2回
2017/07 訪問
大阪富田林の「からあげ丼」
時間や社会に囚われず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。誰にも邪魔されず、気を遣わずものを食べるという孤高の行為。この行為こそが、現代人に平等に与えられた最高の癒し、と言えるのである。
(TV東京「孤独のグルメ」のオープニング・ナレーションより)
◇◇◇
マイレビュアー氏の超オススメ料理の『からあげ丼』、やっと食べることが出来ました。なるほど、このお値段でこのボリュームと美味しさは、なかなかのコスパだと思います。私自身は量を欲しないので、『からあげ丼(小)』の単品でも充分に腹一杯になっちゃいましたが、若い頃に近所にこんな店があったら、きっと足繁く通っていたと思います。
この店は、定休日が日曜と月曜という、他にあまり例を見ないパターンで、しかもこの店がある富田林方面には、ほぼ隔週の月曜日に訪れる予定があり、でもそれがちょうど定休日にあたってしまいこれまで行くことが出来ずにいました。今回訪店できたのは、月曜日が祝日だったためで、変則的に火曜日にこちらに来たためです。
食後に店のオカアサンに聞いたところ、『月曜日が祝日であっても休みますよ。火曜日を代休にはしませんので』とのことだったので、どんな状況でも固定的に日曜と月曜と休むようです。この点を少し心配しながら店の前まで来て、開いていることを確認して、ホッとした次第です。(事前に電話で確認すれば済むことですが)
店内は6人掛けのストレートカウンターと、入って右手奥にあるテーブル席2組の狭小な感じで、カウンターの向こうが厨房となっています。先客は3名、カウンターに座っていました。私も客の間の空き席に座って、形だけメニューを見ました。事前に『からあげ丼』の"小"を食べることを決めていたのです。
この店の"小"は、他の店では普通の量だということを事前情報として掴んでいました。確かに後客が頼んだ"小"じゃないからあげ丼をチラ見したら、かなりの量でした。
からあげ丼を注文すると、スタッフが『トッピングはどっちにする?』と聞いて来ます。ここでキムチかコーンを選びことになります。この二択って興味深いですね。キムチは何となく発想として出て来そうですが、コーンってどういう組み合わせなんだろうと思いました。そんなコーンにも興味はあったのですが、結局は初回と言うこともあり、風味が想像できるキムチを選びました。
6〜7分で提供されました。食欲をそそるビジュアルです。揚げたてっぽいので、いきなり熱々の唐揚げをガブリとは行かずに、少し冷ます目的もあって、とりあえず中の構造がどうなっているか"探検"しました。丼には中サイズの唐揚げが6個ほど乗っており、その下にご飯があるのかと思って唐揚げをどかすと、そこにはもやしが敷かれていたのです。この辺りがこの店のからあげ丼の風味を作り上げている要素の一つなのかも知れません。
唐揚げそのものは、見た目以上に柔らかく食べやすいもので、そこにキムチやネギ、さらには地味にもやしが絡んで来て、もちろんのごとくご飯がススム君状態です。ほんと、胃袋が大きかったらいくらでも食べられそうでした。
結局、先客が3名、後客が3名だったのですが、ちょうど『からあげ丼』と『やきめし』が3対3という感じで人気を二分していました。そういう意味で、やきめしもかなり気になる存在です。やきめしにスープをセットする人、からあげ丼(小)の、さらにご飯少なめに指定する人など、各人で色々アレンジしているようでした。
からあげ丼のトッピングのキムチ(あるいはコーン)以外に、味変要素があるようで、カウンターの上段には小型のボウルに入った、豆板醤、こんぶ、ガーリック(パウダー状?)が置いてありましたが、勝手に使っていいのかどうかは不明でした。各ボウルにはラベルが貼ってあり、それが客側に見せるように置いてあるので、使っても良さそうな感じでしたが、今回は使わずとも美味しく完食できたので、謎の解明は出来ずじまいです。
ごちそうさまでした。
☆☆☆
余談ですが、この店の最寄駅は近鉄の「富田林西口」になりますが、この駅で降りたのは今回が3度目で、前回は月曜日に降りて定休日だったという失態を演じてしまったのです。また、数年前にこの駅に初めて降りたのは、駅から見える"怪しげなタワー"に行くためでした。万博記念公園にある太陽の塔にも勝るとも劣らない奇異なデザインのタワー、近くに見えても、徒歩で行くとそれなりの距離があります。また、広い敷地内に立っているのですが、そこへのルートは一つしかなく、行き方を間違えるとグルっと回って行くことになり、しかも裏にはゴルフ場が隣接していたりで、広大なエリアになっており、実際に私は無駄に多く歩いてしまったのです。今回、駅に降り立った時に、そんな記憶が蘇ってきたのです。
「元祖からあげ丼(小)」(550円税込)。二択の無料トッピングはキムチを選択(コーンも選べる)。
"からあげ丼(小)"のサイドビュー。結構深さがある。
からあげとご飯の間にもやしが挟まれている。肉は柔らかく食べやすい。
店舗外観。
店内中央から左に位置する6人掛けカウンターと、右奥にテーブル席が2組みある。エアコンは左の窓側に設置されているので、暑がりの人は、写真に写っているカウンターの左側の席を狙うと良い(空いて入れば)。
胡椒や餃子系の調味料に混じってソースが2種類あるところが興味深い。何にかけるのだろうか?そして、その使い分けは?グランドメニューを見る限り、"やきめし"ぐらいしか思い当たらないのだが。
グランドメニュー①。
グランドメニュー②。
【おまけ写真】付近からこんな感じで見えたりするので、近いと思いきや。(2014/11撮影)
【おまけ写真】駅からはずいぶんと歩くことに。近くで見ると、かなり特徴のあるデザインであることがよく分かる。(2014/11撮影)
【おまけ写真】塔内にはエレベーターがあるが、展望台までは行けなかった(以前は登れたらしい)。(2014/11撮影)
【おまけ画像】©︎GoogleMapでも3Dデータとして再現されている。
2017/07/22 更新
前回、マイレビュアー氏の超オススメの唐揚げ丼をいただきました。確かに「小で充分ですよ(※)」と言うボリュームと美味しさでした。
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「二つで充分ですよ」
デッカードが"give me four"(四つくれ)といって、おやじに「二つで十分ですよ」と断られたのは一体なんだったのか、という話題がブレランファンの間でいったい幾度繰り返されたことでしょう。ワークプリントではなんと丼の中身が映ってます。どうも、画面で見るかぎり丼にごはんが盛ってあって、その上に金糸卵(?)とサニーレタス(?)がしいてあり、どすぐろいエビが二尾のっているようです。つまりデッカードが四つ欲しがったのは、エビだったのです!けっこうでかそうなので、たしかにこれ四つじゃ多すぎるかも。うどんもたのんでることだしね(笑)。
(「ふたつでじゅうぶんですよ研究所」より抜粋引用)
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※SF映画マニア御用達の『ブレードランナー』での有名なセリフ「二つで充分ですよ」をちょいと真似てみた感じです。「〜〜で充分ですよ」というフレーズを思い浮かべたり聞いたりすると、マニアはブレードランナー(略してブレラン)のこのセリフを思い浮かべるわけです。なぜ印象的かと言えば、映画の中で日本人と思しき人物が日本語でこのセリフを話しているからです(なので映画では英語の字幕が出ます)。この映画は、日本語をSE(効果音)としても使っている点でも有名ですね。
……という話は置いておいて、今回は念願の焼きめしを食べました。とは言いつつ焼きめしの単品を頼まず、思わずセットメニューに浮気してしまったのです。
・ラーメン+ミニ焼きめしセット
同じ焼きめしだから、ミニでも十分に風味を味わうことが出来るだろうと。さらにこの店のラーメンも経験したいという欲張りなメニューを選択したのです。
■ラーメン
単品でも400円という低価格設定で、だからさすがにチャーシューは乗っていませんでした。でも、400円としては麺が十分なボリュームで、この店のボリューミーな方向性はラーメンでも実現されていました。麺はヤワヤワで硬めが好きな人には向きません。硬め指定が出来るかどうかは不明です。スープは熱々で合格点です。
■ミニ焼きめし
ラーメンに続いて配膳されたミニ焼きめしを見て、「え? ミニじゃないの?」と目を疑ったぐらいでした。どうみても、普通の店での一人前ある量で、ラーメンとセットで食べると普通の人なら腹パン状態でしょう。私ももちろん腹パンでした。風味は濃い目で好きな味です。具もチャーシュー片が予想以上に入っていたりして、美味しくいただけました。
☆☆☆
ということで、さらにポイントアップです。文句なしのオススメ店です。
ごちそうさまでした。