨さから当時食べることができなかった「カキエモン」ではないかと思う。
まずは、エシャロットを刻んだビネガーで食べてみたが、かけ過ぎたのか牡蠣の旨味が消されてしまった。そこでレモンを1滴だけ。これで良かった。質の良い牡蠣はシンプルにいただきたい。
●厚岸産牡蠣のグラタン、シャンパン・ソース(1個300円/厚岸産)
生牡蠣ではフレンチとは言えないので、フレンチアレンジした牡蠣も注文。正直なところ生牡蠣ほどのインパクトは感じられなかったが、シャンパンソースと牡蠣汁を混ぜて牡蠣スープとして貝殻から直接いただける点では楽しめる。
●アリゴ・ホッカイドウ、道産豚のソーセージ付き(1500円)
奥様がパリのレストランで体験したというパフォーマンスをやってみたいとメニューに取り入れたのが「アリゴ」。フレンチ定番のマッシュポテトにチーズ等を混ぜ合わせたもので、餅のようによく伸びる。早速テーブルの横でパフォーマンスを見せていただいた。
皿の上に塊を乗せると、手早く葉の形に整形。これ、フランスのレストランで体験したものをぱくったと笑いながら話してくれた。こういった自分の趣味に合う料理の説明の際に、堅い印象の奥様の表情が途端に柔らかくなるのは、前回の訪問でも感じたこと。奥様のブログに詳細が書かれているので、興味があれば見てほしい。(http://ameblo.jp/restaurant-kazama/entry-10048642131.html)
●本日の市場より入荷の鮮魚料理(1600円)
今日の魚は何かと尋ねたら、埼玉のランチでおなじみの「スズキ」とのことで頼むべきか悩んでしまった。しかし、ブログの内容からフレンチでは珍しく魚介類に目の利くシェフであることを予想できたので、悩んだ末にお願いしてしまった。もちろん大正解!
何が正解かというとスズキの質もそうだが、付け合わせのムール貝。小さなサイズながらも旨味が凝縮されたもので、思わず詳細を聞き出してしまった。フランスはあの世界遺産モンサンミッシェル産で、空輸チルド品だそうだ。この値段で、ここまで食材に拘れるとは恐れ入りました。
●ウズラのロースト ポルト酒のソース(2200円/正式名称失念)
蝦夷鹿以外のジビエは入荷していないとのことで悩んだ結果、定番の鴨・赤ワインソースを外してこちらにかけてみた。写真の通り足先まで付いたワイルド感たっぷりの皿だったが、ソースの主張が足りなかった。ウズラ自体はあっさりした感じであることが普通だが、意外にも野性味の主張を感じたものの、味を引き締めるためには濃いソースが欲しかった。コラーゲンたっぷり感はあったが、ポルト酒が弱かった。
●パン(200円)
フレンチでは珍しくパンが別料金となっているが、サービス料もなく料理も総じて安いので許容範囲。しかも旨いのだ。Sariさんの情報では自家製とのこと。
それより、パンを頼むと全部食べきれるか不安になったが、案の定デザートまでは無理となってしまった。ディナー用のデザートは次の機会に。次回はコースでお願いしようと思う。
その時々の料理は、公式HPだけでなく「フレンチレストラン・カザマの美味しい日記」という「公式ブログ」(http://kazama.asablo.jp/blog/)を見れば詳細に紹介されている。
札幌は仕事でも訪問する街なので、また訪問させていただこうと思う。
※「おすすめメニュー」登録仕様変更のため、こちらに
★アリゴ・ホッカイドウ(1500円)
★厚岸産 殻付き生牡蠣(1個200円)
※前回のランチ訪問レビューはコメントに移しました。
3位
1回
2012/12訪問 2012/12/09
訪問:[2008/1/26 19:00]
今回の札幌フレンチ第3弾は、食べログでも高評価の店から選んでみた。
店内は豪華さは無いがちゃんとしたフランス料理店の趣き。もちろん価格帯から考えても正装する必要性はまったくないが、ビストロと違ってラフすぎる服装には似合わないと思う。
席に着くとメニューと同時にお通しというべき皿が置かれた。これが、この後のサプライズの始まりだった。
コースは4950円~9900円(税サ込)で、どれもフルコース。特に最安値のコースの割安感が際立つ。ついついフォアグラのテリーヌに引き寄せられてしまい、中間の7150円のコースでお願いした。
メニューには前菜、魚料理、肉料理(2択)、デザート(5択)、珈琲か紅茶としか記されていなかったが、アミューズが2皿出てきた。お通しを含めるとメニューの前菜が出る前に3皿出ることになる。
アミューズ1皿目が「山栗のポタージュ」。食感を害さない程度に入っているかなり細かく粒状にした山栗が、山栗の味を強調していて美味しい。2皿目は独創的な料理で、パイの上に低温で十分に炒めて甘みを出したオニオンスライスが敷かれたもの。色を付けずに甘みを引き出している。
通算4皿目でやっとメニュー上にある最初の料理。
「鴨のフォアグラのテリーヌ」は、かなり酒が強調されていて肝心のフォアグラの味が乏しく、ちょっと期待はずれ。テリーヌ自体のアルコールも強いが、添えられているジュレもマデラ酒のアルコール分が強い。
魚料理はメニューに記されたものではなく「黒ソイのポワレ きのこのソース」との説明だった。この内容では少し弱いな、と思っていたら、どちらがメインだか分からないようなセイコ蟹が付いてきた。
見た目はよくある蟹の甲羅焼だが、中身が違う。セイコ蟹の内子を中心に味噌と身を、メイン料理にも使えそうな濃厚なソースで合えたもの。反面、黒ソイは正直パッとしなかった。洋酒漬したというトリュフも、なんだか中途半端な感じがした。
2択の肉料理からは「蝦夷鹿ロース 根セロリのピュレ添え」をチョイス。
そもそも蝦夷鹿が美味しいと思ったことは無いのだが、なぜか北海道に来ると頼んでしまう。肉はさすがに旨くないが、ソースとピュレを合わせていただくと見事に調和した。こうでなくっちゃ。
デザートは「モンブラン」をお願いしたが、その前にプレガトーとしてミルクのジェラードが出てきた。蜂蜜と胡椒がアクセントになっていたが、胡椒はさすがに合わない。
モンブランと添えられたバニラのアイスクリームは、さすがフランス料理店といえる良い皿だった。バニラ風味たっぷりのアイスクリームが溶けないように皿を冷やしてあればもっと良かったのだが。
そして最近定番のミルクティーに付いてきたのが小菓子。といってもちっとも「小」ではなく、ボリューム満点だ。ケーキの水準が高かっただけあって、こちらも美味しい。大満足だ。
ここまででメニューに表記されていない皿が5つ。これは最安値のコースでも同じだとか。驚きである。
その分、メインの皿がいま一歩という感も無きにしもあらずだが、この価格帯では上等すぎる。
食べログ以外でも評価されていることに納得した訪問だった。
4位
1回
2008/08訪問 2008/08/06
仙台を代表するフレンチに相応しいゴージャスな雰囲気を安い価格で楽しめる
訪問:[2008/8/4 12:15]◇
現在仙台のフレンチではトップ評価のフランス料理店ということで、ランチで利用してみた。
「勝山館」という宴会場に付属するレストランのひとつで、披露宴の不味い量産料理という印象の強い宴会場付属施設は私の趣味ではないが、昨日のレストラン カノウを除くと仙台のフレンチの評価は今ひとつだったことから、試してみることにした。
着いてみると、予想を遥かに超える立派な設備とサービスには驚かされた。埼玉筆頭格のフレンチであるアルピーノをイメージしていたことと、価格が比較的安いことからだ。「勝山館」の正面入口も立派なもので、軽装では入りにくい雰囲気がある。
「勝山館」に入ると、左には日本料理店、右手に目的のフランス料理店がある。重厚な扉を開けると立派なバーラウンジがお出迎え。店の正式名称である「French Cuisine & Wine Cellar SHOZAN」が示すとおり、ワインに関しては東北随一という品揃えが自慢のようだが、ウェイティングバーも兼ねている。ここで予約の名前を告げて待つ間に、冷たいハイビスカス茶がサービスされた。
しばらくラウンジで雰囲気に浸ってから、レストランにつながる扉から中に案内される。そこには結婚式場の付属レストランらしく明るく広々とした空間が待っていた。空間を贅沢に使ったテーブルの配置をみても、ランチ2750円~、ディナーは5500円~(いずれもサ10%込)という価格帯の店とは思えない。結婚披露宴客を確保するための一種の宣伝と割り切らなければ絶対に不可能なプライシングだ。
大きなガラス越しに木々の緑を楽しめる窓側席は年配女性を中心に埋まっていたが、反対側のソファー席には男性客もチラホラ。客層は地方都市らしく、普通のおばさんやおばあさん達といった感じ。そういう意味でも格式の割には使いやすい店だと思う。
予定通り3850円のフルコース、前菜は ゴマピイ さん推奨の「杜の都の宝石箱(全8品)」(+880円) でお願いした。
さて、料理の説明を細かに書くと文字数制限だけでなく飽きが来ると思うので、選択肢のあったカテゴリと最後の小菓子だけ記そうと思う。すべての料理の写真も最初の2枚を除いて「出てきた順」に説明を付けて登録しておくので参考にしてほしい。(さすがに細かな料理の説明は覚えきれず、説明になっていない写真も多い点はご容赦を)
●前菜(2択+1):杜の都の宝石箱
8種の小さなオードブルがガラスの器に盛られてくる。個々の料理もなかなか凝ったもので、品数が多いと安直になりがちな個人経営やチェーン店のそれとは異なり、一品一品楽しむことが出来る。ただし、美味しいかどうかは別。詳細は個々の料理写真で。
●魚料理(2択):ほうぼうのソテー カピタンソース
フレンチの店で東南アジア系のソースというのはいかがなものだろう?
固定料理に魅力が無かったので「本日仕入れのお魚料理」に掛けてみたが、エスニックを食べに来たわけではないし、実際のところまったくソースになっていない失敗作。エスニックをフレンチにアレンジする力量を宴会場フレンチに求めても無理なのかもしれない。ゴーヤの苦味を落としていない、安易に枝豆を大量に放り込む、オイルに風味が無いといった点が特に気になった。
●肉料理(3択):古川農場黒豚バラ肉のポワレ
脂身は苦手だなと思っていたものの古川産の豚肉というのも仙台ではあちこちで見かけていたので頼んでしまった。しかし、さすがに手を掛けた料理で美味しかった。
グリルとポアレと説明されていたが、その前に白ワインを加えた水煮で脂分を落として、さらに2工程の焼きで脂肪分を十分に落としたものだと思う。下に敷かれたサワーキャベツと白ワインとマッシュポテトベースのソースを合わせていただくことで、見事に調和した素晴らしい味を楽しむことが出来た。フレンチでは珍しい豚肉のポワレでも、らしい料理になるものだ。
●プチフール
デザートも終わり紅茶が供された直後に、ワゴンがやってきた。何かと思えば小菓子。「ワゴンデザート」ならぬ「ワゴンプチフール」というのは過去経験したことがない。
2種のマシュマロとキャラメルに焼菓子をお好きなだけと言われたので、全部盛り(といってもたいした量ではないが)をお願いした。
でも、このアプローチはあまり感心できない。種類が多いならともかく、たった4種類しかないのだから、最初から全部盛った皿をお茶と同時に出した方がタイムラグも発生しないのでベターだろう。
サービスはしっかり訓練された一流店らしいもの。この手の店に慣れていないと堅苦しさも感じるだろうが、東京の一流店に比べたらかわいいものなので問題ないだろう。他のテーブルで2回ほど発生した細かなアクシデントの対応を見ることが出来たが、スマートに対処していた。
前提知識が無い若い方には落ち着けないかもしれないが、男性なら25歳を過ぎたらこういった店を経験しておくのも良いと思う。私もその口だったが、彼女を連れてこういった店をスマートに使いこなせれば、見直されること間違いなし?
ディナーはちょっと独特な運用らしいので、事前にホームページの「ディナーの楽しみ方」で確認しておくと良いだろう。デートでなくても、地元で格式のある店を何回か経験しておけば、東京の一流フレンチに行っても場違いな行動でひんしゅくを買ったり、恥ずかしい思いをしなくて済むはずだ。(これはランチ中心の奥様方に向けたアドバイスでもある。東京フレンチで気になっているので、余計なお節介ながら)
5位
1回
2014/09訪問 2014/09/27
再訪:[2010/5/13 12:20]◇ 《昼:4.0/4.0-3.5-5.0-3.0、夜:4.0/4.0-3.5-5.0-3.0》
直近レビュー: http://r923e.asablo.jp/blog/2014/09/26/7443924 (2014/9/26)
特に変化はないのでレビューはブログ側に書くが、サービス陣の問題点が何となく分かった。
しっかりしたサービスを指導出来る方がいないのだと思う。恐らく筆頭格の方に問題アリと感じた。
だから、全体水準が上がらないどころか下がっている感じがするのだ。
埼玉を代表するフレンチがこれではいけない。
あたま数だけ揃えれば良いというわけにはいかないのがサービスだ。
-----2009/3/5 19:20
HPに掲載されている詳細メニューが11550円(税サ込、以下同)のコースだけだったので、最安値の8085円のコースはメイン1品だと完全に誤解していた。地元店であることから気になってはいたものの、高価格がネックで夜を試すことが出来なかったのだ。(1万円以上を埼玉フレンチに払う気が起きないことが理由)
その最安値の「思い出のメニュー」なら、先日試したビストロやまの最高値コースよりも少し安いこともあり、ようやく試してみる気になって電話で内容を確認してみた。すると、「どの金額のコースでも量は同じで肉と魚料理が付きます」と、フレンドリーで明確な回答。(いつもの年配女性だと思う)
ある意味、この店の情報開示が少ないことも原因ではあるが、勝手にフルコースではないと思いこんでいたようだ。
実際の構成では、詳細が掲載されている「季節のメニュー」に対して、アミューズ・グラニテ・チーズが無い代わりにスープが付くので2皿減。量的にはもちろん、皿数でも Maison d'H と比べてしまうと少ないが、普通の女性でも完食できる平均的な量だ。この格の店なら決して高い価格設定ではない。
まずは食前酒(私は飲めないのでクーポンで付くジュース)、続いてパンとバターが出てくる。
このパン、かなり大きいのに中までしっかりかつ均質に温められ、表面のパリパリ度も含めて美味しい。追加したパンも同様な状態で出てきたので尋ねてみると、製造時には表面の焦げ色を薄めにして焼き、必要量をある程度予測して低温で常時じっくり温めているとの話。大規模店ならではのアプローチで、小さな個人店では無理な話だ。(とはいえ、この日は全体でも10名もいないだろう閑散とした状況だった)
以下、出てきた順に料理の解説を記す。ただし、店のメニューでも構成以外記されていないため、料理名や説明内容は不正確であることをお断りしておく。
●前菜 ★★★
ポロネギをグリルした後にマリネしたような冷菜。
写真上側のポロネギは、あらかじめ2cm幅にカットされ、その上に7mm角程度の乱切りにされた茹で牡蠣・かなり細かい茹で卵・ケッパー・香草類を混ぜ合わせて型で軽く固めたものが乗っている。この出来が上手くない。
牡蠣が全体の半分を占めているのに牡蠣らしい風味が抜けているうえ、他の材料との調和も感じられない。単に牡蠣を使ったというアピール以外に存在価値を見いだせないものだった。ポロネギだけで十分に旨いと思うが、それでは見栄えが悪いので苦肉の策として生ハムと共に飾ったのだろうか。
こういった部分が、都内高級フレンチとの明確な技術力の差だと思う。
●スープ ★★★☆
所沢産の蕪のポタージュ。
ポタージュ系としてはクリームの少ないあっさりした味で、ほのかな蕪の風味を楽しめる。
表面に赤い花びら片のように見えるものは、ローズペッパーの表皮部分だそうだ。
●魚料理 ★★
ホウボウのソテーを甲殻類のブイヤベース風ソースで。
身の厚いホウボウを食べるには、ソースがあまりにも少ない。皿全面にソースがあるように見えるが、きわめて薄く皿全体に伸ばしている状態であるうえに、味覚的には濃厚さも無くソースというよりはスープであるブイヤベースと同等。
こうなると、魚本来の味で食べる料理と解釈したいが、焼き方が悪いのか質が悪いのか、身が硬くあまり美味しくない。タコとイカをアンチョビ風味でソテーしたものがトッピングされているが、これも味にインパクトが無く魚本来の味を強調も邪魔もしないので、結果的に美味しくないという感想。
●肉料理(2択+1) ★★★☆
埼玉県産黒豚のポワレ シードルビネガーソースを選んだ。
黒豚の質が抜群に良かった。といっても黒豚らしい癖はまったくないが、不思議と旨い。こうなると、ソースは完全に脇役。りんごもビネガーも極力主張しない良く言えば上品なソースは、良い素材には最適であることを証明した皿だ。
となると、ここまでフレンチ好きを唸らせる主張のある料理がまったく無かったことになるが、1つだけあった。皿の左上に見える小さな黒い塊。「ブーダンノワール」という料理だそうだ。上に乗っている山状のものはアップルペースト。
この「ブーダンノワール」、主菜の黒豚のレバーやホホ肉を裏ごしして豚の血液を加えて作るそうだ。ソーセージという説明をされていたが、テリーヌ状で供された。ちょっと調べてみたが、フランスではソーセージとしてかなりメジャーな料理らしい。こういった1品でも感動する料理を出してくれると嬉しいが、通好みの料理故に好き嫌いは分かれると思う。
●デザート(7択) ★★★★
選択肢であるメニュー写真も掲載しておくが、この中から「アンブロワジー」を選んでみた。
出てきた皿を見ると、敷地内にあるケーキ屋お菓子やさんで売っていそうなケーキだったのでがっかりしたが、売っていないそうだ。
ピスタチオとチョコのムースにラズベリージャムでアクセントを付け、周りに濃厚なチョコレートソースでコーティングしたものだが、これは久々に美味しいと思えるケーキだった。添えられている珈琲リキュールを使ったアイスクリームも良い。
ただ、デザートの選択肢の中ではお菓子やさんでも販売しているものがあるそうで、レストランならではのデザートを揃えてもらった方が良い気がする。メニューの記載内容では分からないので、お菓子やさんで販売しているものがどれであるかは明示が必要だろう。
●食後の飲料:カプチーノ
●小菓子
個々の説明がまったく無いのは、いかがなものだろう。
ゼリー、マシュマロ、トリュフチョコ、マカロン風の焼き菓子。
以上、税サ抜き7000円(税サ込8085円)のフルコースとしては十分に優秀だと思う。
大規模店だけあって、万人受けする味付けであるうえに、全体的に最近の主流であるライトフレンチ的な重量感の少ない料理であることも、カジュアルフレンチを名乗って集客しているだけあると思う。
しかし、ある程度フレンチに慣れている者にとっては、店独自の主張(=癖)に乏しく不満が出そうな内容だ。私としては、フレンチの命であるはずのソースを表に出さず、素材の味に頼りすぎている点が大きな不満。魚料理のように魚の質がそれほど良くないと感じると、補正しようがないのだ。
また、細かいことは書かないが、サービス陣の水準に個人差があるうえに、やや基本的な作法に欠けていることを感じた。客が多い時や安いランチ時間帯なら許容できるが、客の少ないディナータイムは水準の高いサービス陣で埋めてほしいものだ。同様にメニュー内容を詳しく開示しない姿勢もいただけない。
結論としては、店の思惑どおり、高級フレンチ格の雰囲気・サービスを価格以外の面で誰でも気軽に楽しんでもらうための店と考えれば間違いないと思う。ドレスコードのあるフレンチが埼玉に1軒も存在しないのは、歴史面も含めて筆頭格のこの店がカジュアル路線だからかもしれない。
※ぶりぶり1234 さんが高いコースの内容を写真付で詳しく記されているので参考になると思う。
※過去レビューはコメント欄に移しました。
6位
1回
2008/11訪問 2008/11/06
訪問:[2008/11/3 19:00]
14歳の時からフランス料理に憧れ、17歳からフランス語を勉強して渡仏し、5年間現地で学んできたというひたむきさに加え、HP上に記されているコンセプトに共感を持つことが出来たので選んでみた。
前日のランチで試した店と同様に洞爺のミシェルブラスのスーシェフを務められた後に独立されたそうだが、埼玉県出身という点でも行っておかなければと、私としては珍しくかなり前に予約を入れておいた。
最寄りの円山公園駅から歩いて10分弱で到着。札幌市街地は住所が東西南北と数値で示されているので、地図無しでも迷わず向かえるのは嬉しい。明るい店内には、客席が入り口側と奥の2カ所に完全分離されているようだ。奥に6名の先客があると伺ったが、案内された手前には客は見あたらず。(その後2組の客がやってきた。札幌の夜は遅い?)
昼のカザマで予定外の量を食べてしまったので、こちらは最安値のコース「KaZe(4500円)」でお願いした。このコースはランチの「ToRi」と価格・内容ともに同じとなっていることから、ランチにお得感を出していない店のようだ。(ランチは2800円のコースも用意されているが、ランチ激戦の札幌で通用するのか興味もある)
まず自家製パンとバターが出された。普段はソースを付けて食べるために少しだけ味を見て残しておくのだが、重量感のあるこのパンは噛みしめると味わいがあって美味しい。数種類の小麦をブレンドしてあるそうで、メインを待たずにお代わりをいただいてしまった。
アミューズはムール貝と蕪をベースにオリーブオイルを加え、卵白で蒸し上げた店内用語で「洋風かぶら蒸し」と呼んでいるという一品。トップにはブロッコリーのスプラウト。
カップの底に、細かく切られたムール貝と、浅漬け風の蕪の葉の出汁が融合した独創的なスープが溜まっていたが、これが旨い! 普段は和風アレンジされたフレンチを嫌う方だが、これは趣味に合った。ただし、和食の範疇だと思う。
前菜は、カリフラワーのムースをベースに上にブロック状の生ホタテ、塩ゆでキャベツ、下にはたっぷりのイクラが隠された皿。中澤敬二シェフに教えていただいて自宅で作ったものと同様に甘みの出たキャベツ(これ、キャベツの質にモロに依存してしまうのだ)に軽い風味のカリフラワームースは良かったが、イクラは塩分が市販品並みに強く主張しすぎ、帆立はほぼ無加工で主張不足と、アクセントの香草類やレモン風味の泡と合わせても全体バランスが悪い感じがした。
2択のメインからは肉料理に掛けてみた。例によって長い名称「ラルド風味で蒸し焼きにし、薄くスライスした牛もも肉、椎茸のローストとそのジュ、芽ネギと青ゆずの香りを添えて.」とある。
ラルド風味の意味が分からず調べてみたが、ラルドは豚の脂身でイタリアン用語のようだ。薄くスライスした牛もも肉はほとんど生だったので、「ラルド風味で蒸し焼きにし」ではなく、ラルドを蒸し焼きにしたものを添えたというのが正しそうだ。
ブロック肉のように見えるがスライス肉をラルドを挟みながら重ね丸めたもので芸術的。ナイフで切ろうとすると崩れてしまい1枚1枚はがして食べるしかなかったが、見た目は美しい。
ただ、牛もも肉の質が平凡で、椎茸ベースのソース(といっても和風ではないが)も中途半端。ライトフレンチ系を好まない者には、物足りなさが残ると思う。
デザートは凝ったものが出てきた。円形タルトの中にフェンネル風味のフランクリーム、その上に温められたカットオレンジとプルーン、さらにフェンネル風味のアイスクリーム。そこに水分を飛ばした濃厚なオレンジペーストが添えられている。
フランの出来が今ひとつだったが、レストランデザートらしい一品で楽しめた。
そして、やはりここでもサプライズがあった。札幌フレンチはラ・トルテュを筆頭にサプライズが多い。
メニューには「ミニャルディーズ」と記されていたが、これは小菓子と同義。食後の飲み物のお供に出てくる小菓子が小さくない! 小型のパウンドケーキのようなものが1本丸ごと、アップルピューレとヨーグルトを添えて出てきた。食感はパウンドケーキとシフォンケーキの中間で紅茶風味。
定番のミルクティーは、ケーキの台に合わせてか、南部鉄器のような急須で出てきた。
もちろんケーキ1本を食べることは無理だが、残した分は包んでくれるとの事前に案内があったので、半量ほど食べてホテルに持ち帰った。
表題に記したとおり、前日試したミシェルブラス出身シェフの店とは、シェフの技量のだけでなくスタッフの水準も雲泥の差だった。基本サービスはもちろん、局面に合わせた対応、会話の内容等も東京のスマートな店に匹敵するものだった。
7位
1回
2008/02訪問 2008/02/16
訪問:[2008/2/12 19:20]
せっかく金沢に来たのだから加賀料理を味わおうと事前にいろいろ調べてみたが、風格のある店だとどこの店も1万円札では足りない。かといって、5千円以下の店だとそれなりの感じになってしまう。
そんな中で、発見したのがこの店のホームページ。兼見御亭の2階にあると記されている。
兼見御亭(「けんけんおちん」と読む)は、大正二年創業という歴史がある店で、どの地図を見ても兼六園の横に「兼見御亭」という表示があるほどの店だ。
500名収容という大規模な店であることや、兼六園のすぐ横の立地で加賀会席が税サ込4400円という安い価格であることから、観光バスが大挙して押し寄せるその手の店かもしれないという不安もあったが、総料理長は県内第1号のマイスターと金沢市の名工賞を受賞しているとの案内もあり、レベルの高い店の方に賭けてみた。
店の前に着くと「兼見御亭」の看板はあるものの、この店の名前である「夕月亭」の表示がない。事前に情報を入手していなければ、あまりにも大きな店とその風格から周辺を探し回ってしまいそうな感じだ。後で伺ったところ、数年前に改装して2階部分の名称を変えて気軽に利用できるレストラン形式にしたそうだ。テーブル席なので若いカップルでも気兼ねなく使える。
予定通り「加賀会席」を頼んだが、アラカルトメニューからも気になったものをいくつか追加した。掲載写真は、最初に「加賀会席」を出てきた順に12枚、その後に追加した料理と税サ込の価格、店内、メニューの順に並べてある。
特に器でも楽しめたので、いつものように料理を拡大した写真にせず、器を鑑賞できるように掲載した。
料理そのものは価格相応という感じだが、個々の内容を吟味するとさすがに丁寧に作られている。「鴨治部」の鴨の表面に表れていた模様のような線は印象的だったし、金沢の工芸品である金箔をあしらえたお造りは器と共に楽しめる。ずわい蟹の盛りも芸術的だ。
最後のデザートは、日本料理店でお決まりの1品ではなく盛り合わせで出てきたのには驚いた。この中で「南高梅の煮物」は、懐かし味でなかなか美味しかった。
あとは、文で説明するよりも、掲載した写真を一通りご覧いただいた方が楽しめるだろう。
店を出ようとすると外は吹雪。近くのホテルから歩いてきたのだが、さあどうしようと外に出るのを躊躇していると、車で送りましょうかと声を掛けてくれた。大規模な宴会場を備えている店であるから、団体客の送迎はあるのだろうが、一見の個人客にこんな気の利いた配慮をしてくれるとは。
宴会場以外に客がいなかった状況だったからだろうが、総額7千円にも満たない客への配慮が、こんな大規模店で体験できるとは、感激させられてしまった。
観光客商売ばかりが目立つ兼六園周辺でも、伝統のある店は昔ながらのホスピタリティ精神が残っているようだ。次に金沢に来た時には、必ず再訪させていただこうと思う。
8位
1回
2008/08訪問 2008/08/06
訪問:[2008/8/3 19:00]◇
仙台は比較的多く訪問している都市だが、人口的には同じ規模の我が地元さいたま市と比べると、都市基盤は比べ物にならにほど優れている街だと思う。仙台駅前の集積度からして、さいたま市の商業中心地である大宮駅前と比べるのは失礼というものだ。
食べログ参加後初めての仙台とあって、今回はフレンチ食べ歩きを計画した。最初に選んだ店が現在仙台市内第2位のこの店。月曜日が定休日とあって、今日の夜しか試すチャンスが無い。ということで、念のため事前予約を入れておいた。
駅前のアーケードの中という好立地ということもあり、店内は半分ほどの席が埋まっていた。テーブルが小さい点が気になったが、この立地では仕方ないだろう。
事前に下調べをしていたことと、ランキング上位で信頼するレビュア2名の評価も高いことから安心して最安値フルコースの1ランク上に該当する「コンドリュー(6800円)」をお願いした。
冷たい前菜(5択)、温かい前菜(4択)、魚料理、肉料理(3択+2)、チーズ、アヴァンデセール、デザート盛り、珈琲という構成だが、その食材には高級食材がずらりと並んでいる。
メニューを見ている段階でアミューズが運ばれてきた。予約の段階で何を頼むか聞かれていたので、5250円か6800円のフルコースと回答しておいたからかもしれないが、ゆっくりメニューを吟味できる配慮は嬉しい。
冷前菜からは「三陸魚介類のサラダ仕立て~15種の魚貝の刺身のサラダ」を選んでみた。ちっともフレンチらしくない皿だが、海の幸が美味しい仙台ということもあり、どんな皿が出てくるか興味があった。
鮮度的には特段優れているとは思えなかったが、シャコ、ホヤ、ホッキにはひと手間かけてあり美味しい。別皿の山形産の岩牡蠣は、昨年厚岸で食べた牡蠣と同じように強い塩分が残っていた。この時期は仕方ないのかなあ。
温前菜は「穴子と鴨フォアグラのテリーヌ フォアグラのソテー添え」を選んでみたが、テリーヌもフォアグラも揚げた感じの皿。フォアグラは質的にも満足できなかったが、テリーヌは独創的で楽しめた。
魚料理は「スズキとエゾアワビに手長海老」
手長海老は食べやすいように身を外して殻との境に炒めた甘いネギ(ポロ葱?)を敷いて身を戻してあるという手間をかけてあった。全体的には普通に美味しい。
肉料理は頼むつもりだった仔鴨が無いとのことでやむなく仔羊を選んだ。ここにも温前菜と同じ鴨フォアグラが添えられていたが、フォアグラは単なる添え物であって仔羊との調和は見られない。仔羊も普通に美味しいというレベル。
チーズとデザートの両方がコースに付くとあって、普段食べないチーズ(6択)を選ぶのに苦労したが、ウォッシュチーズと山羊のどちらを勧めるかと尋ねたら両方出してくれた。少量ならこういった癖の強いチーズも楽しめる。
デザートは2皿構成になっていたが、1皿目の巨峰ゼリーは巨峰自体の熟度が低く美味しくなかったもののゼリー部分は赤ワインを強調した大人の味。
2皿目は当日焼いたケーキをベースにした盛り合わせで、こちらはなかなか良かった。アーモンドのブランマンジェも美味しい。
アルバイト風のサービス担当にしては、なかなか教育されているなと感心して見ていたが、最後にシェフに伺ったら娘さんだそうだ。家族で営むフレンチは埼玉でも珍しくないが、全体の水準を上げる努力をする店は珍しい。
料理の選択肢が非常に多く、気分によって好きなように頼める点では大きな魅力だと思う。
9位
1回
2015/03訪問 2015/03/13
再訪:[2009/8/13 19:00]◇ 《昼:4.5/4.0-4.5-4.5-5.0、夜:4.5/4.5-4.0-3.5-5.0》
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2014/03/18/7248255 (2014/3/18)
家内の実家に迎えに行った帰りは東北道久喜ICで降りる。国道122号バイパスが久喜ICと東大宮バイパスを結ぶ県道につながったおかげで格段に行きやすくなったことから、夕食を食べに寄ってきた。家内とはディナーを楽しみに来たことがあるが、ボリューム満点のカンパネ食堂が気に入っている子供の反応が楽しみ。
前回のディナーで前菜の量が凄まじく多いのは分かっていたので、前菜とパスタだけで構成してしまった。
メインに好物のイベリコ豚があったが、また次の機会に。
●琵琶湖産稚鮎のエスカベッシュ(500円)
稚鮎の原価は検討も付かないので何とも言えないが、予想以上に多かった。
栃木で子供の頃に10尾単位で食べていたという鮎大好きの家内が頼んだものだが、満足とのこと。
●北海ダコのカルパッチョ バジリコソース(1100円)
これはタコ好きの子供に食べさせたかったので、前回に続いて頼んでみた。
期待通りの量だし、中央の野菜の下にもしっかり蛸が隠れている。
ジェノベーゼも好物とあって、半分は子供が食べてしまった。
●岡山産特大ムール貝のガーリックバター焼き(900円)
これはムール貝好きの私が期待した皿。「特大」の文字を見落として注文したので、出てきた時の巨大ムール貝には驚いた。こんな大きなものも存在するんだと。今が旬の1個400円位の岩牡蠣と良い勝負といった大きさで、大満足。
●桜肉モツのイタリア風煮込み(900円)
これも私の趣味。まさか鍋で出てくるとは思わなかったが、普通の店なら3人前以上のボリューム。
赤身のクセが無い桜肉だけあって、モツもクセがないようだ。
煮込みソースはパスタソースという感じ。パスタにかけて食べても旨そ!
●魚介のパエリヤ(1500円)
2人前2800円という選択肢もあるが、この量で1人前。他店なら間違いなく2人前の量だ。
出てきた鍋で炊いている訳では無いそうだが、むしろライスがパラパラの魚介風味たっぷりの欧風炒飯という感じになっていて美味しくいただけた。
●北海道産生雲丹のクリームソース(1700円)
乾麺パスタで供される。大粒の道産雲丹がゴロゴロと入ってこの価格。もちろん普通のイタリアンの2人分ぐらいはある。
やはり他店と同様に生雲丹をうまく統合させた味にはなっていない感じがしたが、塩を少し加えることで格段に美味しくなった。
●クリーム仕立てのタリアテッレ・ボロネーゼ(1300円)
自家製手打ちパスタということで頼んでみた。家内はデザートに走ったので、私と子供でシェア。
乾麺派の私にとって、生麺パスタが美味しいと思った店は過去5軒あるか無いかだが、このパスタは久々に美味しい手打ちパスタと感じた。タリアテッレだと、大抵の店はきしめんのように腰ばかり主張したものになるが、パスタらしい適度な腰と優しい歯ごたえで満足。
手打ちパスタというだけで高い価格を提示する店が多い中で、ここではせいぜい100円増の価格設定。もちろん量も普通の店の2倍近いとあって、単にCPが良いだけでなく質の高さでも満足出来る。
家族3人、食べきれないほど注文して8350円。もちろんサービス料やコペルトなどは無いし、カード払いも可能というのだから凄いとしか言いようがない。
ちなみに、カンパネと比較させた子供の評価は、こちらの方が美味しいと。カンパネの方が圧倒的に近いので楽に行けるんだけどなぁ・・
夜は奥様だけでサービスしているので、どうしても目が届かない点が出てしまうが、コストを掛けない分だけ客に還元しているということで理解しているつもりだ。
※夜の量も半端でないので、おひとり様には平日ランチをお勧めします。
----- 2009/2/28 11:20
2年半前の前回と比べて300円アップの1800円となっていた。
写真と当時のレビュー内容を見ていただければ分かると思うが、300円の値上げに対して300円以上の内容充実が図られている。サラダが無くなった代わりに前菜が格段に良くなっているうえ、デザートも前回の品は「プチデザート」の1品となり、それ以外に自家製ケーキが付くようになった。
以下、平日の「お肉またはお魚料理のコース(1800円)」の内容を個別に記す。
土曜日は対象だが、日曜と祝日はランチ用メニューは無いようなので注意してほしい。
●シェフおまかせ前菜盛り合せ
生ハムは熟成度の高いもの、サラミ類も安物ではない、とここまでは非調理品でどこの店でも出てくるが、更に厚切りのパテ、しっかりしたチカのエスカベッシュにパプリカと茄子のカポナータが盛られている。
パテがやや塩辛い点が気になったが、カポナータは旨い。
●ハーフパスタ(3+3択):甲イカの墨煮(+150円)
所謂イカ墨スパゲティだが、甲イカがタップリ。ソースもたっぷり。
写真ではわかり辛いが、普通の店なら1人前という量で出てくるのは、この店らしい。
失敗したのは、上部にある赤いもの。何だろうと思って先に食べてしまったが、これは本来ソースと混ぜ合わせるべきトマトソースだった。そのせいか、イカ墨ソースが何とも物足りない味になってしまった。
●メイン(2+1択):ポークソテ オレンジソース
前回は魚料理を食べたので、今回は肉料理を試してみた。予想通り分厚い肉で出てきた。
ちょっと脱線するが、いつもとんかつ屋の肉は薄くて高いし、少し量を増やすとべらぼうに高くなるのは如何なものかと思っているが、ここのはとんかつ屋の「厚切ロース」という量。
単に衣を付けて揚げて出すだけの手抜料理であるとんかつと違って、しっかり手の入ったソース。もちろんフレンチのソースのような奥深さは無いが、自称フレンチで出されるソースよりはしっかり作られている。
意外だったのは、付け合わせの野菜のグリル。時々他の店でこの手の野菜が出てくることがあるが、旨いと思ったことは一度も無かった。よく確認しないで口の中に放り込んでしまったが、ブロッコリーも焼いていたのか、この食味が気に入ってしまった。南瓜も裏に隠れているポテトもグリル野菜では初めて旨いと思った。このあたりは、焼きの技術なのかもしれない。
●バゲット
写真の通りオリーブオイル(安物ではないと思う)が付いてくるが、メインのソースを付けて楽しみたい。
パン自体は標準クラスだと思う。
●自家製ケーキ(2択)とプチデザート(2択)
ケーキの種類が2種類だと思ったら、ケーキとプチデザートそれぞれから1つずつ選べる。
入口でも販売していたが、ケーキは540円(だったと思う)の半分のサイズ、プチデザートは200円相当。1800円のコース価格からデザート代を引くと1330円。相変わらず、どういう計算をしているのかと思ってしまうが、食べる側にとっては安い方が良いので気にしないことにする。
ケーキは抹茶のチーズケーキを選んだが、デザートの水準が上がっていることを感じさせられた内容だった。やはりデザートの水準が低いと悲しくなってしまうので、十分満足。
●ドリンク
最近からハーブティーも選択肢に加えたそうだ。レモングラスとあったのでお願いしてみた。
★おすすめメニュー★
ランチコース(肉か魚が付くタイプ) 1800円
ディナーの前菜群
※過去レビューはコメント欄に移しました。
10位
1回
2007/12訪問 2007/12/31
訪問:[2007/12/31 12:00]◇
年末年始を家内の実家で過ごすということで、早朝から東北道を北へ。
私は溜まっている仕事を静かな環境で片づけるために、家内と子供を降ろし、少し休んでからUターン。とはいえ、せっかく来たのだからと、宇都宮で降りて市内で一番歴史があると教わったホテルのフレンチを試してみた。
宇都宮のフレンチの水準はかなり高そうと注目しているのだが、大晦日とあって個人店は恐らくすべてお休み。こういう時は、ホテルの存在は助かる。特に欧米諸国では、どこでも1人客を快く迎えてくれることからホテル利用頻度が高くなっている。(1人客が気軽にフレンチを楽しめるという意味では日本のホテルも同じ)
さすがに地方のホテルだけあって、ランチは税サ込1700円からあった。しかし前菜がサラダかポタージュと魅力に欠けるし、4択のメインも洋食風。その上の2900円は全部で600Kcalというヘルシーコースで趣味ではない。2007年の締めだからいいか、とランチ最高峰の3900円のフルコースでお願いした。
まず大きな自家製パンがバターとともに供された。
温かいうちにお召し上がりくださいとのことで、さっそくいただいてみたが、外はパリパリ中はフワフワ、イースト臭が多少するものの、なかなか美味しい。後でパンの追加をお願いした時はバケットになったが、それも美味しい方だと思う。
前菜は4種盛り合わせ。
そのうち1種は最安値コースの選択肢にもあった生ハムサラダで、これは正直つまらない。お決まりのローストビーフがちょうど切れてしまったと代わりに盛られた兎のパテが旨かった。ローストビーフもホテル定番で手抜料理の極致と思っているので、運が良かった。
他にアナゴと何かのテリーヌに、自家農園(窓の外に見えた畑のかな?)野菜のピクルスもまあまあ。特に大嫌いなミョウガがデンと居座っていたが、問題なく食べることができた。
魚料理はスズキのポワレ。
事前にイカ墨のパスタが敷かれているが大丈夫かと確認されたが、何のことはなくイカ墨が練りこまれたパスタだった。付け合わせ類は無難なものだったが、魚が美味しかった。
最近のイタリアンのランチではよく出てくるスズキと食感が異なるし、自分のイメージするスズキとも異なっていたので、スズキかどうかは怪しい気もするが(たぶん、安い方のコースの鱈だと思う)、別にスズキを食べたくて出かけたわけではないので旨ければ良い。
ソースは渡り蟹と説明があったが、残念ながら渡り蟹の味の主張はおとなしいものだった。オイル分が多かったので、パンに付けていただくことで問題なし。
肉料理は2択。例によって牛ステーキはパスして仔羊のグリルをお願いした。
これが一口食べて思わず笑ってしまった。というのも、今年米国で見つけたインスタントのスモークの素と同じ味を感じたから。アメリカらしいもので、液体を振りかけるとたちまちスモークXXの完成という代物だったが、何のことはない。スモーク用の木材を焦がして液体に溶かしたような味といえばわかるだろうか。まさにそんな味を真っ先に感じてしまった。
普通のグリルではこの味は出ないハズなので、実際のところどうなのかは不明だが、肉質は良かったもののソースが完全にその味に負けてしまって意味をなしていなかった。
最後のデザートはワゴンデザート。
もちろんいくつでも選択可能とのことで、いつもの通り全部盛りでお願いしたが、思ったより大きなカットで普通の方だと多すぎると思われるので注意が必要。味は、特にベイクド系のものが良く、完食。
食後は最近の定番であるミルクティーをお願いした。
ロイヤルミルクティーのように牛乳がたっぷり入った状態で出てきた。私は好きだが、自分でミルクの量を調整したい向きもあるので、事前に案内があると良かっただろう。他にも、都内のホテルフレンチと比較すると、サービス面でどうかと思えた部分が2点あったが、気になるほどのものではない。
全体印象としては、さすがに老舗のホテルだけあって、雰囲気も含めて十分満足できる内容だった。
フルコースにワゴンデザートで税サ込3900円という価格も、地方ホテルならではの嬉しい価格。
宇都宮はフレンチ激戦地のように思い込んでいるが、普通の地方都市ではその都市1番のホテルのフレンチが安全であるということを改めて証明した訪問となった。
1年間に訪れた店でのベスト10になります。
全体ベスト10と矛盾した順位になっている店もありますが、全体順位の方が高い店は訪問回数が多いことによる安定性が加味されています。こちらのランキングでは、ランキング投稿時点でなんらかの印象の強かった店が上位になりました。
私のトップページ右側に表示されている「おすすめのレストラン」は、2006年3月以降の訪問全店での「ベスト10」となりますので、ぜひご覧いただければと思います。
※コメント未投稿だったため、2008/12/13に加えました。