驢馬人さんが投稿したバカリ ダ ポルタ ポルテーゼ(東京/渋谷)の口コミ詳細

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閉店バカリ ダ ポルタ ポルテーゼ渋谷、神泉、代々木公園/イタリアン、パスタ、ヨーロッパ料理

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥5,000~¥5,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2008/06 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

正真正銘、最高のコストパフォーマンス

 かつてここまでコストパフォーマンスに優れた店があっただろうか。
 ぼくの大好きな「サローネ2007」の平シェフが腕を振るう渋谷の小さなイタリア料理屋です。
 ちょっと奥まった場所にある隠れ家でゆったり落ち着けるのもうれしいところ。
 価格はB級、味はA級。ぜひご自分でご確認ください。

 金曜日の夜、渋谷は物凄い人です~。しばらくこんな猥雑な感じの雑踏には足を踏み入れていなかったなぁ。
 お店は東急ハンズの目の前の雑居ビルの2階に。雑多な看板の中から店の案内を見つける。
 緑色のステップの螺旋階段を上がり2階へ。上に上がってすぐのお店は別のお店。
 そのまま右に行くとエレベータ前に金属製の装飾された看板が立っていました。レストランがあるようなビルの内装ではなく、不安はありますがここで間違いない。
 右に目を向けると待合の椅子があり、お店がありました。ここにも金属製の装飾を使った小さな扉。「サローネ」の印象がありますのでその差には少々戸惑うかもしれません。
 中に入っても小さなお店ですね。イタリアらしい塗り壁にレンガがむき出しになったような作り。
 テーブル席だけではなく、厨房前のカウンター席が。
 奥には4人掛けテーブル2卓を備えた小さな個室があります。薄暗く雰囲気が良い。

08年6月6日の来訪。
 「サローネ2007」の平シェフが事情があって夏までくらいこちらに入っていらっしゃるとのことで行こうと誓っておりました。
 19時半で先客は2組でしょうか。厨房にいた平シェフが早速挨拶に来てくださいました。徐々に店は混んで満席に近くなります。相席はないので4人卓に一人の方もいらっしゃいますね。
 通常はパン代としてコペルト500円がかかるのですが、サービス期間中に付きコペルト無料。さらに通常3000円のディナーコースが2500円と格安です。もちろん、6月7日までの期間限定ですが(笑)。

大間の本鮪ほほ肉のタルターラ.トリュフの香り 1400円
 コースの前に気になった前菜を注文。そぎ落とした感じのしっかりした食感の鮪のほほ肉は脂を含まないものの赤身らしい充実した味わい。タルタルのソースを絡め、上には刻んだ万能葱。白トリュフオイルを隠し味程度に使っています。ただ、香りとしては葱が強いかも。

 ここから3000円のコースです。

北海道産えぞ鹿の自家製スモーク.カルネサラータ
 前菜4品のうちの1皿目。スモークの香りも良い蝦夷鹿の肉。生ハムのようで、オリーブオイルをかけ、イタリアンパセリを散らしています。

シチリアの空豆の冷たいズッパマッコ
 前菜2皿目。「サローネ」でもいただいた空豆の冷たいスープです。魚のだしが結構強めに感じました。オリーブオイルをたらしていますが、さらにこの中にクリーミーなマスカルポーネチーズが沈んでいます。

 ここでパンが登場。自家製だそうですが、揚げパンかと思うような美味しいフォカッチャとレーズン入りのパンの2種です。コペルトなしなのにお替りまでもってきていただきました。

アンティパストミスト
 前菜の3皿目。右のナスのソット・アチェートは酢漬けなのに甘く、酸味がよい感じに。
 手前のカボチャはバター煮です。ほんわり甘いカボチャの味にバニラの風味がします。
 左はゴボウのアラビアータ。辛味がきいたトマト味のゴボウはなかなか行けます。

コロダイのシチリア風カルパッチョ
 長崎産のコロダイは透明な身と赤い部位が美しく、はじけるような食感。上にはディル、セルフィーユ、イタリアンパセリなどお得意の5種類のハーブ。オイルのほうにも、乾燥もののタイム、オレガノ、フェンネルが使われ、広島のオレンジを添え、さらに香ばしいアーモンドスライスが入るなど香りのオーケストラ。
 下には平シェフの故郷山形のタラの芽、行者にんにくとコゴミです。上に乗っているので十分なくらいで、山菜を添えているのは贅沢~。

長野産極太グリーンアスパラのフリウラーノソース
 極太で繊維の少ないグリーンアスパラをボイルしていただく。下には卵黄とビネガーにエシャロットを加えたフリウラーノソース。酸味がビシッと効いたソースでした。振りかけてあるのはナツメグ。それに白トリュフオイルがかかっています。

やんばる豚のサルシッチャと茄子のラグー.ペコリーノ風味
 実に良い塩梅の自家製サルシッチャにナスのスパゲッティーです。サルシッチャだけではなく、2色のパプリカにパッキーノトマトを使ったミートソースライクなしあがり。いいですね~。実に美味しい。本当にこのコース設定でやっていけるのか心配になります。
 上にたっぷりかけられているのは「サローネ」でもおなじみのペコリーノウンブロエトルスコ。ヤギのチーズです。

佐島産スズキのアクアパッツァ
 平シェフのスペシャリテのアクアパッツァ。「アクアパッツァ」修行時代に教わり、真っ当なことを真っ当に行うだけとおっしゃられますが激ウマです。
 基本は佐島のスズキ。いつものヴァポーレの3倍はあるスズキに感涙。上には身が半生に近いぷっくりしたアサリがたっぷり。熟成が進んだオリーブにケッパー、ドライトマトと刻んだイタリアンパセリが合わさり、乳化したオリーブオイルとアサリやスズキの出汁もたっぷりでケッパーの酸味が利いたスープも飲み干すほどに美味しい。これだけで2000円はくだらない皿です。コスト度外視ですね。

ミニデザート
 3種盛りです。冷たいティラミスのカッサータ、プチプチが入った赤葡萄のムース、しっとりと重めのスポンジケーキに生クリームのソースと蜂蜜です。

カプチーノ
 ミルクの泡が結構荒いのですが、温度がすぐに飲める程度でしたのでさっと飲めました。

 夏まで平シェフがいらっしゃるのであればコペルト払って3500円でもコストパフォーマンスは抜群だと思います。この低価格で最上の料理を味わえるとは。知れ渡るとまったく入れない店になりそうですね。
 ところで、今回は平シェフのカラーの確認ができた感じです。やはり「サローネ」のランチでいただいた樋口シェフのセンスとはかなり違う。それでいて合わさっているのが夜のサローネかと納得いきました。

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2008/06/07 更新

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