すだれさんが投稿したバー シェイク(東京/銀座)の口コミ詳細

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美酒

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バー シェイク銀座、内幸町、日比谷/バー

1

  • 夜の点数:4.0

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 3.7
      • |CP -
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2014/09 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.7
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

これほどまでに1杯ごとのクオリティが高い店は初めてだ

ここは銀座。銀座のBARなんて敷居が高すぎてなかなか訪れることはない。
そしてこの度、新橋から徒歩圏内の銀座のBARに訪れた。その店のバーテンダーはあの上田氏の後輩だという。
怪しげなビルに入っている当店だが、BARの扉を開ければそこには至福の空間が広がっていた。

銀座の水商売系の店舗が連なるビルに入っている当店。ビルに入場することこそ躊躇すれど、当店のBARの扉はあまり威圧感がない。一部がスモークガラスになっているので店内で蠢く影が外からでも見える。そして、一歩足を踏み入れれば、そこには思いがけないほどのスタイリッシュな空間が広がっていた。
平日の早い時間の為、先客はない。おかげで、最初から最後までバーテンダー 古田土(こだと)さんにお相手してもらう事が出来た。

私はBARでは適度に構ってほしいタイプなのだが、たまたま暇なタイミングだったためかこのBARではバーテンダーによく話しかけられた。当たり障りない事柄から、好きな酒、好きなBAR、バーテンダーのイベントの話など、私が好みそうな話題を提供してくれる。このあたりは、さすがベテランというところだろうか。客の情報を引き出しながら相手に合わせて話を展開する話術は、若手のバーテンダーにはできないサービスだ。

古田土さんは、BARで飲む3000円のウイスキーは、家で飲む1万円のウイスキーより美味しいといっていた。
私は、BARではカクテルばかり飲むが、家ではウイスキーを飲む。なぜなら、自分で注いでも美味しく飲めるから。
しかし、古田土さんが言いたいこともよく理解できる。
美味しさを感じるうえで最も重要なことは味そのものであることは間違いないが、その時の気分や、店の雰囲気、誰と味わい、誰が作るのかで味わいに雲泥の差が生まれることを私は知っている。私は、美味しさとは掛け算だと思っている。例え、素晴らしい料理に出会えたとしても、サービスが不快であれば、つまり、ゼロもしくはマイナスであったなら、最終的な感想は残念なものになってしまう。私はこれまで何度もそういう経験をしてきた。
そして、その対極として、客を決して裏切らないのが本物のBARである。BARには様式美がつまっている。目に入るもの、感じるものの全てが美しいと思えるからこそ、たった一杯のカクテルが星付きレストランのスペシャリテを凌駕するほどの感動を与えてくれるのだ。

そして、当店、BAR Shakeには、長い年月と絶え間ない努力によって培われた技術を持ったベテランバーテンダーがカウンターに立っている。この空間で、彼の技術、厳選されたグラス、質の高い氷の全てを掛けて提供される酒は、凄まじい価値がつまっていると感じることだろう。持てる力の全てを一杯に注ぐことで、何倍もの美味しさを作りだすのがプロのバーテンダーだ。


また、忘れてはいけないのが、古田土さんのカクテルを作る腕である。
まずは噂のカンパリ・ソーダ。
これは、全く甘ったるくなく、素晴らしい出来栄えだ。他店で飲み比べるとよくわかると思うが、甘さや苦みが引き立ってしまうカンパリを絶妙なバランスでソーダ割りにするこの技術。おそらく、レモンかグレープフルーツが少し加わっているのがポイントなのだろうが、これほどのカンパリ・ソーダは他店では決して飲めないだろう。

そして、店名は如何ほどかという意味を込めて注文したシェイクでお任せのカクテル。
「私が一番好きなカクテルでよろしいですか?」と作り始めたのはダイキリだ。
かつて、色々な店で飲み歩いて勉強したというダイキリ。シェイクする姿、氷がシェイカーにぶつかる音を聞くだけで、美味しいことが伝わってくるそれは、もはや美味しいとしか言いようがないほど素晴らしいものだった。見た目の美しさ、口元に近づけると漂う香り。一口飲めば、夏の気だるさを一掃するかつて最高レベルのダイキリだった。

ラストに、私が愛するマンハッタンを。
ウイスキーベースのカクテルが好きだという話をしていたため、注文した瞬間に「マンハッタンか、ニューヨークだと思っていました」としたり顔の古田土さん。
今日一番の真剣な表情で作っていただいた。レシピは超スタンダードに、C.C.とCinzanoで。まさかこれほどとはと驚きと喜びしか生まれてこないマンハッタンには心の底から驚かされた。これぞまさにマンハッタンという飲み物なのだろう。単に混ぜているのとは訳が違う完成度だった。

ちなみに、当店のカンパリソーダはビールのように喉で飲まないといけないらしい。それが一番美味しく感じるからとのことだ。ちびちび飲んでいると、「ビールのように飲んでください」とアドバイスを受けるので覚えておいた方がいいだろう。

残念ながら、当店は2014年9月末で閉店してしまう。
移転を計画しているらしく、詳しいことは決まったらHPの方にアップするそうだ。
あとわずかな期間だが、一流のバーテンダーの技を堪能したければ必ず訪れるべきだろう。
今でも強烈に印象に残っている、3杯のカクテル。これほどまでに1杯ごとのクオリティが高い店は初めてだ。
私にとって忘れられない名店である。

  • ダイキリ (2014/09)

  • ダイキリ フレークが美しい(2014/09)

  • マンハッタン (2014/09)

  • カンパリソーダ (2014/09)

  • モスコミュール(2014/09)

  • ジンフィズ(2014/09)

  • (2014/09)

  • (2014/09)

  • アミューズ(2014/09)

  • 看板 (2014/09)

2015/03/08 更新

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