2回
2024/08 訪問
相原シェフの熟成魚の魔法が紡ぐ新しいフレンチ
代官山の喧騒を一歩離れ、静謐な路地を進むと現れる「サンプリシテ」。
そこには、曲線が美しいカウンターと、相原シェフがイチオシの熟成庫が優美な調和を奏でています。
「熟成魚」と聞くと、どこか懐疑的になる人もいるだろう。しかし、ここではその概念が覆ります。
例えば、シャルキュトリーといえば肉の加工品を想像しがちですが、ここでは魚を使った新しい挑戦。
「生ハムカラスミ」や「ソシンセックブレザオラ」など、魚介を熟成・加工し、肉のような旨味と食感を生み出しています。
どれも美しく繊細な仕上がりで、熟成魚の可能性を見事に具現化しています。
またメインの九絵は、唐津から届く九絵を熟成させたことで得られる肉のような濃厚な味わいが印象的。
どの料理も新しさだけでなく、「ちゃんと美味しい」というシンプルな感想が、なぜか特別な意味を持つ店。
素材の大胆な組み合わせと繊細なプレゼンテーション。
目で楽しみ、舌で味わう。そしてそのすべてが記憶に刻まれる素敵なお店です。
2024/12/07 更新
代官山の静かな路地に佇む「サンプリシテ」。
カウンター越しに見える熟成庫は、ここがただのレストランではないことを物語っています。
相原シェフが手掛けるのは、「熟成魚」を中心に据えた新しいガストロノミー。
魚介を使った独創的なシャルキュトリーから始まります。
オリーブと海苔の香り、生ハムのような魚介類、カラスミ、ソーセージなどどれも珍しいですが、魚を熟成させることで引き出された旨味と深みが毎回印象的。
そしてシャンパンとの相性は言うまでもない。
白アスパラと蛤の組み合わせや、セルヴェルドカニュを海の幸と合わせた一皿など、食材同士の意外性がありながらも、舌にすっと馴染む不思議な安心感があります。
黒鮑とじゃがいもの組み合わせも抜群。
メインの九絵は、熟成によって魚とは思えないほどの凝縮感をまとい、肉料理にも匹敵する存在感。
イカスミソースのコクも相まってさらに美味しく。
スープドポアソンは、海の恵みを濃縮したような一杯で、心まで温めます。
デザートの苺とひじきは甘酸っぱくそしてほんのり塩味を感じる一品。
メイン後のデザート1品目にはちょうど良く口の中をスッキリと。
すじ青のりを合わせたショコラは、海の香りとカカオの余韻が新鮮な驚きをもたらす締めくくり。見た目の美しさも相まって、最後までワクワクが続きます。
熟成魚のポテンシャルを知り尽くしたシェフだからこそ生まれる、「発見と安心が共存する美味しさ」があるレストランです。
まだ体験したことのないグルメな人はぜひ体験してほしいお店です。