レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
7位
2回
2017/03訪問 2017/09/28
再訪 2016/04
約1年半ぶりに訪れた。
今回もまだ外が明るい時間帯。
こんな時間から、大人たちがゆったりとグラスを傾ける。これぞまさに神楽坂の粋。
やはりここに訪れたからには、頼むべきカクテルはシェイクだろう。
まずは、サイレントサード。そして、スーズギムレット。
どちらも割と定番なカクテルで、私自身もよくオーダーするカクテルだが、本当に美味しく作れるバーテンダーはごく僅か。
甘酸味のバランスがとれ、一体感のあるカクテルというのは、トップバーテンダーにしか作れない。
人の記憶とは曖昧なものだ。
店内のテーブル席は、ソファー席として記憶の片隅に納められていた。
カクテルについても、ここまで美味しかった印象はなかったが、1年半ぶりに訪れて、やっと真実を知ることができた。
まさか、これほどに美味しいカクテルだったとは。ああ、なんて美味しいのだろう。
粋な大人の街、神楽坂。
休憩をするのなら、このBARに訪れるしかないだろう。
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まだ日が高く、外は明るい。そんな時間から開いているBARがある。
扉を開けるとそこには、昼間からグラスを傾け、酒やシガーを楽しむ大人たちの空間が。
BARの扉を押す目的は何か。ただ酔いたい者、BARでの時間を楽しみたい者、誰かをもてなすために利用する者。
最近は、BARをよく利用するようになり、それぞれのBARが持つ顔というものもわかってきた。友人に薦めたいBAR、恋人を連れていきたいBAR、そして自分だけの秘密にしておきたいBAR。
神楽坂駅からほど近い当店。昼間からBARの扉を押すという経験は初めてだ。ホテルのラウンジバーなら昼間から訪れたことがあるが、ラウンジにはBARの扉はない。
扉を開けると、想像以上に明るい。照明が明るいというわけではなく、内装の印象が明るく、外の光も差し込んできているため余計にそう感じる。
そして、第一印象から素晴らしいバーテンダーであろうことがひしひしと伝わってくる、新橋さん。
私がこれまで出会ってきた素晴らしいバーテンダーは、皆、礼儀正しく、ホスピタリティに溢れていた。私のような若者相手でも差別をせず、軽視せずに丁寧に接してくれる。
たとえ腕がよくても、客を選び、客を区別し、こだわりを押しつけてくるバーテンダーなんて嫌いだ。客は神様だなんて思っているわけではない。ただ、人間である限り、自分より他人が優遇されているのを見せつけられるのは気持ちよくないし、そもそもそんなことをする人が嫌いだ。
新橋さんは非常に物腰が丁寧で、何事も優しく受け入れてくれそうな雰囲気を纏っている。あの雰囲気は、バーテンダーとしての経験というよりも、天性の素質があってこそなのだろう。きっと、どんな仕事をしていても一流になられるのだろうという印象すら受ける。
カクテルについて、言及する必要はないだろう。なぜなら、一口も飲まずとも、人柄や仕草から美味しいことがわかってしまう。飲む前から心が躍ってしまうほどに。
そして、一口飲むとやはり思うのだ。素晴らしいカクテルだと。
このBARは夜はどのような顔を見せてくれるのだろう。
訪れたのはお盆の昼間であったため、オフの雰囲気でくつろぐ男性ばかりだった。だから、私が好むBARの雰囲気とは異なっていた。
次回は必ず夜に訪れて、その雰囲気を肌で感じてきたい。
相変わらずバーホッピングを行っていた1年だった。
以前に比べ、開拓数は減ったものの、気に入った店に足繁く通うことで、店を大事に思い、店からも大事にされる関係が築けてきたように思う。
一見ではなく、常連になることで見えてくる世界がある。