4回
2016/09 訪問
多彩なソースと火入れの妙
今、名古屋で一番注目を浴びているフレンチ。
葛原シェフは、カンテサンスとHAJIMEという東西の三ツ星レストランで修業し、昨年こちらを開業。
マイレビュアーの方から、名古屋へ行ったら絶対行くべき!と言われた直後に名古屋出張の予定がっ!
すぐさま予約を入れました。
一人でディナー時に訪問。
なお、予約はHPからオンラインで出来ます。
それを見る限り、週末でも2~3週先なら予約は可能っぽい。
ナチュラル感を大事にした北欧調の内装。
今大流行のスタイルですが、席間がとても広いのが良い。
インテリアもセンスが良くて、かなり素敵です。
テーブルが6卓ほど。
個室もあるようです。
土曜でしたが、1卓空いていたし、予約困難ではないようです。
なおこの日、私以外はすべてカップルでした(号泣)
料理は完全お任せコースのみで、ランチは6500円、ディナーは12500円。
ドリンクは、グラス数や量によって、数種のペアリングコースが。
ペアリングにシャンパーニュもちゃんと入っているのが良心的。
当日の料理は以下になります。
多皿ですが結構スムーズに出て来るので、正味2時間半程度で終えることが出来ました。
第一章 余韻
*雲丹
*鱒
*玉蜀黍
*フォアグラ
*鮎
*トマトのソルベ
第2章 記憶
*鰻
*のどぐろ
*夏鹿
第3章 安堵
*巨峰
*桃
終章 追憶
*茶菓子
主役となる素材に色々な味やソースを添えて、複雑さを出すのが此方の特徴。
一皿の中で、万華鏡のように変わる味の変化がとても楽しい。
また火入れは、カンテサンス譲りの見事さ。
低温でじっくり火入れしてる皿が多く、柔らかくてジューシー。
あえて言えば、最後に少しだけ強めに火を入れるか何かで、素材の香りや香ばしさを出して欲しいかもというのはありますが、素晴らしいことは素晴らしい。
全体のバランスも良くて、食べていて素直に楽しい。
また味付けもカンテサンスほどには強くなく、これも好み。
完成度と言う点では、粗削りな部分も少しだけありますが、総じて前述のように食べていて楽しい。
粗削りな部分も気になる程ではないので、逆に持ち味となる。
30歳とお若いですが、かなりの才能をお持ちかと。
これから先がとても楽しみ。
サービスは凄く良い。
会話も含めた気配りや目配りがとても行き届いていて、かなり快適で楽しい。
一人でも退屈しませんでした。
前述のように席間が広いことも含め、とても良かった。
ドリンクも、ジュヴレシャンベルタンの2005年が素晴らしかった。
ノンアルコールも充実しているし、なかなかです。
そんなこんなで、かなり楽しく幸せな時間。
名古屋へ来ることがあれば、是非再訪したい。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の詳細です。
*雲丹
葛粉のチップスにキャビアと赤雲丹、ブロッコリー、百合根、ペンタス(エディブルフラワー)を乗せた一品。
雲丹の旨みが濃厚で、キャビアの塩気がその甘みを引き出し、百合根の優しい甘さとの対比も楽しい。
意外に良い働きをしてたのがブロッコリーで、濃厚な素材たちの中で、濃厚過ぎるのを上手く抑えてた。
*鱒
これがとても素晴らしかった。
琵琶湖の鱒を38℃(鱒の脂が溶け出す温度)で火入れし、オリーブオイルのパウダー、八丁味噌やほおずきのピュレ、文旦とディルのクリームなどを添えたもの。
サケマスは火を入れ過ぎるとすぐパサつくので、ミキュイ(半生)の火入れが鉄則。
すると中の方はどうしても生っぽくなりますが、こちらは均一に火入れされていて、脂と身の融合具合が素晴らしいし、サケマス特有の香りをよく抑えてる。
文旦とディルのクリームも、その爽やかさが前述の香りも同じく抑え、良いアクセントに。
一方八丁味噌はその濃厚さと甘みが、鱒の旨みと多層的に重なり、別の面での面白さが。
*玉蜀黍(とうもろこし)
とうころこしを使った冷製スープです。
焼とうもろこしの泡、ポップコーンのアイス、とうもろこしのジュレ、さらにとうころこしのスープ。
突き抜けた感動というより、甘いとうもろこしの郷愁と余韻を楽める安心感ある味。
バニラビーンズが添えられて、その香りを嗅いでこちらを頂くと、より美味しいのだとか。
その効果はともかく、趣向は面白い。
*フォアグラ
フォアグラのテリーヌに、新玉ねぎやチョコレート、エストラゴンなどを合わせた品。
シャリ―ビネガーのジュレなども添えて。
これはフォアグラ自体があまりツボではなかったかも。
少し脂が強めというか。
それでも、美味しいことは美味しい。
*鮎
琵琶湖の稚鮎の塩焼き、その下には鮎の内臓を巻き込んだ鮎のフリット。
黒トリュフのソースと蓼のソース。
パクチーの新芽であるマイクロパクチーや、塩味が強いシーアスパラガス(厚岸草)などが良いアクセントに。
これも安心感のある美味しさ。
黒トリュフソースが、意外に鮎と合っていたのが新鮮な驚き。
*トマトのソルベ
第1章が終わるという事で、口直し的に。
トマトの味がとても良く出ているソルベ。
第2章 記憶
*鰻
愛知は一色産の鰻を白焼きにして、根セロリのサラダとピュレを添え、鰻には鉄板の赤ワインソースを合わせて。
鰻はなかなかパリッと焼けていて、美味しい。
山椒にクミンを合わせたスパイスを忍ばせていて、これが鰻の味にグラデーションのような変化を与える。
アップルビネガーのジュレや山葵も、とても良い味変アイテム。
根セロリとの相性な、よくわからず(スイマセン・・)。
*のどぐろ
これも火入れが素晴らしい。
カンテサンスを思わせる、虹色の火入れ。
ただ思ったのですが、脂が乗った素材は低温調理はあまり合わないかも。
香ばしさが乏しい分、脂が前面に出過ぎるんですよね。
チャイブと蛤のソースとの相性は普通に良い感じで。
*夏鹿
これも火入れが素晴らしい。
鹿は火入れが難しい素材だけに、この火入れはかなり嬉しいし、シェフの真骨頂かも。
ペドロヒメネス(シェリー酒)やカシスの酸味が、夏鹿特有の匂いを和らげる。
黒にんにくのピュレは、赤身の鹿にコクを与えてました。
松茸も添えられていて、これは素直に嬉しい。
第3章 安堵
*巨峰
巨峰のソルベ・生・ジュレ、さらにはレモンとミルクのアイス。
巨峰の酸味が良い口直しになりつつ、その甘みとミルクアイスの甘み、レモンの酸味とも重奏を奏でる。
これも心がほっとする美味しさ。
*桃
球体のアーモンドのメレンゲで、生の桃やアイス、ジャムを包み、黄桃と緑茶のソース、ルイボスティーとアーモンドのジュレを添えて。
アーモンドメレンゲのサクサク感と、桃のねっとり感がとても素晴らしい対比でした。
かなり感動。
終章 追憶
*茶菓子
シェフが子供の頃に親しんだお菓子をモチーフ。
雪見大福・プッチンプリン・シュークリーム・チョコボール。
雪見大福と言えば、ロッテ!
この時点で満点付けようかと思った次第(しませんけど)。
プリンが非常に滑らかで、感動。
以上です。
*雲丹
*鱒
*玉蜀黍
*フォアグラ
*鮎
*鮎あっぷ(シンゴジラっぽい??)
*鰻
*のどぐろ
*夏鹿
*巨峰
*桃
*トマトのソルベ
茶菓子
パン
サンセール
ヴィオニエ
ジュヴレ シャンベルタン
ノンアルコールのモヒート
店内
店内
2016/10/05 更新
一年弱振りに再訪。
その間に本サイトの点数もメキメキ上がり、名古屋の全ジャンル総合3位と、すごい評価になってます。
31歳の若さながら、カンテサンスとハジメという東西の三ツ星で修業したというシェフの経歴はダテではないということですね。
前回は、他の客が全てカップルの中で一人ぼっちという、Mにはタマらんシチュエーションでしたが、今度は連れと。
階段を上がると、木を用いた北欧調の内装は変わらず。
高級感とナチュラル感が同居し、席間も広く、素晴らしい。
ディナーは、お任せの12500円コースのみ。
こちらは訪問履歴を取っていて、以前と同じ料理は出さない主義です。
実際、他のテーブルと違ってました。で、当日の内容は以下。
なおメインの仔鳩は、マイレビュアーの方から強くおススメされたので、頼んでおきました。
第一章 余韻
*雲丹
*帆立
*玉蜀黍
*車海老
*ツブ貝
*甘夏のソルベ(口直し)
第2章 記憶
*鰻
*甘鯛
*仔鳩
第3章 安堵
*パイナップル
*さくらんぼ
終章 追憶
*茶菓子
今回も素晴らしかった。
特に仔鳩は、艶めかしい身の火入れと炭火で焼いた皮の香ばしさが攻めぎ合い、身悶えする程の美味。
エトフェの鳩の鉄分と、炭が化学反応を起こし、得も言われぬ美味を生むのだとか。
これが、なぜか鴨ではダメだったりするそうです。
それ以外の料理では、帆立・玉蜀黍(とうもろこし)・ツブ貝・鰻・甘鯛・さくらんぼが素晴らしかった。
って、ほぼ全部に近いのですが(汗)。で、残りの料理もかなり良かったし。
火入れが本当に上手だし、工夫もしてる。
ハーブなどを用いた香りの演出の上手さは、今回さらに素晴らしくなっていたし。
前回書いた粗削りな部分はあまり感じられなくなり、とても完成度が高くなってたのが印象的。
ワインも、充実してました。
特に、南アフリカのアタラクシアをいうワイナリーの白は、上質なムルソーを思わせるナッティな風味が素晴らしかった。
赤も、ジュヴレ・シャンベルタンが、複雑みと奥行き及び余韻の長さに感動。
ワインも、すごく良くなってる印象。
サービスも、相変わらずすごく感じが良い。
前回のことを、一人で来た事含め細かいところまで覚えていてくれることに、感心。
開店して間もなく2年、スタッフも充実してきているそうで、今でも十分高みにいますが、どこまで高みに上るのか本当に楽しみ。
日本のフレンチで、目が離せない1軒に間違いなくなってます。
フレンチ好きならば、こちらへ伺うためだけに名古屋へ行く価値は十分ある。
再訪は必至。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の詳細です。
*雲丹
これは前回と一緒かな。
葛粉のチップスに利尻の塩水ウニや百合根、たっぷりのキャビアなど。
エシャロットの辛味が、雲丹の甘みを削いでいたのがやや残念でしたが、百合根の甘さと雲丹の甘さが合ってました。
*帆立
中心部がレアの的確な火入れで、甘みと旨みのバランスが良い。マイクロパクチーやシブレットオイル・柚子の香気が、旨みと甘みをふわっと浮き立たせるところにも感動。
シブレットオイル、何気にとても手間が掛かっているそうです。
*玉蜀黍
トウモロコシの冷製スープやミルクババロアの甘さと、焼きトウモロコシアイスのコクと香ばしさ、その対比がお互いを引き立て、調和が取れており、とても美味しい。
カリフラワーの優しさが、それらの対比をまとめている感じでした。
*車海老
車海老は、レアな火入れ。
パプリカやタイムを使ったガスパチョが、レモングラスを思わせるキレのあるクリアな味でとても良かった。
*ツブ貝
ツブ貝は、その大きさに驚き。
たっぷりのトリュフや鮎のペーストのコクが、ツブ貝の旨みと渾然一体の余韻を残す。
*甘夏のソルベ(口直し)
酸っぱ苦さが、良い口直し。
*鰻
鰻は、白眉。
焼き具合が、去年よりさらに素晴らしくなっているような。
本職の鰻職人さん顔負けの、パリッとしつつジューシーさを残す火入れ。
感動しました。
*甘鯛
山口は萩の甘鯛。
うろこをパリパリにした松笠焼き。
毛蟹を入れたバターソースが、旨みが濃くて甘鯛の旨みに複雑さを与えて、美味しかった。
*仔鳩
前述のとおり
たっぷりの黒トリュフの香りにも悶絶。
ジュのソースも、とても良い。
あ、カシスのピュレが添えられていたのですが、これは酸味が強くて、鳩の鉄分由来の酸味を邪魔するので不要だったかも。
*パイナップル
パイナップルを、ゼリーにしたり生だったり、ソルベにしたり、色々な形にしたデセール。
ヨーグルトも使っていて、その酸味とパイナップルの酸味のレベルが合っていて、でもパイナップルのシャープな味をヨーグルトが包み込み、さっぱりしつつデセールの甘やかさを持った秀逸な皿。
*さくらんぼ
ホワイトチョコのタルトに、生のサクランボやジャムを詰め、焼いたもの。
トロトロ♪
ホワイトチョコの甘さとさくらんぼの酸味との対比により、甘さがたっぷりありながら引き締まった皿となってる。
美味しい。
*茶菓子
シェフが子供の頃に食べたお菓子をモチーフというのは前回と一緒で、内容もほぼ一緒。
雪見大福・プッチンプリン・シュークリーム。そして、前回のチョコボールがきのこの山にっ!
雪見大福ときのこの山、4つの中にロッテ製品が2つもっ!
千葉ロッテマリーンズファンとしては、感涙以外の何物でもないっ!
前回は、ロッテ関係は雪見大福だけだったので、サービス面もさらに素晴らしくなってます(異論は受け付けます)。
以上です。