タツさんが投稿したソバイスバ いさと(千葉/本八幡)の口コミ詳細

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酒と飯。猫

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閉店ソバイスバ いさと国府台、矢切、江戸川/そば

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥2,000~¥2,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 3.0
1回目

2010/04 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク3.0
    ¥2,000~¥2,999
    / 1人

がらり、がらり、がらり。二八蕎麦の概念が、音を立てて崩れたその日

【2010.4.25】
日曜12時15分すぎ、ふたりで利用。1時間45分ほど滞在。客入りは5割。

すごい蕎麦に出会った。
これが二八とは到底思えない。
固定概念が崩れたときって、ひとはただ固まるだけなんですね。
箸も動かなければ、思考も停まる。
頭のなかで、がらりがらりと音がする。
必死で立て直そうとするが、もう無理。
“新しい基準”を取り込んだ自分に変わってしまった。

※「料理・味」に関しては、レビュー370件目にして初めてつけた★5つです。



この日は蕎麦職人の友人のナビで、蕎麦屋のはしご。
一軒目は柴又の『日曜庵』。二軒目はこちら『SOBA ISBA いさと』。

住居を兼ねたその店は、「すみません」ではなく、「こんにちは」あるいは「おじゃまします」「ただいまー」と一声掛けて入りたくなる佇まい。
靴を脱ぎ、扉を開ける。
店内は2人用の卓袱台が2台、4人用の掘りごたつ式の卓袱台が1台、4人掛けのテーブルが1卓という構成。
隣の部屋は厨房……というよりも台所かな。
窓の外は木々も豊かで、鳥のさえずりと子供たちの走り回る声が遠くに聞こえる。
晴れてよかった。
いいなあ、こういう雰囲気。
わざわざきた甲斐があった、と食べる前から不思議な充足感。

蕎麦は単品のほかコース(2名から)がある。
コースは焼き味噌、玉子焼き、各蕎麦、そば久寿餅という構成。
どれも低価格に抑えているんですね。「鴨ざるコース」をいただくことに。
・ざるコース(1,800円)
・おろしコース(2,000円)
・鴨ざるコース(2,200円)
・鴨そばがきコース(3,000円)
・参ざるコース(3,500円)

●鴨ざるコース(2,200円)
始めに「蕪の漬物」が供される。
あれれ、メニューにはなかったぞ。きっと皆さんに出すのでしょうが、これは嬉しいサービス。
あっさりとしており、塩っからくないやさしい味。

続いて杓文字に盛られた「焼き味噌」。
白味噌ベースの甘い味で、蕎麦の実や葱のほか、生姜が入っているのが面白い。

合間に木の葉に形成された「揚げ蕎麦」が出た。
塩もうっすらと利いており、いい箸休めに。

「玉子焼き」には鴨の味噌煮をそぼろにしたものが入っており、これは初めての味。
ほろほろと柔らかい口どけで、甘みがじゅわーっと広がり、鼻から抜ける。
焼くときには鴨油を使用しているそうで、滋味があるのはそのせいなのかな。
甘さ、旨さの印象があとを引く玉子焼きです。

そしてメーンの「鴨ざる」。
柚子の皮一片が別皿で供され、好みによりつけ汁に入れてくださいという趣向らしい。このほうが二度楽しめて嬉しいですね。
つゆにはしゃきしゃきの葱と鴨肉が3片。鴨肉は臭みが一切なく、柔らかい。つゆには旨みが十分に染み出している。
蕎麦切りは緑がかっており、透明感がある。星もしっかりと見え、黒、白、赤、オレンジなどさまざまな色を感じるのが不思議。ひとつの宇宙を覗き込んだような、高揚感。
そのまま手繰ってみると、これが二八なのかと衝撃を受けた。
もう一度言おう。衝撃を受けた。
洗練されたみずみずしさもあるが野趣も溢れており、なんとも複雑玄妙。深淵なる味わい。
す、すごい、この蕎麦……。
蕎麦湯はなにも足していない、純粋なもの。
蕎麦切りでの高まりをすーっと落ち着かせてくれるには、このくらいさっぱりしたほうがいい。

最後はデザートの「そば久寿餅」。
蕎麦掻きの水分をふやしたような、とろとろとした食感が楽しい逸品。
作りたては温かく、黄な粉と黒蜜がねっとりと絡み合いながら喉を滑り落ちて行く。

なお、日本酒は「佐久の花(600円)」と「夢かなふ(700円)」の2種類のみと厳選。
「夢かなふ」は知らないなあと調べてみたところ、四つ木の杉浦酒店で売られているPB酒で、茨城県那珂町の菊盛(木内酒造)が醸しているとのこと。
古酒がブレンドされているのか、ひょっとすると樽酒かなと思うような木香のする酒で、蕎麦に合う味わいでした。

食後にご主人が顔を出してくれ、しばし談笑。
蕎麦は丸抜きで仕入れ、朝は5時半に起きまずはストレッチ。その後、一粒ひとつぶを選り分け、7時ごろから手挽きするという。
手間を惜しまず選別しているので、自然と振るう必要がなくなるとのこと。
この驚愕たる二八は、「手挽き・無ぶるい」のなせる業だったんですね。なるほど。
作業に時間を要するため、供することができるのは一日20食のみ。予約してお邪魔したほうが確実です。

ちなみにこの日の蕎麦は茨城県筑西市産の常陸秋そばで、江田治男さんというかたが生産。
同じ産地、同じ品種でも生産者によってまるで味が違うそう。面白いものですね。

ほかの蕎麦屋の話になり、「眠庵はわたしの師匠です」とご主人。
オープンはこちらのほうが古いですし、ほかにもいろいろな店を見たご様子でしたが、『眠庵』も無ぶるいだったんですね。知らなかった……。
これは新しい視線で再訪しないと。

  • 蕪の漬物

  • 焼き味噌

  • 揚げ蕎麦

  • 玉子焼き

  • 鴨ざる

  • 鴨ざる(アップ)

  • そば久寿餅

  • 蕎麦湯

  • 日本酒

2010/04/28 更新

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