驢馬人さんが投稿したTSU・SHI・MI(東京/駒場東大前)の口コミ詳細

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移転TSU・SHI・MI神泉、駒場東大前、池尻大橋/イノベーティブ、フレンチ

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2014/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.6
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

「ツシミ」|横浜発 驢馬人の美食な日々

2014-10-2206:23:33「ツシミ」テーマ:フランス料理「TSU・SHI・MI(ツシミ)」@駒場東大前(☆☆☆)
http://www.tsushimi.com/
 
 ミシュラン一つ星をいただいた元「ミラヴィル」。装いも新たにし、野菜を主材料に添えたおまかせコースの店となりシェフの名前を冠しての今。
 おそらくアジアのトップレストランにも名を連ねられるだけの独創的でアイディア、日本各地の食材への深いこだわりを感じられます。
 自分で絵も描かれるシェフだからこそ、これだけのことができるのでしょうね♪
 
住所:目黒区駒場1-16-9片桐ビル1F
電話:03-6407-8024
定休:不定休
営業:12時LO/18時半~21時LO
 
 松見坂で人通りはあまりないわりに飲食の店が結構ありました。
 こちらは黒塗りの壁のお店。向かって右にガラス張りの入り口。
 予約時間前から入り口にはホール担当の野田君がスタンバッて出迎えをしてくださいます。

 中も黒い壁のモダンな空間。

 メインダイニングには白いテーブルクロスのかかる2人用テーブルが2つだけと驚きの少なさ。奥に個室がありますが、この日のお客はぼくらだけでしたので、扉は開け放たれていました。そちらの席を足しても8席だけなのですね。

 個室の天井は湾曲した壁で、白い輪が無数に描かれています。

 白いテーブルクロスに不整な形で不思議な模様の銀の見せ皿。この見せ皿がかなり重い。

 水のカップもずれたようなデザインで中が水色。
 厨房は都志見セイジシェフ、ホールは野田君。待ち時間の間にワインリストを見せていただく。描かれている絵はすべてシェフがかかれたものだそうです。
 
14年10月15日
 しずりんのお誕生日祭りの1日です。19時半前後からで、しずりん含め4人で貸し切り。

おもてなしのための野菜茶ー畑のエネルギー

 最初に茶碗に褐色の藻塩。結構色が濃い。

 ここに注がれるのがこのお店の夜の定番の野菜茶。とても濃い茶色をしています。
 15種類の野菜を2、3日発酵させてから作るものだそうで、コンソメに似ていますが、味はまったくの別物。スパイシーで不思議な香りのお茶です。

 黒い器にたっぷりの氷を盛り、緑の草が刺さっています。これが食べられるんですね~。
 枝のある細い緑は岩手の厚岸草。シーアスパラガスとも呼ばれ、フランスではパスピエールと呼ばれるアカザ科の1年草で、海辺の冠水位から満潮水位の間に自生するものだそうです。
 もう一つ、シソの枝に刺さっているのがメキシカンキューカンバー。小粒なキュウリだか小さなウリといった感じ。食べると実にみずみずしい。
 これをどう食べるかと言えば、まずはこの氷で食べます。天日塩のカキ氷で塩気があるのです。
 それをオリーブオイルのマヨネーズにバスクの唐辛子も。

 もう一品は確かにその土の香りのするゴボウのドーナツで、シナモンシュガーがまぶされています。

 乾杯のドリンクは、霧島のブルーベリー酢のトニックウォーター割。酢だとは思えないほど果実味があり美味しい。

 霧の里というところの黒酢入り濃縮タイプがベースです。

~Amuseプレミアムな農園2014~

 このレストランのスペシャリテと言って良い一皿。
 40種類の野菜、すべてが生ではなく茹でられて調理されています。プレミアムな農園をイメージしているのだそう。
 紫色のモッテ菊。長崎の岩崎さんが育てた沖縄ではフーロー豆と呼ばれる紫ささげ。ピンク色の四角いのはビーツの中身の切り出し。皮が黒いからすだいこん。すでにおなじみなロマネスコ。赤い皮の大根。ニンジン。栗。黄色いトマト。白いネギ。赤い皮のニンジン。辛い大根。皮を剥いたゴボウ。柔らかい豆。むかご。ニンニク。キュウリ。赤玉ねぎ。オクラ。パクチーの新芽。紫のジャガイモ。黄色いズッキーニ、赤と黄色いパプリカ。黄色いニンジン。銀杏。枝豆、ミョウガ。トマト。カボチャ。どれもがこの大きさでありながら素材の味をしっかり認識できます。
 野菜だけではなく肉系もきちんと添えられています。肉は茶美豚の自家製生ハム。これが甘みと旨味と塩気が絶妙。
 そして、中央にあるのはモーウィのスープ。沖縄で食べられている赤毛瓜です。ガツンと獣の匂いがくる千葉の仔猪の出汁にその肉が加えられています。
 
“めくるめく秋・山の情景”

 堀切さんが採った岩手の天然キノコ3種類です。エディブルフラワーで飾ってあります。
 キノコは土の香りが強いキツネタケ、味わいの濃いハタケシメジ。サクサクした食感のアカモミダケ。
 キノコは湯通しして出汁とり、それをゼリーにしてキノコの下に添えてあります。
 貝類のさっくり食感がうれしい磯つぶ貝、軽く火を入れた帆立貝柱などの魚介も添えられていました。
 ソースにはエゴマの葉のオイル。それに噛むとトロリとしているミズのコブ。それにヒユという緑のソース。このソースはチーズが入っているためかニンニクのような強い香りがしました。

“ナッティーな恋人たち”
 今度は白ではなく、ベージュというか明るい土の色の皿に。
 千葉県の新品種おおまさりという粒の大きな落花生。くるみオイルで茹でられたもの。それにカボチャの一種のバターナッツピューレ。おろした黒トリュフ。カボチャの葉。短角牛のひき肉。サクサクで美味しい揚げたピーナツの皮。これらをまとめあげているのはカレーのようなスパイスの香り。レッドオキザリスで飾っています。
 尋常ではない食材と味わいの組み合わせ。この店に来なければ食べられないものがここにはあります。

勝沼醸造アルガーノ葡萄果汁白 830円

 山梨県勝沼町の勝沼醸造の白葡萄ジュース。甲州種の葡萄のもので、とても甘いのに後口はサッパリとしています。
 
“淡路~ONIONBREAD”

 タマネギの甘い香りのする一品。
 フライドオニオンを混ぜ込んだ自家焙煎の全粒粉のパン。本格的なパン屋さんも顔負けになるほどの本物です。
 間に挟まれているのは千葉のフレッシュローリエと淡路のタマネギのロースト、それに刻んだ生タマネギ。主役は玉葱で、パンをいただくと言うもの。甘い玉葱にしゃくしゃくした玉葱、その味わいをしっかりとパンが受け止めてくれます。ちなみにかけられている茶色い粉はタマネギの皮のパウダーなのです。ローリエは香り付けなので、食べるときは外します。

カタシモワイナリーキングセルビー白 830円

 大阪柏原市のカタシモワイナリーの白葡萄ジュース。デラウェア種の葡萄で、驚くことに蜂蜜のような深く甘い味わい。
 
“茸再び…幻滋味なる汁”

 これまた和食器のような黒っぽい大皿に。これからして熱々に温めてあります。
 上に見える黒いのは、これまた岩手の堀切さんが採った希少なキノコである香茸。
 その下には刻んだスルメイカです。ゲソの部分は炙って火を入れてあり、身の方は少し茹でたような仕上がり。
 ここにかかっている緑色のカボスみたいなものは平兵衛酢(へべす)。珍しいですね~。

 ここに野田君がポットでスープを注ぎ込んでくれます。
 イカ中心の出汁なので、イカの味わいが強い。
 香りの三重奏ですね。
  
サラダ“8時間発酵隼人ウリ鮎も良いけど…”
 白い隼人瓜のサラダ。八時間発酵。シャクシャクしているのにシナッとしていて、ウリとは思えない。何かの漬け物のようで美味しい(笑)
 上に乗っている緑は酸味のある不思議な形の葉。アルジェンテと聞こえたけど、調べてもネットにない。
 そして、ウリだけではありません、左には北海道の鵡川の生柳葉魚(ししゃも)の炙り焼きです。カペリンとは違いますよ~♪
 ソースに置かれているのは豆乳から作られたチーズのペースト。濃厚な香りの豆乳です。
 
淡路の瓦にのせた“ヒメノモチ”と紫波の“南部小麦”

 最初に置かれるのが淡路の瓦がU字型に。その横に一人一つの店でホイップした軽いバターと香川県の醤油のパウダーです。
 瓦に立てておかれるのが気泡の大きなパン。外も固めですが、中の白い部分も固い(笑)。
 
“大菅祐子の青長茄子物語”

 とても柔らかく煮込んだかのような大菅祐子青長茄子の焼き茄子。その下にはしっとりした根室の黒ソイ。
 茄子は皮までソースに。そしてじっくり火を通したニンニク。白い泡はシャルドネのビネガーの泡のソース。
 ある意味、最もフレンチらしい一皿だけど、茄子の皮のソースがシェフらしい。

中央葡萄酒ぶどう果汁赤 830円

 山梨県勝沼町の中央葡萄酒のマスカットベリーA種を使った赤葡萄ジュース。
 透明な赤色で、自然に微発泡して良い辛味が味わえました。これは美味しい。
 
“杉田隆子がマコモ筍を育む畑の風景”

 肉料理です。もちろん、メインで味わうのはマコモ茸。
 岩手の杉田さんの栽培したマコモ筍で、その香りが凄い。食べるとサクッとした食感。黒豚のラードで燻製にしているのだそう。
 横にはベリーレアな仕上がりの山武の仔鹿。柔らかいのに充実した旨味があります。その横には揚げた小さな黒豚のラードも添えられていました。
 ソースはニシユタカという暖地品種のジャガイモのソース。タラコのような味わいでした。ジャパニーズペッパーとありますが、散らされているのは実山椒の粉かな?
 そして火を入れた小タマネギと葉っぱのナスタチウムと素揚げしたそのつぼみです。
 
“雫石の山・ボリビアの風”

 水面の乱れた波紋のようなガラスの皿に美しいデザート。
 中には岩手の栗の渋皮煮とその栗のクリーム。白いポールジローのモルトシロップのクリーム。それに重ね合わせてボリビアはエルセイボのカカオ85%のチョコのソースです。飾られている花はエディブルフラワーのペンタス。
 カカオ85%と言うとかなり苦みが強いはずですが、モルトシロップの甘みが混ざるためにそれほど苦みを感じませんでした。
 にしても、さすがは「ミラヴィルインパクト」を作った都志見シェフです。

奥出雲ワイン奥出雲葡萄園のぶどうジュース赤 830円

 島根県雲南市の奥出雲葡萄園のぶどうジュース。ブラックオリンピア種と山葡萄をつかっているそうで、甘みがあり赤葡萄ジュースらしい味。
 
“岩手から現れたベルギーの美女”

 洋梨のデザート。ベルギーはフランドル地方の洋梨フレミッシュビューティー。エルダーフラワーの風味でコンポートに。
 そのシロップをゼラチンで固めた透明なベールで覆い、上にはナツハゼというベリー。
 横にはハチミツのようなキャラメルのソース。
 サクサクで美味しいビーツのメレンゲ。その下にはバニラのアイス。純国産である久留米産のバニラビーンズを使用したものです。

 このときに都志見シェフが登場。しずりんの誕生日プレートにポットから何か注ぎ、白い煙が出る演出。
 
魅せる小菓子“ThePlanter”

 カカオで作った土の上に並べられたお茶菓子。
 中央には甘くキャラメリゼしたポップコーン。オレンジベルモットをつかったギモーブ。赤ワインのマカロン。甘い大根。ルバーブのコンフィチュールに生チョコの台。緑も食べられるボリジのつぼみ。
 
 お茶は25種類からの選択。それに加えコーヒーやエスプレッソまで選べます。
“MELON”

 メロンのフレーバーをグリーンルイボスティーに合わせたカフェインレスのオリジナルブレンドティー。
 メロンの香りはたしかにその通りでしたが、どうにも苦手なことがわかりました。
 
 19時半開始で23時までと時間がかかるのはその内容の充実さからすれば当然かも。
 小さいからこそ成立する良い時間が過ごせました。
 この日同席の方々にも感謝です♪
 

2014/10/22 更新

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