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モンブラン （Mont Blanc）＠熱海 : 資格ゲッターが行く！
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モンブラン
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2024/12/21 更新
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オープンは1947年、ということは昭和22年。
戦後間もない頃です。
当時は本格的なフランス料理店で、谷崎潤一郎もお気に入りだったそう。
1954年4月17日にはフォトグラファーのロバート・キャパも朝食を食べに来たんだって。
キャパはこのあとインドシナに取材のために飛び、その後5月25日にハノイ郊外で地雷に触れて死亡。
ということで、店内に飾られた以前のお店とそこで料理をするシェフ（モンブランの初代シェフ新田さん）の写真「コックと奥さん」はキャパの日本における遺作になりました。
タイミングがつかめず写真撮影できなかったのが残念。
ちなみに初代シェフの新田さんは横浜の「ホテルニューグランド」で修業をされたんだとか。
谷崎潤一郎とも懇意にしており、谷崎はこちらのモカロールが大好きだったそう。
キャパとか谷崎とか、お店は可愛らしいけれどなかなかスケールの多きな話です。
ちなみついでに、店内に飾ってるキャパの撮った写真はレストランをやめてケーキ屋さんになった際、一度どこかへ行ってしまったんだとか。
それが2003年に店舗を拡張した時に見つかって今に至るのだそうです。
端っこにはキャパのサインがしてありました。
「モンブラン」と書かれたブルーのテントが２つ並んでいましたが、右が現在のお店。
左が当時のレストランの建物です。
お店に入るとその姿を隠すように銀紙をまとった可愛らしいケーキが沢山、お行儀よくケースに並んでいました。
丸テーブルが３つ、椅子が6脚。
イートインも可能です。
店名に敬意を表して、私が頂いたのはモンブラン。
お店に立つのはパット見た感じ90歳前後と思われる品のいいおばあちゃん。
前のお客さんへの対応が終るのを待ってモンブランをイートインしたい旨伝えると
「ちょっと時間が掛かりますけれどいいですか？」とのこと。
見ていると動きが凄くゆっくりで、そりゃまぁ時間がかかるだろうなぁという感じ。
全然急いでいなかったため
「構いません」と伝えたものの、むしろ働かせちゃうのが申し訳ないくらいのスローモーションなのですよ。
コーヒーをお願いするつもりだったけれど、余分な手間になってしまうため、モンブランと一緒に持って来て下さったお水で頂きました。
ラム酒がたっぷり染み込んだモンブランはふわっと軽く、ミルク感たっぷりの生クリームと非常に相性がよくて、これが非常に美味しい。
谷崎の愛したモカロールはテイクアウトで。
ホテルに戻ってから頂きました。
優しいカステラの味と滑らかなモカクリーム。
余分な味が一切せずシンプルかつストレートに美味しいです。
「美味しかったです、また伺うので無理なくお元気で」と伝えると、フロアーを1人で担当されていたおばあさまが体の前で手を揃えてしっかりお辞儀をし、私の背中を見送って下さいました。
あのおばあちゃまが奥さま・君枝さんだとすると、計算ではもう100歳くらい。
確かに動きはゆっくりだったけれど、あんなにしゃんとした100歳っていらっしゃるんだろうか、、、
そのあたりも気になるので、近々また伺いたい。
本当に素敵なお店です。
ごちそうさまでした。