驢馬人さんが投稿した鎌倉 以ず美 鎌倉店(神奈川/長谷)の口コミ詳細

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鎌倉 以ず美 鎌倉店長谷、由比ケ浜、極楽寺/寿司

1

  • 夜の点数:4.6

      • 料理・味 4.6
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 4.6
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2008/06 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気4.6
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

寿司界のイチローが握る湘南随一の名店

 長谷にあり、湘南の名店と呼ぶにふさわしい一軒。
 ストイックな店主による極上の寿司。
 1日に極僅かなお客を相手に真剣勝負の寿司を振舞う姿勢は好みが分かれそうですが、ぼくは好きです。

 店構えはやはり小さい。寿司屋というよりも和食の店という感じの佇まいに特徴的な手彫りの合法な看板。
 中に入ると、テーブル席2卓にカウンターのみというこぢんまりした作りのお店。店主いわく、一人で鮨を握るには7、8人が限界。それ以上だと一人では握れないか、粗い握りになるという考えの持ち主です。
 黒光りする分厚い富貴漆の木のカウンターでいただきました。目の前の壁は珪藻土を用いた塗りが特徴的ですね。湘南の海の波を模したかのような模様に活けた花…すっきりした「八左エ門」とはまったく別の方向にこだわりが見える。壁の前には包丁が飾られています。店主の使う包丁は日本刀と同じ玉鋼というから、飾るのも自然なことでしょうか。
 
07年3月に初回来訪。
 コースはおまかせのみ。

 最初の小鉢はのれそれ。穴子の稚魚です。これがつるんとした口当たりながら平べったい穴子らしく食感が独特。ポン酢醤油に万能葱と卸し生姜。これが激ウマです! 最初からこんなに良い素材を上手く出してくれるとは、と感涙しました。

 赤貝の肝の串。濃厚な赤貝の肝を炭火で焼いた後に串に刺したみたいですね。これもシンプルに調理してあり、とても美味しい。

 3品目はグラスに能登の赤ナマコ。これも柚子ポンのようですが、上に大根おろしと紅葉卸、柚子の皮をのせています。この赤ナマコの美味さには絶句。ぼくはこの日までナマコが嫌いだったのです。しかし、小粒に切られたこのナマコはくっきりした小気味良い歯ざわり、極上の味わいにしばらくの間浸りました。苦手なものはと聞かれて、口までなまこと出かかったのを飲み込んでよかった~(笑)。

 空豆。フジの籠にゆでた大振りの立派な空豆。皮を自分で剥いて食べます。


 つるんとした柔らかな空豆ですね。

 金色に塗られた独特の器にトコブシ2個です。むっちりしていてトコブシもアワビと同じくらい美味しいなと思いました。これには甘いつめが塗られていたと思います。添えてあるのはとろりとした刻んだわさびの茎。

 ヤリイカ。鹿の子に包丁の細工を入れ、卸し金で柚子を削って竹の刷毛で振りかけていました。味付けは岩塩。漣のように美しく反り返ったヤリイカは一種の芸術品のようです。もちろん、甘みと歯ごたえも新鮮で素晴らしい。

 真鯛の昆布締めと金目鯛。煮切りを塗ってあります。

 金目鯛のピンク色のメタリックな輝きの美しいこと。これが本当に魚かと信じられない。もちろん、金目は好きな魚ですし、その味も素晴らしい。

 昆布締めの真鯛は刻んだ万能葱を仕込んでいます。透き通る白身にほんのりしたピンク色。実に良い仕事をしている。

 辺縁に細かく包丁を入れた家で茹でた赤貝。大振りで厚い身に赤貝らしい歯ざわりと磯の香り。

 とり貝。このとり貝はそれほど好きな感じではないのですが、握りのよさが逆に際立ちました。酢飯は赤酢を混ぜたブレンドだそうですが、酢飯は赤くないのですね。

 マグロ赤身のづけ。これがマグロの赤身かと言う様なねっちりした食感。出すまでに4,5日熟成させてから握っているとのことでしたが、それがこの美味さと食感を生むのですね。

 若竹の握り。穂先の方を焼いてあります。柔らかでコリコリしています。これは筍の香りが弱いためか、安定感がないからか珍しく海苔を使っています。

 茶碗蒸しです。同じような滑らかな口当たりのしらことしゃきっとした百合根が入っていました。上には柚子の皮を削って。口当たり良い滑らかな茶碗蒸しは非常に上品。余計な具が入っていないところも好みです。

 こはだ。美しい切り立った包丁の入り方、江戸前らしく丁寧な〆方、酸味を適度に感じます。手抜きは一切無しで店主のこだわりが良くあらわれている握りです。

 海老。煮切りを塗って艶やかに光っています。ほんの少しだけ甘くしたおぼろを中に仕込んでいるようです。

 中トロ。4、5日は熟成させたマグロの中トロ。写真ではわかりにくいのですが、半分が大トロの状態。ごっつく美味い。この後に大トロが出てこないところもこだわりなのでしょうね。

 五島の鯖。プリッとした身でしっとり。鯖はりんご酢でつけているらしいですね。ふんわり握られた酢飯一粒一粒が美しいと写真を見て思いました。紅葉卸とネギをちょいとのせています。

 稚鮎。尻尾の方が僅かに口に残る。

 鯵。身に切れ目を入れて。上には卸ししょうがと葱。鯵が持つ脂の美味さも最高ですね。

 玉子。カステラのように甘く、しっとりしたもの。焼き具合といい上質です。

 味噌汁は蟹です。じっくりと蟹の旨味と味噌の甘みが湧き出る作り。味噌汁自体は味噌がまったくでしゃばっていません。おすましとの中間のような不思議な味噌汁でした。

 穴子。これも岩塩に酢橘をしぼって。ふんわりした穴子の身にタレはなし。純粋に穴子の味が味わえます。

 軍艦巻きではなく、生雲丹の握り。とろけるような甘い香りの生雲丹を酢飯の上にのせて岩塩をふっています。醤油や海苔などの香りなく、純粋に雲丹と酢飯の競演を楽しめます。塩だけというところが雲丹の甘みを引き立てる。柔らかい握りのためにこれは手渡し。

 自家製の醤油漬けのいくら。これも海苔を使わず、上に盛り、小皿に乗せて出してくださいます。海苔の香りが邪魔をしないようにとの配慮。

 ミル貝。歯ごたえがしゃっきりしています。煮きりが塗られていました。

 足りないので、もう少しお願いして出していただいた平貝です。切れ目を入れることで、折り曲げて酢飯を包み込むようにしてのっています。

 蛸の頭の握り。煮込んであり、スカッとした食感で面白い。珍しくタレが塗られていますね。これに関しては香り云々ではないよう。

 最後は巻物を願い。ねぎとろです。刻んだ万能葱と堂々たる中トロの細切りを粗く切ったものを巻いています。巻いているところを見ると面白いのですが、細巻きを作るように巻いて、最後の部分を切って下に蓋をして渡してくださいます。

 デザートは細長い苺と驚くほどみずみずしい伊予柑。新鮮で上品ながら実に美味しい。この店のこだわりはここでも具象化されていますね。

 子供も連れて行きたいけど、難しそうな空気でした。店主と真剣に向き合って食べる感じが好きな方はあうかな。ストイックすぎる店主とあわない方もいそうですが。

08年6月2日夜の来訪。
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2008/06/24 更新

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