Testarossaさんが投稿した初音鮨(東京/蒲田)の口コミ詳細

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食べるために生まれた

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初音鮨蒲田、蓮沼、京急蒲田/寿司

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2016/01 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

唯一無二の鮨

蒲田でとんでもない鮨に出逢ってしまった!

唯一無二。
世界に誇る日本の鮨は、ここにある。

年始早々、2016年のNo.1になりそうな予感^^;

店は、大将・中治氏と女将の二人で営業している。

大将は、演出家であり、演者であり、歌って踊れるエンターテイナーといえる。
軽快なトークで場を和ませ、愉快で楽しい空間を作り出す。
手品や映画を観る時は、事前に種明かしやネタバレがない方がいい。
ところが、中治劇の場合は、事前情報で想像していた以上の体験ができるため、思いっきり楽しむことができた。

女将は、場を静かに見守る。
鮨に最も合う酒を熟知しているため、おまかせで日本酒を選んでもらって間違いないだろう。
酒、ガリは、このタイミングで欲しい、という時に気付いてくれ、細部に渡った気配りがある。

大将と女将の掛け合いを見ていると、お互いに信頼を寄せ合い、愛があるんだなぁと感じた。

海外からの来客も多いようで、大将のジョークを交えた流暢な英語での接客は見事だった。

タネに至っては、厳選された最高の素材が提供される。
1番いいものを落札したところから、高値で買い取る、という一切妥協を許さないスタンスを貫いている。
実際に聞いた仕入れ値から計算すると、驚くべき減価率であり、驚異のCPを誇る。

大将は、変態的なまでの研究・研鑽を重ねた知識と、経験に裏付けられた包丁捌きの全てを、惜しげもなく披露してくれる。
温度と時間を巧みに操り、時間とともに変化していくシャリに応じて、その瞬間で一番美味いタネを合わせていく。
斬新で類い稀な調理法は、見ている人を全く飽きさせることなく、2時間半のストーリーは流れるように進んでいった。


【おまかせ】(21,600円)

全ての鮨が手渡しで提供される。
崩れやすい雲丹を手渡しする、という店はあるが、全てというのは初めてだ。

まずはシャリのみをいただく。
出来立てのため、人肌以上に熱い。
酢が強く硬めで、存在感がある。

この時から、時間の経過に伴って、シャリの温度が下がっていくのを意識し、感じることになる。
大将は、赤ちゃんから大人へ成長して落ち着いていき、いずれは年寄りになっていく、と比喩していた。
そんなことを聞かされながら、全体像が頭の中にインプットされる。


それぞれのタネは、調理前の素の状態でお披露目され、その都度、会場から感嘆の声が上がる。

■縞鰺
20日間寝かしている。
5秒間舌の上で寝かした後、噛むことを許される。
唾液が出ることによって、シャリの甘みが増幅するためだ。
少し斜め上を向いて、舌の上に乗せると、より効果的。
縞鰺の肌を舌で感じながら、口の中で馴染ませると、驚くべき一体感が得られる。

■赤貝

■〆鯖
熱い皿で温められた鯖から、脂がじんわりと滲み出る。
その脂をじっくりと堪能した。
酢はしみ過ぎていないため、甘みが強い。

■ガリ
角切りのガリ。
辛みが強くて、口直しに最適。


ここで、大間の鮪が登場!
魚体は実に149kgで、今週のチャンピオン鮪とのこと。
この後、室温で休ませながら、赤身、中トロ、大トロの「素」と「漬け」の食べ比べが始まる!


【赤身 食べ比べ】

■赤身
舌の上でタネを転がすと、艶かしく、しっとり。

■赤身漬け
湯引きした後に漬けている。
鮪は28度で育成するのが最適らしく、鮪が喜ぶという同じ28度に温めた醤油を使用している。
甘みが強く、どことなく舌に刺激があるように感じる。


もう、ここまで来たら、幸せがオーバーヒート!
あまりの感動に、食べている途中で泣きそうになっていた(笑)


【中トロ 食べ比べ】

■中トロ
骨のすぐ側のカッティング。
鼻から抜けていく芳醇な香り。
舌との一体感が強い。

■中トロ漬け
中トロを漬けるなんて、贅沢〜!
漬けによって、更に甘みが増す!


■生雲丹
葉が浮いたスペシャルな生雲丹!
いいものを仕入れていただいた^ ^
半熟状にするため、炙っている。
まるで舌先の神経が、研ぎ澄まされて繊細になったかのように、つぶつぶの1つ1つが感じられる。

■寒鰤
超巨大なカッティングのため、折りたたまれる。
普通〜トロの部分を横断的に含んでおり、過去に食べた寒鰤と、香りが全く違う。
甘みより醤油が強い。

■白子とアルバ産白トリュフ
反則的なコラボ!(笑)
白トリュフは削るのではなく、包丁でカットする。
噛む度に鼻から抜ける白トリュフの香りが、身体中に充満する感覚。
白子は口の中でとろけていく。
アルバ産の白トリュフは、私が今までに聞いた仕入れ値の最高額を更新!

■牡蠣
殻ごと蒸し焼き。
甘みと旨みが深く、味わいに奥行きがある。
海のミルクと言われていることもあり、最適と言われている母乳に近い温度で提供される。
先月訪問した「ボニュ」の来栖氏も温度へのこだわりが強く、彼ら二人に通じるものを感じた。

■毛蟹
まずは生きた毛蟹が登場!
かなりでか〜い!
しばらくして、蒸されて出てくる。

足の部分は使わずに、ハサミだけを使う、という非常に贅沢なこだわりようだ。

目の前で捌いてもらい、大将と女将で身をホジホジ。
次に何をするかと思ったら、シャリに蟹味噌を混ぜ始めた!

口に入れた瞬間、この上なくふわふわな蟹の身と、シャリと和えた蟹味噌の豊かな香りが絡み合う。
パーフェクト!!
何とも言えない充実感に、言葉が出なかった。
16貫あったので、これが2周食べられて幸せ〜!


【大トロ 食べ比べ】

ついに、十分に寝かした大トロが登場!

■大トロ
柔らかすぎ!
そして、繊維をしっかり感じる。

■大トロ炙り
大トロを炙るとは、なんて贅沢なんだ!
串に刺さってシュラスコ風に出てきたのには、驚いた(笑)
切られた姿は、まるでローストビーフのようだ。
塩気、香ばしさ、カリカリ感を感じ、大トロなのに極上の肉を食べているようだ。
熱によって、山葵の辛みが無力化されている。


終盤になると、シャリは巻物に適した温度になってくる。

■鉄火巻 全部乗せ
今まで出てきた鮪オールスターズの全部乗せ!
赤身、赤身漬け、中トロ、中トロ漬け、大トロ、大トロ炙り、なんて贅沢なんだ〜!
驚異の太さ!
手に乗せると、ズシリと重い。


そろそろ2回転目の時間の20時が近づいてきたため、ここからラストスパート!

■干瓢巻
手に持っただけで、海苔の香りがぶわっと主張してくる。
その香りだけで、いい海苔ということがわかる。
干瓢のほんのりとした甘さが心地よい。

■玉
作り置きの冷えた玉を出す店が多い中、出来立てで、ほわほわの温かさ。
これは正にカステラだ。
絶品!


【ドリンク】

■ビール
まずはビール。
こちらの鮨を最大限に楽しむためには、舌をあまり冷やさないように、最初から日本酒でもいいかもしれない。

■乾坤一 冬華
すっきりしてフルーティ。
どの鮨の邪魔もせず、すーっと身体に染みるように喉に吸い込まれていく。
大将のトークと食べることに精一杯で、この日本酒以外は、飲む暇がなかった(笑)


帰り道は、満腹にもかかわらず身体が軽かった。
まるで身体に鮨が吸収されて、一体化したようだった。

大将と女将の最高のおもてなしは、一生忘れることのない思い出になった。
生きているうちに、初音鮨に来られて良かった!
素晴らしい食の体験をありがとうございました!

最後に、このような素晴らしい店に出逢うことができたのは、情報を発信されているレビュアーのみなさんと、教えてくれた食友たちのおかげです。
心から、ありがとうございました!

  • 毛蟹と、蟹味噌を合わせたシャリ

  • 縞鰺

  • 赤貝

  • 〆鯖

  • ガリ

  • 大間鮪

  • 大間鮪

  • 牡蠣

  • 牡蠣

  • 赤身

  • 赤身漬け

  • 中トロ

  • 中トロ漬け

  • 雲丹

  • 雲丹

  • 寒鰤

  • 白子

  • 白子と白トリュフ

  • 毛蟹

  • 蟹味噌

  • 毛蟹と、蟹味噌を合わせたシャリ

  • 大トロ

  • 大トロ炙り

  • 鉄火巻 全部巻

  • 鉄火巻 全部巻

  • 干瓢巻

  • 乾坤一 冬華

  • 板場

  • 待合室

  • 待合室

  • 待合室

  • 看板

  • 入口

2019/01/03 更新

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