5回
2019/08 訪問
素材へのこだわりと飽くなき探求心が生み出す至高の寿司
日比谷に移ってから定期訪問をさせて頂ているお寿司屋さん。
本サイトの評価もメキメキあがり、すぎたさん・さいとうさんに次ぐ都内トップ3になってます(レビュー時点)。
日比谷ミッドタウンの3Fに位置し、カウンター8~9席と横に個室。
この日も週末のお昼に訪問。
なお今後、平日のお昼は値段を下げてお弟子さんが握るそうです。
難波さんも昼もとなると大変でしょうし、お弟子さんの育成という意味でも良い試みかと。
週末は、お昼も難波さんが握ります。
お昼は税込み25000円と、最近の鮨事情を考えれば割安。
この日の内容は、以下になります。
〇つまみ
*佐島の蛸の柔らか煮
*増毛の牡丹海老 その殻とミソを乗せて
*網走のキンキをさっと煮たもの
*石垣貝の炙り
*あん肝
*あん肝と香味野菜のペースト パン
*イワシの海苔巻き
*鮑の肝のシャーベット
*穴子のタレ焼き
〇握り
*白烏賊
*平目
*鱸(スズキ)
*鯵
*春子
*鰹
*赤身
*トロ
*トロ2
*小肌
*鮑
*金目鯛
*雲丹
*穴子
*玉
*贅沢鉄火巻
〇魚のアラの吸い物
素晴らしかったです。
握りがさらに進化してました。
タネごとにシャリとタネの温度を変えるのは前からですが、握り方までタネごとに変えてる。
具体的には、ふんわりとエアリーの(置いた時に)沈む握り方とややしっかり目の沈まない握り方を使い分けるようになったとか。
食べると、その違いは如実に分かります。
大まかにいうと、食感(と場合によっては味も)がやや柔らかいタネは、柔らかく握る。
しっかりしたタネには、ややしっかりと握ったシャリを合わせる。
結果、シャリとタネとの一体感が出て、空前絶後の美味を生み出す。
素材の味をシャリが良い感じに持ち上げるし、余韻がすごく長くなるんですよね。
超感動しました。温度の違い以上に、握りに対する影響は大きいかも。
しかも、柔らかく握っった場合でも崩れないのがスゴイ。
また前回、こちらのシャリは白身やイカなどに対してはやや酸味が強いと書いたのですが、これも改善されてました。具体的には、シャリを少し小さくしたとか。これは、単にバランスを取るためにタネを厚くしてもダメだそうで、小さくしてシャリのインパクトを和らげてこそらしい。
これまた実際に頂くと、烏賊でもシャリの酸味が気にならずにその甘みが存分に味わえるし、シャリとの一体感がある。
めちゃめちゃ感動しました。
難波さんには、「言われたらすぐ改善しますので」と言われ、これだけの名声を博してもなお、客の声に耳を傾けて向上する姿勢に感服しましたよ。
前回も書いた素材に対するコダワリも相変わらずスゴイ。
雲丹なんかは、唐津で一番の素潜り名人で都内ではここでしか仕入れられない漁師さんが獲ったものを使ってるそう。また、鮑はうすーく切って重ねることで香りを立たせるなどの工夫もある。
とにかく、全方位360℃くまなく神経と手間を張り巡らせ、究極の一貫を目指してる。
この高評価も納得だし、個人的に知ってる限りでは握りのレベルは都内でトップかも(そんなに多くは食べ歩いてないですが)。
満点を付けたいのですが、まだまだかつてない高みに行きそうなので、あえて少し点数の余地を残しておきます。
難波さんはちょっと聞けば色々と教えてくれるのも、嬉しい。
そんなに色々と食べてはいないお寿司さんではありますが、その中では個人的に究極の一軒。
最近は食べログの点数が上がった結果さらに人気が出たそうで、予約がかなり先かつ困難になってしまったのがツライ。とはいえ、通えるうちは通いたい名店。
ご馳走様でしたー。
以下、料理の感想を少し。
最初のタコは、塩と蛸の出汁のみで煮てるそう。
優しい味の中にも旨みがギュッと。
牡丹海老は、定番の品。でも、いつもより海老のミソが美味しい。
ネットリとした海老の甘みにミソのコクと殻の香ばしさが加わり、悶絶。
キンキは、少し甘みがありつつキレのある汁が美味しい。優しい味なのも良いな。
個人的には少し貝臭さを感じることが多い石垣貝ですが、こちらのはそれがなくて旨みが濃い。
あん肝は、良いところだけを切って使ってますが、夏らしくアッサリした味。
まあ仕方ないかと思うし、これはこれで夏向きで良いのかも。
一方、端の部分を使ったあん肝と香味野菜のペーストをトーストに塗って焼いたものは、その濃厚さがタマらん。美味しいです。
イワシの海苔巻きは、少し水分を与えることで海苔の香りを立たせているそう。
実際、海苔の香りが素晴らしく、これまた夏向けかアッサリとした脂の乗りのイワシに深みを与えてる。
鮑の肝のシャーベットは、今回は海藻の香りがすごい。クセがあるとも言えますが、これはこれで悶絶もの。
穴子のタレ焼きは、パリふっくらな焼き方も良いし、タレが上品なのも良い。
タレは穴子から取った出汁を使っているそうで、上品ながら深みがある。
そして握り。
最初の烏賊(呼子産)から、前述のように悶絶。
スズキは、奥の方から旨みが出て来て余韻が長い。これも少し小さめでエアリーな握り方が功を奏してる。
一方鯵は、しっかり目の握り。脂が乗って旨みがギュッと詰まった鯵には、その方が良いそう。
なるほど身質もしっかりで厚みのある鯵には、その方がシャリとの一体感もバランスも取れる。
唸りました。
鰹は玉ねぎを忍ばせて。
良い意味で鰹っぽくない綺麗な味の鰹。
鮪は、やま幸から仕入れた巻き網で塩釜から揚がったもの。
最初の赤身は、2分半ほどヅケにしたもの。香りが良いな。
こちらもしっかり目の握り。ヅケにした分、身質的にも味的にもしっかり目の握りが合う感じ。
続いてのトロは、柔らかい握り。
トロの身質の柔らかさが、合います。
トロは、もう一貫。こちらの方が、脂の乗りが良い。
小肌は酢が強過ぎない分、旨みがきちんと味わえ、美味しい。。
鮑は前述のように、薄く切ることで香りが立ってるし、旨みも出る。
美味しい。
金目の脂の乗りも良かった。
雲丹はクリーミーだけど、甘みはそこまででも・・・。旨みは強くて、少し磯の香りが強め。
穴子も柔らかくて旨味が乗ってる。
玉はまさにデザート。海老の殻を上に乗せて香ばしさを出してますが、これは好き好きかも。
最後に追加で、トロまで入れた贅沢鉄火巻きを頂いて終了。
超満足です♪
佐島の蛸の柔らか煮
増毛の牡丹海老 その殻とミソを乗せて
網走のキンキをさっと煮たもの
石垣貝の炙り
あん肝
あん肝ペースト
イワシの海苔巻き
鮑の肝のシャーベット
穴子のタレ焼き
白烏賊
平目
鱸(スズキ)
鯵
春子
カツオ
マグロのヅケ
トロ1
トロ2
小肌
鮑
金目鯛
唐津の雲丹
穴子
玉
贅沢鉄火巻き(追加)
魚のアラの吸い物
2019/08/23 更新
2019/05 訪問
素材へのこだわりと飽くなき探求心が生み出す至高の寿司
阿佐ヶ谷から移転して、昨年日比谷のミッドタウンに店を構えたなんばさん。
阿佐ヶ谷時代は伺う機会がなかったのですが、こちらに来てからは定期的に伺ってます。
いつもお昼に。
日比谷ミッドタウンの3F。
8席ほどのカウンターと個室がありますが、個室は通常使ってないようです。
お昼は基本的に12時からの一斉スタートかな?(いつもそうなので)
お昼は25000円(税別・サ込)、夜は30000円。
この日の内容は以下になります。
〇つまみ
*三陸広田湾 牡蠣の蒸し物
*増毛のぼたんえび その味噌と殻のペースト乗せ
*富山湾のホタルイカ串焼き
*網走のきんきの蒸し物
*余市のあん肝
*あん肝と野菜のパテ
*イワシと香味野菜の海苔巻き
*あわびの肝のシャーベット
*子持ちやりいかの煮つけ
〇握り
*あおりいか
*石鯛
*鳥貝
*車海老
*春子
*白甘鯛
*鰹
*鮪ヅケ
*大トロ
*小肌
*鯵
*塩水雲丹
*鮑
*唐津 黒雲丹
*真蛸
*玉子
*超贅沢太巻き(追加 2000円?)
魚介出汁の稲庭うどん入りスープ
お椀
難波さんの素材に対するこだわりは半端ない。
例えば牡蠣は、生なら仙鳳趾や厚岸だが、軽く火を通すなら三陸の広田湾を用いる。その方が旨みが出るからと。
あん肝も、季節的に最盛期でない場合は、ごく中心の良い部分のみを用いる、なお、余った部分は香味野菜などを合わせてパテにしてます。
雲丹も、最上でないものは海苔(めっちゃ質が良い)を合わせてその力を借り、そうじゃないものは単独で握りにしたり(今回は塩水雲丹は海苔を合わせ、偶々この日に入った黒雲丹は単独で握りにしてた)。
穴子は、今の季節は良くないからとあえて使わなかったり。
前述の黒雲丹は、香りと甘みが驚くほど。今まで食べた雲丹の中でもトップクラスかも。
調理という意味でも、探求心が素晴らしい。
春子は、とてもふわっとしている。聞けば、〆ずに生のまま最後に軽く塩を振るためだそう。
そういうことをしているお寿司屋さんは、あまりないそう。
鯵も直前に捌き、酸化してない状態で出すため、香りがとても良い。
鮑の肝のシャーベットにも悶絶。単に蒸したものより濃厚で、磯の香りはあれど磯臭さがない。
蛸はとても柔らかく、一度冷凍して細胞を壊すことで柔らかくなるのだとか。
また、旨味を引き出すために魚を寝かせる技術も良くて、モノによって1週間とか。
白甘鯛は、奥からじんわり出て来る旨みが素晴らしかったですよ。
玉子は、プリンみたいで滑らかかつ濃厚な味。その上に海老の殻で香りを。芝海老を混ぜるのではなくて、こういう風にして香りをダイレクトに出し、かつ中に混ぜるより食感も良くなる。すごいなと。
また、鮑や蛸にはツメを塗りますが、それは鮑なら鮑、蛸なら蛸の出汁でツメを作る。
その手間は大変だと思うのですが、それを厭わない。
それと、タネの断面が素晴らしく滑らかなのも特徴。
包丁なのか技術なのか。
アオリイカは、その技術で細かく切られており、結果旨みがとても引き出されてる。
鮑は薄く切り、それを5枚使って握る。そのため、香りがありつつシャリとの一体感が出る。
あん肝の滑らかさも素晴らしくて、そのビロードのような舌触りにうっとりですよ。
素晴らしいです。
シャリは、酢と塩が強め。
タネによって、多少合う合わないがあります。
春子やマグロなどの種はすごく合ってましたが、アオリイカなんかには少し強い。
とはいえタネが良質で力強いので、全体としてみればまずまず(個人的にはもう少し穏やかなシャリ良いかも)
またタネとシャリの温度を、タネによって1℃単位で変えるのも特徴。
貝なんかは低めで、力強い鮪なんかは高めにして脂をとろけさす。
論理的です。
難波さんは、穏やかに話をする感じですが、気配りが素晴らしく、また食べ友さんとの話を的確に拾ってくれ、聞かなくても教えてくれたりする。
オーラはあるのですが、実に優しい。
どうしたら美味しくなるかを常に考えているそうで、そういう意味での探求心がほんとスゴイ。
他にも書いてる方がいますが、どこまで高みに上り詰めるのか、楽しみです。
ということで、今回も大満足。
ご馳走様でしたー。
三陸広田湾 牡蠣の蒸し物
増毛のぼたんえび その味噌と殻のペースト乗せ
富山湾のホタルイカ串焼き
網走のきんきの蒸し物
余市のあん肝
あん肝と野菜のパテ
イワシと香味野菜の海苔巻き
あわびの肝のシャーベット
子持ちやりいかの煮つけ
あおりいか
石鯛
鳥貝
車海老
春子
白甘鯛
鰹
鮪ヅケ
大トロ
小肌
鯵
塩水雲丹の海苔巻き
鮑
唐津 黒雲丹
魚介の出汁 稲庭うどん
煮蛸
玉子
超贅沢太巻き(追加)
2019/06/02 更新
年末も押し迫った頃、なんばさんに訪問。なんばさんの年内最終営業日でもありました。
今回もランチで。
コースは少し値上がりして、3万円(税別)。
当日の内容は、以下になります。
〇つまみ
*煮ダコ(佐島産)
*牡丹海老(増毛産) 味噌と殻のペースト乗せ
*釣りキンキ(網走産)の煮つけ
*あん肝
*いわしの巴巻き
*あん肝のパテ
*イクラソース掛け酢飯 カラスミ添え
*穴子焼きと胡瓜
*魚介出汁の吸い物
〇握り
*白烏賊(呼子) 3日寝かせ
*平目(淡路) 4日寝かせ
*クエ(千葉) 16日寝かせ
*サワラ(萩) 7日寝かせ
*車海老(宇部)
*北寄貝
*貝スープ 雲丹
*春子
*サバ(舞鶴)
*ブリ(富山) 11日寝かせ
*鰹(富山)
*赤身ヅケ(千葉)
*トロ(千葉)
*コハダ
*穴子(対馬)
*玉
今回も素晴らしかった。
素材の質は相変わらず良いし、その中でも良い部分だけを使うコダワリも素晴らしい。
また素材も、単に脂が乗ってるだけではなくて、身の旨みも考えて選んでる。
また旨味を引き出すために、水分をコントロールして熟成させる技術も、さらに向上してる感。
白身とか、噛むと奥からジワッと出て来る旨みが素晴らしいですよ。それでいて魚臭さはないし。
おつまみは、定番が並ぶ中にも新作が。
イクラを湯煎したものを裏ごししてソースにし、酢飯と合わせてさらに炙ったカラスミを添えたもの。魚卵を使った卵かけご飯的。なかなかに美味しい。
握りの途中では、貝の出汁に酢飯を入れ、さらにウニも入れたリゾット風なものまで。
貝出汁の旨みにウニの甘みが加わり、美味しかった。ウニも塩水ウニじゃないとダメだそう。こだわってます。
また、お吸い物は低温でじっくりと出汁をとっており、旨みはすごいのに魚臭さが全くないという。
握りに関しては、クエとサワラが良かった。
噛むと旨みがじんわりと広がる。
ぶりも良くて、血合いの部分を全て取っており、青魚臭さが全くない。
マグロは千葉産(山幸)で、難波さんに依れば津軽のものに比べ香りがやや薄いとのことですが、脂のシルキーさや柔らかさは素晴らしかった。
握り方自体も、エアリーな握りとしっかり握るのとを使い分けており、白いか握りのエアリーさとか素晴らしかった。
そんなこんなで今回も大満足。
ご馳走様でしたー。