2回
2016/08 訪問
もう努力ではどうにもならんわこの店のセンス
【2016年8月】
前回の記事の反響が非常に大きく、「あの店は何だ?連れて行けこのやろー」というご依頼が殺到中。
しゅしがらんす、と読みます。オーギャマン・ド・トキオの跡地。キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレの2階。なんとも不気味なアイコン。何もかもが怪しい。
暑い1日だったので、まずはビールで乾杯。店内をぐるりと見渡すとその殆どが常連。カウンター越しにスタッフと会話を楽しむ余裕。
お通しはおなじみの小桃に野菜をゴニョゴニョしたやつ(?)。小桃は穏やかな味わいながらカリっとした食感で酒宴の号砲に最適。野菜をゴニョゴニョしたやつは何かよくわかりませんでした。前回のホウボウのリエットのほうが好き。
フランス人を見習ってロゼ。ボトルが4,000円を切ってくれるのは本当に嬉しいです。ちなみに日本酒もボトルで飲むことができ、亜麻猫が720mlで5,500円。コレ系のお店としてはリーズナブル。
マッシュルームのサラダ。厚切りのフレッシュなキノコにパクチーとセロリ。セロリは小粒ながら香り高く存在感が抜群。
パートフィロ(ガランス式焼餃子)。パートフィロとはギリシャ発祥の小麦粉生地。焼き目が香ばしく軽やかなお好み焼きのようです。ソースはシェリービネガー主体。目が覚めるような鋭い酸味が後を引く。
串物もあります。うずらの卵は自家製マヨネーズにて食す。これはまあ、普通のうずらの卵でした。海老のソテーはサルサ・メヒカーナで。トマトとタマネギの新鮮さに青唐辛子の稲妻感が駆け抜ける逸品。
前回もそうでしたが、当店は他のお客さんが何を食べているのかに目を光らせ、ビビっときたものにつき「あれと同じものを」と注文するのが良いでしょう。このハンバーグはまさにそれ。
一息でナイフを入れると肉の赤身がぽぽぽぽーん!なんでも二層構造になっているらしく、内側はレア状態の粗挽き牛肉、外側はミンチの豚肉です。ありそうでない合挽きハンバーグ。
ゴリラ系の料理にはゴリラ系のワインを。ドックドクに黒く濃いワイン。なにこのマッチングの妙。最高かよ。
予想外にフレンチフライもお出し頂けました。「ハンバーグにはポテトって決まっているでしょう?」とニヤりと笑う料理人。うーん、客のツボを突いたお店である。
〆の食事にはカレーを。誘惑的なスパイスの香りに誘われて思わずスプーンにテンコ盛りにしてしまう。一口パクり。ウェーハッハッハ、旨い!とにかくスパイス使いが複雑で難解。口に運ぶたびに多彩な味わいが広がります。
カレーにはビールだ!ただいま!それにしても餃子にハンバーグにカレー。なんとも子供っぽい構成の注文となってしまいましたが、その味わいは子供の頃に食べたそれらとは全くの別物。全てがハイセンスでややこしい。食べる18禁。家の近所に当店があれば毎日がエブリデイ通ってしまいそうです。
オマケでチェリーを出して頂けました。黒系果実のふくよかさをグラスに残しておいたカベルネで飲み下す。今日も良い1日でした。私はとっても幸せな毎日を過ごしています。お母さん僕を産んでくれてありがとう、そして、ありがとう!
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【2016年6月】
しゅしがらんす、と読みます。オーギャマン・ド・トキオの跡地。キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレの2階です。
特徴的な調理場をぐるりと取り囲むカウンター席はそのままの居抜き。照明がエロティックに落とされており、怪しげな空気感。スタッフの方々もそれぞれ雰囲気があり、個性的なお店です。
ワインやビールはもちろんのこと、日本酒や焼酎ひいては耳慣れない国の耳慣れないお酒まで、飲み物のラインナップが膨大です。完全に酒飲みのためのお店。
肉(豚だっけ?)とホウボウのリエット。何この手の込んだお通し。ホウボウをこのように食すのは初めてです。しかもきちんと旨い。一口で今後の展開に期待を持ちました。
ちなみにリエットの隣にあるオリーブみたいなのは「モモ」と聞こえた気がするのですが、いわゆる桃の味わいとは異なり、歯ごたえのあるオリーブのようで面白かったです。
カニクリームコロッケを注文。ザクザクと粒子が大きいパン粉と共に、じっくりと揚げられています。
開けて驚き、蟹肉がギッチギチに詰まっています。RRRにしろ、最近のカニクリームコロッケ業界はふんだんに蟹肉を使用することが多いですね。こういう解かりやすい方向性は大好きです。
そのままでももちろん美味しいのですが、「スーパー特撰太陽ソース」に浸すとこれまた格別。ソースの熟成感が堪らない。市販品でここまで濃厚で複雑な味わいを具現化できるのは素晴らしいですね。また、ソースを自作することに意固地にならず、「旨けりゃいいじゃん」と出来合いのソースを躊躇無く客に出すシェフの姿勢も合理的。これで焼きそば作ったら最高だろうな。。。
ワインをボトルでもう1本。いかにも業界人が好みそうな雰囲気ながら、ワインは3,000円代からと懐に優しい。
隣席から漂うスパイスの香りが魅力的すぎて思わず注文。南インド風のカレーです。一口食べて驚き。これは本物だ。スパイスの使い方がややこしすぎる。複雑系の極み。普通の日本人では表現できない味わいです。思い切りの良い辛さも見事。街のなんちゃってインドカレー屋は当店に修行しに来るように。
スパイスで食欲に火がついてしまったのか、黒板に躍る「麻婆麺」の3文字に抗えない。これでもかというパクチーに、山椒の香りが大爆発。数々の辛味が胃袋を刺激し、一心不乱に食べてしまう。と、唐突に、食べている途中で、お店のかたがニヤニヤと一旦お皿を下げていく。
なんとゴハンを混ぜ込み、ソバメシ風にしてくれました。最高かよ。満腹ながらもウマイウマイウマスギルと一気に掻き込んでしまいました。めでたしめでたし。
素晴らしいお店です。分類としては居酒屋に入るのかな。とにかく料理の種類が豊富で、洋の東西を問わず多彩な味わい。この店で一通りのメニューを試せば世界一周旅行を疑似体験できることでしょう。次回はおなかを空かせて、旨そうなモノを片っ端から注文しよう。
努力ではどうにもならないセンスを当店に感じました。これは通い詰めてしまいそうだ。
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2019/08/31 更新
しゅしがらんす、と読みます。オーギャマン・ド・トキオの跡地。キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレの2階です。大好きなお店なのですが、気がついたら1年近く間が空いていました。それでも怪しげな空気感と個性的なスタッフの面々はそのままで一安心。
夏の暑い日の2軒目だったので、しおらしくハウスワインのカラフェでスタート。
お通しはおなじみの小桃に野菜をゴニョゴニョしたやつを期待したのですが、今回はシンプルなポテトサラダでした。もちろん美味しいのですが、手の込んだものを期待していただけにちょっぴり残念。
フライドチキン。これが絶品。KFCのスパイシーチキンを2倍複雑にして、もう2倍ややこしくしたような味わいです。揚げたてアツアツでこの瞬間の高揚感は絶大。ジャガイモを薄くスライスして揚げた自家製チップスも傑作。
このような味覚にはビールしかそぐわない。ピリカラのチキンと共にビールを飲み下す幸せと言ったらない。
チキンカレー。ショータイムの始まりだ。当店のカレーは並の専門店のレベルを遥かに凌駕します。とにかくスパイス使いが込み入っており、口に運ぶたびに多彩な味わいが広がります。
麻婆麺。暴力的なほどのパクチーと山椒。先のフライドチキンやカレーを超越する数々の辛味。もう満腹なはずなのに、ついついダストシュートのように口に放り込んでしまいます。
真夜中の炭水化物ほど旨いものは無い。麺を食べきった後は、残ったタレと肉にゴハンを混ぜ込んで下さいます。これが旨いのなんのって。
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