レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2014/09訪問 2014/09/02
安定した技術水準と素材へのこだわりは埼玉1番だと思う住宅街にあるフレンチ
訪問履歴:[初回:2006/8/14 12:00、頻度:昼10回、夜14回]◇
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2014/03/22/7251229 (2014/3/22)
■ 店の特徴
典型的な個人経営のフランス料理店。シェフと奥様の2人だけで営む埼玉では普通にある店だが、料理の水準は正真正銘のフランス料理である。プリフィックスコースのみだが、メニューに記されていない構成でもリクエストできるので実質的にはアラカルトとしても楽しめる。
最大16名、実質8~10名程度しか収容しないという小さな店なので、安定したシェフの腕前と奥様のサービスを受けることが出来る。
100店以上の埼玉フレンチを食べ歩いてレビューしているが、素材の良さ、時間をかけた丁寧なソース作り、レパートリーの広さと、その水準は群を抜いていると思う。
例えば野菜に注目してみても、地場産を使っているとアピールしているだけの店とは視点がまったく異なり、自ら足を運び生産者を選んで市場に出回らない野菜を取り寄せるといった、鮮度ではなく野菜そのものの味にこだわっている点で、ありきたりではない。最近は、過去以上に野菜にこだわっているようで、季節によって皿が寂しくなることは無くなったようだ。
初冬に楽しめる窒息鴨料理を4年連続でいただいたが、網で捕ることにこだわったもので、銃で撃ち落とした鴨とはまったく異なるという具合。知り合いの猟師から羽付のままで送ってもらうとのことだが、1年目に店でさばいているところを偶然発見し、半端でないところを見せ付けられたものだ。自然が相手の鴨だけに入荷しないと食べられないが、運がよけれれば熟成度の違うものを複数楽しめることもある。特に内臓や血を使ったソースを楽しむことが出来ればラッキーだ。ただし、入荷しだいの食材なので確約的な予約は出来ない。現在は事前リクエストベースでお願いしたいとのこと。(未入荷ならキャンセルというのは不可)
最大定員数の半分程度しか予約を受け付けていない。それでも昼は1.5時間以上、夜は2時間以上はかかるので、時間に余裕のない予約は避けるべきだ。短時間で済ませたい場合は、対応可能かどうかを事前に電話確認してから予約するのがスマートだろう。
■ 味の傾向とおすすめ
バターやクリームを多様しているわけではないが、ライトフレンチのような軽いものではなく、メインには正統派フレンチ風の濃厚なソースが使われることが多いだろう。素材を惜しみなく使い、手をかけて作られたベースを使って作られたソースの奥深さを十分に堪能できる。
個人的なお勧めになるが、魚料理よりは肉料理で楽しみたい。また、特にフレンチ好きの方には平日の夜の訪問を強くお勧めする。
■ 価格(税サ込、現金のみ、2010/7現在)
ランチは2400円で、前菜・スープ・メイン(3択)・デザート・珈琲
他に、平日のみ前菜抜き2100円 ←前菜も魅力的なのでお勧めしません、
休日のみ前菜がフレッシュフォアグラで、スープがミニとなる3900円コースがある。
ディナーは5100円で、前菜(3~6択)・メイン(3~6択)・デザート・珈琲・小菓子
他に、魚か前菜を1種加えて6800円、多品種楽しめる季節のコース7800円 ☜一番お勧め
小食の方向けにボリュームを抑えたハーフコース(4400,6000円)も用意されている。
一部追加料金のかかるものがあるが、例えば店の特徴で紹介した窒息鴨の半羽が1800円(2008年価格;同格クラスの他店では、普通に打ち落としたものでも1羽1万円以上するのが普通)といった具合で、余計にかかった材料費の差額程度しか取られない点でもきわめて良心的。
■ サービス
サービス担当の奥様の知識にも目を見張るものがあり、夫婦共々フランス料理への半端でない情熱を感じさせられるし、それを口先だけでなく実際に行動している点でも素晴らしいと思う。御夫婦で積極的に食べ歩きされているという点でも、研究熱心であることがうかがえる。最近は奥様が副菜の調理と盛付でシェフがサービスという局面も見られるようになったが、ややサービス面が疎かになった感じも。
■ お勧めのシチュエーション
フレンチが初めてという方でも楽しめるが、料理の内容が本格的なフレンチということもあり、特に夜は小学校以下の子連れには向かないと思う。また、酒を飲んで騒ぐような親父には向かないし、声の大きなおばさんやワイワイやりたい向きにも向かない。
豪華な雰囲気はないので、オシャレをして楽しむという局面では彼女ががっかりするかもしれない。(料理でカバーできるとは思うが)
■ その他のコメント
普段着でまったく問題ないが、ファミレスや居酒屋ではないので他の客のためにも最低限のマナーは守る必要がある。運よく貸切状態となれば、奥様との楽しい会話も弾むことだろう。ただし、最近は昼夜共に事前予約無しでは入れない状態となっているので無理だと思う。
2010年3月上旬現在、平日でも昼夜共に2週間以内の予約は日程が限られる状況。また、予約電話はランチ&ディナータイムを外すのがマナー。実際、出ることが出来ない事もあるのでお互いのためだ。
なお、客が多い状態で長々と話しかけるといったマナーの悪い客がいるとのレビューがあった。楽しいのは分かるが、自分ひとりのためにサービスしているわけではないということをわきまえて利用していただきたい。もちろん、料理技術を聞き出すには、それなりの基本知識も必要だろう。
また、東京以南から時間とコストをかけてわざわざ訪れる価値があるかは疑問。埼玉の10倍の店がある東京フレンチの方が選択肢は広いだろうし、安くて優秀な店も少なからず存在すると思う。
店側は地元客志向が強い感じなので、食べログ高評価店だからといって遠方から出かけて期待はずれと言われても困るし、何万もするミシュラン星付店と比較されても困る。あくまで埼玉での最高水準という評価だ。
高級酒を頼まなければ万札1枚で水準の高いフレンチにありつけるのだから、私のようにレストランで万札を飛ばすことに躊躇する者には嬉しい存在だ。
■■■ 以下、全面書換以前のレビュー(文字数制限のためかなり割愛してある)
----- 07/12/15 19:30
昨年食べて感動した窒息鴨を食べたく、家内とともに出かけてきた。ちょうど新しい鴨が入ったとのことで、熟成させていない癖のない鴨と十分に熟成させて鴨の特徴を出したものを半羽ずつお願いして味比べをしてきた。
----- 07/10/15 19:00
今日は初めて「季節のコース(7600円)」をいただいた。
----- 07/6/22 12:40
----- 07/4/17 19:00
今日は野菜群が素晴らしかった。その野菜を用いたソースも絶妙。
今日の野菜は週1回の休みの日に産地に出かけて吟味した生産者から直接仕入れたものが中心。
あまり見かけないものや旬の野菜をいろいろと楽しませていただいた。
----- 07/1/2 12:30
イタ飯屋では定番の牛ホホ肉のワイン煮があったので選択したが、出来が違う!
相変わらず訪問の度に、感激を味わうことが出来る。再訪問で評価を下げる店が多い中で貴重な存在だ。
----- 06/12/11 19:20
ここの特徴は、メニューの選択肢が非常に多く、コースといってもアラカルトと同じ感覚で頼めること。その選択肢も半端でなく、オーソドックスなものから季節感のある珍しい食材までさまざま。
今回は前菜に「フォアグラ」料理を2種類と「自家製仏産鴨の生ハムと地鶏の白レバーのムース」、メインに「蝦夷鹿」と「窒息鴨」という構成。ディナーはデザートも2皿になる。
その場で羽付の物をさばいていた「窒息鴨」は普通の店で出される鴨とはまったく異なる美味しいもの。
フォアグラも1口食べた瞬間、焦げ目に絡んだ甘めのソースが何ともいえない幸福感を出してくれた。そんなに凝ったソースではないのだが、焦げ目の入れ方が絶妙なのだろう。
「白レバー」が予想外の美味しさ。小菓子として手間のかかる自家製の栗の渋皮煮が出てきた。
これで2人で15000円弱というのだから、驚きである。
最後はお菓子作りの話などでシェフと奥様と話し込んでしまったが、夜のメニューはフランス料理好きにはたまらない内容で、まさか埼玉でこの水準を出してくれる店があるとは思ってもみなかった。
シェフと奥様のこだわり度に敬服。
----- 06/8/14 12:00
ランチはコースのみ(\2200)。前菜(2択)、スープ、メイン(3択)、パン、デザート、珈琲という構成。メニューがこの手の店でよくある安っぽい料理でないことから出かけてみたのですがので、期待を裏切らないどころか量的にも充分でサービスも完璧と大変満足できました。
オーダーする前にひとつひとつメニューを丁寧に説明してくださるので安心できます。食事中にも料理や素材等の質問をしたのですが、的確な回答が返ってきます。フランス料理店ではこれが当然だと思っているのですが、大宮周辺の個人経営店では皆無。夫婦共に料理に対して情熱を持っていなければ無利でしょう。
前菜2皿目の黒豚のテリーヌは量も充分でメインと見間違えるほどの皿でした。
自家製パンにはバターに加えてポークリエットが添えられています。
スープは「ブルゴーニュ産のグリーンピースの冷製スープ」。カップとお皿をしっかり冷やして注がれたたっぷりの冷たいスープに地鶏のコンソメのジュレが添えられ、このジュレと合せて飲むと濃厚なグリーンピースの味と一体となり素晴らしい味が楽しめました。
メインの「鴨胸肉のロースト」はボリューム満点。付け合せに「なたまめ」を採用している点などにもこだわりを感じさせられます。
おまちかねのデザートですが、これがシンプルながらも素晴らしいもの。
2200円でここまで楽しめてしまうとは、常連化しそうな気分です。
2位
1回
2012/12訪問 2012/12/09
訪問:[2008/1/26 19:00]
今回の札幌フレンチ第3弾は、食べログでも高評価の店から選んでみた。
店内は豪華さは無いがちゃんとしたフランス料理店の趣き。もちろん価格帯から考えても正装する必要性はまったくないが、ビストロと違ってラフすぎる服装には似合わないと思う。
席に着くとメニューと同時にお通しというべき皿が置かれた。これが、この後のサプライズの始まりだった。
コースは4950円~9900円(税サ込)で、どれもフルコース。特に最安値のコースの割安感が際立つ。ついついフォアグラのテリーヌに引き寄せられてしまい、中間の7150円のコースでお願いした。
メニューには前菜、魚料理、肉料理(2択)、デザート(5択)、珈琲か紅茶としか記されていなかったが、アミューズが2皿出てきた。お通しを含めるとメニューの前菜が出る前に3皿出ることになる。
アミューズ1皿目が「山栗のポタージュ」。食感を害さない程度に入っているかなり細かく粒状にした山栗が、山栗の味を強調していて美味しい。2皿目は独創的な料理で、パイの上に低温で十分に炒めて甘みを出したオニオンスライスが敷かれたもの。色を付けずに甘みを引き出している。
通算4皿目でやっとメニュー上にある最初の料理。
「鴨のフォアグラのテリーヌ」は、かなり酒が強調されていて肝心のフォアグラの味が乏しく、ちょっと期待はずれ。テリーヌ自体のアルコールも強いが、添えられているジュレもマデラ酒のアルコール分が強い。
魚料理はメニューに記されたものではなく「黒ソイのポワレ きのこのソース」との説明だった。この内容では少し弱いな、と思っていたら、どちらがメインだか分からないようなセイコ蟹が付いてきた。
見た目はよくある蟹の甲羅焼だが、中身が違う。セイコ蟹の内子を中心に味噌と身を、メイン料理にも使えそうな濃厚なソースで合えたもの。反面、黒ソイは正直パッとしなかった。洋酒漬したというトリュフも、なんだか中途半端な感じがした。
2択の肉料理からは「蝦夷鹿ロース 根セロリのピュレ添え」をチョイス。
そもそも蝦夷鹿が美味しいと思ったことは無いのだが、なぜか北海道に来ると頼んでしまう。肉はさすがに旨くないが、ソースとピュレを合わせていただくと見事に調和した。こうでなくっちゃ。
デザートは「モンブラン」をお願いしたが、その前にプレガトーとしてミルクのジェラードが出てきた。蜂蜜と胡椒がアクセントになっていたが、胡椒はさすがに合わない。
モンブランと添えられたバニラのアイスクリームは、さすがフランス料理店といえる良い皿だった。バニラ風味たっぷりのアイスクリームが溶けないように皿を冷やしてあればもっと良かったのだが。
そして最近定番のミルクティーに付いてきたのが小菓子。といってもちっとも「小」ではなく、ボリューム満点だ。ケーキの水準が高かっただけあって、こちらも美味しい。大満足だ。
ここまででメニューに表記されていない皿が5つ。これは最安値のコースでも同じだとか。驚きである。
その分、メインの皿がいま一歩という感も無きにしもあらずだが、この価格帯では上等すぎる。
食べログ以外でも評価されていることに納得した訪問だった。
3位
1回
2015/02訪問 2015/02/02
再訪:[2009/6/28 19:30] 《昼:5.0/5.0-4.0-4.5-5.0、夜:4.5/4.5-4.5-4.0-5.0》
まだ試していない定番料理と前回到達できなかったデザートを食べようと出かけてきた。
●鮮魚のマリネのサラダ仕立て(800円)
古くからの定番メニューとのことで、どんな皿で出てくるのかと期待していた。
見た目はどこでもあるようなサラダだったが、野菜の下に隠れている魚介類が半端でなく旨い!
帆立の活物も何度も食べたことがあるが、歯ごたえ・甘みともに過去最高(こうなると、産地の問題か?)、甘エビも過去食べたものの中で最高、ほうぼうの塩が旨味を引立て感動の連続だった。こうなると珍しいホッキの紐の出番が無くなってしまう。
野菜類も鮮度だけではないということは熟知しているつもりだが、魚介類も鮮度だけの拘り以上のものを求めなければこの味に巡り会えないのだろう。わずか800円のサラダでこの質の魚介類が出てくるとは驚きである。
●毛蟹のフラン、ウニのクリームソースとともに(1600円)
6月のメニューとしてHPに掲載されていたもの。これも予想外の旨さに驚いた。ここのシェフ、本当に魚介類を扱う腕は確かなんだろうと思う。
帆立貝のムースに枝幸産の毛蟹のほぐし身がこれでもかっていうほどたっぷり!(断面写真参照)
白ワインで蒸してピュレ状にしたウニのクリームソースも毛蟹のフランも味の主張はそれほど強くなく、塩分を最小限にして素材本来の味のハーモニーを楽しめる調理。グラスの底には軽く刻んだ完熟アボカドで埋められているが、無くても良い。
他の方がコースで選択されていた皿と比べると、フランがかなり厚くカットされていた。アラカルトだからか、遠方から再訪問とのことでサービスしてくれたのかは不明だが、後でブログに掲載されている写真と比べても大きなカット。十分堪能させていただきました!
●阿寒湖産ヒメマスとホワイトアスパラガスのムニエル、ウチダザリガニを添えて(3000円)
開店20周年記念謝恩メニューとしてHPに掲載されていたもの。通常は2人で食べる量だが、構わずお願いしてみた。
埼玉で1番のお気に入りMaison d'Hでも、このエクルビスを食べたことがあったので(参考:http://r923e.asablo.jp/blog/2008/06/09/)期待していたが、姫鱒は良かったものの出汁を取った残骸という味だったエクルビスが期待はずれだった。内臓から出ているエグミも強かったので、見栄えは無視して身だけを供した方が良かった気がする。また、可食部が少ないので一人でも量的には問題ないと思う。
ホワイトアスパラは、千歳市の隣の安平町産の露地物だそうだ。国産のホワイトアスパラでこれだけ太いものを出す店は、高級店を除けばそうそう無いと思う。それが4本も付いてきたわけだから、食べ応えがあった。やはり旬の太いアスパラは旨い! (実は細い道内産ホワイトアスパラを翌日の夕方デパートで買って帰ったが、元々直径1cm程度の細さだったのでケチケチ皮をむいたのが影響してか苦みが強く食べれなかった)
●グランマニエのムース、木苺のソルベ添え(500円)
別に用意されているデザートメニューは6種類あった。ほぼ定番系のラインナップであり、重いケーキ類が苦手な方でも選びやすい品揃えになっている。ムース、ソルベ共に満足出来た。
前回の訪問を奥様が覚えていてくれたようで、今日は最初からにこやかな対応。客層も常連ばかりだったようで、あちこちで会話が弾んでいた。ここ数年、安い冬の札幌ツアーで来ているので、今度の冬の訪問でも楽しみたいと思う。アラカルトばかりなので、今度はディナーコースかな?
----- 2009/1/9 19:30
11月の訪問で感動を得たので、第4次札幌フレンチ巡りの最初のディナーで訪問。
今年は開店20周年とのことで毎月記念スペシャルメニューが用意されるようだが、今回は前回気になっていた魅力的な前菜を食べたく、アラカルトで前菜3皿、魚、肉と選んでみた。デザート用の別腹は持ち合わせていないので肉料理までで満腹となってしまったが、総額7千円でこれだけ楽しめてしまう。
●殻付き生牡蠣、レモンとエシャロット・ヴィネガー(1個200円/厚岸産)
サロマ産(1個400円)はちょうど切れてしまったとのことで、厚岸産をお願いした。知名度全国区の厚岸産の方が安い理由は、サイズが小さいとのこと。厚岸漁業協同組合直売店で食べたときに3種類の品種があることを知ったが、形状と抜群の旨さから当時食べることができなかった「カキエモン」ではないかと思う。
まずは、エシャロットを刻んだビネガーで食べてみたが、かけ過ぎたのか牡蠣の旨味が消されてしまった。そこでレモンを1滴だけ。これで良かった。質の良い牡蠣はシンプルにいただきたい。
●厚岸産牡蠣のグラタン、シャンパン・ソース(1個300円/厚岸産)
生牡蠣ではフレンチとは言えないので、フレンチアレンジした牡蠣も注文。正直なところ生牡蠣ほどのインパクトは感じられなかったが、シャンパンソースと牡蠣汁を混ぜて牡蠣スープとして貝殻から直接いただける点では楽しめる。
●アリゴ・ホッカイドウ、道産豚のソーセージ付き(1500円)
奥様がパリのレストランで体験したというパフォーマンスをやってみたいとメニューに取り入れたのが「アリゴ」。フレンチ定番のマッシュポテトにチーズ等を混ぜ合わせたもので、餅のようによく伸びる。早速テーブルの横でパフォーマンスを見せていただいた。
皿の上に塊を乗せると、手早く葉の形に整形。これ、フランスのレストランで体験したものをぱくったと笑いながら話してくれた。こういった自分の趣味に合う料理の説明の際に、堅い印象の奥様の表情が途端に柔らかくなるのは、前回の訪問でも感じたこと。奥様のブログに詳細が書かれているので、興味があれば見てほしい。(http://ameblo.jp/restaurant-kazama/entry-10048642131.html)
●本日の市場より入荷の鮮魚料理(1600円)
今日の魚は何かと尋ねたら、埼玉のランチでおなじみの「スズキ」とのことで頼むべきか悩んでしまった。しかし、ブログの内容からフレンチでは珍しく魚介類に目の利くシェフであることを予想できたので、悩んだ末にお願いしてしまった。もちろん大正解!
何が正解かというとスズキの質もそうだが、付け合わせのムール貝。小さなサイズながらも旨味が凝縮されたもので、思わず詳細を聞き出してしまった。フランスはあの世界遺産モンサンミッシェル産で、空輸チルド品だそうだ。この値段で、ここまで食材に拘れるとは恐れ入りました。
●ウズラのロースト ポルト酒のソース(2200円/正式名称失念)
蝦夷鹿以外のジビエは入荷していないとのことで悩んだ結果、定番の鴨・赤ワインソースを外してこちらにかけてみた。写真の通り足先まで付いたワイルド感たっぷりの皿だったが、ソースの主張が足りなかった。ウズラ自体はあっさりした感じであることが普通だが、意外にも野性味の主張を感じたものの、味を引き締めるためには濃いソースが欲しかった。コラーゲンたっぷり感はあったが、ポルト酒が弱かった。
●パン(200円)
フレンチでは珍しくパンが別料金となっているが、サービス料もなく料理も総じて安いので許容範囲。しかも旨いのだ。Sariさんの情報では自家製とのこと。
それより、パンを頼むと全部食べきれるか不安になったが、案の定デザートまでは無理となってしまった。ディナー用のデザートは次の機会に。次回はコースでお願いしようと思う。
その時々の料理は、公式HPだけでなく「フレンチレストラン・カザマの美味しい日記」という「公式ブログ」(http://kazama.asablo.jp/blog/)を見れば詳細に紹介されている。
札幌は仕事でも訪問する街なので、また訪問させていただこうと思う。
※「おすすめメニュー」登録仕様変更のため、こちらに
★アリゴ・ホッカイドウ(1500円)
★厚岸産 殻付き生牡蠣(1個200円)
※前回のランチ訪問レビューはコメントに移しました。
4位
1回
2012/12訪問 2009/01/18
再訪:[2009/1/11 12:00]
2年前のディナー訪問時も食べログでのランチの評判は高かった。日程の都合でディナーを先に試してしまったため、今回は札幌らしい抜群のCPを期待して再訪問してみた。
ランチは1800,2100,2800円の3種。もちろんフルコースとなる2800円でお願いした。
最初に全体印象を書いてしまうが、全皿ブレが少なく非常に安定している。前日に訪問したLe Gentil hommeと違って皿による印象の差が少ないのだ。しかも2年前と比べてかなり腕を上げている。安くて美味しくCP抜群という札幌ランチフレンチを象徴している店のひとつであることは確かである。
●一口オードブル
コンソメジュレの中心にラタトゥーユ、その上にマグロの周囲をハーブ類を塗りつけ軽く炙ったものが乗っている。マグロには胡椒と岩塩でアクセントを加えてある。
前回のアミューズも良かったが、最初の皿から他の店と違うなと思わせてくれると期待が膨らむ。
●オードブル:軽く燻香をつけたサーモンムース ~トマトクーリー・バジルマヨネーズ~
香草使いの上手いシェフという印象があるので、サーモンの味に驚きがあるかと皿を見た時思ったが、比較的シンプルな味だった。
●スープ
蕪のポタージュ。特徴的なのは、中央にデンと構えた物体。
コレ、4種の材料で層状に固めた硬めのフランで、かなり旨い。
スープ全体の写真だと層が見えないので、ひっくり返して層が見える写真も掲載しておくが、底側からトマト、ほうれん草、人参、マッシュルームという構成。確かに単独の皿で出すと個々の主張が強すぎて皿の構成が難しくなりそうだが、こうやってスープと合わせて食べると意外にも良く合う。
●魚料理(2択):帆立・海老のポワレ・茸のリゾットを添えて ニンニクの泡と甲殻類のジュ
この皿では焼きに腕を感じた。最初に海老を口に入れた時の海老を焼いた時に出てくる良い香り。小さいながらも海老の品種にも拘っているのだろう。プリプリ感も含めて思わず旨いと思った。
帆立は海老ほどのインパクトは無かったが、ランチ価格では無理だとしても活物を使えばかなり改善しそう。
ソースも絶妙のバランス。ニンニクも甲殻類の香りもそれほど強くなく調和していた。
リゾットはイタリア米だそうだ。粒が大きく現地風なのかもしれないが、個人的にはイマイチだった。
●グラニテ
フランボワーズとシャンパン。
やはり口直しはいつまでも味が口の中に残らない軽いグラニテが一番。
●肉料理(3択):大麦豚のグリル・札幌黄を使ったオニオンカラメルソース
これはストレートに豚肉を楽しむ皿。「大麦豚」の名前は良く聞くが、実際は何かを知らなかったのでググってみたら、通販サイトばかりヒット。国内の生産者のサイトが見つからないので、カナダ産の豚肉のブランドなのか、大麦で育てた豚なのか不明。
写真では左半分が白くて全部脂身に見えてしまうが、これも赤身(というか白身?)。脂身は右の端の方に少しだけで、脂身苦手症にかかってしまった私でも2種の肉質で楽しめた。
オニオンカラメルソースは、オニオングラタンスープの製造過程そのものという感じ。もちろんオニグラスープ好きにはたまらない。量もたっぷりで美味しくいただいた。
●デザート(2択):色々なドライフルーツとパインのガトー ~ラム林檎にアイスクリーム~
柔らかいドライフルーツがたっぷり入ったケーキと、キャラメルアイスにラム酒に漬けたリンゴと、フレンチらしいデザートで嬉しい。特にアイスが美味しい。
●プティフール
フィナンシェが良くなった点でもデザートの腕が上がっていることを感じた。前回はキャリア20年、商売ではないので回数はせいぜい50回程度の家内が作る物よりも落ちていると思ったが、今回は同等レベル。このしっとり感と周囲の微妙な歯触り感が良かった。抹茶も控えめでフィナンシェ本来の味を壊していない。
また、アップで掲載したものはホワイトチョコに白トリュフを加えてイチゴパウダーでコーティングしたもの。白トリュフをこんな使い方をするというのも冒険心がある。
それにしても、評判の通りCPは抜群。金に糸目を付けない方々が求める味を論じても仕方ないが、単に安いだけでなく腕も確かで、私のように安くて美味しいフレンチを求める者にとっては満足すぎる内容だった。本当に札幌フレンチの平均水準が高いことを実感する。
早くても来年以降になると思うが、再びディナーで、今度はコース料理を楽しみたいと思う。
※昼夜共に試した店の採点は、昼夜の平均値を採用している。今回だけなら4.5点となる。
※2年前のディナーレビューはコメントに移しました。
5位
1回
2015/03訪問 2015/03/12
訪問:[2007/11/4 11:30]◇
直近レビュー: http://r923e.asablo.jp/blog/2015/03/01/7581868 (2015/2/28)
開店当時の広告では、都内に多い格式ばったフレンチのように思えた。
実際出かけてみると、確かに入口には立派なウェイティングバーがあり、埼玉では数少ない本格的な店を目指したことが窺えるが、いくら距離的に都内に近いと言っても典型的な埼玉の郊外という立地では、ニーズが無かったのだろう。
開店10分前に到着してしまったが、シェフとアシスタントシェフが賄い料理を食べていた。せっかくのバーがあるのに、そこに座ってお待ちくださいとの案内も無い。しばらくバーの前に立って待つことに。
席に案内するのはオーナーシェフ風の50歳前後の男性。正午を回った頃に来られた物腰の柔らかい奥様風の女性が本来のサービス担当と思われたが、それまでは賄いを食べていた2人で略式サービスを受けることになる。店を出るまでに訪れた客は常連風の2組だけだった。
ぐるなびには2種のコースが記されていたが、実際はランチコース(2800円+サ10%)1種だけ。前菜(2択)、前菜2皿目(2択)、メイン(3択)、デザート、珈琲か紅茶という構成。
1皿目の前菜からは「有機ズッキーニのグリエ アンチョビ風味のビネグレットソース」を選んでみた。香ばしい香りが漂って食欲をそそるシンプルな料理だが、塩加減にアクセントのアンチョビと抜群の相性で良い皿だった。ただ、前菜というよりはアミューズに近い料理を多く盛った感じ。
2皿目の前菜は「スープ・ド・ポワソン」。ハーブと丸ごと鮮魚を煮込み濾しつぶした南フランス風スープ と解説が記されていたが、そのものズバリの内容。ただ味が決まっていないのが残念で、解説されている方法で作りましたよといった味覚だった。
メインからは、安いフレンチでは必ずある鶏料理を比較のために選択してみた。「宮城県産地鶏のグリエ ローズマリー風味 エシャロットヴィネガーソース」と名付けられていたが、炭火焼鳥のような焦げ目がヴィネガーソースにしては優しい味のソースを壊してしまい失敗している。
さすがに安い店のものとは比較にならないが、もし誤って焦がしすぎてしまったのであれば、そのまま客に出すべきではないだろう。焦げが問題ないのであれば、ソース側に問題があると思う。
デザートは「黒いちじくのフィーロー包み ミルクのソルベ添え」。フィーローと記されていたのでわからなかったが、パートフィーロで包んだ温かいデザート。いちじくの他にパイナップル等も入っているが、味覚的には標準レベル。ミルクのソルベは、クリームの濃さではなくミルクとしての濃厚さが美味しい。
サービス料は些細なミスがあったことから結構ですと辞退されていたが、もともとサービス料を取る体制になっていない。雰囲気は前述の通りサービス料を請求できるレベルだが、サービス料はそれとは別の話。ただ、奥様風の女性の対応は良かったので、5%なら許容範囲だろう。
6位
1回
2014/09訪問 2014/09/03
再訪:[2010/6/18 13:50]◇ 《昼:4.0/4.0-4.0-3.0-4.0、夜:4.0/4.0-4.5-3.0-3.5》
直近レビュー: http://r923e.asablo.jp/blog/2014/01/23/7202070 (2014/1/22)
水曜日は満席で入れず、浦和での打ち合わせ前に訪問。午後2時というのに満席状態で、いつもの入り口横の席が空いていた。
詳細はブログ側に登録するが、ここでもシェフから声をかけられてしまい身元がバレていた。前回少しだけ話をしただけなのに・・
評価点が高い店なら大丈夫だろうけど、辛口で書いている店を再訪するにはリスクが高すぎるなぁ。
昨日の foluso のように努力の成果を確認しに行きたいのだが、やはり写真撮影はやめておくか。
前は付いていた「手打パスタランチ(2100円)」の小菓子が無くなっていたのが残念。
----- 2009/10/21 13:15
まだ安いランチを試していなかったので、量も味も不満だらけだったAGIOの後に訪問。
平日のみという1000円のショートパスタランチを試すのが目的。
まずはサラダと自家製フォカッチャが2種。
サラダは葉ものだけだが量はたっぷり、鮮度も良い。が、ドレッシングは味気なかった。
フォカッチャは食べ終わった時に、追加は要るかとの声がかかった。千円ランチでもフォカッチャが追加できるとは驚きだが、2軒目なので残念ながら遠慮させていただいた。味は、前回の夜の印象よりは美味しく感じた。
今日のパスタは「ペンネ アラビアータ」
このソースが旨い。1軒目が低水準の量産品だっただけに、ひときわ美味しく感じてしまった。
トマトは缶詰ではなくフレッシュを使っているようで、量産作り置きの出来ないパルメザン系のチーズが溶かし込まれている。シンプルなトマトソースでも、手をかければ美味しいものが出来るし、この水準になると私には難しい。
食後はミルクティーをお願いしたが、フォークが出てきたのでおかしいな、と思っていたらデザートまで付くそうだ。
そのデザートも濃厚なチョコムース風のもので美味しい。
僅か千円のパスタランチで、これだけ質の高い料理を出してくれるのだから、13:15に訪問したのに15分も待たされたのは仕方ない。(シェフ1人が急病で、サービスも一人だけと完全にキャパを超えていたそうだが、店に入ってからはしっかり気を使っていただけたので気持ちよく食べる事が出来た)
夜も気に入っているが、「手打パスタランチ(2100円)」も捨てがたい魅力があるので、1000円ランチと言わずに前菜が付きデザートも盛り合せになる「手打パスタランチ」を試して欲しい。
----- 2008/7/3 19:15 「夜は多品種を楽しめ、割安感バツグンのコースがお勧め」
埼玉高評価店の再訪確認シリーズ。前回は1年半前の昼だったので、東京帰りに寄ってみた。
ぐるなびでチェックすると、「Tutti Due(5800円+席料300円)」というコースが、単品合計価格の6割程度とかなり割安に感じたので、それをお願いした。もちろん量が違うのだろうが、一人でも多品種を楽しめる構成となっているのでお勧め。
以下、出てきた順に記載しておく。黒板に表記があった皿については単品価格も記載しておく。
●アミューズ:生のりのフリット
ピザ生地に生のりを混ぜて揚げたもの。
生のりが僅かということもあって風味もなく、企画倒れという感。
●パン:2種類(追加無料)
新人風のサービス担当が、少し残っている状態で追加を打診してくれた。
味覚的には美味しい方では無かったが、純イタリアンではエノテカノリーオ以来だと思う。
●前菜:ハタのカルパッチョ(単品1300円)
グレープフルーツベースのソースでいただくのだが、珍しいものの主張の無い魚だった。鮮度に問題があったのかもしれない。というのも、私が頼んだ後はイサキに変わっていたので最後だったようだ。
●前菜:花ズッキーニのフリット(単品800円)
花の部分にチーズを詰めて揚げたもの。珍しいだけ。(最近は珍しくもないかな?)
●パスタ:イカスミのタリオリーニ(単品1650円)
生麺だと思うが、腰が強くオイルソースも含めて美味しい。残ったソースがもったいないので、スプーンを要求してしまった。(前回は、そう思っても要求しなかったようで、それだけ図々しくなったということか?)
●パスタ:パルミジャーノのニョッキ
小さめで割と柔らかいニョッキ。これも美味しい方だと思うが、ソースは標準的。
●メイン魚:イサキのカルトッチョビアンコ(単品2400円)
カルトッチョは包み焼きという意味。アルミホイルで包んだ状態で席まで持ってきてくれ、その場で皿に盛りつけてくれた。味覚よりは調理手法を楽しむものという感じ。
●メイン肉(2択+1):岩手産ホロホロ鶏の網焼き(単品2000円)
イタリアンらしく塩と香辛料で味を決めたものを焼いただけというシンプルな料理。
フレンチだと肉が硬くなってしまうことが多いが、そこはイタリアンらしくダイレクトに肉を楽しめる。でも、ついつい頼んでしまうホロホロ鶏で美味しいと思ったものに出会えた記憶がないのは、肉そのものに主張が少ないからだろうか?(「骨付きもち豚」を勧めていたのを無視して頼んだ私が悪い)
●ドルチェ盛り合わせ:ズコット、マンゴとバニラのアイスクリーム
私が行くイタリアンでは、なかなかズコットに巡り会えない。家庭でも簡単にできるティラミスは必ずあるのだが、こんなイタリアらしいものを出してくれるのは嬉しい。
●お飲み物:エスプレッソ・珈琲・紅茶から選択
●小菓子:オレンジピールとチョコアーモンド
アーモンドの食感が生のものを使っている感じだったので、チーフシェフに確認したら自家ローストだそうだ。なかなか凝っている。
最初のアラカルトメニューの説明でパフォーマンスがあったが、文字数制限もあることから詳細はブログ側に記載しておく。チーフシェフの物静かな感じに対して、このパフォーマンスをやっていた元気なシェフとのギャップが面白くも感じたが、若手のシェフとサービスで良いチームワークを組んでいると思う。
周りの客にとっては少し騒がしく感じるかもしれないが、私は店の特徴として良い印象を受けた。
----- 2007/2/7 12:30
前にチェックした時はランチでも最低1300円という東京価格だったが、試しやすい1000円の平日ランチが出来ていた。
前からある1300円のランチとの差がよくわからないので詳細を尋ねるとシェフを呼びましょうかと。色々説明を聞いた結果、1000円ランチは戦略価格のようで、私としては前菜が付きデザートも盛り合わせになる「本日の手打ちパスタランチ(\2000)」に魅力を感じたのでこちらを選択。
今日の前菜は生ハムの盛り合わせ、イサキのカルパッチョ、パッパコモドーロというパンのお粥(との説明)という構成。
生ハム類は5種類がたっぷり、カルパッチョもほのかにフルーツの香りがする素材を生かすソース、そして初めて食べる「パンのお粥」はトマトの酸味を利かせたチーズリゾット風で、十分に価格に見合った内容だ。特に「パンのお粥」は簡単そうで真似のできない美味しい皿。
このコースのみパスタがお勧めの手打ちになるとのことだが、今日のパスタ(2択)から「蛍イカのタリアテッレ」をチョイス。パスタ自体は腰の強さだけ感じるもので正直好みではなかったが、小さな蛍イカを1つずつ開いて内臓を取り出して作られているソースは手の込んだものでなかなか良い。小ぶりの生の蛍イカを使っているようで、スーパーで売っているものとは異なり足の吸盤の悪い食感もまったく感じない。ソース自体もたっぷりで、皿に残ったソースを残さず食べるためにもスプーンが欲しかった。あるいは、パンの追加があると良いのだが。
デザートはオレンジのコンポート、パンナコッタにマンゴのソルベ。皿は軽く冷やされているのでソルベが溶けることは無い。
どれも無難に美味しいのだが、特段優れているというものではなかった。コンポートの強すぎる苦味と、周りに散りばめたチョコフレークが品位を下げている点は気になったが。これらのデザートは夜だと1品600円という価格が黒板に記されていた。
このコースのみエスプレッソを頼めるようで、さらに小菓子も付いていた。順番が逆になるが、自家製のパンも少し甘いものの無難に出来ている。料理全体を見ると独創的ながらも万人受けする内容であり味付けであると思う。
市内にイタリア料理店は数多くあるが、その中でも高い水準を望める数少ない店のひとつと言えそうだ。
7位
1回
2015/03訪問 2015/03/07
訪問:[2010/2/21 11:30]◇
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2014/04/26/7295132 (2014/4/26)
12月にオープンしたばかりとの投稿があったので、大宮の川向かいであることから出かけてきた。昨年末の国内食べ歩き終了宣言では地元は3.5点以上のみレビューすると書いたが、「フレンチコース(1500円)」だけなら掲載基準に合致しているのでレビュー登録することにした。
他のランチは1300円のパスタセットと2500円のグルマンコースだけ。前者はオードブルの代わりにサラダで、パンは付かない。後者はメインが肉と魚の両方になる。
最初のレビューでフランス人シェフと記載されていたが、開店前に到着したこともあって男前のシェフの顔を拝むことが出来た。腕もありそうな顔立ち。
まずパンとバターが出てきたが、パンがなかなか美味しい。
全体の量が少ないので、どんどん追加を頼んでしまおう。
本日のオードブルは「サーモンキッシュ」:★★☆
フランス人シェフが作るキッシュにしては、極めて日本的キッシュ。サーモンばかりでベース部分が少なくキッシュらしさがない。ただし、パイ部分は良い出来。
メインは「アマダイのカリゴスソース レンズ豆のピュレ」:★★★☆
本来なら2500円のフルコースにするはずだったが、肉料理(仔羊のきのこソテー ピリ辛トマトソース)がフレンチから外れていたので魚料理だけにした。
この料理、フランスで食べる食堂的な味わいで面白い。日本人シェフでは作れないセンスだと思う。一見ハンバーグのように見える部分がレンズ豆のピュレだが、単にレンズ豆だけでなく干し魚などを混ぜているようだ。中央部分には青菜のソテーが隠れているので、全体がピュレという訳では無い。
「カリゴス」はググってみてもほとんどヒットせず、ブルターニュ地方特産のカレー風スパイスと記されたサイトを見つけたが、微妙。あまりフレンチらしくないソースに感じた。
デザートは「バナナのミルフィーユ」:★★★☆
パリパリのパイに挟まれたカスタードとバナナ。
パイは旨いし、カスタードも日本的にはかなり甘いがバナナとの相性抜群で美味しい。
これに珈琲か紅茶が付くが、自家製らしきトリュフチョコも付いてきた。
「うにのカルボナーラ」:★☆
あまりにも量が少なかったのでパスタを追加出来ないかと打診したところ、単品で900円だということでお願いしたのがコレだが、極端に少ない!! 乾麺ベースで60gという量だ。この量でセットとして出されたら欲求不満に陥ってしまうだろう。
量だけでなく、味も論外と一蹴できるレベル。塩気ばかりで旨くない。玉葱の炒めが甘い上に、雲丹はほんのちょっとで、いくらなんでも少なすぎだし、安価な蒸し雲丹を使っていると思われる。もちろんソース側には雲丹の味はまったく無い。
フレンチで食べるパスタはソースが抜群に美味しい事が多いが、この水準のソースを出されてしまうとフレンチ自体のソースの水準も見えてしまうものだ。前菜・メイン・デザートと無難だっただけに、ここでのギャップはかなり悪印象を持ってしまった。
この料理1つで総合点を3.5にするのは無理と判断したが、フランス人ならフレンチだけでどうどうと勝負した方が印象が良くなるのではないかと思ったしだい。
店の外観だけでなく店内もホントに真っ白! 壁はもちろん、椅子もテーブルクロス(ビニール製)も白で統一している。全面禁煙らしいので急速に汚れることは無いと思うが、メンテナンスが大変そうだ。排ガスの影響で外の方が先に黒ずんでくるのではないだろうか。
カトラリー置きには、コーティング加工された洒落た紙を敷いてあった。もちろんナイフやフォークを使い回しされることも無い。
サービス陣は全員素人だと思うが、パンの追加だけでなくバターの追加の打診もあったし、開店10分前に着いてしまったので、店の斜め前のブロックにある駐車場で待機していたら、わざわざ呼びに来てくれるといった面でも好感が持てた。
ただ、開店から2ヶ月経過しているので多少慣れてきた感じはするものの、まだまだ努力の余地はあると思う。料理を運んできた時には簡単な説明を加えるだけでも、印象は随分と変わるものだ。清潔感をイメージする白いクロスの上に飛び散ったパン屑が醜いことも知っておくと良いだろう。
日曜日の12:30時点で半分しか席が埋まらないのは、何らかの問題があると考えるべきだと思う。(サービス面よりはボリューム面という気もするが・・)
夜のメニューを簡単に紹介しておくが、3000円か4500円のコースのみでパスタは無い。前菜、メイン(1種か2種)、デザート、珈琲という構成はランチと同じ。メインの量が昼と同じではないと思いたいが、事実上の選択肢が無い構成でありながら価格設定が高いことから、かなり魅力に乏しい気がした。
メニューに記されていない皿が色々と出てくるのなら問題ない量だが、メニュー通りだとするとよほど小食の方でなければ不満が先に来ると思う。フランスなら、埼玉フレンチのように付け合わせたっぷりで量を増やすのではなく、主材そのものでボリューム感を出すはずだ。
8位
1回
2015/04訪問 2015/04/20
再訪:[2010/3/29 18:45]◇ 《昼:4.0/4.5-4.0-3.5-3.5、夜:3.5/4.0-3.5-3.0-4.0》
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2014/06/24/7352305 (2014/6/23)
帰省していた家内と子供を蓮田駅で待ち合わせてナトゥーラに行ったものの運悪く貸切だったため、予備にしていたこちらに向かった。
「ヴァレンティーノコース(3800円)」と「ピッコロセット(選択したパスタ代+1000円で前菜・デザート・珈琲付)」でお願いしたが、やはりメインを食べないことには店の良さが分からない気がした。
あと、6種あるデザートを全部試したが、水準以下だったことも記しておく。セミフレッドが無難。
----- 2010/1/30 12:00
ランチお勧めの「リストランテコース」は2800円に値上げ。
前菜とデザートが弱いが、パスタとメインは良かった。ブログ側で紹介する予定。
----- 2009/9/15 18:45
放置していた訳では無いが、色々と不運が重なってディナー訪問が遅れに遅れてしまい、2年半ぶりの訪問となった。念のため大宮駅に着いてから電話を入れて開いていることを確認してから東武線に乗り込んだ。
事前にホームページでメニューを確認していたので「初秋のヴァレンティーノコース(3800円)」をお願いした。パン、前菜(2択)、手打パスタ(2択)、メイン(2択)、デザート2種(6択)、エスプレッソという構成だから、夜のイタリアンとしてはかなり低価格。
コースは2名からというケースがイタリアンには多いのが不安だった、問題なく一人でも注文出来た。フレンチでは自称以外まず存在しないのに、イタリアンに多いのは何故だろう? やはりそういった店は、利益第一主義なんだと思うが、この店はそんなことは無かった。
まずは自家製パンがオリーブと共に到着。あわせて、時間がかかりますからと、イタリア料理写真がたくさん掲載されていた専門誌を持ってきてくれた。男一人で乗り込むと業界人と思われるのかな? 店でボーッと過ごすのも好きだけど、客が他にいなくてホールにはかわいい感じの奥様だけという状態。中年オヤジに変に話しかけられるよりは・・と思われたのかも・・(考えすぎだ!)
前菜は「フレッシュフォアグラとポレンタのトルティーノ」
じつは、これが一番の目当てだった。埼玉でフレッシュフォアグラを置いている店は、フレンチでも数少ない。ほとんどが冷凍ものだ。もっともイタリアンでフォアグラというのも珍しいが。
そのフォアグラ、さすがに安いコースに組み込まれているだけあって質的には上等とは言えなかったが、まずまずの出来で満足。
フォアグラの下にあるポレンタ(トウモロコシの粉を、沸騰した湯やだし汁に団子の硬さになるまで振り入れ、捏ねるように仕上げるイタリア料理の定番らしい)、フレンチの定番であるマッシュポテトと違ってソースを吸い込まないので、しっかりフォアグラにソースを付けていただける。
付け合わせのアーティチョークは、ピクルスを素揚げしたような面白い味だった。
パスタは「野うさぎとポルチーニ茸のタリアテッレ」
イタリアン専門の 星を食べた猫 さんがポルチーニ茸が香らなかったとレビューされているが、私にもあまり感じることが出来なかった。といっても、香っていると認識できる料理を食べたことがないので、判断出来なかったのが実際。ポルチーニ茸を買って自分で作って試してみるしかないかな。
手打ちパスタは、乾麺派の私にしては珍しく美味しい方だと感じた。きしめんと大差無いようなものを出す店が多い中で、パスタらしい食感とコシがあった。
全体として、かなり薄味に仕上げて素材の持ち味を生かした料理になっていた。うさぎは軟骨部分でも入っていたのか、コリコリした食感の部位もあり「リストランテ」らしいパスタ料理だと思う。
メインは予定したものが変わっていたが、奥様とのやりとりを厨房で聞かれていたシェフが出来ますよということで「仏産バルバリー種鴨胸肉のロースト 赤ワインと巨峰のソースで」
フレンチ好きなのでどうしてもフレンチっぽい料理名のものを選んでしまうが、巨峰を潰してソースベースにしたものという予想に反して、巨峰は粒のままで出てきた。酸味が弱いので山梨産ではなく長野産のものと思うが、ジャムのような甘さも押さえられていて、そのままピューレ状にすればソースになりそうなもの。こんなアプローチがイタリアンなんだろう。
鴨はイタリアンらしく大胆に厚切りカット。焼きも上手く、ソース無しで素材を楽しめる。
付け合わせがちょっと変わったラビオリに焼き林檎と焼き長芋。確かにフレンチではないな。
デザートは「ダークチェリーのチョコレートのトルタ」と「キャラメルとブランデーのセミフレッド」をチョイス。
トルタはバランス面でしっくり来なかったが、半冷凍菓子と訳されているセミフレッドは、少し溶かした感じのアイスクリームで美味しかった。
食事の後にシェフが出てきてくれたので、11月にイタリアに行くと話して、現地での店の選び方をアドバイスしていただいた。
日本人だと分かると料理で手を抜くとか、先日報道されたぼったくり以外にもカモにしている店が多いので、日本語表記のある店や街中を避けて食べるようにとのことだった。今回は鉄道旅行で街中を外すことは出来ない上に、イタリア語も分からないという状態では、リストランテに入るのは無謀なのかもしれない。
※追記:
前回は禁煙をお願いするスタンスだったが、現在は完全禁煙。
食後だけなら許容できたが、あまりにも食事中に周囲を気にせずに吸う方が多いので完全禁煙にしたそうだ。
立派!
----- 2007/4/3 13:00
岩槻には行くに値する店は無いと思っていたが、偶然発見した当店がなかなか魅力的に思えたので、訪問してみたら当たり。リストランテと表記しているだけあって、近隣の店とは違ったしっかりした皿で出てきた。
ランチは1000円から楽しめるが、「リストランテコース(\2500)」をお願いした。
イタリア料理の名前は不勉強なので覚えられなかったが、前菜はフライパンで焼いたパンの上にとうもろこしの柔らかいパテ状ものを乗せ、その上にムース状のサーモンを乗せた料理で実に旨かった。
パンは自家製の3種。パルミジャーノのパンというのは初めて。レーズンのパンやゴマのパンもほのかに香る程度の主張の無さが逆にうまく作用して、なかなか美味しくいただけた。イタリアンでパンの追加はいかがかと言われたのも初めて。嬉しいサービスだ。
コースのパスタ(3択)はハーフサイズだが、「車エビとブロッコリーのタリオリーニ」を選択。自家製パスタもなかなかだが、ソースが絶品。生トマトの味を強調したもので、この界隈に多くある品数が多いだけのパスタ屋レベルのものではない。
メインの牛筋は、少し煮込み不足の感。これ以上煮込むと崩れてしまうという問題もあるのだろうが、味は別途頼んだラグーソースのパスタのものに近かった。もう少し凝ったものだとより美味しくなりそうだが、そこはイタリアンであり重厚なフレンチとは異なるのだろう。
ちょっと残念だったのがデザート。6種中2種選択だが、サイズがかなり小さめ。1000円からのランチセットでも200円追加すると1種選択できるが、確認したところサイズは同じとのこと。味は水準以上なので、もう少し大きくカットすれば満足度も高くなりそう。
総じてさいたま市内としては水準の高いリストランテであることは確認できた。
開店して2年強とのことだが、浦和の『アランチャ・デル・ソーレ』が内容的にも近い感じ。若い女性のサービスは基本に加えて配慮もあり嬉しい。
駅から近いので、途中下車して立ち寄るのも良いだろう。
追記:
煙草は食後にとの表記。基本的には禁煙にしたいのだろうが、地域性もあり控えめの表現にしてることが分かる。都心から半径30Km圏といえどもまだまだ全面禁煙は営業的に難しいのだろう。
9位
1回
2015/03訪問 2015/03/13
再訪:[2009/8/13 19:00]◇ 《昼:4.5/4.0-4.5-4.5-5.0、夜:4.5/4.5-4.0-3.5-5.0》
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2014/03/18/7248255 (2014/3/18)
家内の実家に迎えに行った帰りは東北道久喜ICで降りる。国道122号バイパスが久喜ICと東大宮バイパスを結ぶ県道につながったおかげで格段に行きやすくなったことから、夕食を食べに寄ってきた。家内とはディナーを楽しみに来たことがあるが、ボリューム満点のカンパネ食堂が気に入っている子供の反応が楽しみ。
前回のディナーで前菜の量が凄まじく多いのは分かっていたので、前菜とパスタだけで構成してしまった。
メインに好物のイベリコ豚があったが、また次の機会に。
●琵琶湖産稚鮎のエスカベッシュ(500円)
稚鮎の原価は検討も付かないので何とも言えないが、予想以上に多かった。
栃木で子供の頃に10尾単位で食べていたという鮎大好きの家内が頼んだものだが、満足とのこと。
●北海ダコのカルパッチョ バジリコソース(1100円)
これはタコ好きの子供に食べさせたかったので、前回に続いて頼んでみた。
期待通りの量だし、中央の野菜の下にもしっかり蛸が隠れている。
ジェノベーゼも好物とあって、半分は子供が食べてしまった。
●岡山産特大ムール貝のガーリックバター焼き(900円)
これはムール貝好きの私が期待した皿。「特大」の文字を見落として注文したので、出てきた時の巨大ムール貝には驚いた。こんな大きなものも存在するんだと。今が旬の1個400円位の岩牡蠣と良い勝負といった大きさで、大満足。
●桜肉モツのイタリア風煮込み(900円)
これも私の趣味。まさか鍋で出てくるとは思わなかったが、普通の店なら3人前以上のボリューム。
赤身のクセが無い桜肉だけあって、モツもクセがないようだ。
煮込みソースはパスタソースという感じ。パスタにかけて食べても旨そ!
●魚介のパエリヤ(1500円)
2人前2800円という選択肢もあるが、この量で1人前。他店なら間違いなく2人前の量だ。
出てきた鍋で炊いている訳では無いそうだが、むしろライスがパラパラの魚介風味たっぷりの欧風炒飯という感じになっていて美味しくいただけた。
●北海道産生雲丹のクリームソース(1700円)
乾麺パスタで供される。大粒の道産雲丹がゴロゴロと入ってこの価格。もちろん普通のイタリアンの2人分ぐらいはある。
やはり他店と同様に生雲丹をうまく統合させた味にはなっていない感じがしたが、塩を少し加えることで格段に美味しくなった。
●クリーム仕立てのタリアテッレ・ボロネーゼ(1300円)
自家製手打ちパスタということで頼んでみた。家内はデザートに走ったので、私と子供でシェア。
乾麺派の私にとって、生麺パスタが美味しいと思った店は過去5軒あるか無いかだが、このパスタは久々に美味しい手打ちパスタと感じた。タリアテッレだと、大抵の店はきしめんのように腰ばかり主張したものになるが、パスタらしい適度な腰と優しい歯ごたえで満足。
手打ちパスタというだけで高い価格を提示する店が多い中で、ここではせいぜい100円増の価格設定。もちろん量も普通の店の2倍近いとあって、単にCPが良いだけでなく質の高さでも満足出来る。
家族3人、食べきれないほど注文して8350円。もちろんサービス料やコペルトなどは無いし、カード払いも可能というのだから凄いとしか言いようがない。
ちなみに、カンパネと比較させた子供の評価は、こちらの方が美味しいと。カンパネの方が圧倒的に近いので楽に行けるんだけどなぁ・・
夜は奥様だけでサービスしているので、どうしても目が届かない点が出てしまうが、コストを掛けない分だけ客に還元しているということで理解しているつもりだ。
※夜の量も半端でないので、おひとり様には平日ランチをお勧めします。
----- 2009/2/28 11:20
2年半前の前回と比べて300円アップの1800円となっていた。
写真と当時のレビュー内容を見ていただければ分かると思うが、300円の値上げに対して300円以上の内容充実が図られている。サラダが無くなった代わりに前菜が格段に良くなっているうえ、デザートも前回の品は「プチデザート」の1品となり、それ以外に自家製ケーキが付くようになった。
以下、平日の「お肉またはお魚料理のコース(1800円)」の内容を個別に記す。
土曜日は対象だが、日曜と祝日はランチ用メニューは無いようなので注意してほしい。
●シェフおまかせ前菜盛り合せ
生ハムは熟成度の高いもの、サラミ類も安物ではない、とここまでは非調理品でどこの店でも出てくるが、更に厚切りのパテ、しっかりしたチカのエスカベッシュにパプリカと茄子のカポナータが盛られている。
パテがやや塩辛い点が気になったが、カポナータは旨い。
●ハーフパスタ(3+3択):甲イカの墨煮(+150円)
所謂イカ墨スパゲティだが、甲イカがタップリ。ソースもたっぷり。
写真ではわかり辛いが、普通の店なら1人前という量で出てくるのは、この店らしい。
失敗したのは、上部にある赤いもの。何だろうと思って先に食べてしまったが、これは本来ソースと混ぜ合わせるべきトマトソースだった。そのせいか、イカ墨ソースが何とも物足りない味になってしまった。
●メイン(2+1択):ポークソテ オレンジソース
前回は魚料理を食べたので、今回は肉料理を試してみた。予想通り分厚い肉で出てきた。
ちょっと脱線するが、いつもとんかつ屋の肉は薄くて高いし、少し量を増やすとべらぼうに高くなるのは如何なものかと思っているが、ここのはとんかつ屋の「厚切ロース」という量。
単に衣を付けて揚げて出すだけの手抜料理であるとんかつと違って、しっかり手の入ったソース。もちろんフレンチのソースのような奥深さは無いが、自称フレンチで出されるソースよりはしっかり作られている。
意外だったのは、付け合わせの野菜のグリル。時々他の店でこの手の野菜が出てくることがあるが、旨いと思ったことは一度も無かった。よく確認しないで口の中に放り込んでしまったが、ブロッコリーも焼いていたのか、この食味が気に入ってしまった。南瓜も裏に隠れているポテトもグリル野菜では初めて旨いと思った。このあたりは、焼きの技術なのかもしれない。
●バゲット
写真の通りオリーブオイル(安物ではないと思う)が付いてくるが、メインのソースを付けて楽しみたい。
パン自体は標準クラスだと思う。
●自家製ケーキ(2択)とプチデザート(2択)
ケーキの種類が2種類だと思ったら、ケーキとプチデザートそれぞれから1つずつ選べる。
入口でも販売していたが、ケーキは540円(だったと思う)の半分のサイズ、プチデザートは200円相当。1800円のコース価格からデザート代を引くと1330円。相変わらず、どういう計算をしているのかと思ってしまうが、食べる側にとっては安い方が良いので気にしないことにする。
ケーキは抹茶のチーズケーキを選んだが、デザートの水準が上がっていることを感じさせられた内容だった。やはりデザートの水準が低いと悲しくなってしまうので、十分満足。
●ドリンク
最近からハーブティーも選択肢に加えたそうだ。レモングラスとあったのでお願いしてみた。
★おすすめメニュー★
ランチコース(肉か魚が付くタイプ) 1800円
ディナーの前菜群
※過去レビューはコメント欄に移しました。
10位
1回
2015/03訪問 2015/03/19
再訪:[2009/6/19 20:00]◇ 《昼:4.0/4.0-4.5-3.5-5.0、夜:3.5/4.0-2.5-3.0-3.5》
直近レビュー:http://r923e.asablo.jp/blog/2015/03/19/7593830 (2015/3/15)
国内旅行の頻度が減ってしまいなかなか行く機会に恵まれなかったが、高速千円のおかげでようやく旅の最初に再訪問を実現出来た。
ちょうど10周年感謝フェアと題して「イバラガニのコース(4400円/サ10%込)」という魅力的なコースがあったので、それをお願いした。イバラガニはタラバガニの仲間で、「イバラガニモドキ」というのも存在するようだ。
(詳細:http://www.zukan-bouz.com/koukakurui/tarabagani/ibaragani.html)
以下、メニューに記されている順に、コースの内容とコメントを。
●アミューズブーシュ
左から深谷ネギのタルト、豚肉のゼリー寄せ、サーモンと帆立のタルタル
全体的に腕を見させる料理ではなかったが、ゼリー寄せ(あるいはマスタード)につぶ塩がアクセントに加えられていた意外性が面白かった。
●カニのゼリー寄せ 根セロリのクリームソース
ほぐしたカニの身と崩したゼリーを和えたものにコンソメ風味のクリームをかけたもの。前菜らしい1品で蟹の味が映えている。ゼリーの旨味がもう少し出ていればうまく調和した気がする。
●カニとアスパラのトマトスパゲティ(塩味も選択可)
トマトソースと蟹を組み合わせた味が自分で蟹缶で作るものと大差無く、やや不満。アスパラも主張が強すぎた。
●カニのスフレ オマール海老のソース
海老や蟹料理の醍醐味は、なんといっても皿が運ばれてきた時に漂う甲殻類特有の匂い。これも実に美味しそうな匂いが漂ってきた。
オマール海老のソースが独特で、オマール海老よりは瓶詰めの雲丹特有のアルコールのような味を強く感じた。瓶詰め練り雲丹で作るパスタは大好物なので、結構はまる味。
●骨付き仔牛のロースト トリュフソース
かなり独特な味わいのあった仔牛肉、ちょっと聞いてみたら生後2~3ヶ月までの乳だけで育った仔牛を使っているそうだ。一般的にクセの無いのが仔牛肉の特徴と思っていたが、逆に変わったクセを感じる肉質だった。ソースが軽めの仕上げだったこともあり、肉固有のクセがやや気になってしまった。
●自家製パン
2年前のランチと同じ。なかなか美味しい。
●本日のデザート
ランチと同様にトレーに乗せられた6種類から1つ選択。全体的にムース系が多く魅力に乏しい気がしたが、アーモンドチョコを選んでみたが、やはりアーモンドクリームが単調な味わい。ランチのお得度が際だつ感も。
●コーヒー又は紅茶
料理水準は標準以上と思えるが、ややムラがある気もする。例えば、アミューズ3品のうち2品は何の技術も見せてくれないありきたりのもの。パスタソースも前回同様に腕を感じさせてはくれなかった。
また、夜はサービス料10%を取られる。料理の説明は丁寧だが、ナプキンは紙だしテーブルの状況チェックが疎かになる局面も多いと、サービス料を取れるようなサービスをしているわけではないし、立地的にもサービス料を取る姿勢には良い印象を持てない。(サービス点減点1.0点)
ただ、都心から離れた地方の店であることを考えれば、かなり優秀な店であることは事実である。
特にランチのCPは抜群に良いことから、初めての方にはランチ利用をお勧めしたい。
----- 2007/5/27 12:15
高崎線沿い、特に上尾~鴻巣周辺のフレンチの水準が高いのは既知の事実だが、熊谷の水準も相当なものだ。
前回出かけたサンタムールとこの店は、通販事業を手掛けたり価格帯と構成にライバル心を燃やしている感じが伝わってくる。期待通り素晴らしい内容だった。
違いといえば、こちらはややイタリアン寄り。パスタが存在することやソースの構成からサンタムールとは路線が異なるが、一般的なバイパス沿いの低レベルな店とは格が違った。バイパスを走っていると、どこにでもあるようなカフェレストランにしか見えないのだが。
伺った時は最後の4人席で、その後の客から待ち行列となった。やや老朽化が目立つが、テーブルは広く居心地は良い。全部で30席を厨房3名サービス2名という構成でカバーしていたのでかなり忙しそうだが、サービス水準も高い。
基本構成であるAランチは、オードブル(8択)、スープ、肉または魚料理、パン、デザート(6択)、珈琲か紅茶で1500円。ハーフパスタ(2択)を加えたBランチ(1850円)、さらにメインを2品にするCランチ(2500円)と低価格路線だ。休日でも同価格。
3名で出かけたのでAランチ2つとBランチで2種しかないメイン以外では内容が被らないようにお願いした。個々の料理の説明は写真に記しておくので参照していただくとして、全体的な印象をまとめておく。
● オードブル
どの皿も繊細で手をかけた素晴らしい皿である。
この価格帯でこの水準の料理を出されると、期待が高まる。
● スープ
グリーンピースの冷製だが、これだけが唯一の失敗作というものだった。
生のグリーンピースから作っていると思われる味だったが、材料の質が悪かったようだ。
● メイン
肉・魚共に構成をよく考えているなと感心させられた。価格が安いにもかかわらず、材料の質も悪くはない。安い材料でここまで美味しい皿を出すことができるのは、技術だけでなく研究熱心さの表れであろう。
● パスタ
特筆するほどのものではない。Aセット以外はパスタ(2択)が必ず入る構成なのが残念。
● 自家製パン
フレンチ流におかわり自由。なかなか美味しい。
● デザート
6種類を載せたトレーから選択するが、見た目はシンプルながらも、材料費をしっかりとかけた満足できるものだった。皿への盛り付けもこの価格帯では信じられない内容。
皿は冷やされているもののアイスが溶けていたのは、ちょうどデザートの注文が集中していた関係でソルベの保存状況が悪かったのだろう。全皿に盛り付けているので冷凍庫に入れることができないという状況だったと思われる。無論ソルベの出来も良い。
休日の関越道上り線が渋滞しているときに、本庄児玉ICで降りて深谷バイパス経由で大宮に向かうことがあるのだが、この店はその通り道。ぜひディナータイムも試してみようと思う。
食べログでのレビュー投稿から撤退して2年半。
昨年度のマイ★ベストレストランを見ると再訪問店が58軒あったようだが、今年は36軒。食べログ撤退後に出来た店の訪問が多くなったことも理由だが、全体的に好みの店の再訪頻度が高くなってきたのが実態だ。
埼玉だけに限定してしまうと寂しいので、今回から全国のフレンチとイタリアンをターゲットに変更することにした。といっても再訪したのは札幌の3軒だけだが、3軒ともお気に入りなのでベスト10に入ってしまう。それだけ札幌の水準が高いということだ。
また今回は、完全に個人の好みでランキングしたので、食べログやブログの採点基準とは異なる点に注意してほしい。
食べログ未レビュー店を含む2012年訪問実績のある埼玉ベスト10は、以下の通り。
リンクは、この原稿投稿時でのブログレビュー最新版となっている。
第1位:Maison d'H(北上尾)...昼夜共に訪問
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/08/21/6550789
第2位:ふなつ亭(南鳩ヶ谷)...昼夜共に訪問
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/11/11/6631204
第3位:アランチャ・デル・ソーレ(浦和)...夜の常連対応コース(4500円)
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/10/31/6620131
第4位:レ・ミロワール(ふじみ野)...昼夜共に訪問
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/11/16/6635960
第5位:ラルケカンジュ(南浦和)...昼夜共に訪問
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/11/06/6626271
第6位:ヴァレンティーノ(岩槻)...昼夜共に訪問
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/10/06/6595140
第7位:トラットリア ナトゥーラ(蓮田)...昼夜共に訪問
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/09/04/6565132
第8位:アミュゼ(熊谷)...昼のCランチ(2500円)
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/10/12/6601201
第9位:ラ・サントゥール(南浦和)...夜のフルコース(5100円)
http://r923e.asablo.jp/blog/2012/04/04/6402426
第10位:どうろくじん(北本)...昼のおまかせコース(3150円)
☞ http://r923e.asablo.jp/blog/2012/09/30/6588742