タケマシュランさんが投稿したIl Lato(東京/新宿三丁目)の口コミ詳細

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タケマシュラン

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Il Lato新宿三丁目、新宿、新宿御苑前/イタリアン

3

  • 夜の点数:4.5

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.5
3回目

2025/09 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

ぴゅあいんざわーるど

魚介料理の繊細さ、素材の質、食べ疲れしない優しい味わいが絶賛される新宿の「IlLato(イルラート)」。私の最も好きなイタリア料理店のひとつであり、食べログでは百名店に選出され、ゴエミヨにも掲載されています。

店内は厨房をぐるりと取り囲むカウンター席にテーブル席がいくつか。木材を多用したインテリアで、周囲の喧騒とは無縁のシックな空間が広がります。これまでに訪れた際は割に空いていることが多かったのですが、この日は満卓。「今夜は旨いものを食べるぞ!」といったゲストの静かな熱気が店内を満たしています。

ソムリエールは相変わらず感じよく、的確なワインを次々と提案してくれます。「三和(さんわ)」もそうですが、イタリアンの名店のサービスは軽快で親しみ易いのが良いですね。

さっそく自慢のお魚料理が始まります。炭火で香ばしく焼き上げられた「すだち鮎」。濃厚でほろ苦い肝のソースを敷き、鮎自身の持つ力強い風味を余すことなく引き立てます。スイカの冷製スープとの組み合わせも心地よく、その青っぽい風味が盛夏にピッタリです。

名物のタコパンにフォカッチャ。この日のフォカッチャは程よく油に満ちておりジュワっとジューシーで、(私の体調に因るものかもしれませんが)普段よりもとても美味しく感じます。パスタもあるというのに何度もおかわりしてしまいました。

トウモロコシと毛ガニのスフォルマート。イタリア風の茶碗蒸しであり、その生地は実に滑らか。トウモロコシの凝縮された甘みと毛ガニの旨味が香りが口いっぱいに広がります。クリーミーな食感の中に北の海の幸と夏の畑の恵みが溶け合った、まさに至福のひと皿です。

ミネストローネ。トマトの赤色や酸味に頼らないのが当店流。多くの野菜がじっくりと煮込まれ、野菜本来のピュアで優しい甘味を楽しみます。野菜の生命力が体に染み渡るような深い味わいはまさに飲むサラダ。ぴゅあいんざわーるど。

キンメダイ。お魚そのものの美味しさは当然として、鯛のアラや骨から丁寧に取られた黄金色のスープが絶品。魚介の滋味という滋味がすべて溶け込んだスープがキンメダイ自身の味わいを何倍にも増幅させます。

皮目をパリッと香ばしく焼き上げたマナガツオ。白身魚とは思えないほどの強い旨味と、しっとりふっくらとした食感が魅力的。ソースにはフォンドボーを起用しており、牛から丁寧に取られた濃厚な肉のエキスが味わいの輪郭を広げます。

荒波で知られる勝浦の海で育ったアワビ。舌に吸い付くような力強い食感があり、噛みしめるたびに凝縮された磯の香りと上品な甘みが口の中に広がります。決め手は自身の肝から作られた濃厚なソース。クリーミーでコク深い肝の旨味と、後を引くほろ苦さ。まさにアワビという素材を丸ごと味わい尽くすための、究極の組み合わせです。

パスタはリガトーニ。具材には鰻と万願寺唐辛子を用いており、その豊かな脂のコクと爽やかな風味の組み合わせが実に独創的。和の食材とイタリアンの技法が融合した、夏のエネルギーに満ちた味わいです。

続くパスタはタヤリン。卵黄をたっぷり用いるパスタであり、モッチリとしながらも歯切れの良い独特の食感が心地よい。蝦夷鹿のラグーといった力強いソースに負けない濃厚な風味が堪りません。アクセントに山椒を組み込んでおり、その鮮烈な香りとピリリとした心地よい刺激が後味に軽やかさとキレをもたらします。センスいいなあ。

但馬牛のイチボ。きめ細かな肉質と香りの良さで評価されているブランド和牛をシンプルに焼き上げました。余計なソースは全く不要。素材への絶対的な自信が伝わる潔い肉料理です。まるで京都の割烹料理店のようである。

デザートはパンナコッタ。アーモンドのまろやかなコクを上手く閉じ込めており、舌触りは絹のように滑らかで完成された味わいです。旬のメロンがもたらす瑞々しい甘みも良く合う。添えられたミントの清涼感は全体をキリッと引き締め、甘いだけではない洗練された大人のデザートに昇華させています。

ハーブティーとお茶菓子で余韻と会話を楽しみごちそうさまでした。


美味しかった。相変わらず外連味のない料理で大満足。素材をいじくりまわし過ぎて何が何だかよくわからなくなっちゃってる高級店は、当店のように明確なビジョンを示すスタイルを見習うべきでしょう。これは和の料理人に対しても言えることだ。

加えて、何度訪れても毎回必ず美味しいという安定感も素晴らしい。何なら系列店「scaglia(スカーリア)」への訪問も含めてこの夜はカコイチだったかもしれません。オープンから数年経つというのに記録を更新し続ける魚のオバケ。次回は冬の魚が食べたいなあ。

■写真付きのブログはコチラ→ https://www.takemachelin.com/2025/08/lato.html

2025/09/02 更新

2回目

2024/09 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

こういう日もある

魚介系のイタリアンとしては最高峰と名高い「IlLato(イルラート)」。場所は新宿三丁目で伊勢丹から歩いてすぐ。私は2022年にお邪魔して以来2年ぶり2度目になります。古井繁規シェフはピエモンテで腕を磨いたのち、「OSTERIAORIERA(オステリア・オリエーラ)」や「リストランテペガソ(PEGASO)」などの人気店の厨房を預かった後、2021年に当店を開業しました。

店内は厨房をぐるりと取り囲むカウンター席にテーブル席が数卓。木材を多用したインテリアで、ややもすると割烹料理屋のような凛とした空気が流れます。しかしながら店内に響き渡る大声で話すゲストがおり、雰囲気をかなり乱されました。ああいうのは香害と同じく取り締まって欲しいところです。

ワインは全てボトルで注文しました。ワインリストは無くホールスタッフと相談しながら決めていくのですが、自信なさげにブツブツとつぶやくスタイルで何言ってるか全然聞き取れない。先のうるさいゲストの存在と相俟ってコミュニケーションを取るのに難儀しました。また、ちょろい客と思われたのか途中から謎に高いワインばかり提案されるようになり心が折れました。今夜は色々とついていないのかもしれません。

気を取り直してお食事について。まずはカツオの冷製。サっと酸味がきいており夏に最適の前菜です。底にはカポナータが敷かれており重層的な美味しさです。

オリエーラ時代からのアイコンとも言えるタコパン。エントランスにはタコパンを模した照明(?)がいくつかディスプレイされており思わず笑みがこぼれます。

鮎は焼いてキュウリのソース(?)とスイカのスープと共に頂きます。日本料理っぽいニュアンスを持たせつつ、液体をまぜまぜすると徐々に味覚が変化していきます。これは面白い。料理の博物館があるならば、鮎料理の代表作として展示したいほどです。

ミネストローネ。一般的なミネストローネはトマトの酸味が目立つことが多いですが、当店のそれは滋味深い味わいで、こっくりと優しい美味しさです。

鰻。この界隈は蒲焼か白焼が幅を利かせているのですが、これは何と表現すれば良いのだろう。ヨーロッパの煮込みともまた違ったスタイルであり、鰻の可能性を押し広げる調理です。ちなみに連れのポーションのほうが全然大きかったので、危うく喧嘩になるところでした。

アカムツはお魚の骨から取ったスープと共に楽しみます。脂が乗っていてとても円やか。白身のトロとも言うべきリッチな味わいです。

スズキ。アカムツのトロりとした口当たりから一転、ムキっと筋肉を感じさせる口当たり。魚そのものの味わいが逞しく、合わせるフォンドボーの味わいにも負けていません。

パスタ1品目はハモとトウモロコシ。日本料理店の〆のお食事のような組み合わせであり、鰻と同様にハモ料理のフロンティアを開拓するひと皿です。

パスタ2品目はタヤリン。ピエモンテ州発祥のパスタであり、卵を練り込んだ豊かな風味が特長的。お肉はエゾジカで、濃厚で風味豊かな味わいです。

メインのお肉は但馬牛。ここは鮨屋かと思わせる魚介類のラインナップでしたが、お肉のレベルも一級品。きめ細かく柔らかい肉質で、赤身と脂のバランスがよく、香りも良い。やっぱり最後にお肉を食べるとメシ食ったな~メーターが満タンになります。

デザートは甘夏を用いたひと品。円みのある甘さに優しい酸味で初恋のような味わいです。ちなみに私の初恋の相手は幼稚園年少組のおがわまゆみ先生です(漢字を知らない)。

お茶菓子とエスプレッソでフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上のコース料理が16,500円で、たっぷり飲んでお会計はひとりあたり3万円強。これは前回同様によく飲んだ結果であり、常識的な酒量であれば2万円程度に着地することでしょう。

料理は変わらず美味しかったですが、今夜は声の大きなゲストに心を乱された上、サービスとの波長も合いませんでした。まあこういう日もあるでしょう。そういえば魚が旨くなる冬に訪れたことがないので、次回は冬にお邪魔したいと思います。

■写真付きのブログはコチラ→ https://www.takemachelin.com/2024/07/lato.html

2024/09/08 更新

1回目

2022/06 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ひとつの究極系

「OSTERIAORIERA(オステリア・オリエーラ)」で腕を振るったシェフが新宿の地に凱旋。場所は新宿三丁目、伊勢丹近くの雑居ビル4階。2021年2月という天歩艱難なタイミングでの開業ですが、ゴエミヨ2022に早速掲載されており、人気のほどが伺えます。

店内は厨房をぐるりと取り囲むカウンター席にテーブル席が3卓。木材を多用したインテリアで、ややもすると割烹料理屋のような凛とした空気が流れます。

古井繁規シェフはピエモンテで腕を磨いたのち、「OSTERIAORIERA(オステリア・オリエーラ)」や「リストランテペガソ(PEGASO)」などの人気店の厨房を預かった後、独立。

ワインはもちろんイタリア中心で、最多価格帯が1万円前後。ワインリストは無くソムリエールと相談しながら選んでいくスタイルなのですが、彼女の感じがすごく良いので思わず本数を重ねてしまいます。

名刺代わりにとカツオ。そう、当店の目玉は魚介類であり、のっけから主役級の厚みでの登場です。パワフルなカツオの旨味に思いきりの良い調味。スパークリングワインがスパっと進むひと皿です。

サラダは香り高いハーブが百花繚乱。葉っぱによって風味が異なり、ひと口ごとに味覚が移り変わります。仄かな苦みが食欲を刺激する。

オリエーラ時代からのアイコンとも言えるタコパン。デザート時のドラえもんの皿にせよ、シェフはひょうきんな方なのかもしれません。

続いてはホッキ貝。鮨屋で食べると独特の臭みが気になる場合がありますが、当店は上手く調理されているためか貝の美点のみが強調されベリーナイスです。プリン状態にあるのはホワイトアスパラで、ジューシーな甘味がホッキ貝のコクに良く合う。

ミネストローネが優しい。巷間に流布するミネストローネとは一線を画し、刺々しさは1ミリもなく「滋味深い」という表現がピッタリの味わいです。夜食とか朝ごはんに常備したい。

お魚は甘鯛。自身のお出汁で蒸しただけという究極にシンプルな料理ですが、なんとも優雅で繊細緻密な味わい。プルンとしたゼラチン質に脂の甘味。日本料理のようにキリリとした味覚です。

こちらは金目鯛。甘鯛から転じてソースはクリーム調ですが、やはり無欲恬淡とした魅力があり、ソースと魚が調和します。コッテリしたワインに良く合う。

肉厚なメヌケとズワイガニのコラボ作品。オリガルヒ級の贅沢なひと皿であり、メヌケの面妖な味わいにズワイガニの強靭な旨味が補強され美味しさは青天井。

パスタはしっかり2種出て来ます。まずはホタルイカ。大人の苦みが食欲を刺激し、あと一口もう一口と食べる手を止めさせません。麺そのものも実に美味しく、畢竟、麺料理とは手打ちに限ると納得した瞬間です。

お肉のパスタも出ます。ミルキーでセクシーなフレーバーがインプレッシブで、それはつまり日本語に訳すと快哉を叫びたくなるほどの美味しさでした。何なん魚介料理が得意とか言って肉もパスタまで旨いとかチートじゃね?

お肉料理は「但馬玄(たじまぐろ)」。自然の中で育てた健康的で上質な脂と赤身の深い風味はまるでマグロのようである、との事で命名された超高級ブランド牛ですが、16,500円のコースで出てくるってやばない?

前置きはさておき、やはり肉そのものが超然とした味わいで、アメリカ系の赤身推しの肉ともまた違った美味しさ。かなりの皿数でパスタを2種楽しんだ後だというのに光の速さで完食です。

デザートの主役はイチゴ。フレッシュなイチゴとそのソースが爽やかな酸味を湛えており、濃密なミルクのジェラートの甘味とマッチします。アクセントのピスタチオの香りもグッドです。

続いてシュークリームにプリン。まさに王道3時のオヤツといった味わいであり、ノスタルジックな魅力にあふれています。

小菓子とお茶までシッカリ出ます。先の但馬玄は異例としても、これだけの質および量をズバズバ出してお食事だけなら16,500円というのは大変お値打ち。気を良くしてガバガバ飲んで今回はひとりあたり3万円を超えてしまいましたが、常識的な酒量であれば2万円強あたりに着地することでしょう。

お金の話はさておき、魚介類の取り扱いについてはイタリアンというジャンルを超えた魅力があります。食材の本質を突き詰めた往生際の良い料理であり、食べて全く疲れない。連れは小食なのですが余裕でスルスル完食していました。

お魚料理のひとつの究極系。魚介類が自慢のイタリアンレストランは、そう自称する前に当店を訪れ身の程を知っておくべきでしょう。オススメです。

■写真付きのブログはコチラ→ https://www.takemachelin.com/2022/06/lato.html

2022/06/05 更新

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