3回
2016/10 訪問
"道場" 流の奥深い出汁がたまらない
江ノ電の長谷駅から線路沿いに極楽寺方面に少し歩いた坂ノ下にあるミシュラン一つ星の和食店。
ご主人の田中基哉さんは、15歳から10年ほど梅の木(現和さびの大将が以前都内に多店舗展開していたお寿司屋さん)で修業をされ、その後道場六三郎さんに師事されたという経歴の持ち主。その出汁のおいしさには定評がある。
店舗入口のところには、木彫りの「田茂戸」の銘板が。
店名の由来は、ご主人の姓と名から1文字ずつとり、縁起のいい17画で和さびの大将につけていただいたのだとか。
銘板の文字は和さびの大将によるもの。
基哉さんの名刺には表裏それぞれ「田茂戸」の文字が書かれているが、一方は和さびの大将による書、他方は道場六三郎氏による書だそうだ。
引き戸をくぐると一般家庭と同じような玄関。そこで靴をぬぎ、さらに店内に入ると、掘りごたつ式のL字型カウンターとオープンキッチンが目に飛び込んでくる。
このほか、入って右手前に掘りごたつ式の大きなテーブル席があり、こちらには6名程座れる。
店内は「和」の空間で、要所要所に季節の花が活けてあり、トイレの意匠もすばらしい。
完全禁煙。
以前は昼の部(小懐石)もやっていたが、2014年4月からは夜の部のみとなった。
ひと晩に、最大でもカウンター3組、テーブル席1組の計4組しかお客をとらないので、3ヵ月ごとに受け付ける予約をとるのがますます難しくなっている。
お料理は月替わりのおまかせコース1本で、たしか現在のお値段は8,000円前後ではなかったかと(^-^;
(毎回けっこう呑むのでお料理だけのお値段を忘れてしまったw)
季節ごとの料理は、なんといっても絶品の出汁を武器に基本を守って和の旨みを生かし、ときおり見せるフレンチかと思うような洋の素材や調理法、盛り付けもその魅力のひとつ。
4組相手にほぼおひとりで切り盛りされる(女性がいつも2名ほどいらっしゃいますが)ので、もちろんあらかじめ下ごしらえはしてあるものの、オープンキッチンのすぐ目の前で、客との会話でもてなしながら調理・盛り付けして出される料理は、その過程すべてがおいしさに結びついているように感じられる。
高級食材をこれ見よがしに使わず、季節の食材を活かし、出汁や調理でまとめあげる毎月のお料理には毎回感心する。
コース全体のボリュームも月によって多少多い少ないはあるものの、たっぷり2時間以上かけてお酒ととともにいただくので、我々のような年代には十分だ。
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[2016.10] 神無月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 30
[2016.9] 長月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 29
[2016.8] 葉月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 28
[2016.7] 文月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 27
[2016.6] 水無月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 26
[2016.5] 皐月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 25
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[2015.11] 霜月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 19
[2015.10] 神無月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 18
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[2014.11] 霜月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 7
[2014.10] 神無月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 6
[2014.6] 水無月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 5
[2014.5] 皐月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 4
[2014.4] 卯月のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 3
[2014.3] 弥生のお料理 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 2
[2014.2] 如月の小懐石 ⇒ 日記 坂ノ下 田茂戸 1
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2014.2 「如月の小懐石」 3,800円
2014.2
2014.2
2017/01/07 更新
12月は上旬に訪れました。