タケマシュランさんのマイ★ベストレストラン 2015

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タケマシュラン

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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飲食店は数ヶ月でガラリと印象が変わることが多いので面白いですね。

1位とさせて頂いたアピシウスにつき、数年前お邪魔した際は特に印象に残らなかったのですが、今回は人生最高の食事となりました。これだからレストラン巡りはやめられない。

2位のナリサワと10位のラリューンについては何度訪れても良い意味で同じ印象なので、確固たる実力があるお店だと思います。

マイ★ベストレストラン

1位

アピシウス (日比谷、有楽町、銀座 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥100,000~ ¥10,000~¥14,999

2015/11訪問 2023/01/24

東京最高峰のレストラン

「もしテイスティング試験まで合格したら、お祝いに何でも好きなワインを飲ませてあげる」。首尾よく合格し、本当にご馳走して頂けることになりました。

私が指定したワインはシャトー・マルゴー。要求する私も私ですが、応じる連れも連れである。「それじゃ、ワインの格に見合ったレストランじゃなきゃね。やっぱアピシウスかなぁ?そこなら友達が働いてたし」。

アピシウス。1983年のオープン以来、日本のフランス料理界を牽引し、最もカップルを誕生させ、商談をまとめてきた東京最高峰のレストランです。私がお邪魔するのは実に4年ぶり。ディナーは今回が初めて。胸が高鳴ります。

支配人に始まり、偉い人が入れ替わり立ち替わり我々のテーブルに挨拶に来てくれます。リアル真中沓子である。

ダイニングを取り囲む美術品の数々。シャガール、ロダン、ベルナール・ビュフェ、ゴヤ、アンドリュー・ワイエス、ユトリロ、、、美術館さながら。付きっ切りで我々の世話をして下さったシェフソムリエは「しっかり見ていってくださいっ!料金に含まれていますからっ!」と会ったその瞬間に懐に飛び込む温かさ。本物のサーヴィスとはこういうものなのかもしれません。

「乾杯は、シャンパーニュ、ボトルでイッっちゃいます?マグナムでも何でも!」と軽口を叩くシェフソムリエ。いえ、今日はマルゴーを飲むと決めてきたので、控えめに控えめに。「おっ!マルゴー!いいですね!何本でもどうぞっ!」まるで気立ての良い寿司屋のよう。

ここのオリーブは心から美味しく、もっとパクパクいきたいのですが、今夜はクレッシェンド確実なので抑えて抑えて。

「バースデーヴィンテージがあるかどうか、事前にお店に確認してたんだけど、無かったんだ。今夜はコレで我慢してね」思わず目に汗をかいてしまいました。ちなみに私がなぜこんなにマルゴーにこだわるのかというと、私がワインを好きになったきっかけのひとつがマルゴーのセカンドだからであり、思い入れがとてもあるのです。

すぐに抜栓してデキャンタージュ。もちろん知識としては知っていましたが、ローソクの灯で実施するところを初めて拝見しました。

さてお食事。エスカルゴとキノコから始まります。チャラついたフレンチとは一線を画す真実味のある味わい。エスカルゴのグニグニ感が楽しい。

マスのテリーヌにクワイのチップス。クワイっておせちでしか食べたことがなかったので新鮮。ところでクワイって漢字で「慈姑」って書くんですね。クワイだとジャミロクワイっぽさが拭いきれないので別の表現をしたいところですが、うーん、慈姑だと家庭内に問題があるように見えてしまう。

白はグラスで進めることにしました。良い意味でムルソーっぽくない。美味しいなあ。

パンにはあまり手をつけませんでした。当店はデセールが実質食べ放題であり、また彼女と食事をする際はチーズまでフルフルコミコミがお決まりなので、胃袋を確保しておく必要があるのです。

ウニとキャビアの野菜クリームムース、コンソメゼリー寄せ。ド・クラシック。野球ボール程の大きさ。まるで北島亭を彷彿とさせるポーション。

目が覚めるような白妙のムースをふたつに割ると、顔を覗かせるキャビアとウニ。全ての食材の味か濃く、本物のフランス料理です。特にコンソメゼリーが印象的。化学調味料のようなズルはしない正真正銘のコンソメでした。

サヴァニャン。なんともリッチでエレガント。合わせる食事は泣く子も黙る白トリュフのリゾット。妖艶な香りが半径3メートルを満たし始め、コカイン中毒者のようにラリっていると、「今日色々アレなんで、シュルシュルっといっちゃいましょう!」と、目の前で追加スライス。貴族か。推定6~8グラム。ちなみに噂によると今年の白トリュフは仕入れでキロ70万を超えるらしいですよ。仕入れでね。いずれにせよ、エロティックな香りがリゾットの輪郭を覆い被さり、私の身体に不整脈を引き起こす。

スペシャリテのウミガメのスープ。完璧に澄んだ琥珀色。筆舌に尽くしがたいクリアな濃厚さ。矛盾する味わい。幸福を液体にするとこのような形になるのではあるまいか。

ちなみにウミガメは絶滅危惧種で気軽に食べて良いものではありませんが、小笠原では漁獲量を制限しつつも文化として食べ続けられているのですね。その貴重なウミガメを当店は1割近くお取り寄せしているらしいです。全くとんでもない食材をスペシャリテにしてしまったものである。

ちなみに合コンで実施すると100%盛り上がりお持ち帰り確実と言われる質問ゲーム「ウミガメのスープ」とは全く関係がありません。あれはゲームとしては面白いのですが、例の船員(または軍人)は自殺するには察しが良すぎる気もします。

受け止めるワインはアモンティリャード。ウミガメのスープとアモンティリャードはずっと二人三脚で歩んできた取り合わせなんですって。歴史を飲む。ワンダフル。

鴨のフォアグラのポワレ。これでもかというほど高級食材が続きます。まるで江藤がいた頃の巨人軍。フォアグラはそこらのビストロのインチキフォアグラとは画然たる格の違いがあります。また、付け合せも唸るほどの調理。最上級のフォアを受け止めるように紅玉リンゴを設計し、昇華されています。食材・調理技術の双方が見事に組み合わさった一皿でした。

マディラを合わせる。マディラって勉強以外で飲むことがなくて、料理ついでに少し舐めるとウェあんま美味しくない、という印象しかなかったのですが、考えを改めました。フォアの脂と渾然一体となって溶けていく素晴らしきマリアージュ。

金目鯛のヴァプール。簡素に赤裸々に蒸しあげたのみ。それなのに迫り来る圧倒的な海の味。なんなんだこれは。鳥肌が立ち、震えながら食べました。ブロッコリーとカボチャが下に敷かれ、イカスミのソースも旨味たっぷりに寄り添うのですが、とにかく金目鯛の旨味に信憑性がある。すごい皿。本日一番の料理です。

ヴィオニエ。白なのに紅茶のように香ばしくハチミツのようにとろけていく。

このとき私の脳内ではエルガーの「威風堂々」が再生されていました。メインイベント、シャトー・マルゴー1996の登場。パーカー99点。丁寧に丁寧にデキャンタージュされ、後生大事に開かれた一本。涙で視界がぼやけます。

色を見る前に香りが届いてくる。グラスを近づけずとも広がる並外れたゴージャスな香り。味わいは、、、想像していたよりも全然美味しい!いや、今までそれなりに高いワインはいくつか飲んだことはありますが、いずれも想定の範囲内だったのですね。なのですが、本日のこちらは覚悟していたよりも段違いに輝かしい味わいでした。造られてから20年近く経っているというのに途方も無くフレッシュ!

ここから先は美辞麗句を並べ立てても栓のないことなのでここまでにしておきますが、私のこれまでの経験の中で最高の美酒であることは間違いありません。幸せだ。私も実は東垣内豊なのかもしれない。

和牛のポワレにボルドレーズソース。野性味とは対極。過保護に育てられた和牛のキメの細かやかな肉質が幾重にも連なり味わいを深淵なものに。ワインとの教科書のような組み合わせ。これはもう完全に恋のマイアヒ。マイアヒー!うめー!

お待ちかね。チーズワゴンの到着です。ワイン好きでこのシチュエーションに萌えない人はいない。

ハードチーズ2種にプーリニーサンピエールと、、、もうひとつなんだっけかな。コンテが秀逸。見事に熟成されており、マルゴー様とうまくやってくれています。「今日はキミのために開けたマルゴーなんだから、どんどん飲んでね」と、ほとんどを飲ませて下さる女神様。

乾燥イチヂクが名脇役。ドライフルーツが詰まったパンも最高品質。ああ!もっと食べたいのにすぐ後ろでデセールのケーキワゴンが控えている!

ケーキ軍団到着。私はこういう状況であれば常に「全部くれ」とお伝えすることにしているのですが、それはミニャルディーズの話。当店は小菓子ではなく、れっきとしたケーキなのである。いけるか?いけるのか?と逡巡していると「全部じゃないの?」と煽られ望むところです。

「ケーキの準備をしている間、セラーをご案内しますよっ」ということで、店内奥の秘密の部屋へ。す、すごい。。。DRCに始まり憧れのボトルがゴロゴロ並んでいます。一本ぐらいくすねてもバレないかもしれません。いやバレます。

バーへ移動。重厚で濃密な空間。下関条約ぐらいなら簡単に結べそう。こういうときに手馴れた感じで葉巻でも吸えればカッコイイんだろうなあ。

左から、ガトーショコラにイチヂクにチーズケーキにレモンケーキにモンブラン、イチゴだっけかな?良い具合に酔っ払い始めたので記憶に自信がないのですが、レモンケーキが爽やかで印象的。

スペシャリテのタルトタタン。上品な甘さを湛えながらほどよく温かい。このような直球勝負のお皿が文句なしに美味しいって、本当に実力がある証拠ですよね。

合わせるワインはシャトー・ギロー。最後の最後まで贅沢だなあ。ゆったりと甘さが膨らむ一方で、クドさは一切感じられない。様々な個性や特徴を方々に引き出した上で矛盾を解消するのが一流の条件なのかもしれませんね。

胡椒のアイスの清涼さがお見事。これだけ食べた後なのに、スイスイと食べてしまいました。

お茶菓子も好きなものを好きなだけ。さすがに気絶するほど満腹だったので「全部くれ」とは言えませんでした。悔しい。。。

それでも1人でこれだけ食べれば立派なものである。しかしどれもこれもが美味しくて、ああ、やっぱ全部食べたかったなあ。今度は軽めのコースでチーズもパスして腹6分目ぐらいの状態で全力で甘味に取り組もうと固く誓いました。

パーフェクトな晩餐。人生最高のディナーでした。この先、私の人生に何が起こるかはわかりませんが、今夜のディナーは一生忘れることはないでしょう。合格と誕生日という私の特別な節目に私だけのために完璧なおもてなしをしてくださったのですから。

豪邸や高級車などの物質はいずれ泡沫の如く消え去るものですが、特別な思い出というものは未来永劫、私の人生を満たし続けて行くのです。ときめきメモリアルです。

ちなみに、日本でシャトー・マルゴーだけが妙に有名になってしまったのは、「失楽園」のクライマックスでマルゴーと共に服毒心中するから、なんですね。原作者の渡辺淳一がなぜキーアイテムにマルゴーを指定したのかは謎ですが、いや、じゃあ他の五大シャトーで適任はあるかと考えをめぐらせると、やっぱマルゴーかなあ。

「毒入りじゃなくて良かったね、うふふ」。瞬間、彼女の瞳に光が宿る。ただ、仮に前述の和牛のポワレと共にマルゴーを口にしてあの世に逝ってしまったとしても、それはそれで納得感のある、悪くない人生だったかも。

■写真付きのブログはコチラ⇒ http://www.takemachelin.com/2015/11/blog-post_25.html

今年のクリスマスは、なんとなく後回しになっていたアピシウス!東京のフレンチの老舗ですが、なぜかミシュランには認められていない。ペニンシュラの隣のビルの地下へドラクエ的に潜って行くと、なんともクラシックな、これぞレストラン!のような内装が拡がります。

牡蠣の茶碗蒸し、貝祭り。貝ってやっぱ良いダシとれますね。

クレソンとトマトのサラダ、ブイヤベース。サラダは別に普通。

ブイヤベースはアメリケーヌソース並にエビの旨みが溶け込んでいて香りの時点でヨダレじゅるじゅるの逸品。

魚祭り、和牛ホホ肉。肉がシーチキンみたいに柔らかかったです。

パンはそこらへんのパン屋のフランスパンと変わりません。

オリーブはレベル高し。

デザートはワゴンでガラガラお好きなだけどうぞ方式。「全種類お願いします」攻撃しましたが、割とさっくり食べることができました。2,000円ぐらいのケーキバイキングなんか比べ物にならない程美味しいケーキたちを、心ゆくまで食べることができる。

本日はプラリネアイスとイチゴピスタチオのタルトが絶品でした。

生クリームが机にドンと置かれて、ご自由どうぞにってのは新しいスタイル。

私がフレンチが好きな理由は最後のデザートに拠る部分が大きい。男でデザートに比重を置いていることをバカにされることもままあります。しかし、史上最年少で3つ星を獲得したモナコ国籍のシェフ、アラン・デュカスは次のように述べています。「デザートは魔法。それはいつでも私たちに幼かった日々を思い出させてくれること。けれど私にとってデザートとは、食事を締めくくる終止符。至福のページの最後の印。ページはめくられますが、記憶は深く刻まれるのです」哲学で難解ですが、私の味方であることは間違いなさそうです。

とても満足。こういうクラシックなフレンチ、大好きです。当店が無印で、ロオジエが三ツ星だなんて悪い冗談としか思えません。どうもミシュランは、スタイリッシュな内装と、オリエンタルな味付けと、オリーブオイルを多用するフレンチ店が好きみたい。こういうおもーいフレンチは好まないみたいです。時代遅れって思われるのかな。過小評価。

■写真付きのブログはコチラ→ https://www.takemachelin.com/2010/12/blog-post.html

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2位

NARISAWA (青山一丁目、外苑前、乃木坂 / イノベーティブ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2015/10訪問 2016/01/17

何度訪れても毎回感動してしまう

来月誕生日だよねお祝いドコがいい?と尋ねると、「あ、ナリサワ」と即答。「あ」じゃねーよ簡単に言いやがって。

TheWorld's50BestRestaurants、今年はついに世界8位。長いあいだ弥栄を祈り続けていましたが、こんな高みにまで登り詰めるとは。なのにお店の方から「わー、タケマシュランいつも読んでます~」とおっしゃって頂けるのは嬉しいやら面映いやら。

半年前はナリサワのプライベートブランドのシャンパーニュでしたが、最近の価格改定と共にハウスシャンパーニュはドンペリニョンへ。グラスで飲むにしてはリーズナブルで納得のいく値付けでした。ドンペリって日本だといかがわしい酒の象徴のような扱いですが、やっぱ値段相応に美味しいと思います私は。

森のパン発酵中。連れは目を輝かして喜んでいる。私は良いことをした来世では必ずや報われることでしょう。

里山の風景。私の感性の狭さ故、毎度の事ながら左上の木のエキスに理解が追いつかない。。。風景自体はオカラやヨーグルト、ゴボウなどで擬態されており全て口にすることができます。料理というよりも雰囲気を食べる皿。

さて今回もイケメンソムリエに全てお任せ。彼のセレクションは緩急自在で毎度毎度感心する。まずはアルザスのリースリング。ペトロールのペの字も感じさせない透明感。クリア中のクリア。水のように飲んでしまいました。

神戸牛のタルタルにキャビア、芽ネギをカリカリの湯葉にのせる。単刀直入に旨い。直線的な味わいとわかり易さという意味では、本日一番のお皿かもしれません。

佐賀のスッポンのから揚げ。こちらもしっかりと味付けがしてあって、高級なからあげクンのよう。あ、ビール飲みたいかも。

おなじみのタマネギのフリット。タマネギの旨味と甘味が凝縮されており、ああ、野菜って美味しいんだなと再認識させてくれる逸品。

北海道のイクラは深みがある一方で生臭さの欠片も感じられない。明石のタイは、かの有名な水口氏が〆たもの。まさか気鋭のフランス料理屋でお目見えするとは懐が深いのう。石川のボタン海老はしっかりと昆布で締められており、ねっとりとした舌触りとともに官能的な味わいが味蕾を包み込む。ウニは新鮮の極北にあり絶品。スダチの泡にも品格が感じられ、世の和食屋は当店に修行に来るように。

氷見のソーヴィニョンブラン。氷見ってワイン造ってるの!?驚きでした。氷見の食材と言えばブリしか知らんぞ。冷涼であるためか酸味がはっきりとしており旧世界の上質なワインのようでした。

森のパンの発酵が終わり、250℃の窯で焼く。今回は青柚子と和栗が主題。黒糖で風味づけ。世界で一番のパンです。パンという脇役を用いてテーブルに花を咲かせることができるだなんて信じられない。

桑名のハマグリ。ハマグリの出汁は当然のこと、バターかな?動物性の旨味も感じられました。もみじおろしで辛めに仕上げているのも面白い。フランス料理屋で辛い料理を初めて食べたかもしれない。

ところで桑名。この地名には思い入れがあります。昔々イタリア旅行中に知り合った桑名在住の女性と遠距離恋愛をしたことがあり、これがまた金に汚い酷い女でほんの2ヶ月で別れたのですね。それでもむこうは嫌だ嫌だ別れたくない合鍵絶対返さへんからなとゴネにゴネまくってああ鬱陶しい。仕方なくマンションの管理会社に「鍵を無くした。住所が特定できる書類と一緒に落としたかもしれない」とどうでもいい嘘をついて鍵を丸ごと交換してもらって一件落着、という時にピンポーン。覗き穴から玄関外を伺うと宅急便。届いたのは合鍵でした。心から無駄な鍵の交換費用でした。

オーストラリア。透明感に溢れた赤でピノかなあと思いながら香りを取ると、薬草のような香り。「そう、グルナッシュなんです」ユニークだなあ。これだからワイン探訪はやめられない。

パンは上質ではあるものの、森のパンとどうしても比べてしまう。一方でバターはお見事。見た目はもちろん、塩分もきちんと取り揃えられており名脇役。

伊勢海老のフリットは絶妙な火入れで素材としての旨さと料理としての美味しさを双方楽しむことができます。鮮やかな唐紅のフルーツトマトは高知産。ヴァニラの香りをプンプンにきさせておりうっとりしてしまう。

このお皿に対しては直汲みの日本酒とボジョレ。「前回はモルゴンでしたよね?今回はサンタムールで」と鬼CRMっぷりを発揮。なぜ覚えているのかと尋ねると「何となく覚えているものです」。それにしても2003のガメイとかテラ・インコグニタ(未開の地)すぎる。果実味が豊かながらとにかく複雑で、トマトジュースのようなニュアンス。フルーツトマトと抜群にマッチするのです。

液体窒素さんいらっしゃい。数年前はそこかしこで液体窒素とエスプーマが咲き乱れていましたが、最近あまり見かけませんね。それでも当店は生真面目に使い続けるので、哲学を感じます。

兵庫のサワラ。芳醇な旨味が濃縮中。バリっと炙った焼き目が愛おしい。

そこへ液体窒素で固めたソースを投入し、エレン・イェーガーに仕立てる。味はもちろんのこと、遊び心も忘れずに。

フュメ。コクがあって、サワラの旨味に負けておらずバッチリ。レストランのワインって楽しい。ボトルで注文する楽しみ、ペアリングでお願いする楽しみ。どっちがいいのか永遠のテーマだなあ。

ギャア嬉しい!1週間に2度も白トリュフにありつけるとは!香りが官能的すぎて全然箸が進まねーじゃねーかよう!

「自殺する権利」についてヨーロッパで議論が活発ですが、私が何か不治の病を患った際は、白トリュフを嗅ぎながら悦に浸っているところをヘッドショット一発で仕留められたいです。旭化成と同様に、全く悔いの無い人生である。

香りを嗅ぎすぎて鼻がバカになってしまいそうなので、冷静さを取り戻し真面目に料理に向き合う。すると、赤座海老の甘味と味噌のコクがうまいのなんのって。再び正気を失いました。

香りに負けじとパワフルなソーヴィニョンブラン。樽がバリバリ。いいなあこういう信念のあるワイン。

特殊なシートに包まれて蒸されて出てきたものは、、、山口のアマダイ。華やかな鯛のエッセンスをキノコが受け止め、スダチの香りが彩を添える。スープの一滴一滴まで全て舐め尽くしました。

ピノって当たり外れが多いので、狭量な私はビビってあまり注文しないのですが、信頼のおけるソムリエの選択であれば間違いありません。飲み口からしなやかに身体中に染み渡る一点の曇りなき葡萄酒。最高に美味しかった。

お肉は京都の合鴨、鹿児島の豚、神戸牛、鳩から選ぶことができます。ただし2人で揃える必要アリ。「あなた、どー見ても鳩食べたそうだよね」とお気遣い頂きましたが、きょ、今日ゎキミのお誕生日祝いだから、と断腸の思いで選択権を譲りました。神戸牛の赤身肉。真っ黒けっけのナリサワスタイルです。
赤身肉が流行し始めて久しいですが、神戸牛の赤身を食べる機会はあまり無かったかも。なんとも力強い味わい。繊細の中に野性味を感じられる。ちなみに真っ黒けっけは野菜やら何やらをパウダー状にしたものを長時間かけて黒くした何か、だったような気がします。

力強い料理には大きく振りかぶってど真ん中の赤ワインを投げ込んできます。ぴったりだ。食べ応えのある肉を何度も何度も咀嚼し、赤ワインをガブリガブリ。至福である。

酔ってきたので勢いづいてもう一杯。テンプラニーリョはあまり飲み慣れていないのですが、緻密でバランスが良くて率直に美味しい。

お誕生日ケーキ。私は連れのお母様とも親しいので、「僕は何度も食べたことがあるから、家に持って帰ってお母さんと一緒に召し上がれ」と大人の対応をしました。決して断腸の思いで、ではない。繰り返すがこれが大人の対応である。

玉響意識を失うほどはっきりとしてパンチ力のある抹茶。それでいて気品溢れる苦味。感動的ですらある。

和栗も素材の良さが丸出しで、季節感が猛然と押し寄せてきます。今気づいたけどこれ、カタツムリ?甘味が水蜜桃のように伸びていく。栗にぴったり。

さてお楽しみ、ミニャルディーズは全部くれコーナー。
連れも私に習って全部くれ。彼女は決して大食漢では無いのですが「今日はね、朝からカップメンのミニだけしか食べてないの。万全の状態よ」。

頭の芯まで気持ちよくアルコールが染み渡り、調子に乗って食後酒まで。マールかあ、マールって高いんだよなあ。まあいいか。今までのナリサワで一番酔っ払いましたですハイ。

前後不覚になりつつあったところ「胸につかえるほど食べたり酔っ払うほど飲んだりするのは、食べ方も飲み方も心得ぬやからのすることである」という言葉を思い出し、エスプレッソのダブルを立て続けに2杯飲んで気を引き締める。ごちそうさまでした!

何度訪れても毎回感動してしまう私は幸せ者である。料理の内容は毎回少しづつ変わってはいるのですが、その根底に流れるストーリーは首尾一貫している不思議。ドラマを造るのが上手いお店です。

一方で、難しいお店でもあります。予約が取れない。支払額に腰を抜かす。キャンセルは3日前までそれ以降はフルチャージ。したがって、2ヶ月先の予定を確約できる信頼の置ける人としか絶対に来ることはできない。気楽に接することのできない崇高で特別な存在。私にとってハワイ旅行と同程度の位置づけです。たった一食のためだけに。

それだけ重みのあるレストラン。私は誇りに思います。

■写真付きのブログはコチラ⇒ http://www.takemachelin.com/2015/10/blog-post_24.html

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3位

81 (広尾 / イノベーティブ、スペイン料理、創作料理)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2016/02訪問 2016/02/22

彼の世界観は物語を作ることができ、東京の食シーンを巻き込んで引きずり回すパワーがある

【2016年2月訪問】
前回お邪魔した際に「こ、こんなレストランって、アリなんだ」と衝撃と感銘を受け、その場で今回の予約を入れました。それでも3ヶ月も間が空いており、オープン半年で東京を代表する「予約の取れない店」にのし上がりました。

今回は1Fのウェイティングスペースではなく、3Fのギャラリーに通して頂けました。スタッフ紹介の写真がクールにプレゼンテーションされています。こういうセンスは仲間に誇りを持っているのが伝わってきてすごく好き。 各人「Loves」ということで好きなものをコーヒーや読書などと記載しているのですが、支配人だけ「BubbleOtachidai」と書かれておりクスリと笑う。

永島シェフの生い立ちや当店を出すまでの経緯などがまとめられたカードたち。台湾と日本のハーフで、「やんちゃな高校」時代を過ごした後、海上自衛隊で艦上の料理番となり、除隊後は湘南でサーフィンに明け暮れ、働いていたスペイン料理屋でエルブジという存在を知り、そのままスペインに飛んじゃったという、思わず映画化したくなるような人生を送ってらっしゃいます。

シェフの描いた絵25万円也。私は彼のことを世界を狙える人物だと信じて疑わないので、25万円は意外とリーズナブルなのではないか。

開場。チケットブースで支払いを済ませ、フランチャコルタを受け取り席に着きます。今回はポップコーンは無し。

なんかしらんが、オシボリが生乾きのまま放置した洗濯物のように臭かった。どうしてこうなった。

支配人による挨拶。Mr. Bubble Otachidai です。ほとんどが常連だったためか、前回よりも説明が簡略化されていました。それでもスピーチの締めくくりが「料理をお楽しみください」ではなく、「永島の哲学と、チーム81の世界観をお楽しみ下さい」なのがジーンと来る。

ソムリエによるワイン解説と開演の号砲。

まずはズワイガニ。まあ、ズワイガニ味です。盛り付けは凝っているものの、味わいに甲殻類特有の臭みが残り、そこらで売ってるカニ缶と大差なし。試験管の中はぬるいリンゴジュースなのですが、結構ズワイガニに合う。自宅でも試してみようっと。

シェフ登場。今夜のテーマはバレエのジゼルひいては冬の夜から朝にかけての夜明けとのこと。相変わらず形而上的な話が多く何を言ってるのかようわからん。まあこれは想像力の追いつかない客のせいである。

タマネギのピュレ。ほんの少し塩を加えただけの、大地の甘さを追求した一口。美味しいが自然と口をついて出てきます。

スペシャリテのカルボナーラの再構築。カダイフの上に丁寧に座らせた有精卵。

チーズのソースとともにぐちゃくちゃに混ぜ込んで頂きます。前回よりもチーズが控えめで、バランスが良くなりました。わかり易い味わいで素直に美味しい。もっと振り切って、ムガリッツのゲスト全員で鉄のすり鉢をガンガン叩いて混ぜ込むような演出があっても良いかもしれません。

合わせるワインはドンペリニョンの06。ワインの逞しい味わいがカルボナーラの濃さにマッチしてこれは良い取り合わせ。なのですが、前回は12人で少なくとも2本は開けていたのに、今回は12人で1本。ほんの数口しか楽しむことができませんでした。明らかに物足りない感を煽ってしまうので、これならいっそのことドンペリなんか外しちゃって、その分を食材費に回せばいいのになあ。でも当店にとってドンペリニョンはアイコンだから、やめるわけにはいかないのかなあ。

白子。和のスープと共に頂きます。間違いなく美味しいのですが、本質的な味わいは街の寿司屋の白子の茶碗蒸しのそれと同じです。

合わせるワインは甲州。勝沼のイケダワイナリー。青リンゴの香りがあって悪くないのですが、ドンペリの頑強な味わいと価格から一気に10分の1ぐらいまで下がるので、落差がすごすぎて納得し難いです。

鯛に昆布をまとわりつかせ、削りたての鰹節をふんだんにまぶした上で、シラスと共に頂きます。

お湯をかけただけなのに大きく広がるカツオの芳しい香り。味そのものもセンテンススプリング級の旨さでした。

63度に熱を通し、仕上げに焼き目を付けた肉。肩から腕にかかる部位でトンビやトウガラシなどと呼ばれます。ポップコーンのパウダーは意図がよくわかりませんでしたが、チョコレートのソースは一見ギョっとするけど、肉の滋味に絶妙な取り合わせでした。

ナパのカベルネはカカオやエスプレッソの香りが漂い、甘みもたっぷりで抜群に美味しい。ちなみに「the D」というワインで、イニシャルがDの大変有名なワイナリーらしいのですが、非公表らしいです。イニシャルがDの蔵元で有名なところ、どこだろ。

7種のキノコのリゾット。ビンに食材をしばらくのあいだ閉じ込めておき、キノコの香りを濃密に含んだ空気をゲストの目の前で一気に開花させる。味はそこらのキノコ雑炊と大差ないのですが、良い演出だと思いました。

栃木のメルロ。これは残念賞。深みはないのにタンニンだけは立派。キノコにもそぐわない方向性でした。

デザートの前に供される温かいホワイトチョコとほうじ茶で作られた飲み物。スポイトでコニャックをお好みに注ぎます。わかりやすい甘さと駆け引きの無い味わいで美味しかった。

薔薇風味の温かいスープにヴァニラのパンナコッタ。これは全然美味しくなかった。ナリサワでも思いましたが、単一のお皿にふたつの温度帯って、苦手なんですよね。どうも脳がついていかない。

小菓子のメレンゲは味は悪くないのですが、その名の通り小さすぎる。ロオジエのフィナーレまでは求めないけれど、もうちょっと甘いものを食べたいなあ。

当店はバリスタの存在を推す稀有なレストランで、その割に前回は思ったよりも普通のコーヒー味でガッカリだったのですが、今回のコチラは珠玉の1杯。ひと口ごとに味わいが変化し手品のよう。全体を通じて本日最も素晴らしい一品です。

バリスタがなぜこのような液体が完成するのかを理論的かつ丁寧に解説してくれるのですが、あまりに科学的な説明にシェフの「ちょ、ちょっとスミマセン。こいつヲタクで、何言ってるかわかんないっすよねホントすみません」と止めに入る掛け合いがよくできたコントのようでした。

相変わらず愉快で魅力的なレストランでした。ただ、「今夜のテーマはバレエのジゼルひいては冬の夜から朝にかけての夜明け」と大見得を切った割に、夜の醍醐味である闇は光に満ち溢れた終わりを迎える、という点を表現できていないなと残念に思いました。無論、普通のレストランに対してそんなことは求めはしませんが、当店は普通では無いので、私はここまで求めます。

料理も個別具体的には悪くはないのですが、全体を通して美味しいとは言うことができません。脊髄反射で理解できる単刀直入な皿ばかりで、食べ進めていくうちにメロディのようにフレーバーが移り変わっていく、という体験が当店には欠落しています。

今のところ連夜の満席状態で、差し当たっては是非とも祝杯をあげて欲しいのですが、現在のゲストはレストランに一家言ある浮気性の好事家だらけなんですよね。食後に数ヶ月先の予約を入れてしまい、顔ぶれが入れ替わらずサロンのような空気感が醸成されつつあるのが気になるところ。ご新規さんをオプトアウトした状態がいつまで継続できるのかが今後の論点となるでしょう。

いずれにせよ、シェフは才能というどこまでも行ける切符を持っているのは確かなので、今後も行儀良く暴れ続けて欲しいと思います。クラブを貸し切って、ひとり50,000円で300人のゲストを迎え入れるパーティーとかやって欲しいな。

■写真付きのブログはコチラ⇒ http://www.takemachelin.com/2016/02/81.html


【2015年11月訪問】
81は、エルブジで修行された永島シェフが小笠原伯爵邸を経て要町にオープンした創作料理屋。ミシュラン1ツ星。ずっとずっと気になる存在ではあったのですが、池袋は私の生活圏から大幅に外れた地の果てであり、また、食べログの写真を見る限りエルブジ厨な雰囲気があったので、なんとなく後回しにしていたのですね。なのですが、向こうからコチラにやって来てくれるのであれば、ハイ喜んで。

コートヤード広尾という、官舎をリノベーションしたマンションの1室が当店。18時と21時の2部制。「レストランという概念を超えた舞台」を標榜し、「第1回公演」「第2回公演」と呼んだりしているのは軽く中二病。

開演前は1階のウェイティングスペース(別の店?)で待つ。時間になると順番に2階の真っ黒な小部屋にご案内。ウェルカムドリンクを頂きながら先払い。食べ物と飲み物が込みで先払いって明朗会計でいいですよね。財布を気にせず気持ち良く飲める。

支払いを済ませるとダイニングに案内されます。コの字型テーブルに12席。手元すら見辛い程の暗さにクラブミュージックが鳴り響く。写真は低照度モードで撮ったため何となく写ってますが、実際はもっともっと真っ暗です。

ちなみにウェルカムドリンクはフランチャコルタ。少なくなればガンガンに追加で注いでくれるので、実質飲み放題。このスタイルは私の最も得意とするところである。下戸にとっては地獄の一夜となるであろう。

劇場または映画をシャレてか、最初にポップコーンが供されます。なのですが、これがコンビニで売ってるような普通の塩味で全然美味しくなかった。これは致命傷。こういうシャレが美味しくないと、ただの滑った料理となってしまう。

開演。スポットライトが点され、支配人より挨拶。LEONからそのまま飛び出て来たようなチョイ悪オヤジ。真っ暗な部屋は死をイメージとか、テーブルは御影石で作られていて墓石をイメージとか何とか言ってましたがようわからんかった。

ソムリエを始めとするスタッフも色気のある男女ばかり。81というキャラクターを徹底的に構築するための人選にぬかりなし。

シェフ登場。このチャラさ、パーフェクト。両腕タトゥ、ヒゲ、ロン毛、ピアス、黒のコックコート。EXILEにうっかり紛れ込んでいても暫くは気づかないクオリティ。

さらに口調がジャングルポケットの斉藤慎二と双璧をなすほどクドい。ここまで振り切った立ち振る舞いは見事としか言いようがありません。低く良く通る声に扇情的な台詞回しは舞台役者そのもの。少しでも恥じらいが感じられれば途端にウソ臭く映るのでしょうが、全く照れることなくハッタリを言い切る姿勢。ミスターパーフェクト。脇を固めるスタッフたちも、軍隊のように統率された一糸乱れぬドラマティックな立ち振る舞いで美しい。

さて、劇場型のお食事会の始まり始まり。まずは秋、すなわち枯れ葉をイメージしたお皿。生ハムとジャガイモとグリッシーニ。お察しの通り、特に美味しくはない。なのですが、一皿一皿にあわせて選曲したり、焚き火の香りを部屋中に満たしたりと、五感をフルに刺激する斬新な食体験。

枯れ葉、ならびにその周辺の土をイメージしたスープ。ポルチーニのエキスに醤油。賢明な読者であればご理解頂けるとは存じますが、はっきり言って不味い。まあ、タパスモラキュラーバーとベクトルは同じという意味では想定の範囲内。

秋の味覚ということで、上海蟹。うーん、普通。冷凍のワタリガニのほうが旨味に溢れて良かったりして。

続く泡はドンペリニョンの06。ちょっと前にナリサワで05を飲んだばかりなので、05のほうがコクがあって好きだなあ、とか生意気なコメントしちゃったりして。だがしかし当店はおかわりOK。わずかな味の違いよりも量が優先されるのである。てゆーかこんなのポコポコ開けて原価大丈夫?普通に当店の経営状態が心配になりました。

フォアグラのチョコレート包み。フォアとチョコが上手に融合。ただしドンペリニョンとマッチするかというと、どうでしょう?ドンペリ厨であれば間違いなく喜ぶ演出だと思いますが、移転したばかりのこの時期に当店を訪れるゲストは食にうるさい人ばかりであり、今更「ドンペリ+フォアグラ」という構図に尻尾を振ることは無いと思うんだけどなあ。

「カルボナーラの再構築」という名のスペシャリテ。カダイフの上に有精卵が置かれ、トリュフがまぶされた鳥の巣状態。

卵を割ると香りが爆発。白トリュフのオイルを注射器で注入しているとのこと。器の底にはチーズ主体のコクのあるソースがたっぷり。間違いの無い組み合わせで、文句なし。

一方で、スッポンのスープは風味に乏しくイマイチでした。順序、逆じゃない?あんなチーズでろでろな皿の後に、こんな繊細な一品はどだい無理無理。
日本酒「貴」を用いたカクテル。柚子の風味が日本酒独特の臭みを上手にマスキングしている一方で、日本酒特有の甘味は見事に引き出しており、素晴らしい一杯でした。というか3杯ぐらい飲みました。

先ほどの試験管に入ったスープを用いたリゾット。5種のキノコが使用されており、複雑な味わいで結構好き。スープ単体だと不味かったのに不思議なもんですな。量もたっぷりで申し分ありません。

白は、、、失念しました。品種すらも思い出せない。特徴に乏しく水のように接してしまったのかもしれません。

サーモン。「左から食べよ」との指示。左から右へ徐々に脂と旨味が強くなるように設計されているとのこと。ソースは柿。なのですが、説明が長い割に退屈な味でした。まずくはないけれど、高級レストランで食べる料理でもない。

イクラと梨。こちらもイクラの味そのものが薄い上、梨の水分が希釈の追い討ち。がっかりだ。

メインはシャラン鴨。赤身の火入れは悪くないのですが、皮と脂身がゴムのように硬く、気持ちよく味わうことができませんでした。付け合せをコーヒーの香りで工夫したりと、チャレンジングな姿勢は評価したいのですが、いかんせん美味しくないのである。

赤ワインはレバノンから。シラー、カベルネ、フラン、メルロが25%づつというセパージュ。美味しゅうございます。たぶんそんなに高いものではないと思うのですが、発掘してきたソムリエ氏に拍手。

シェリーとヴィオニエのカクテル。うーん、こちらはどうでしょう。互いの特徴が溶け合ってしまい凡庸な一杯となってしまっている。

デザートはチョコとチーズケーキ。チョコは甘さが控えめで軽やか。歯ごたえもあり良かった。チーズケーキは印象なし。ローズマリーは意味不明。

バリスタが最高のタイミングで飲むことができるよう、ぴったりに焙煎!!!したらしいのですが、別に普通のコーヒーでした。ウチのアパートのロビーの自由に飲んでいいコーヒーと大差なし。

小菓子も特筆すべき点はありません。当店は甘味が全然ダメですね。味はともかく、独創性も何もない。

カーテンコールよろしく拍手でスタッフ全員をお迎え。ゲストの前に並び〆の挨拶。

食後はゆっくりとくつろぎながらシェフやスタッフと言葉を交わす、と思いきや、若干のさっさと帰ってくれ感があります。手元の時計を見ると開始からちょうど100分。そう、思ったよりも皿数が少なく短時間に終わります。胃袋と肝臓にはまだまだ空きスペースあり。もうちょっと食べたかったな。

キッチンツアー。そう、火は無くIH。これで12人一斉皿出しをするにはどうやったって料理に限界がありますな。

「今日はDJの子がお休みなので、ボクが回してました!」とシェフ。両腕に燦然と輝く緑の刺青とtwo-fingersalute。由緒正しき英国式ファックユーサイン。

どうせエルブジをこじらせた奇をてらっただけのレストランでしょ?という軽い気持ちでお邪魔しましたが、意欲的で、躍動的で、色々と感銘を受けました。TheWorld's50BestRestaurantsが目を付けそう。

正直、料理は全然美味しくないのですが、それは取るに足らない問題だと思います。値上げして直接材料費に充てればある程度のレベルには引き上がるだろうし、何なら腕の良い料理人を引き抜いて来れば良い。料理の方向性は同じだけれど味がきちんとしているサン・セバスティアンのセルーコぐらいにはすぐに追いつくはず。

一方で、シェフのラリったキャラクターは天賦の才であり、金や努力で解決できる問題ではありません。賛否両論あるものの、彼の世界観は物語を作ることができ、東京の食シーンを巻き込んで引きずり回すパワーがある。

この鬼才にレストランの未来を見ました。期待と応援の気持ちを込めてその場で次の予約を入れると、空いていたのは3ヵ月も先。1日24人しか入れないとはいえ、オープン2ヶ月でここまで予約を埋めるとは、ううむ。今後が楽しみです。

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4位

温味 (すすきの(市営)、すすきの(市電)、狸小路 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2015/06訪問 2018/01/06

完全無欠の和食店

今回の北海道は些か混乱しています。フリーマントルドクターを浴びて頭を冷やさなければならない。3ツ星の田なべが全然アウトで、無星のひでたかが感動的に素晴らしい。そして今夜の和食点は3ツ星。。。こんなにも複雑な気持ちで3ツ星に臨むのは初めてです。ちなみに食べログは4.33。どうも地方の食べログは点数がインフレ気味。

清潔で無音の店内。カウンターの向こう側には厳しそうな大将とお弟子さんが2名、裏方に2名。鮨屋と比べるのは意味がないことかもしれませんが、従業員が多い。すなわち料金に跳ね返ってくるのではないかと緊張します。そしてやはりミシュランの影響力。前日のひでたかは日本人のみでしたが、当店は私以外、全員が外人です。

北海道の地酒、国稀で開始。

水無月豆腐。豆腐の味噌漬けと長芋に小豆を散らす。ぐぬぬ、先鋒の割に目が覚める味では無い。嫌な予感。

アンキモ。わ!美味しい!ゆうべのアンキモと質は同等なのですが、キリリと冷やして論点が絞られた。やっぱりアンキモは冷やして食べるべき食材なのかもしれません。

アナゴとチップ(ヒメマス)の鮨にホワイトアスパラガスの味噌漬け。喜んで良いのか悪いのか、アナゴが田なべはもちろん、ひでたかよりも美味しかった。蒸しすぎでなく歯ごたえがあり、わかりやすい味付け。チップも華々しく脂が乗って文句なし。ホワイトアスパラガスのこういう食べ方は初めて。乙な味。

時鮭と冬瓜のお椀。ダシがはっきりときいて、鮭のスモーキーな風味とバリっとした焦げ目が見事に調和。

お刺身は土佐醤油か自家製のポン酢で。

マコガレイに青森の本マグロ。マコガレイは噛み応えも旨味も申し分なし。ポン酢が全体をキリリと引き締める。マグロはエロティックですらある脂の乗り具合。完璧です。

ハモの湯引き。ハモって大して美味しくない食材と軽んじていたのですが、ごめんなさい、むっちゃ美味しいです。泥臭さは一切なく絶妙な歯ごたえにヒラメやタイを感じさせる上品な旨味。

梅肉醤油も心憎い。あまりに品が良すぎてトマトのように感じてしまう。

奥から時計回りにエダマメ・レンコン・カラスミ卵焼き・サツマイモ・大徳寺納豆、時鮭の子、賀茂茄子のウニのせ、イチヂクのゴマミソ和え。エダマメがエダマメとしては素晴らしく美味。あと、時鮭の子!いくらを小さく小さく凝縮させた味わいで左党にはたまらん逸品。ウニは近くの外人が「これは何ウニですか?」とレベルの高い質問。バフンウニでした。ヘイユー、バフンの意味知ってんのか?イチヂクはアイデアは良いのですが、妙に淡白な果実で印象に残らず。

焼物はノドグロと万願寺唐辛子の土佐和え。ノドグロは代官山のTAKEMOTOに勝るとも劣らず素晴らしい仕上がり。本日一番のお皿。ジュワリと滲み出る脂脂脂!おーいしーぞー。

ハモとマコガレイのキモを煮こごりに。ずるいこんな手、美味しくないわけがないジャマイカ。

手前からアスパラ、シマエビ、粟麩にトウモロコシにフルーツトマト。アスパラは標準的。エビは弾力と旨味が強くもっともっと食べたい。粟麩は生麩に粟を混ぜて蒸しあげたもの。ややクドく感じ、普通の生麩で良かったかな。トウモロコシとトマトは素材の甘味が直線的に伝わり満足です。ただ、この皿はもっと最初あたりに出しても良いのでは。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨アワビごはん!!!!何この大量発生したアワビ!私の見立てではLLサイズが丸ごと1個!すごくニヤニヤと嫌らしい目で見てしまいました。

うがーーー旨い!アワビのグニグニした歯ごたえと香りと旨味!贅沢の極みです。レンコンのホクホクサクサクした歯ざわりもアクセントとして最適。
お椀はシジミ汁。シジミエキスがたっぷりと出てグッド。

当然におかわり。ごはんものは釜で炊いて丸ごと出してくれ、食べ切れなかった分はおにぎりにして持たせてくれるのですが、そんな軟弱な行為は認めない。炊きたてを全て食べきる。

お漬物も結構なボリューム。茄子なんて丸々一本。ただ、あまりにアワビに夢中になりすぎて記憶が薄れている。

3杯目。どれだけ食べ続けても美味美味美味!うん、アワビが美味しいのは当然として、ゴハンそのものも極上。大袈裟でなく人生で食べたゴハンの中でトップクラスです。

ラスト4杯目。大将が「す、すごいですね」と若干引いてました。私の勝ちである(何が)。いや、まだまだ食べれたな。ちっとも飽きない。だって美味しいんだもの。

デザートはメロン・ミカン・イチゴのゼリー寄せ。なんですが、あまりにアワビごはんが美味しく、また腹も膨れていたので、正直全く印象に残っていない。

旨い!多い!安い!完全無欠の和食店です。ミシュランは3ツ星ですが、当然に私としても3ツ星!!

人生で最も満足した和食店かもしれません。札幌に来る時は必ずお邪魔しようと思います。何度でも。そう何度でも。

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5位

鮨舳 (瓦町、片原町(高松)、今橋 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/04訪問 2016/04/28

レベルの高い江戸前鮨をおなかいっぱい食べて銀座の半額

鮨舳。「すしとも」と読みます。

清潔感溢れる店構えと若い店主。そう、お店の雰囲気がいいんですよね。大将もおかみさんも気さくでコミュ力に溢れていてリラックスできる。東京の高級店の謎の緊張感、あれは何なんでしょう。

ところで、このあたりの鮨屋はネタの質のみで勝負してくるお店が多く、江戸前は珍しい。その評判が評判を呼び、予約困難店に成長し、ついには2回転営業に。

香川の地酒、凱陣。芳醇な旨味でクラクラする。外人好きそう。

オコゼの刺身。歯ごたえが強いのは良いですが、肝心の魚の味が薄く、ピンと来ません。

アイナメ。上品な脂がほどよく乗ってE感じ。

ガリはペラペラオのものではなく、ショウガを丸ごと漬け込んで目の前でスライスしてくれる。これだけで立派な一品として成立し得る。

イサキ。旬の短い魚をピタリと出してくれるのが嬉しいですね。

ナゴヤフグ。初めて食べました。猛烈な歯ごたえかつ溢れ出る旨味。参りました。こんなに素晴らしい食材があるだなんて。

アオリイカ。細く長く切り通したイカたちを優しく握る。ただ、先ほどのナゴヤフグの食べ応えが衝撃的すぎて、アオリイカの味も歯ざわりも記憶に留まりませんでした。

蒸しアワビ。むっはー!なんじゃこのワガママボディ!何もつけずにひと口あたり50回咀嚼。永遠に続く旨味!ウマーミー!!!!

キモも上品に濃く、日本酒にピタンコです。

トリガイ。こちらは別に普通でした。トリガイって常に周縁的な存在。

サクラマス。川魚のマスが川でいじめられて海に追いやられて、美味しくなって帰ってきたらしい。いいぞもっとやれ。いじめろ。どっしりとした脂のシャケとは異なり、繊維の一本一本にまで脂が溶け込んでいるような錯覚。

煮ハマグリ。トリガイとは一転、素晴らしい仕上がり。肉厚でジューシイ。ヒモの歯ごたえ。

マナガツオを酒粕につけたもの。マナガツオってあまり好きな食材じゃないのですが、ここでは絶妙な魅力を感じました。

マナガツオの皮の部分を炙って握る。シャリも赤酢に。憎らしいほど旨いのです。

ガリもどんどん切ってくれますよ。

シャコ。手前がメス。奥がオス。違いは良くわかりませんがいずれにせよ美味。歯にシコシコって貼りつく感じが面白い。

広島の地酒、亀齢。先ほどの日本酒をよりフルーティにしたもの。女の子好きそうこのお酒。

赤身のヅケ。説明不要。ヅケは正義。漬正義。

本マグロの「はがし」。スジをはがしたものですな。見てくれは良くないものの味は確か。

同じく「はがし」の大トロの部分。甘えたくなる妙味。

コハダは特筆すべき点はなし。普通でした。

ノドグロを炙ったものを芽ねぎと共に。ノドグロって高級魚と言われる割には実はそんな高くなくて美味しくもないよなあ、と、常々考えていたのですが、当店のそれは跳ね上がるほど美味しかった。今まで食べてきたノドグロとは何だったのか。

今シーズン最後のカキ。程よく水気を抜いて凝縮させており素晴らしい。

近海物の紫ウニ。ちょこんとゴハンを盛ったかと思うとウニの山。幸せを具現化したもの。

こちらは函館の紫ウニ。エサが異なるので味わいも変わる。申し訳ないですが函館のほうが美味しかったりして。

アナゴ。ビジュアルは良いのですが、やや期待ハズレ。まあクールダウンと考えることとしましょう。

一方で、タマゴは上品な甘さがきいており素晴らしい出来でした。

以上、非常にレベルの高い江戸前鮨をおなかいっぱい食べて、銀座の半額。感激しました。近海物と旬の物で攻めてくるあたりが憎いですな。

ただ、なんとも困った店である。いかんせん東京からは遠すぎる。香川に用事なんてそうそうない。そういう意味で、大のお気に入りではあるものの、人生であと数回も来れないんでしょうね。つくづく困った店である。

1クールのレギュラーより1回の伝説。常連にはなれないものの、今回の味わいを記憶に留めておきたいと思います。ごちそうさまでした!

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6位

キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ (都庁前、西新宿、西新宿五丁目 / フレンチ、レストラン)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2015/10訪問 2016/01/17

見事なまでに退廃的で幸せなランチ

ミシュラン二ツ星。3年前にお邪魔したときは酸味主体の軽快なフレンチという印象でした。

「へー、こんなカンジなんだ。初めて」と感心する連れに対し、トロワグロはリヨンではとても尊敬されていて住所とか広場の名前にまでなっているのだよとウンチクを披露すると「知ってるって。この前行ったもん」。

乾杯はコチラ。ああ、泡ってやっぱ美味しい。テイスティング試験で泡は出ないため、ここのところ泡を飲む機会が激減していたのです。私はビール出身なのでシュワシュワするのが大好きなの。

お店の方が宝石箱でも操るかのように恭しく白トリュフをプレゼンテーション。3グラム4,800円でトッピングできるという悪魔の誘い。残念ながら、この香りを嗅がされて正気でいられるほどの自制心を私は持ち合わせておりません。

左からコアラのマーチ的おつまみ、エスカルゴ、穀物の何か。エスカルゴのぐにゃりとした舌触りと旨味がお見事。酒のお供に最適。ちょっぴりパンチが強いので、下戸には塩辛く感じるかも。

パンは中々に手が込んでおり、バターもきいて美味しかった。

北海道産のバターにゲランドの塩。安定感。

ハマグリにパッションフルーツのジュレ。これはイマイチ。パッションフルーツ味がどぎつすぎ。ハマグリの旨味が全てパッションフルーツでマスキングされてしまい、歯ごたえしか感じることができなかった。パッションフルーツいらん。ハマグリと何かの出汁だけでいい。

今日は打ち上げ一途に飲むぞと、心に決めていたのでドンドコいきますよ。白ワインはパス。ひたすらに泡泡泡。

先ほどのパンとは打って変わって標準的。

リコッタチーズとルッコラのラヴィオリにカボチャのソース。らしいのですが、はっきり言って白トリュフしか目に入らない。意識を失うほどの官能的な香り。料理が供されてからも暫くは手をつけず、ずっと香りを嗅いでました。香りだけで酒が進む。料理の味は全然覚えていないや。

大ぶりのホタテにレーズンとクルミ、根セロリ。海と大地の味。主題が明確ですごく好き。

ソースも追加分をテーブルに置いてくれるので、ジャブジャブかけてパンで拭ってウフフです。

残るは肉料理だけ、というタイミングでもう一本。だから言っただろう、今日は飲むよって。

仔牛に品良く火を通し、パルミジャーノを載せる。チーズは裏切らない。立体的な味わいに仕上がりほっぺたが落ちるよう。セップ茸をゴニョゴニョしたものや、ロメインレタスのソースも上々。良い意味で線の細いワインと見事なマッチング。完璧なひとときでした。

もちろん一皿で一本を飲みきれるわけが無いのでチーズを注文。日本でここまでひたむきにフランス料理を追及できるのは嬉しい限り。

少し残しておいたシャンパーニュと共にシャウルス。あと北海道産のウォッシュとヤギ系。フランスで真昼間から暴飲暴食を重ねていた日々に思いを馳せる。うーん、やはり私はこういう生活が好きだ。貴族になりたい。

柑橘系のパンナコッタだったっけな?チーズとワインでだいぶご機嫌になっていたため、あんまり覚えていません。

小菓子たちは一般的なフレンチレストランに比べてレベルが高い。凝っている。酒飲みのクセに甘いものも好きという欲張りな私にはうってつけ。

ヴァニラ風味のメレンゲに中に何かが入っていたような。。。持ち帰ったメニュー表には「大麦と地ビールのサバイヨン」と書かれているのですが、うまく記憶と紐付けができない。。。エスプレッソのダブルにおかわりを重ねてご馳走さまでした。

開店一番乗りで入店。豪快に飲み食いし、最後の客として出る。滞在時間4時間。泥酔。見事なまでに退廃的で幸せなランチでした。

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7位

鮨 志の助 (西金沢、新西金沢、西泉 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/06訪問 2016/01/17

とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。

食べログ4.13。「金沢の鮨の頂点」と名高い当店へ。

カウンター8席のみの小体なお店。なんですが、大将が1人で全てをまかなっており、明らかにまわっていない。ゲストのほとんどがヒマしてます。大将はリズミカルに踊っているような所作でクールなんですけどね。

ともあれ、日本酒でスタート。石川の地酒は3種の用意。

アカイカ。ぬるりと甘く、最初から期待させてくれる一品。ただ、シャリが小さくゆるい握りで流線型ではなく球体に近い。好きなスタイルじゃない。
ノドグロ。嬉しいですね近海物。味が濃くスモーキーで抜群に美味しかった。

ガスエビ。こちらも日本海ならでは。とにかく甘く官能的。絶品。

バイガイ。ザクザクと印象的に歯ごたえ。少し臭みが残るのが残念。そうだ、そもそもそんなに好きな食材じゃなかった。

ウニ。ごく小さなおにぎりみたいなシャリの上に、スプーンで丁寧にちょこんとウニを載せる。うーん、意図がよくわからん。バリっと軍艦にしちゃえば良いのに。味は悪くないのですが、色々と考え込んでしまい、楽しめませんでした。

キス。キスの握りというか生って珍しい。ただやはり珍しいだけあって、イマイチでした。やっぱ天ぷら向きの魚なんでしょう。

トロの炙り。こちらは唸るほど美味しかった。当然に築地から引いてきたものでしょうが、旨いものは旨い。マグロってなんとも華やかな食材ですね。

アジ。こちらも満点。シャリが小さい分、相対的にネタが大きく感じ、贅沢な気分。いつまでも咀嚼し続け幸せな1分間でした。

タイの昆布〆。これは好きじゃなかったです。昆布の旨味が強すぎてタイの味が全然感じられない。昆布の風味どころかヌメリまで出てきており、意図的なのかもしれませんが、私の口には合いませんでした。

蒸しアワビ。凡庸。もちろん美味しいのですが、感動はありません。

アナゴも蒸しすぎ。ぐにゃぐにゃの離乳食みたい。ただ、これほど柔らかいのに原型は留めているあたり、すごく工夫しているのだとは思います。

お椀はタイのアラ。シンプルに美味しかったです。

〆はネギトロ。これは製造工程を含めて楽しかったです。明らかにトロなブロックを太ネギと共にザクザクと粗挽きミンチ。サイコロ程の大きさを残したまま豪快にシャリで巻きつける。海苔の上質な香りが寄り添い、びっくりするほど美味しかった。

そして度肝を抜かれたのがお会計。「都内なら2万円前後、、、地方だから1万5千円ぐらいか。。。」と覚悟していたのですが、提示された請求額は9,600円!!!!くぁwせdrftgyふじこlp。鮨屋でこんな金額見たことねえ!夢から醒める夢をみたような気分です。

様々な技巧がほどこされた芸術的な鮨というよりは、上質のネタをシャリにのっけただけな作風のお店ですが、とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。今度お邪魔するときは、ツマミも織り交ぜながらガツンガツンに飲んで2万円を狙っていこう。

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8位

寿し ひでたか (豊水すすきの、すすきの(市電)、東本願寺前 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/06訪問 2016/01/17

鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店

当店はミシュラン非掲載ながらも食べログでは3.98と大健闘。クチコミ数が30件と少ないところが気になりますが、まあ、予約が全然取れないお店であることは確かなので、そうは外すこと無いでしょう。

一番乗り。8席のみの清潔な空間。観光地化された田なべとは全く方向性が異なり、凛とした雰囲気。職人も大将おひとり。

北海道の地酒は一種のみ。芳醇で気に入りました。

マツカワ。カレイの王様。カレイってピンと来ないかもしれませんが、チキン肌が出るほど美味しかったです。前夜のヒラメなどとは比べ物にならないトップバッター。驚きました。

ガリは丸ごと漬けたショウガをその都度スライスしてくれる方式。ゆうべと比べて気前良くジャンジャン出してくれるのは嬉しい限り。

キス。鮨として食べるのはあまり好きではないネタですが、これまで経験したキスよりも一歩先を行く味。つまり美味しいのである。

1週間熟成させたメヌキ。脂がポッテリと乗り、旨味と程よく調和して快楽そのもの。タレに燻したようなニュアンスがあって、総合的にも素晴らしい握りでした。

マハタ。こちらは2週間熟成。マハタ自体は淡白でアンニュイな魚と捉えていたのですが、前言撤回、熟成によって素晴らしい仕上がりに。えーマハタってこんな味になるんだ。大将は魚を操るアーティストである。

「支笏湖のチップ(ヒメマス)です。普段、ウチでは鮭系は出さないんですが、あまりに美味しかったんでデュフフ」という大将の解説を聞きながら一口でパクり。うがが旨い!いいなあこういう美味しけりゃ何やったっていいじゃんという姿勢。

北海道産のイワシ。イワシって高級店で食べることは殆どないので、これが本当にイワシなのかどうか疑ってしまった。たまらない味。イワシという前提が覆った瞬間。

近くのお客は握りを控えてオツマミで酒をガンガン行くタイプだったのですが、彼らのアンキモがあまりに美味しそうだったので思わず追加注文。夏なのにしっかり脂があって、温かくてクリーミー。するすると喉を通過し胃袋に落ちていく。うーん極上。

ちなみに当該ガンガン客、入店するやいなや「サロン。ない?じゃ、クリスタル」「もう一本。クリュグね」と、あ、オレ、負けました。

ボイルしたエビも風味良く素晴らしい出来。お母さん私は幸せです産んでくれてありがとうと手紙を書いて読み上げたくなりました。

ホッキ貝。これのどこがホッキ貝やねーん!と全力でつっこみたくなる。細かく包丁を入れて、軽く炙る。こんなのってアリなんだ。格別美味しいというわけではありませんでしたが、度肝を抜かれたのは確かです。

ヅケ。ド直球の正統派。これを旨くないという奴がいたら吊るして皮を剥いでやる。

トロ。少し包丁を入れて素敵な舌触りに。解説不要。

コハダ。5日間熟成。お見事。ヅケ⇒トロ⇒コハダ。いずれのレベルも高く「北海道の鮨って質の良いネタをオニギリにのっけただけでしょ?」とタカを括っていた私は土下座したい気持ちになりました。

積丹のムラサキウニ。これはまあ、美味しいけれども想定の範囲内。前述の「質の良いネタをオニギリにのっけただけ」に近い。

アナゴも至って普通の失速気味。

タマゴはふんわりフワフワかすていらのようなスタイル。鮨ネタというよりもデザートと考えたほうが良いかもしれません。いずれにせよ出色の一皿であることは間違いなし。こちらでおまかせ握りは一通りおしまい。

目の前の木箱で輝いていたホタテを思わず追加。が、若干臭みが残り見た目程ではありませんでした。

ガンガンさんが恵比須顔でつまんでいた魅惑の煮蛸。つ、追加してしまった。うめー味濃い日本酒おかわり!だめだこの店キリが無い。

撤退する勇気をもって〆に巻物。普段であれば鉄火やネギトロなのですが、大将の腕を見込んでカンピョウ巻。そしてその判断は正しかった。ごちそうさまでした大変満足しました。

ドキドキのお会計。そもそもおまかせ握りがいくらか知らんし、何品も追加したから2万円超えるかなあと腹をくくっていたのですが、驚愕の10,800円!!!うがああ税抜だったら1万円ポッキリかよ!マジかよ!

前週の金沢志の助も跳ねて喜ぶ費用対効果でしたが、量・レベル・アクセスを考えるとさらに上を行く驚嘆に値する支払額です。私のように鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店ではないでしょうか。

すげえなあ北海道。こんなお店があるなんて懐が深すぎる。

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9位

メイ (五反田、大崎広小路、大崎 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2016/01訪問 2016/01/19

ブロートウェアが何ひとつ無い

<2016年1月訪問>
先日「ハトを食べたことが無い」という方がいらっしゃったので、皆でいかにハトが素晴らしい食材かを熱弁したのですが、我々の表現力に問題がありいまいちピンと来てない様子だったので、「解せぬなら、食わせてしまえ、ハトポッポ」という運びとなりました。

ハト料理と言えばすぐに頭に浮かぶのが当店。予約の際に「初めてハトを食べる方がいるので、よろしくお願いします」と入念な打ち合わせ。

露払いは当然にシャンパーニュ。ボトルにしようかと考えていたのですが、1杯1,300円と格安だったのでグラスでお願いしました。

アミューズは左からニンジンのムーズに天使エビのアワアワ、イカのスープに牡蠣のフリット。牡蠣に歴然とした旨味が捻じ込まれており潮が響く。唯一の欠点は酒を呼び過ぎてあっという間に泡が乾くことである。

慌ててマコンのシャルドネへ。悠長な味わいでリーズナブル。

カリフラワーのババロワに青海苔とアサリのジュレ。赤貝・セイコガニ・ズワイガニ・ウニがポヨンポヨンに閉じ込められています。兎にも角にも海の香り。前菜からフルスロットル。

バケットとバターは特に工夫は無く標準的。

フォアグラのポワレにはリンゴと金柑を合わせる。リンゴは透明な存在であまり印象に残らなかったのですが、金柑の特徴的な香りがフォアグラの脂と一心同体となり、さらにはマディラのソースが優しく落ち着ける。ピンクペッパーのアクセントも心憎いです。

金目鯛のミキュイ。ポーションが小さいというか、身が薄いので残念ながらミキュイという調理法の良さが出ていなかった気がします。ソースはアメリケーヌ。料理の説明を受けた際には鯛にアメリケーヌなんてケイン小杉で大丈夫かいなと心配したのですが、想定外に上品なソースで悪くない取り合わせでした。

樽がバリバリのボルドーの白で攻めに行く。

ミルクパンは結構しっかり焼いたもので、いわゆるミルクパンとは赴きが異なって面白かったです。正統派ミルクパンの最高峰が東洋軒でウェルター級だとすると、当店はもう少しバターをきかせてミドル級と言ったところ。どちらもそれぞれの良さがある。

ダダーン!ボヨヨン!ボヨヨン!本日の主役、鳩山総理の登場です。フランスヴァンテ産仔鳩胸肉の岩塩包み。

思わずあすなろ抱きしたくなる桜色の身体。食べる前から断定できる、コレは絶対に美味しい。岩塩に練りこまれたハーブの香りが店内を満たし昂奮が湧き上がる。

欲望に対して真っ直ぐの味わいで完璧。パーフェクトです。ガルニチュールにも一切の手抜きはなく、ハトの完璧な美味しさに理路整然と寄り添う。ハト初体験者も「鶏肉みたいな白い肉じゃないんですね、野生的」いいぞ、理解は賞賛の始まりだ。

前回お邪魔した際に併せて頂いたものとは異なるものを。こちらは中々に好戦的な味わいでハトを受け止めるというよりはより強く引き立たせる存在で素晴らしかった。

お待ちかね、焼き鳥屋メイ。当店はメインの食材を2種類の趣向で用意してくれるのです。手羽元に手羽先、串に刺さるはレバー・心臓・砂肝。これぞ食物のアップサイクル。ハトのみを食べる国があれば当店のシェフは間違いなく王様になれるであろう。

胸肉の柔和な味付けと打って変わって塩をガリっときかせているので、当然におかわりだ。

アヴァンデセールには洋梨のスープ。滑らかに冷えており、絹のようなシャーベットです。

メインにはイチゴとバナナとホワイトチョコのエスプーマ。直線的でわかり易く素直に美味しい。パイナップルが隠れていたんですが、ここのシェフ、パイナップル、好きなのかな。

ミニャルディーズにも手が込んでいる。徹頭徹尾きちんとした料理店。

エスプレッソを入念に頂いてごちそうさまでした!

正午入店、16時退店。休日の円満な使いみち。何度来ても素晴らしい。大満足です。

私は「五反田のメイは良いよ」とグルメ仲間に言いふらしまくっており、その後訪れたかた全員から「確かに良かった」と賞賛を受けているお店です。なんというか、ブロートウェアが何ひとつ無いんですよね。ここまで断捨離を徹底して得意分野に集中できる勇気は尊敬に値します。オススメ。

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<2015年1月訪問>
五反田はグルメ不毛の地。ヌキテパとフランクリンアベニュー、もうちょい行けばカンテサンス?ターミナル駅の割にはちゃんとしたレストランがなくて困ったちゃんなのです。なので、モナリザ出身の当店がオープンすると聞いて飛びついてしまいました。

真昼間から飲む。退廃的。最高。

香りがあってミネラリー。結構好き。

ちなみに連れはフランス帰りの才女。トマ・ピケティを原書で読みこなす(はず)。したがって、昼であっても食べ物にはワインを合わせるべしというコンセプトが根付いています。貴重ですよねこういうノリ。ちなみに「21世紀の資本」は私も読んでみたのですが、要約すると『格差やべーぞ』です。

メニューで悩んでいたら「スペシャリテはハトだよーん」とご説明頂いたので、迷わずそれを含んだお任せコースを選択。

さて前菜。左からレバーのパテを挟んだの、アオサとジュレ、クロックムッシュ、なんだっけホロ苦い小魚。どれもセンスを感じましたが、地味にクロックムッシュが一番好きで、ああ、私は味覚が幼稚だなあと苦笑い。

バケットとオリーブオイルは普通です。

色が濃くて甘くてちょいと選ぶのを間違えたかもしれん。

ズワイガニの何か。蟹肉はもちろん、エキスを凝縮したジュレが敷き詰められており、クリーン・ヒット!すごくおいしかったです。

お魚はヒゲダラ。聞いたことのないお魚でした。「タラだけどタラじゃない」みたいな感じだった気がします。参考になりませんかそうですか。若干オリエンタルにスパイス感があって、カリカリサクサクとした歯ごたえも味わえて、味もしっかりあって、旨い。

仔鳩胸肉の岩塩包み!このあとくぱぁと蓋を開けてくれたのですが、興奮のあまり写真を撮るのを忘れてしまいました!俗に言うあげぽよです。

そしてこの盛!なんて華やかな!骨から抽出したエキスを生クリームで整えたソースだなんてもう最高!そして肉の絶妙な火入れ、味、滋味溢れるガロニ、完璧な一皿です。ここまでショッキングな肉料理は中々無い。

「スペシャリテには絶対コレ」とソムリエに太鼓判を押されたもの。うむ、確かにぴったりじゃ。今月のマリアージュで賞を授けます。ワインも飲みきり、ああ、おなか一杯。良いお店ができたもんだと感激してると、ソムリエが「ワインもう一杯どうですか?」とのこと。どゆこと?もうメイン食べたじゃん?
「いえ、メインはもう一皿あります。当店のメインはひとつの食材につき、もう一通りの調理をするのです」と、もう一皿!なんて天真爛漫なロスタイム!レバー・ハツ・カシラが濃厚で赤ワインがすすむすすむ。

焼き鳥が越えられない壁を越えた瞬間です。

よく見ると、鳩の手が英国式ファック・ユーの形。

デセールはパイナップルを中心に。結構珍しいですよねフレンチでがっつりパイナップルって。適度な弾力とクリームの甘みが素晴らしく、甘味についてもセンスありまくり。

ミニャルディーズはチョコムースとフィナンシェ。チョコムースが暴力的な砂糖の甘さだったのはご愛嬌。

コーヒーもぬかりなく美味しかったです。

大当たりです。新人王候補。伝統的な調理を的確にこなすため1皿1皿に非常に説得力がある。その上でシェフのやりたいことも伝わってくる。近々確実にミシュラン1ツ星は取ることでしょう。このようなお店に早期にお邪魔できて私は嬉しい。絶対に予約取れなくなると思うので皆さん今のうちですよ。

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10位

ラ・リューン (麻布十番、赤羽橋、神谷町 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2015/01訪問 2016/01/17

全くブレません。ほんと美味しい。

プレゼンテーションプレートには毎回かわいらしいお花。

真昼間から背徳的シャンパーニュで乾杯!

まずはあっまーいサツマイモ。おなじみにゴボウパウダーをちょんちょんつけて始まります。

当店はバターでなくリエット。酒飲みにとって危険な配置。

バケットは普通のバケットなのですが、リエットが前提なのでシンプルなもので良いのです。

上質卵はそのままで。シードルビネガーがビビッドな味わいで大好き。

割り方が手馴れたもんですな。

白ワインに切り替えてウニとカボチャのソルベ、ナスの煮浸し、コンソメジュレがけ。ライムを削って風味付け。

うーん、毎度のことながら本当に美味しい。ポーションもたっぷり。ウニもどっかん気前良い。

フォアグラのポワレ。和栗のマッシュの程よい甘さがフォアグラと調和して素晴らしい。

当然に赤ワインに移行。

何気にこのタコが美味しかったです。ガリシア風っぽい調理なんですが、なぜか日本酒が飲みたくなった。

セップ茸のポタージュ。強い旨味と森の香り。たまりまへん。

メインはエゾジカ。すんごいデカいの。200グラムはあったと思う。海老芋の滋味も素晴らしい。あと、ソース!ああやっぱりフレンチって美味しいよなあと再認識させてくれるお皿です。

デセールはモンブランにアイスちゃん。最後まで容赦ない大きさ。ポーション大きいってほんといいですね。何を食べたかはっきりと理解できる。

お茶で〆てごちそうさまでした!前夜のナリサワもブレませんが、当店も全くブレません。ほんと美味しい。

ここで事件発生。カードで支払おうとしたら「ランチは現金のみなんで、、、」ということで、血の気が引いてしまう。私は普段現金っていちまんえんぐらいしか持ち歩かないのです。「あ、いや、でも、額が大きいので、今回はカードOKっす」となんとか助け舟を出して頂けました。ありがたや。

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