2回
2020/07 訪問
7月のベストシーズンの積丹の生うには極上の味わい
お食事処 みさき@北海道積丹郡積丹町
・生うに丼 2850円
今回の札幌出張のオフ日だったので、シーズン真っ只中の生うにを堪能するため。レンタカーを借りて積丹(しゃこたん)半島へ。
北海道西部の日本海につき出した積丹半島は「積丹ブルー」と呼ばれる美しい青色の海が特徴で、道内で唯一海中公園に指定されている。北海道の他の地域の海はプランクトンが多いため濁っていることが多く、その分漁場は豊富で美味しいが、海の透明感が高い方がウニの餌となる昆布がよく育つそうだ。
積丹ではムラサキウニは6月〜8月、エゾバフンウニは7月〜8月の時期しか獲れないが、8月になるとウニの産卵が始まって味が落ちてくるのでやはり7月がベストタイミングらしい。
小樽を過ぎて余市辺りから海沿いの食堂には「生うに丼」のノボリがはためいている。目的地は余市市街や積丹町の役場がある美国地区を通り過ぎたさらに先の積丹半島の北端にある日司(ひづか)漁港。「お食事処みさき」は小さな漁村にある漁師直営の海鮮食堂。お店自体は4月中旬から10月頃までの期間限定で営業しているが、生うに丼を提供するのはウニ漁が解禁になる6月から8月後半まで。
日曜日の昼13時間過ぎに着いたがお店の前に50人以上の大行列。外国人観光客の姿はなく、駐車場の車も見た限り全て札幌ナンバー。正直コロナの影響もあるし、連休でもない普通の週末だからそれほど混んでないのかなと思ってたが甘かった。
受付表などはなくとにかく行列の先頭から案内していくシステム。並び始めてから約1時間でようやく店内へ。予想よりは回転が早かった。店内はいかにも港町の食堂というシンプルな雰囲気。入口の目の前に券売機がある。お冷やと食後の片付けはセルフサービス。
メニューは名物の生うに丼(2850円)を中心に、ウニとイクラ、カニの三色丼(2550円)やうにいくら丼(2650円)、刺身定食(1600円)などがある。通常の生うには白うに(ムラサキウニ)で、赤うに(バフンウニ)を使った赤ばふんうに丼(5400円)や殻付きの活うにと生うに丼のセット(3500円)や活うに単品(800円)は売り切れだった。
定番の生うに丼(2850円)をチョイス。大きめの丼椀にご飯が見えないぐらい生ウニが盛られている。これは凄い!うに増量の「生うにてんこ盛り丼」(3250円※この日はお休み)でもなくて、普通盛りでこれだけうにが乗ってると思わなかった。
ウニの身が溶けないように添加するミョウバンはもちろん、塩水にも漬けてない殻から剥いただけの生のウニは雑味も磯臭さも全くなく上品な甘さ。口の中でとろける舌触り。無添加の生うには「函館うに むらかみ」の函館朝市の本店や札幌駅近くの支店で食べたことがあるけど、ここの生うにの方が明らかに甘さが濃い。
一般的に市場に流通している生うには北海道の礼文島や青森、ロシアなどの産地が中心となり、積丹の生うには積丹町内で水揚げされて、そのほぼ全てが町内で消費されるそうだ。まさに産地でしか食べられない味。こちらの「みさき」でも漁師である店主自ら早朝4時から漁に出て、帰港後の8時頃からすぐにウニの殻をひとつひとつ割って崩さないよう丁寧に身を取り出しているそうだ。
癖がなく上品な味わいにほんのりと海水の塩気があり、醤油すらいらないぐらいの繊細な味わい。白いご飯の上に乗った地球上で最強の黄色いソース。ウニって人間の手でまったく手を加えないで、これだけ完全された味なのはなんなんだろう。神様が人間に与えたご褒美かな。
2022/08/09 更新
積丹の味 みさき@北海道積丹町
・生うに丼 3350円
札幌市内から車で約2時間、北海道西部の積丹半島の先端にある日司(ひづか)漁港近くにある生うに丼専門店「みさき」。2020年7月に続いて2年ぶりの訪問。
積丹では6月から8月の間にウニ漁が解禁となり、毎年北海道中だけでなく日本全国から生ウニを目当てに客が訪れる。
北海道の他の地域の海はプランクトンが多いため濁っていることが多く、その分漁場は豊富で美味しいが、海の透明感が高い方がウニの餌となる昆布がよく育つそうだ。積丹の昆布は特に品質が高く、その昆布を食べて育つウニも絶品になるそうだ。
積丹ではムラサキウニ(白ウニ)は6月〜8月、エゾバフンウニ(赤ウニ)は7月〜8月の時期しか獲れないが、8月になるとウニの産卵が始まって味が落ちてくるので、7月中がベストタイミングになるらしい。
この日は7月の三連休の休日10時30分過ぎにお店に到着し、80人近い行列。駐車場も常に満車で、お店の駐車場が空いて無ければ向かいの漁港の空きスペースに来る車を止める。記帳制ではなく行列の最後尾に並んでそのまま入店まで並び続けるシステム。最終的に1時間30分並び続けてやっと入店。
店内入口に券売機がある。ウニ丼のメニューは「生うに丼」(3350円)や「赤ばふんうに丼」(6500円)、生うに丼とムラサキウニ、エゾバフンウニの2種類の殻付きウニが付いた「生うに丼セット」(4150円)など。
お店は朝9時から営業していて、「赤ばふんうに丼」は数量限定なので、開店前に並ばないと売り切れてしまう。早い人は早朝5時から並ぶそうだ。昼12時の時点では「赤ばふんうに丼」「生うに丼セット」は既に売り切れになっていた。
また、この日は昼12時前に店頭に「悪天候の影響によりウニの入荷が少なかったため、二色丼(うに・いくら)と三色丼(うに・いくら・かに)のみのご提供とさせていただきます。」と案内が掲示された。ちょうど自分が券売機で「生うに丼」を買った後に、券売機に「売切」がついたのでギリギリセーフだった。
「みさき」で提供する生うにはウニ漁師の店主が毎日早朝4時から漁に出て当日朝に採れたてのもの。一般的に市場に流通している生うには北海道の礼文島や青森、ロシアなどの産地が中心となり、積丹の生うには積丹町内で水揚げされて、そのほぼ全てが町内で消費されるそうだ。まさに産地でしか食べられない味。朝獲れの新鮮な生うには雑味もなく、磯臭さもなく、とにかく濃厚な甘みが口に広がる。
「みさき」のウニを食べる前まで独特の磯の香りやほんのりとした渋みもウニの味の一部だと思っていたけど、当日の朝に獲ってきて殻から剥きたての生うにを食べると、それらは鮮度の劣化によって生み出されたもので、本来のウニそのものにはない味だと気づいた。本当に新鮮なウニは甘みだけしかないんだな。
北海道出身の人が「積丹のウニを食べた人は不幸になる。一度このウニの味を知ってしまったら、札幌でも銀座でもどんな高級店でウニが出ても感動できない呪いにかかってしまうから」と言っていたけど、本当にその通りだ。
翌日に小樽の高級寿司屋で小樽産のムラサキウニの軍艦を食べたけど、産地の違いなのか鮮度の問題なのか「みさき」で食べた生ウニと比べると、甘さが少なく少し味が抜けたような印象だった。