3回
2018/02 訪問
やはり匠の技ってさりげない
あまり、高級な天婦羅屋さんには縁がなかったのですが、ひょんなことから訪問。
東京あたりで、天一などでカウンターで食べても、あまり職人さんと会話することがないですが、
ここは、若いマスターと気軽にお話できる雰囲気があり、食も酒も進みます。
流石なとこ1:店内が油臭くない。 あたりまえと思いがちですが、普通の店、意外と胡麻臭かったりする。ここは、酒の薫りを妨げたりしない。
流石なとこ2:前菜が酒にあうあう
流石なとこ3:そりゃあさりげなく素材を活かして、なおかつ、揚げ物が主(そりゃあ天婦羅だもの)のコースでも最後まで、あっさり、さわやか!
流石なところ4:天茶、うまい。めごち、なんて美味いんだ!
やはり、匠の技がさりげなく仕込まれている天婦羅。いいよね。
2018/02/19 更新
なんと6年ぶりの訪問。そしてお店は10周年だそうです。そして今年食べログBRONZEに選ばれた見たいです。
ここはあの「天ぷらの神様」から初めて暖簾分けをしてもらったお店。
弟子は数多くいますが、当時、ここのご店主以外は暖簾は譲ってもらえなかったらしいですね。
今は、全国に数店「みかわ」を名乗ることを許されたお店があるようです。
そういえば、最初に訪問したときそんな話を聞いたような、聞いてなかったような?
とにかく、美味い天婦羅を揚げてくれる、居心地のよいお店という印象。なんと罰当たりな自分。
さて、コースを予約しての訪問。
この日、カウンターとお座敷満席と大盛況。
久しぶりにご店主とお会いするのですが、以前とあまり変わらず、爽やかな笑顔で柔らかい物腰、だけど天婦羅は凄いよ!オーラ。
お酒は、新政様がいらっしゃたので「せっかく秋田にきたのだからね~」でオーダー。
内側に錫メッキを施した片口でのサーブ。この器でまろやかさが増すのだそうです。
突き出しの秋田産枝豆をつまみながら、新政さまをいただきます。やはり独特な飲み口です。さわやかなトップアロマで飲みやすいけど、じわっとボディがあり、すっと消える。
続いて、刺身。行者ニンニクを刻んだ醤油でたべます。
そしていよいよ天婦羅。まずは、エビの頭。カリカリで香ばしい~。
それからボディがやって来ます。火入れが神業的。中は半生で衣はカリッとして、最高にエビの旨味を引き出す加減が素晴らしい。塩でいただきました。
それからは怒涛のスーパー天婦羅が出てきます。
秋田のこだわり農家さんの食材をひとつひとつ丁寧に説明してくれます。
赤い万願寺唐辛子は初めて頂きましたが、市場では出回らず、レアもの。あま~い、パブリカみたいな食材でした。
食材と言えば、苦手なしいたけが、すんなり食べられましたね。あの嫌いなにおいが殆どなく、味もマイルド、柔らかで肉厚な食感を生み出す天婦羅技なんですかね?あれなら食べられる。
ここで、新政おかわりです。
ストレートな素材を活かしたものも良いですが、細工物がまた美味い。
例えばウニを大葉で巻いたもの。大葉の水分をとって粉を適量まぶしてウニを巻く。
それを揚げて崩れず、火もそれなりに通っている。
終盤は、穴子、稚鮎(なんかハゼかと思った)からの天茶。流石におなか一杯
追加はいかがですか?と聞かれましたが、無理です~。
ここは、お客さんに非常にフレンドリーでホスピタリティが高い。それを感じる一つが、天つゆか塩の使い分けに対するアドバイス。押しつけはなく、お客さんの好みで、が基本。でも、食材に応じで、ベターなサジェスチョンをくれます。例えば、ナスとか水分が多く冷めにくい熱々のものは、天つゆがいいですよ、とか。とにかくお客さんにやさしい。
カウンター満席、奥の座敷からは、かなり「お好みオーダー」が入って、カウンター内は超絶あわただしい状態。奥様とご店主、手伝いの若手二名の陣容ですがひっきりなしに動いてます。
それでも、お客さんとの会話には時間をさいてくれ、こちらが食事と雰囲気を楽しめるような気配りが心地よい限り。
ちょっと天婦羅鍋の素材がきになったので、ご店主に聞いてみました。銅ではないのですが、鉄でもない。すると、ご店主は「アルミです」とのお返事。鍋の選択は、職人さんがどんな天婦羅を揚げたいかで変わります、とのこと。
なんでも、銅は蓄熱でき、安定した温度で揚げられるのですが、アルミは熱しやすく冷めやすい。
つまり、低温から高温まで温度を変化させながら、職人さんが作りたいものに合った温度にできるのが特徴だそうです。裏返せば、その温度制御ができるスキルがないと使いこなせないということ。なるほど、達人の鍋なんですね。
そういえば、途中で出てきたアスパラだったかな?表面をわざと焦げ気味にしてます、という説明があったな、と。確かに香ばしさと、中のみずみずしさとのコントラストが際立ってましたね。
やはりここの価値は、このクオリティの天婦羅が安くはないが納得の価格でいただけること(都内では高くて全く、行く気にならないです)
そして、なんと言ってもご店主、奥様のホスピタリティのおかげで、とても居心地が良いこと。
問題は、秋田は遠いということですね。でもまた来たくなるお店でした。ご馳走様でした。