2回
2011/12 訪問
ホテル・ザッハーのザッハトルテと同じ配合、且つ同じ作り方で作られた「ザッハトルテ」
こちらのケーキが上品で美味しいと伺い、行ってきました。
お店は大通り沿いにあるものの間口が狭いこととあまり目立たない外観から、
今までここにお菓子屋があることすら気付きませんでした。
駐車場は店舗前に2台、店舗の右脇を通った先(店舗裏)に3台分。
それと少し離れた場所に5台分とめられる第2駐車場があります。
伺ったのは日曜日の14時頃で、先客1人。
入口入ってすぐ右手に階段があり、2階はアトリエと書かれています。
でも店名に“お菓子サロン”と付いていますし外から見たところ窓越しにテーブル席が見えたので、
アトリエ兼サロンなのかも知れません。
正面には焼き菓子が並ぶコーナーがあり、
壁にバラのケーキ型やクグロフ型等、おしゃれな型が色々飾られています。
珍しい型もありましたので、オーナーが趣味で集めているものなのかも知れません。
そして左手にガラスのショーケースがあり、生ケーキがディスプレイされています。
伺った時にショーケース内に並んでいたのは、
プチガトー17種類に、アントルメ4種類、シュークリーム1種類、プリン1種類、マカロン9種類。
それと発酵バターを使用したクロワッサンを始めとするヴィエノワズリーが数種類、
ショーケースの上に並んでいました。
アントルメが安いですね。
「紅茶のシフォン」は903円ですし、果物がふんだんにのった「果物のタルト」も1050円。
苺が7つくらいのった4号サイズのデコレーションケーキ「苺のプチデコ」ですら1575円。
プチガトーも200円台~300円台前半がほとんどとリーズナブル。
但し、小さな子どもが喜びそうな見た目に可愛らしい華やかなケーキではなく、
シックで落ち着いた見た目のケーキがメイン。
オーナーパティシエがチョコレート好きだそうなので、そうと聞いてはやはりチョコ系は外せません。
ショーケース中央の一番目立つ位置にディスプレイされていた「ザッハトルテ」、
食べログでも高評価のベネズエラ産のビターチョコレートを使ったチョコレートケーキ「ベネゼーラ」、
のチョコ系2点と、王道であり残り1つとなっていた苺のショートケーキ「フレーズ」の3点を購入。
持ち歩き時間は聞かれませんでしたが、保冷剤は入っていました。
★ザッハトルテ(生クリーム付き)…368円
ウィーンのホテル・ザッハーの名物菓子であり、チョコレートケーキの王様とも称されるケーキ。
こちらのザッハトルテはなんと、
そのホテル・ザッハーのザッハトルテと同じ配合、且つ同じ作り方で作っているのだそうです。
ザッハトルテは私も主人も大好きなケーキ。
でもオーストリアには行ったことがないので、
日本でも買えるデメルのザッハトルテは食べたことがあっても
ホテル・ザッハーのザッハトルテは食べたことがありません。
これは食べてみたい…いや、食べなくてはっ!!と購入。
お値段の割に大きめのカットで、
しかも家に帰って箱を開けてから知ったのですがこのお値段で生クリーム付き。
つくばのザッハトルテが有名なウィーン菓子シーゲルでは生クリーム代が別料金で、
ザッハトルテ(390円)+生クリーム(110円)=500円でしたので、そう考えるとこちらはだいぶお安いです。
ショーケース内に生クリームは置いていなかったので、
生クリームは注文を受けてからアルミに絞って入れてくれるようです。
でも安いなりのお味では意味がない…。
まずは生クリームを付けずにそのままいただきます。
こちらのザッハトルテは上から順に、
・ショコラーデン・グラズール
・杏ジャム
・ザッハマッセ
・杏ジャム
・ザッハマッセ
という構成。
ホテル・ザッハーと同じと言うだけあり、間にも杏ジャムがサンドされた2層構造。
表面のショコラーデン・グラズールことチョコレートのフォンダンは厚めで、
一緒に購入した「ベネゼーラ」程の艶はありませんが、
デメルのザッハトルテのような砂糖のざらついた感じが見て取れ、期待がもてます。
そしてフォークでカットする際には「ザクッ」という効果音を付けたくなるようなしっかりとした硬さ。
砂糖たっぷりの証です。
そのフォンダンと下のザッハマッセ(チョコレートスポンジ)や杏ジャムを一緒にいただくと…
おぉ…( ̄□ ̄;)
これがホテル・ザッハーのザッハトルテの味なのでしょうか。
グラズールの砂糖のジャリジャリ感とコテコテの甘さ、
それに杏ジャムの甘酸っぱさとほろ苦いチョコレートの味が一体化して、とても幸せなザッハトルテです。
杏ジャムが2層になって入っている分、デメルのものよりさっぱりといただけます。
ザッハマッセもしっとり濃厚。
そうそう、私が好きなザッハトルテは日本人向けに甘さを抑えていない、こういうこてこてのザッハトルテ。
日本の甘さ控えめケーキに慣れた人や甘いものが苦手な人は発狂するかも知れませんが、
ウィーン菓子らしいどっしりとしたケーキで、とても美味しいです♪
但し、添えてある生クリームは無糖ではありません。
ザッハトルテそのものは同じ作り方だというのに、そこは何故違うのか…。
このザッハトルテのためだけに無糖の生クリームを常時準備しておくことは、
コストや手間の問題でできないからでしょうか。
甘々のどっしりとしたザッハトルテには無糖の生クリームが合うと思うので、
この生クリームだけは残念でなりません。
生クリームと一緒にいただくことでミルクのまろやかさが加わりより後味はマイルドにはなりますが、
同時に甘さやバニラの香りまでもが加味されてしまうので、
お値段を上げてでも無糖の生クリームにして欲しいと思いました。
★ベネゼーラ…315円
ベネズエラ産のビターチョコレートを使ったチョコレートケーキ。
ベネズエラのカカオ豆(クリオロ系)は、風味、香りの強い世界トップクラスのカカオ豆。
但し世界のカカオ豆総生産量の0.5%にも満たない貴重なカカオなので、
ベネズエラ産のチョコレートを使用したお菓子はお値段もそれなりにしたりするのですが、
このケーキは315円…安いです。
ムース(ガナッシュ?)としっとりとしたチョコレート生地が層になっており、
一番上は艶やかなチョコレートに金箔がのった上品な見た目。
ほとんど子どもが食べてしまい私は少し摘んだだけなのですが、
小麦粉率が低くチョコレート率の高い、しっとりこってりのたまらなく濃厚なチョコレートケーキです。
ビターチョコレートですが苦味や酸味は控えめで、ほんのり効いたリキュールの香りもまた良いです。
これも美味しいですね。
パティシエがチョコレート好きというだけあり、こだわり抜いたチョコレートを使用しているのでしょう。
チョコレート好きによるチョコレート好きのためのケーキ。
チョコレートづくしでチョコレートへの愛が感じられます。
今回一緒に購入した「ザッハトルテ」や「フレーズ」と比べると少し小ぶりなケーキですが、
濃厚なのでこれくらいの方が飽きずにいただけて良いのかも知れません。
★フレーズ…325円
定番の苺のショートケーキ。
上から順に、
・苺、ミントの葉
・生クリーム
・スポンジ
・スライス苺入り生クリーム
・スポンジ
・スライス苺入り生クリーム
・スポンジ
とスポンジと生クリームが2層のちょっとリッチな構成で、結構高さがあり…つまりボリュームがあります。
上や間にサンドしてある生クリームも厚みがあり量が多め。
期待しながらいただいてみると、うん、美味しい♪
生クリームが特に幸せで、しっかりとした甘さ且つバニラの香りが強い私好みの生クリームです。
スポンジもシュワッと感のあるしっとりなめらかな舌触り。
生地とクリームのバランスも良いとても美味しいショートケーキです。
この味、このボリュームでこのお値段は安いと思います。
生クリームとスポンジが美味しいということは、ケーキの基本が美味しいということですので、
何を食べても美味しいのではないかと思います。
「ザッハトルテ」の生クリームが無糖でなかった点以外は、お値段以上の高品質の美味しいケーキでした。
ザッハトルテ(生クリーム付き)…368円
「ザッハトルテ」のアップ
フレーズ…325円
ベネゼーラ…315円
フレーズ、ザッハトルテ、フレーズ
ケーキ箱
生ケーキの入ったガラスのショーケース
ザッハトルテ
ベネゼーラ等
ヴィエノワズリー
焼き菓子売り場
駐車場案内
2011年クリスマスケーキ
あまり目立たない外観
2011/12/20 更新
<お店について>
創業35年を超える洋菓子店。
洋菓子界の重鎮の一人今田美奈子氏に師事し、欧州各国の製菓学校やホテル学校を修了した洋菓子研究家の中村きぬよ氏が始めたお店で、現在のオーナーパティシエは息子中村光孝氏。
・駐車場
5台分(店舗前に2台分、店舗裏に3台分)
・席構成
なし
・その他
土日限定販売…クロワッサン、アップルパイ、ブリオッシュ、カヌレ
月曜…シュークリーム、マカロン、焼き菓子等のみ(事前予約すればホールケーキお渡し可能)
無断での店内やショーケース内の写真及び動画の撮影禁止
<商品>
■ベラベッカ(大)…税込1500円
・長さ…約14.2cm
・幅…約5cm
・重さ…約134g
・原材料名…ドライフルーツ漬込み(洋ナシ、イチジク、プルーン、アプリコット、レーズン、レモンピール、オレンジピール、クランベリー、ドレンチェリー)、ナッツ類(クルミ、アーモンド、ピーカンナッツ、ピスタチオ)、洋酒、強力粉、砂糖、香辛料(シナモン、アニスシード、ブラックペッパー、クローブ)、イースト、塩/トレハ
冬季限定販売商品。
フランス語で「ポワール(洋ナシ)のパン」を意味するフランス北西部アルザス地方で冬に食べられる伝統菓子。
「大」(1500円)と「小」(760円)があり、「大」を購入。
「大」は密閉された袋入りで赤いリボン付きなので、そのままプレゼント用にも。
本体は明度低めの棒状で華やかさはありませんが、トップには存在感のあるピーカンナッツを中心に、宝石のように煌めくドレンチェリーやピスタチオ、アーモンドが並んでいて逆にそれらが際だって美しく見えます。
クリスマスシーズンに日々少しずつ食べる伝統菓子としてはドイツの「シュトレン」やイタリアの「パネットーネ」がありますが、こちらはそれらと異なり小麦率が著しく低くしっとりジューシー。
ほぼほぼドライフルーツとナッツでできたお菓子で、フルーティで洋酒とスパイスが効いた大人な味わい。
特にシナモンとアニスシードが効いていて、とても美味しい。
ストレートの紅茶が良く合います。
薄くスライスして少しずついただく予定でしたが、食べ出したら止まらず一気食い。
満足度の高い「ベラベッカ」でした。
■バターリッチブリオッシュ…税込790円
・長さ…約17cm
・幅…約7cm
・高さ…約5.7cm
・重さ…約173g
休日限定商品で、一人(一会計)1個までの購入制限付き。
ブリオッシュとして一般的なブリオッシュ・ア・テット(頭つきのブリオッシュ)ではなく、パウンドケーキ型で焼き上げたような横に長い直方体。
トップには大きめの穴が5カ所程空いており、粉糖がたっぷりと振りかけられています。
穴の中をのぞき込むと、生地から染み出て液化した発酵バターが湖のようになりキラキラと輝いて見えるというもの凄いバターリッチ感が伝わるビジュアル。
購入時、「私は常温でそのまま食べますが、もし温めて食べる場合には直接焼き直したりはせず、余熱で温めておいたオーブンの庫内に少し入れておくくらいにしないと、バターが溶け出てしぼんでしまうので気をつけてください」という旨の説明がありました。
部屋の温度ですでに生地のバターが溶け出て湖化してますからね…納得です。
常温でいただいてもふわふわでバター感ありますが、260℃で予熱しておいたオーブンに10秒程入れてからいただくと、発酵バターの香りが漂い、生地のふんわり感も増してより美味しい。
バター好きにはたまらないヴィエノワズリーです。
■カヌレ…税込320円
・直径…約5cm
・高さ…約4.8cm
・重さ…約61g
休日限定商品で、一人(一会計)2個までの購入制限付き。
カヌレはフランス語で「溝のついた」という意味で、縦に溝が入った釣り鐘状の見た目から付いた名前。
フランス南西部、赤ワインの名産地として知られるボルドーの伝統的な焼き菓子で、ワインの澱を取り除く清澄工程で鶏卵の卵白を使用するため、余った大量の卵黄の利用法として考え出されたのだとか。
外はカリッと、中はもっちりとした食感がカヌレの特徴で、その食感の違いがカヌレの醍醐味というか個人的に好き。
朝焼き上げたものだそうで、中はもっちり、外側は蜜蝋でカリッとした硬度のある食感。
ほろ苦さの後に残るバニラとラム酒の甘い香りがたまりません。
卵黄のコクもしっかりと。
人気なのも頷ける、絶品カヌレです。
※注意; 店内やショーケース内の写真は、スタッフの許可を得て撮影しています。