2回
2024/12 訪問
しじみカプチーノに、よろめく。「お出汁」の面白さを再発見
2024年12月20日(金)、オープン。
江戸時代後期、京都の医者・杉野権右衛門が記し、享和2年(1802)に刊行された上下2巻に渡って米飯料理のレシピが書かれた『名飯部類』を店名にした、押し寿司と汁物をメーンに供する店。
新橋でドミナント戦略する「ミナデイン」の店で、系列店は『烏森百薬』、『新橋二丁目九番地 らんたん』、『STAND BY Mi』、『匙かげん』、『屋上屋台中華 りんりん』など、名だたる繁盛店ばかり。
過日にお邪魔した『新橋二丁目九番地 らんたん』の女将さんが店に立っており、「あら、こんにちは」と相撲談義に花が咲く。
ミナデイン系列店はみなさん愛嬌がよく、素敵なお店ばかり。
●熊本の稲荷寿司と、あら汁の澄ましと酢橘(500)
●おでん四種盛り合わせ(700)
●握り
・烏賊(180)
・黒瀬鰤(180)
・中トロ(石司)(330)
●押し寿司 和牛時雨煮ショートサイズ(880)
●しじみカプチーノ(380)
●日本酒出汁割り(580)
●麦焼酎出汁割り(580)
メニューは税抜価格。
4,741円なり。
お通しからして、すばらしい。澄ましのあら汁を、酢橘の入ったお猪口に注ぐ。胃が動き始める。酒が飲みたくなってくる。
日本酒出汁割り、麦焼酎出汁割り。
これはもう酒ではなく、料理。心地よく酔いの世界に誘因される料理。
おでん四種盛り合わせ。
ポーションの大きさにも瞠目するが、主役は実は「お出汁」なのでは。お出汁もたっぷり供される。
押し寿司 和牛時雨煮ショートサイズ。
卵黄が添えられ、好みの量を掛けながら。
切れ目は入っていなかったのは、独り客だったからかな。二人以上の場合、切れ目があった方がシェアしやすいかなと思った。
しじみカプチーノ。
蜆汁に、まさかの生クリーム。
よろめいた。これは毎回マストで〆に注文したい。
総じて、「お出汁」推しなのが伝わるすばらしい料理ばかり。
個人的に江戸時代好きのため、特に刺さった。
通いたい店が、またひとつ増えた。
—
杉野権右衛門『名飯部類』
●上巻
・尋常飯(ただごとめし)の部
・諸菽飯(まめめし)の部
・菜蔬飯(なめし)の部
・染汁飯(そめめし)の部
・調魚飯(うおめし)の部
・烹鳥飯(とりめし)の部
・名品飯(めいはん)の部
・ご飯を炊くときに加える具材によって分けた87品のメニュー
●下巻
・雑炊(ぞうすい)の部
・糜粥(かゆ)の部
・鮓(すし)の部
・完魚鮓(まるずし)の部
・調理法別に分けた62品の作り方
- 2024.12.21(土)ディナーにて
2024/12/21 更新
江戸時代後期、京都の医者・杉野権右衛門が記し、享和2年(1802)に刊行された上下2巻に渡って米飯料理のレシピが書かれた『名飯部類』を店名にした、押し寿司と汁物をメーンに供する店。
「何軒目ですか?」
「6軒目です」
酔っているように見えたとしたら、恥ずかしい限り。
2回目の利用なのに、なにも言わずにお通し(500)をカットしてくれる気遣いがすばらしい。
ミナデイン系列店はみなさん愛嬌がよく、本当に素敵なお店ばかり。
女将さんと、「一月場所は若元春も若隆景も残念でしたね」、「豊昇龍、横綱になりましたね。照ノ富士の引退もありましたからね」と、前回と同様に相撲談義に花が咲く。
●おつまみ海宝漬けチラシ(880)
●真っ黒イワシ100%純粋出汁 冷麦入り(480)
●日本酒出汁割り(580)
●麦焼酎出汁割り(580)
メニューは税抜価格。
2,772円なり。
日本酒出汁割り、麦焼酎出汁割り。
これはもう酒ではなく、料理。心地よく酔いの世界に誘因される料理。
おつまみ海宝漬けチラシ。
鮪、鰤、サーモンなどを漬けにし、イクラをどんと載せた、豪華で豪奢な宝石箱。刻んだ沢庵の食感も愉しく、酒が進まない訳がない。
真っ黒イワシ100%純粋出汁 冷麦入り。
出汁の旨みがこれでもかと引き出され、口中で暴れ回る。落ち着け、おちつけ。どうどう。
ディスプレイされた『名飯部類』からNHK大河ドラマ『べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜』の話になり、なんだか楽しい一夜。
またお邪魔します。