驢馬人さんが投稿したくろぎ(東京/湯島)の口コミ詳細

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移転くろぎ湯島、上野広小路、上野御徒町/日本料理

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク 3.8
1回目

2013/09 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク3.8
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

その空気までもが御馳走と思える最高の和食空間

 ミシュラン三ツ星を蹴った「京味」出身のお店。
 素材を生かす調理に程よい塩梅とツボを押さえた良店。
 個室も良いけど、カウンターの雰囲気は別次元の心地よさです。大将の器量がはっきりわかります。

 湯島の飲食店などが並ぶ路地にある昭和の日本民家です。ここだけ派手な照明や看板はなく、壁に光る模様入りの灯りが看板代わりか。店名を記した看板はないのです。
 2階は装飾を彫り込んだ手すりも美しい。
 縦の格子の扉を開けると中は1階の白木のカウンターと厨房が見える円形の窓。向かって左の白い暖簾をくぐり和の面持ちの小さな入り口から中にあがります。

 いただいたのは2階の個室。黒塗りのテーブルに木のお盆。外へは障子と窓があり、デザインはさすがに昨今のスタイルか。照明もダウンライトです。
 
11年3月29日夜の来訪。
 震災と原発の問題で気分は沈んだままですが、みなで相談して、こちらには予約通り伺ってみることにしました。いつまでも落ち込んでいるわけにはいかないかなと。 19時に実家を出て到着は20時前と早い。他の個室からカウンターまですでに埋まっています。東京の有名外食店は2週間も経てば地震と原発の影響などないのかも?
 
 残念ながらソフトドリンクはプアー。ウーロン茶とミネラルウォーターしかありません。

 最初はウーロン茶。コップが薄いガラスのグラス。

 ミネラルウォーターはノルウェーのVOSS。ボトルのデザインが好きです。
 後は日本茶になります。
 本日の献立は折り畳んだ和紙に印字されていただけます。
 親父は日本酒を1号。ガラスのおちょこが美しい。
 
先付)丹波産うすい豆のお浸し 京都産白子筍焼き 鹿児島産ふきのとうの御豆腐
 盛り合せで来るのではなく、一品一品
丹波産うすい豆のお浸し

 青く塗られた小さな蓋付きの器にきれいな模様の陶磁器の匙で。
 この時期一カ月しか出回らないという丹波産のうすい豆のお浸しです。グリンピースに比べて皮が薄いのでうすい豆というのだそうで。湯で具合は固めでよい食感と風味。浸かっているのは薄口醤油で良い出汁。この出汁が煮込まれた豆だけからとは信じられない…美味しくてすべて飲み干してしまう。
富山県氷見産朝採れ蛍烏賊漬け

 御献立には書かれていませんでしたがこれも。
 本当に新鮮な蛍烏賊。目、嘴、背骨を取りだし汁につけ込まれています。つるんと美味しいなぁ。浸かっている出汁入りの醤油も旨すぎて飲み干す。柚子が効いています。
京都産白子筍焼き

 最初に木の桶にのせられて白子筍を見せてくださいます。地中1mにあるものを掘り出したとネットで書かれています。本当でしょうか?と思って調べてみるとこんなサイトが。http://item.rakuten.co.jp/valuemart/shirako-3/

 炭火で表面の皮が真っ黒になるまで焼かれています。

 黄色と黒の皿に盛られて出されたときに木の芽をふりかけ、醤油がたらされていました。木の芽とほんわりしたタケノコの香り。
 エグみない筍は本当に美味。京都産の最高級筍だけあるなぁ。穂先とその付け根の方で切り方をかえて出されますので、食感が変わります。
鹿児島産ふきのとうの御豆腐

 眼型の器に四角い豆腐。表面は薄皮がはったように焼いてあるのでしょうか。表面には白い粉をはたいてあります。
 この中はぷるんと柔らか。胡麻豆腐のベースにフキノトウを加えているのかな? フキノトウの苦味と香りか良い感じで味わえます。

お椀)桜鯛の桜餅椀

 黒く塗られた木のお椀を二つ重ね合わせたようなお椀で。
 中は白濁したお汁に桜餅です。表面には水面に浮く桜の花びらのように薄い桜餅の皮のようなものが浮いています。
 一口飲むと塩気を強く感じましたが、浮いていた花びらに塩気があったようです。お汁は塩気が薄くとても良い出汁。
 桜餅は中にあんこではなく桜鯛。しっとり美味しい。表面に巻いた葉だけやや食べにくいのが気になりました。 

八寸)棒寿し ばち子 飯蛸

 宝石箱や〜!!と言いたくなるような綺麗な八寸。
 中の模様のきれいな四角い皿に模様と同じくらいの大きさの美味が散りばめられています。添えられているのは早咲きの桜の花。
 まずは大葉をまいた棒寿司。平目に梅を塗ってしっかり巻き込んでいます。
 筍の皮の上に乗っているのは白子筍でまろやかな木の芽のソース和え。
 飯蛸とそら豆の塩茹で。飯蛸はびっしりと米みたいな玉子が詰まっていますし、足も歯ごたえ良く美味しい!! 素材のよさを感じます。
 お肉は鴨肉でフォアグラのペーストを棒状にしたものを巻き込んでいます。上のわさびも甘さすら感じるものでたっぷり乗っていますが一口で美味しくいただける。
 上にはナマコの卵巣を集めて乾燥させた珍味ばちこ。金沢ではくちこというと親父が力説していました。
 それにフルーツトマト。レモン酢漬けだそうで爽やかでした。

煮物)白子筍若竹煮木の芽

 桜か梅がか描かれた大きな蓋の器に。
 中には先ほどから出されている白子筍の煮物です。さっくりと美味しく、柔らかな若布も程よい塩梅。
 細かく薄い鰹節をかけて、木の芽を添えています。

お造り)豊後水道産造り盛り合せ妻もの色色

 しっかりした歯ごたえの関サバ。銀色に光る皮に赤と桃色の身は見ているだけで美しくうっとり。脂も乗っていて醤油につけるとほどよく脂が広がします。その下には豊後水道でとれた平目です。縁側もきちんとみなに添えられていました。白身の美味しさがたまりませんね。
 上に添えられているのは程よく茹でたわらび。薄切りの大根がツマに添えられていたと思います。
 

 ここで御献立にはなかった一皿が。

 炭火で焼いたマナガツオです。ふっくらした食感で味付けは塩のみなのかな? 皮目は包丁を入れて食べやすくなっており、香ばしい。酢橘を搾っていただく。
 驚いたのは添えられているもの。さっくりと葉を入れると甘みでびっくりしますが黄な粉まぶしたリンゴと甘く感じるよう煮込まれた大根のきんぴらなのです。
 
揚げ物)山菜揚げ

 凹面になった木の皿に白い紙をしいて天ぷらを。
 左は鯖の揚げもも。これがやや鯖らしい匂いが気になりました。素材そのままにいただくにはどうかな…。他の方のブログを見ると同じ内容のコースでつくね芋(自然署)となっていました。もしかして苦肉の策?
 一方の山菜はとてもよかった。行者大蒜はさっくりしていながらニンニク的な旨味と香りがあります。こしあぶらは若芽でしょうね。フキノトウのような苦みが口の中にひろがり美味しい。
 塩はしてあるのでしょうか。こちらでは塩らしい塩を見たことがないけど、塩梅はしっかりしているのです。

香の物)丹波京漬物盛り合せ

 これは美味しい漬け物セット。竹を割った入れ物のようなところに、昆布の佃煮、大根の醤油漬け、シャクシャクの壬生菜、柴漬けです。普段漬け物はそれほど食べないのですが、御飯と一緒に美味しくいただく。
 

食事)京都産白子筍御飯木の芽
 土鍋で炊かれた炊き込み御飯。
 白子筍もたっぷりで品のある味わい。米の立ち方も良い感じ。上には木の芽を添えてくれました。
 お替わりできますのでいただきましたが、お焦げはないのでしょうか? 盛られることはありませんでした。
止め椀)春キャベツの御味噌汁
 茎の方を細かく切った春キャベツ、葱、豆腐の味噌汁です。味噌は合わせ味噌かな。赤味噌の味が強い。
 
甘味)葛切り

 最初にだされるのは黄色い飲杯。中国茶を飲むためのものかな? それに緑茶です。
 自家製の黒蜜ときな粉。
 変形した六角形の器に。澄んだ水の中に作り立ての不揃いな葛切りです。中央には氷。ピロピロしてツルンとした食感。黒蜜、きな粉の順につけていただきました。

 カウンターで造るのを見ながらいただき、ソフトドリンク関係が充実してくれるとうれしく思います。ジュースを増やせというのではなく、美味しいお茶を選べるようになるといいかもしれませんね。中華の名店が中国茶を取り揃えているのと同じです。
 
13年9月3日夜に再訪。
 19時半の予約でマリスさんとご一緒。
 待望のカウンターです♪ 一番奥に座りました。
 以前2階に伺ったときは、こんなにカウンターが広いとはわかりませんでした。段差がなく、厨房の手元までよく見えるのがまた良いですね~。
 マリス先生はこの店の常連で、厨房の方々とも親しい。いや、マリスさんはどこでも親しい方か(笑)
 黒木純の大将も凄くフランクで、岡部さんを始め、他の方々もみな良い感じ。
 
PFALZER TRAUBENSAFT rot(ファルツァー トラウベンザフト ロ) 900円
 ドイツののノンアルコールブドウジュース。100%醸造用ぶどうで造られ、非常に濃厚ながらも上品な酸味が残る、エレガントで贅沢な味わい。
 グラスに注がれたその色合いや輝きはワインそっくりです。

VOSS sparkling(ヴォス スパークリング) 800円
 次からはガス入りの水です。ノルウェー南部のスーパーピュアウォーター。

先附)胡麻豆腐 山葵 鱧の叩き 梅肉
 最初にいただいたのは焼きゴマ豆腐です。表面に醤油を塗って焼いてあり、そのゴマの香ばしさも素晴らしい。表面を膜のようにパリッと皮が覆っており、中はクリーミーでトロンとした胡麻豆腐になっています。上にはおろしたての上質な山葵。最初に一品でお店の姿勢と味が伺えますが、これはまさしく印象に残る逸品。
 もう一つの先付は今が旬の鱧。目の前で骨切りされたそれは韓国産だそうです。湯引きではなく、皮目を炙っただけです。骨を感じることなく、美味しい鱧でした。つけるのは醤油と梅肉のペースト。

椀物)土瓶蒸し 三ッ葉 鱧
 土瓶蒸し。鱧の骨でとった濃厚な出汁にプリプリの鱧の身、激ウマです。それに香りよい松茸。三ッ葉にズッキーニなども入っていました。酢橘をしぼってもいただく。
 
 メニュー外の一皿。
 新銀杏です。ほろ苦く美味しい。それに素揚げしたホタテ貝柱。旨味が凝縮しています。つけるのは塩。ミネラルたっぷりな感じでした。
 
お造)淡路産白身 あしらい色々
 お造りの彩りの美しさは抜群です。
 マグロは北海道。そういえば、北海道で最近マグロが捕れるのだとニュースでやっていたなぁ。
 それに淡路産の鯛です。左が新鮮な物で、右は1日寝かせたもの。こ、こんなに違うのかと驚く。ブリッとした新鮮な鯛は歯ごたえ良し。1日寝かせた物は皮目を炙っています。旨味も少し濃く、それぞれに美味しさがあります。
 緑の酢橘に、黄色いコリンキー、赤いプチトマトと白と赤のラディッシュ。
 このプチトマト、赤ちゃんのほっぺと名付けられたジュードベベという品種。皮が薄く、甘い!!

八寸)棒寿司 ばち子 季のもの色々
 銀の皿に美しい八寸。緑色の紅葉で飾り、季節の様々な素材を盛り合わせています。
 鯵の棒寿司。お土産にもいただきましたが程よい味わい。
 上にはおなじみ珍味のばち子。手前には完熟ミニトマトのアイコ。皮は湯剥きしてあります。果肉が厚くゼリー分の少ない甘いミニトマトでした。
 右には浮き袋を甘辛く煮付けたもの。
 左にはとろりとした口当たりで三位が良いもの。梅、海苔、九条ねぎ、みずという山菜、生姜を練り合わせたものだそうです。
 奥の左には黒糖と芋の練り物、タコの桜煮、菊花、グレープフルーツとミントのよせもの、小さな黄色いズッキーニです。
 
 ところで、このみずという山菜。酢漬けにしたものを直接食べさせていただきました。噛むとちょっとねっとりした感じです。ケッパーに似ていると思ったのですが、全然違いますね~。

 肉厚な穴子の棒寿司。

焼物)子持ち鮎
 大分の子持ち鮎です。遠赤外線で中までほっくり焼けています。たっぷりのうちこも素晴らしい。
 それに蓼酢。この蓼酢、フルーティーな酸味で今までの蓼酢が何だったのか?と思わせるほど美味しいです。これは家内に食べさせたいなぁ。栃木県出身のためか川魚が好きなんですよね。
 それにサツマイモです。

焚合せ)萩饅頭 菊花餡
 炊き合わせは萩饅頭です。芋や白身魚に小豆や枝豆を混ぜた饅頭を蒸して揚げたものだそうです。上には菊花を使った餡を。
 この出汁の鯵も塩気もちょい濃いめが修業先のそれなんだろうな~。

食事)茄子御飯
 目の前にある赤い土鍋で炊きあがった炊きたての茄子御飯。
 上には牛肉の時雨煮。少し濃いめの味付けで、とろりとして香りよい茄子がアクセント。
 にしても美味いなぁ。控えていましたが、おかわりしてしまいました。

香物)丹波京漬物盛り合せ
 前回と同じ巻物を模した器に。
 
留椀)味噌汁 九条葱
 油揚げと九条葱の味噌汁です。赤出しの店が多いけど、ここは違います。出汁ももしかしたら鯛だし?
 
甘味)葛切り
 食後のデザートは「京味」から伝統の葛切り。黒蜜ときな粉がつきます。黒蜜の上には塩気のする桜の花びら。
 
 食後に緑茶をいただく。
 それに桃です♪
 
 締めには抹茶と和三盆の落雁。

 ところで、このときに話で盛り上がったのが男性物のクリスチャン・ルブタンを岡部さんが持っているという話。だいぶいじられていました。これを許せる雰囲気がこのカウンターにあるところもまた素晴らしい。調理場の雰囲気も良く、チームワークがしっかりしているのは大将の力量の素晴らしさですね。
 総評を☆☆☆(三ツ星)に上げました。やはりカウンターは素晴らしいね。
 マリス先生に深く感謝!!

2013/09/11 更新

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