2回
2025/10 訪問
「中華そば」と「肉ご飯」
先週のリベンジを果たすべく、「銀座 八五」を訪問。
TableCheckでの予約競争を避け、あえて並ぶという選択をとった。先客は5名、後に続く客も絶えない。インバウンドの比率が高いのが印象的。支払いは完全キャッシュレス。煮卵が得意ではないため、今回は「中華そば」と「肉ご飯」を注文した。
この店を知ったのは、フーディーとして名高い浜田岳文氏の著書『美食の教養』を通じて。さらに、世界陸上で棒高跳びの世界記録を樹立したデュプランティスと、その婚約者デジレ・イングランデルが来店したことも記憶に新しい。
店内は、割烹や鮨店を思わせる凛としたカウンターのみの構成。静謐な空気が漂い、自然と背筋が伸びる。店主は寡黙ながらも、接客には誠実さと品格がある。
白磁の丼に注がれた黄金色のスープは、表面の油膜が美しく光を反射し、思わず見惚れるほどの透明感を湛える。麺は中細ストレートで、しなやかさと程よい弾力を兼ね備え、スープとの一体感が見事。チャーシューは低温調理による豚肩ロース。淡いピンク色が美しく、柔らかさの中に旨味が凝縮されている。太めのメンマが全体を引き締め、構成にバランスを与えている。
「肉ご飯」は、角切りチャーシューと刻み葱をあしらった小丼。見た目は素朴ながら、肉の旨味が凝縮されており、「中華そば」との組み合わせによって食事としての完成度が高まる。
ちなみに、近くの「GINZA Cafe Hanon」には、外国人観光客が長蛇の列をなしていた。銀座という街の国際性を象徴する光景であった。
2025/10/25 更新
美味しいラーメンが食べたくなり「銀座 八五」へ。当初は横浜まで足を延ばし、「吉村家」と「支那そばや」を巡る計画だったが、移動時間を考慮し今回は断念。そのうえで「トイ・ボックス」と迷いつつ、最終的に八五を選択した。
TableCheckの予約枠は当然満席。そこで9時過ぎに並び始めたところ、すでに6名の先客。一巡目は逃したものの、厳冬期前の気候で待機は苦にならず、10時40分に入店。
店内は上質な設えで、割烹を思わせる端正な空気。オープンキッチンは清潔に保たれ、店主と料理人が黙々と丁寧に調理を進める所作が印象的だ。
今回も「中華そば」と「肉ご飯」を注文。黄金色のスープは濁りなく、滋味深い味わい。細麺は適度なコシと歯切れの良さがあり、スープとの一体感が抜群。チャーシューは提供直前に温められ、上品な肉の旨みが際立つ。「肉ご飯」はサイドメニューとは思えない完成度で、満足度をさらに高めてくれる。
“ラーメン三極化”(高級志向、千円以内の価格店、チェーン店)という市場構造の中で、八五は“高級志向”の代表格だが、「中華そば」1,200円という価格は、品質・体験含め十分に納得。むしろコスパに優れると感じる。
素材選定、調理精度、設えまで一切の妥協なし。今回も申し分なく、総合満足度は非常に高い。