タケマシュランさんが投稿した銀座 きた福(東京/銀座)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

タケマシュラン

メッセージを送る

この口コミは、タケマシュランさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

銀座 きた福銀座、内幸町、新橋/かに、日本料理、すっぽん

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2017/11 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ぬわーーーーっっ!!

当店は全て個室の完全予約制。しかもその個室が3つしか無いため、1日に対応できる客が極めて限られているのです。

大きな火鉢が部屋に持ち込まれ、おもむろに餅を焼き始める店員。はて?前菜におもち?と訝しんでいると、「ぬわーーーーっっ!!(パパス)」マッチ箱サイズのカラスミがドカンと挟み込まれていました。これは餅ではなくカラスミそのものである。海苔の香りも良い。先頭打者満塁ホームラン。

ねぎま鍋。「ねぎ」はネギ、「ま」はマグロ。江戸時代に江戸の町人たちの間で、脂の乗ったトロをいかにさっぱり食べるか、という工夫から生まれた料理。そのまま鮨にしてしまえば1貫1,000円は下らないトロットロのトロ。適度に脂が抜け、口の中でホロホロと崩れ行くマグロ。ぐわー美味しい何て贅沢な鍋なんだ。出汁もネギも旨い。今後一生ねぎま鍋しか食べれないと神に宣告を受けたとしても、そんな人生も悪く無いかなと納得してしまいそうな味覚です。

金目鯛はカブのソース。なるほどカブをソースのように扱うのもアリですね。欧米系のシェフが見れば喜びそうなアイディアです。

「さっき航空便で北海道から届いたばかりです!いやあ!間にあって良かった!」と嬉しそうにタラバガニをプレゼンテーションするタラバガニ職人。4キロはあろう特大サイズ。これを3人で食べきるだなんて幸福の極み。

厚さ5ミリはあろう恐ろしく太い包丁でバッキバキに解体。これは圧倒的なエンタテインメント。手際が良いを通り越して恐怖すら感じるスピード感です。劇場型のレストランなど比較にならないほどの迫力。2017年で最も記憶に残ったシェフズテーブルです。

刺身は流水で少し華を開かせしっかりと水を切ってから頂きます。なんなんだこれは。とにかくフレッシュで甘い。醤油をちょこんとつけると、よりカニの甘さが引き立ち蜜のような多幸感に包まれます。

少し茹でてレアの状態です。甘味と香りが増しました。同一素材だというのに魔術的な味覚の変化です。

もういっちょレアで。繰り返すが旨い。私は決してこのカニの旨さを過大に鼓吹しているのではなく、心から本当に美味しいのです。

もう少し火を入れてミディアムで。香りや甘味はもちろんのこと、旨味も増したような気がします。蟹って不思議な素材だなあ。

タラバガニ職人は腕まくりをし、「余すところなく食べていただきます!」と鼻息が荒い。こういった作業は全てつきっきりの彼がこなしてくれるので、『カニは旨いが会話が無くなる』という状況が生じないのもいいですね。

最も太い部分は焼き蟹にて。とにかく香りが豊かであり、「他のフロアから苦情がよく入るんですよねえ」といたずらっ子のような表情をみせるタラバガニ職人。

「ぬわーーーーっっ!!(パパス)」。鼻血が出そうなほど官能的な味わいです。豊かな香りからある程度の美味しさは覚悟していましたが、ここまで圧倒的な味覚とは。

胴体部が茹で上がりました。真っ赤な外観が食欲をそそります。

心臓。ひとつしかないのですが「今日は○○さん(私の名)のための会なんだから」とお譲り頂きました。牛や豚のハツとは似ても似つかない味わいであり、カニの身を凝縮させたような風味で面白い。

ふんどし。カニにおける隠れた珍味です。新鮮な個体でないと中々喉を通らない風味だそうな。なるほどカニとは思えないほどモチモチしてある種、貝柱のような食感です。

ボイルした身をカニ酢につけて一気にかっ喰らう。カニ酢に滲み出るエキスも旨い。オーラスは残ったカニ酢と共にカニのエキスを余すところなく飲みきりました。

ゴハンが炊きあがる。意表を突いて、カニ飯ではなくイクラごはんです。ピカピカと輝く炊き立ての白米に、塩漬けのイクラをジャブジャブと注ぎ込む。何この解かり易さ最高かよ。

お椀もイクラに負けず濃厚。なんと迫力のあるサイドメニューなのでしょう。

イクラが尽き果てた後は牛肉の牛肉のしぐれ煮で追い討ちをかける。カニやイクラに影を潜めてはいますが、この小鉢も相当に旨い。芳醇で簡潔。恐らくは和牛の極めて良質な部分を用いた料理でしょう。

アイスモナカに挟まるのは蜜のようにトロけるリンゴ。レンコン餅も新しい食感と風味を演出します。

いやはや、圧倒的な迫力とスピード感に満ちたランチでした。とにかく楽しく、旨い。問答無用に旨い。脊髄反射で旨い。いずれもシンプルな皿であり、これらは素材に属し、料理には属さないかもしれません。しかしながら限界効用を突破してしまうほどの勢いがこのお店にはある。

恒例行事として、その年のベストレストランを選出する試みがあるのですが、その中に含めようか本気で悩んでいます。ううむ、この店をベスト3に載せてしまうのは反則のような気がしますが、その欲望に抗えない自分もいる。困ったな。東京は味覚の遊園地だ。

■写真付きのブログはコチラ⇒ http://www.takemachelin.com/2017/11/kita.html

2019/08/30 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ