2回
2018/11 訪問
新しくもオーセンティック
調布と三鷹の間、武蔵境通り沿いにある洒落た一軒家のレストラン。およそ歩いていくことは不可能で、住宅街の中に唐突に登場する感じです。中庭があり、ハーブやらを育てているようでした。発酵食品が店内で製造されており、店内の開放的な意匠や、1つのお皿を分け合って食べる、一斉スタートなど、人間の「食べる」という原初的な欲求とスタイルに根ざしたコンセプトのお店ですね。
こちらのウリは薪焼きで、店内には常に薪が焚かれています。店内は思い思いに歩きまわってよし、写真撮ってよし。店員さんはフレンドリーで気さくにいろいろ説明してくれます。こちらもモダンな考えのお店ならでは。
ランチは12時半に一斉スタート。
車で伺ったので、飲み物は炭酸とハーブをあわせたアップルタイザーをお願いしました。甘みが少なく、食事にも合わせやすい。
最初はサラダ。サラダかよって感じですが、自家製のチーズに、その副産物のホエーを使ったドレッシング。スモークサーモンも自家製。葉物野菜は通常のペラッペラの葉っぱと違って、力強く苦美味しい。
続いてのスープはピーナッツかぼちゃを使ったもの。自家製の発酵バターの香りが豊かで、ただのポタージュにこっそりアクセント。
パエリアはワタリガニや芝海老から出汁をとったもので、運ばれてきた瞬間から蠱惑的な香り。具材でごまかすのではなく、出汁の美味しさで食べさせる。香りも抜群。付け合せのニンニクマヨネーズと、玉ねぎの赤ワインビネガーピクルスも大変マッチしますね。
メインは豚肉。周囲が黒焦げになっていますが、薪焼きスモーク独特の香りが立ち上る。中は仄かなロゼ色で、超ジューシー。ソースは豚の顔を煮崩した旨味の強いもの。発酵パプリカのソースもキリっとしており、これ抜群に美味しい豚だなぁ。フロリレージュの豚のローストもどうかしてたが、こちらもどうかしてる。
デザートは温かいチーズケーキに、ヨーグルトのソルベ。ソルベはほとんど加糖されておらず、酸味が心地よい。チーズケーキとの相性がよろしい。大人のデザートですね。
いかにもモダンな仕上がりではありつつ、料理のベースが極めてオーセンティックで本質的な美味しさに根ざしておるので、満足度が極めて高い。
薪焼きやパエリア、デザートのチーズケーキとスペイン料理の流れだなぁと思ったら、どうやらオーストラリアで修行をされていて、スペインには行ったこともないと。どうやらスタッフに神戸のカセント出身の人がいるらしく、パエリアはその人の仕事とのこと。そりゃうめーわ。
6人位であればテーブルを1つ貸し切れるので、グループで食べに行くのがリラックスできて良いかなと。
今度は夜にお伺いしたいレストランです。
2018/11/16 更新
初の夜MARUTA。店内は落ち着いた照明で、薪火の明かりが眩しい。
今回も初対面の方々とテーブルを囲み、1つのお皿をシェアする。
前のランチの時もそうでしたが、今まで出会ったことのない組み合わせなんだけど、本質的にちゃんと美味しい料理。いずれも主役になる食材が決まっており、それに寄り添う調理と穏やかな塩梅。
スタートは大根のニョッキ、ラムレーズン、生ハムとバナナの取り合わせ。いずれも面白い取り合わせだけど、塩味と甘さのバランスがよく、できたてのホカホカ感が嬉しい。
続いてサルシフィーのスープ。西洋ごぼうらしいけども、ちょっと独特の香り。親鳥を使ったブロードに、力強さが加わる。親鳥を使っているのは、サステナビリティへの意識ですかね。
人参は細く短い種類。その分、甘みが凝縮しており、周囲は薪火でカリッと仕上げられています。金柑のソースで爽やかな甘みと、パセリオイルで爽やかな風味をプラス。意外なようで、実にロジカルな取り合わせであります。
虹鱒は皮目を豪快に薪火で焼き切り、付け合せのかつお菜も炭火で豪快に焦がしてあります。香ばしさがプラスされ、柔らかなテクスチャの虹鱒に寄り添う感じ。鱒にはクリーム系のものを合わせるのが定番ですが、こちらはナスを使った爽やかなものを。重くなくて大変Good。
パンはザワークラウトをあわせて酸味を付加したもの。スキレットで焼かれ、自家製の発酵バターと一緒に。ざっくりした食感です。発酵バターは風味がリッチでありつつ、酸味があるので、モリモリ食べ進んでしまう。これは人をダメにするものだ。
メインは鴨。赤ワインと蜂蜜に漬けられ、乾燥させた鴨とのこと。テクスチャは滑らかで、セクシーなとろとろ感。付け合せのネギは定番ですが、これまた自家製のコチュジャンが、辛味よりも旨味を添加するアプローチでとても素敵な体験。付け合せのグリーンはこれでもかという勢いの元気さ。
メニューには「根菜」とだけ書かれているメニューは、フラン(洋風茶碗蒸し)の上に牛蒡と菊芋のムース、上にチップス。根菜は力強い香りと旨味で、お肉にも負けないですね。
魚料理はキンメダイのフリット。フキノトウの香りとの取り合わせ。それそのものはもちろん美味しいんだけど、フキノトウは香りが強いので、もう少し量を抑えめにしてくれたほうが、お魚の風味も際立ってよかったかも。
締めはスペイン風リゾットのカルドッソ。酸味が心地よく、重すぎない。締めとしては横綱相撲ですね。これでパエリアとか来ると、旨味が強すぎてうまく締まらない。
デザートは定番の焼きたてバスク風味チーズケーキ。
今回テーブルをともにした人たちは、職業も年齢もバラバラだけど、楽しく会話が弾んで、みんな前向きなキャラクターでとても面白かった。シェフやスタッフさんも素晴らしいけど、こんなふうに初対面の人たちと、美味しく食卓を分かち合う、というのもまたモダンなスタイルだなーと。