4回
2018/01 訪問
神宿る
目黒にある焼鳥屋。
休日のディナーで訪問。
目黒に住んで6年、近くて遠い鳥しきへ。
大将の池川氏が口を真一文字に結んで焼き場に立つ姿に、不動明王の化身かと見紛う神々しさを感じた。
【おまかせ】
■お新香
■さび焼き
口に含んだ瞬間、衝撃を受ける。
ゆっくりと沈み込む弾力、ささみそのものの持つ香り、素材の良さを引き出す塩の加減、グラデーションのような火入れ。
当店出身の亀戸「鳥さわ」、目黒「阿部」も素晴らしいが、当店は別格である。
■かしわ
肉の大きさが揃っており、頬張る時にまったく違和感がない。
■大根おろし
非常に甘い。
■砂肝
歯を入れるとシャクッと歯切れよく、噛み切る時の力加減が絶妙。
塩が砂肝の表面で溶けて、いい具合に肉をコーティングして包み込んでいる。
■うずら
ゆっくりと時間をかけて温められており、卵黄がとろんとして半熟状態に仕上がる。
手元の1粒はぶっくりと膨張。
■食道
蛇腹になって重なる。
まったりねっとりとして、舌の上で爽やかな余韻を残す。
良質な脂身。
■オクラ
オリーブオイルによって表面をカリッと焼いている。
輪切りになっているのに、汁が逃げずにしっかりジューシー。
■つくね
唇に触れた時のインパクトが優しい。
口に入れた時に最も美味いと感じる大きさが計算されている。
表面はほんのりと焦げを残して香ばしい。
軟骨の配合やカットの大きさが丁度よく、肉を引き立てながら自身の存在をアピールしている。
おとなしい塩気。
■せせり
ものすごい弾力で、噛むたびに肉汁が溢れてくる。
噛むのが楽しくなる。
■銀杏
クヌンと沈むような歯ごたえがある。
肉の平串に対して丸串を使う。
■軟骨
身と軟骨の一体感が強い。
軟骨は硬くなく適度に柔らかく、噛み切るのが容易。
どのような火入れをすると、このように仕上がるのか不思議でしょうがない。
レモン添え。
■レバー
舌と上顎で擦り合わせるだけで、濾したようにとろけていく。
■恥骨
骨と身が複雑に絡み合い、口の中で暴れる食感が楽しい。
脂の配合が絶妙。
■ハツモト
心臓とレバーをつないでいる部位。
細胞の密度が高く、噛んだ瞬間、キュッと音がする!
脂身があるのに弾力もあって、なおかつ柔らかい。
■椎茸
豊かな香り。
滴る汁。
■はつ
噛んだ瞬間のインパクトが強烈!
プリンプリンと言うより、ブリンブリン!
■ぼんじり
引き締まっていながら柔らかい。
全体が上質な脂でジューシー。
■エリンギ
■手羽先
当店のスペシャリテ!
超巨大な骨を手づかみし、かぶりつくようにして食べる。
火傷に注意だ。
身はしっかりと締まる。
驚くほど骨から剥がしやすい。
■膝
骨が全くない良質な筋肉。
■ちょうちん
なんと、レバー付き!
濃厚な卵黄と濃厚なレバーが絡み合う。
■じゃがバター
醤油が強く、バター感は少しだけ。
ブラックペッパーを利かせる。
■焼きおにぎり
弱火で3時間かけてじっくりと焼き上げた、まん丸い結晶。
鶏の脂と炭火だけで焼き続ける。
外側は水分が抜けて小さい米粒になって、カリッとしている。
内側は通常の米粒のままふっくら。
■鶏スープ
■ソリ
驚くべき弾力!
■親子丼
鶏の歯ごたえがすごい!
■お土産
そぼろ弁当。
弁当箱の中にこぼれんばかりに、みっちりと詰まる。
ご飯とご飯の間に海苔を敷いて、3層になっている。
ご飯茶碗に6杯分くらいのボリュームがある。
タレ、山椒付き。
【ドリンク】
■エビス生ビール
■Olivier Leflaive Chassagne-Montrachet 2015(ブルゴーニュ/アペラシオン)
シャルドネの白。
濃厚な甘みのインパクト。
■MAGELLAN ROUGE 2014(ラングドック・ルシヨン)
グルナッシュ、シラー、カリニャンの赤。
果実味が強くて甘めのミディアムボディ。
得難い食の体験に「食べるために生まれた」ことを実感するひとときだった。
鳥しきに焼鳥の神宿る。
2018/02/04 更新
目黒にある焼鳥屋。
休日のディナーで訪問。
ミシュラン一つ星。
3時間を超える幸せの連続。
【おまかせ】
出されるままを全て完食する。
ストップはしない。
■お新香
■大根おろし
■さびやき
■かしわ
■うずら
■食道
■砂肝
■獅子唐
■皮 レモン
ちょい焦げ。
■血肝
■銀杏
■つくね
■せせり
■手羽先の先の皮
■ぼんじり
■厚揚げ
■椎茸
■手羽先
■ソリ
■茄子
■膝まわり
白髪ねぎと胡麻油。
■そぼろ丼
■スープ
■おにぎり
私の知る限り、世界最高の焼きおにぎり。
【ドリンク】
■生ビール
■上喜元 純米酒(山形)
■鳳凰美田 純米酒(栃木)
■黒龍 純米吟醸(福井)
■ハイボール
私が行くときは全てのメニューを制覇するため、他の客は帰って貸切状態になる。
終電を気にせずに焼鳥に集中できる目黒在住のメリットを、これほどまでに実感することはない。