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昼の点数:4.4
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 -
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ここのビフカツはそれでも旨かった
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2025/11/23 更新
洋食の朝日の名前は前々から知っていて、行列ができる町の洋食屋ということも知っていた。
が、11時50分についてすでに長蛇の列。
スタッフの方の案内では大体1時間程度は待つことになるらしい。
とんでもない人気店だ。期待が膨らむ。
ウェイティングが当たり前なのでスタッフさんのウェイト管理も卓越していた。
「はい三列に並んでここまで」「はい三名掛けなんでつめて座ってください」
ものすごく手際と効率よくウェイティングをさばいていく。
で、待つこと1時間20分でようやく入店。(笑)
飲食するのにここまで待ったのは初めてだ。
さっそく目的のビフカツ定食をオーダー。
提供速度は一般的、むしろやや早い。
提供されたビフカツが輝いて見えたのはきっと待ち時間のせい。
まず赤みの強いデミグラスソースが目を惹く。
断面を確認すると、綺麗な三層構造。
外側の衣は薄いのに存在感があるタイプで、噛んだ瞬間に「サクッ」と小気味よく割れるやつ。
そのすぐ内側には、ごく薄い火入れ層。余計な熱を足さず、赤身に繋ぐための「緩衝材」のようなか細い存在感。でも非常に重要。
中心は鮮やかな赤。生ではなく、芯までじっくり熱が通ったレアに仕上がっている。
噛むごとに、衣の香ばしさ→脂の甘み→赤身の旨味と鉄分、という階段を降りていくように味が変わる。
デミグラスソースはフルーティな酸味とほのかな甘みが共存しており、このビフカツにふさわしい味わい。
旨い! 間違いなく旨いビフカツだ。旨すぎて箸が止まらない。
気が付けば15分で完食していた。
1時間20分待って15分で完食していた!
つまり滞在時間の80パーセント以上が待ち時間……なんてことだ!
とはいえ不思議と不満がない理由を考えてみた。
その理由は、この店の構造にある。
まず席数という供給に対し、需要が明らかに過剰だ。
実はこのギャップがまず店の土台となっている。
需要の高さは仕入れの余裕を生み、品質を安定させる。
さらに定番メニュー中心の注文によって調理回数は積み上がり、動きから無駄が削ぎ落とされ、工程は最適化されていく。
この長年の蓄積はやがて工程を機械的な精度へと変える。
火入れもその流れの中にあるはずだ。
焼くタイミングは勘ではなく流れで決まる。
油温、焼き時間、休ませる時間――大量の注文が常に入ることでリズムが乱れない。
だから、このレアは偶然ではない。
再現性のある、必然のレアだ。
作り置きでも、凝った演出でも、機械仕掛けでもないのに、同じクオリティが出続ける理由。
それは「需要 × 仕組み × 精度」の掛け算で成り立っているからだ。
つまり――この行列はただ並ぶ時間ではない。
提供される料理とシステム、その完成度を受け取るための儀式なのだ!
……とかそれっぽいことを考えていたら1時間以上待っていたことに全く後悔することなく機嫌よく退店することできた。
今回は定番のビフカツ定食を選んだが、たぶんこの店、外れメニューがない予感。
次があるのであれば別メニューもぜひ体験してみたい。
その時もよろこんでこの儀式を受け入れようじゃないか!