トダシュランさんが投稿したメイ(東京/五反田)の口コミ詳細

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メイ五反田、大崎広小路、大崎/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 3.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2025/06 訪問

  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

王道と革新は続く

五反田でフレンチと言えば?と問われるとヌキテパと共に肩を並べる当店。

オーナーの岩田シェフは、私のフレンチ魂を焚きつけた名店「モナリザ」にてスーシェフを務めたのち渡仏、これまた2つ星レストランや現地のビストロなどで研鑽を積まれ、ここ五反田に城を構えることに。


本日は連れのお誕生日祝いで予約。
始めは内緒で当店のスペシャリテであり、メニューに載る時期も限られる鳩(ハトです、ハト)がメインのガッツリコースをお願いしようと思ったのですが、
昼からそんなに皿数も費用も掛けられんなというのと、「ハ、ハトをこれから食べるのぉ……?」と変なオチになりかねないと思ったのでベーシックな8品のランチコースで折り合いをつける。
サプライズする側も結果がどっちに転ぶかわからず逆にこちらがヒヤヒヤするものである。

因みにこの時期は店名の通り周年シーズンであり、約1週間(だったかな?)限定の11周年コースにしました。
もうそろそろ星獲れるんちゃうかな。結論から言うととても素晴らしいランチでした。


ドアを開けるとすぐテーブルが2列、お行儀よく並ぶ小さなダイニングに直面します、教室みたいでちょっと遅刻しずらい。
着座後さっそくワインリストを拝借。24席というのによくもまあ揃えたなと思えるほど、ぎっしりボトルの名前がオンリスト。
ずらーっっと眺めましたが、二人だしそんなに飲まんやろと私は5杯のペアリング、スパークリングを飲まない連れはバイザグラスで臨みます。

因みにメニューには5杯と6杯のペアリングのみ書かれていますが、ソムリエと相談すればワインの杯数とそれに応じたお値段も調整いただけるようです。こういったフレキシビリティ、うれしい。


前置きが長くなりました。これからお料理のはじまりはじまり。


ペアリング1杯目はシャンパーニュでポンソンのプルミエクリュ。正午の鐘を鳴らす昼シャン、最高。
連れはブルゴーニュのプイィ・フュイッセ。日本語で書くとなんか可愛い。

一皿目はアミューズブーシュ、「一口のお楽しみ」です(といっても3つ出てきた)。
写真の左、白い砂浜にぶっ刺さっているのはパリパリサクサクのコルネ生地にとうもろこしのムースとキャビア。
わお、控えめなコースなのに追加料金無しでキャビアだ。ただ量が少ないのか塩味も控えめなのか上手く印象に残らず(ワガママスミマセン)。

正方形のプレートに鎮座している2種。紅く輝いているのはチーズと胡椒のサブレにジャガイモのピューレと金目鯛とビーツのタルタルを乗っけたもの、ディルをちょこんと。サブレに練り込まれたハード系チーズの風味がたまりません。そこにキンメタルタルの酸味も合わさり口の中が旨味の洪水となります。泡の消化が捗る。

銀のスプーンに載るのはアボカドのテリーヌにトマトのジュレにズワイガニのアメリケーヌソース。ほんのちょびっとなのにズワイガニのアミノ酸パンチが強烈。これまた自ずとシャンパーニュで口の中を洗い流すしかなく、つまり酒が止まらない。

早くもグラスが空いてしまったのですが、そこへソムリエがおもむろにシャンパーニュを注ぐ。
あ、2杯目やっちゃったかなー、、と懸念していましたが、このあともきっちり4杯出てきて、明細見ても追加料金ナシ。
マジかよあげぽようれたんまる。


思えば、過去に訪れた前掲のモナリザにおいても、丸の内でもお得なコースでさえデセールをフロマージュに変更いただけたし、恵比寿では「おや、ワイン余ってますね?えへへ♪」と言ってまさかのモンドール(訳すと金の山。ウォッシュチーズの王様)をしれっとひとさじいただき、「ワイン好きなんですねぇ、じゃこれも」と、とどめにソーテルヌの貴腐ワイン(しかもディケム!!)を1杯サービスしてくれました。

あ、やばいモナリザ行きたくなった予約しよ←
あの時のソムリエ元気かな。


ふぅ。二皿目のアミューズに移ります。
カツオの瞬間燻製に新玉ねぎのピューレの新玉そのものを敷き、紫キャベツとミョウガ、青じそを散らします。
前菜で日本料理のベクトルに舵を切る。写真に写ってはいませんがガラスの蓋がされた状態でサーブされ、開けると燻製の煙がフンワリ浦島太郎。
専用のスプーンでカチャカチャ(失礼)かきまぜパクリ。カツオの鉄を感じる旨味と酸、新玉ねぎの甘味が綯い交ぜとなり、そこに各薬味の芳香と薫香が纏う。うまい。秒で脳内がパリから東京へ引き戻されますがそれでもシャンパーニュとナイスマッチする不思議。


パンはシンプルなリーン系で至って普通。あとから続く料理たちのソースを拭うのには重宝しました。
バターは岩塩?か塩が振られてキラキラオシャレ。オリーブオイルは適度にポリフェノールの渋みがあり良き。


ペアリング2杯目はブルゴーニュ、わお、バターフィールドだ。

対峙するのは三皿目のアントレ・フロワード、ホワイトアスパラガスのムースと帆立。
そこに様々な食材を散らしお花畑を演出します。コンソメにエンドウ、エシャロット、食用菊、スイスチャード、クルトン、パルミジャーノのパリパリ。どうだこの記憶力!
但し先の一口のお楽しみ達やカツオに続き、少量多種の素材を組み合わせまくるきらいがあり、ここまで続くと「はて、今何を食べているのだろう?」と味覚がバグります。
ホワイトアスパラはソテーに、帆立はバリっと炙って直球勝負がいいなとボヤきかけましたが、しょせん私の舌は5歳児のままなのである。


連れのワイングラスが空き、美味しかったそうなので同じのおかわり、と告げたのですがソムリエが持ってきたのはグラスワインでメニューに載っていないジェラルディーヌ・ルイーズ。
「同じものだと飽きませんか?ちょっとだけいいのを」ニヤリと微笑むソムリエ。
ひとくち貰いましたが、同じブルゴーニュのシャルドネ100%でも先ほどよりも深みがあり、別人。
しかも最初の1敗目と同料金。恐るべしモナリザ界隈。

私のペアリング3杯目は、おや、お魚料理を前にして一足早めの赤。しかも産地は北海道の岩見沢。
国内ワインはまだまだ詳しくなくお恥ずかしいですが、なんでもツヴァイゲルト・レーベという舌を噛みそうなオーストリアの黒ブドウ品種を岩見沢市内のクラフトワイナリーで醸造した、少量生産モノとのこと。
あかん情報量多すぎてワイの頭がついてこれまへん

お先に少し口に含むとワオ!めっちゃスパイシーでとってもベリー系。それでいてどっしりもしておらず、ワイン初心者でもわかるくらいシラーより教科書通りなシラーっぽいニュアンス(シラーじゃないけど)。


当の黒ブドウスパイシーワインに合わせる四皿目のポワソン、お魚料理はカサゴ。
ザックリと揚げて、グリーンピースのソースに浮かべ、白ウド、さやえんどう、食べられるお花(忘れた)を添え、ミルクの泡々を浮かばせます。食べる春の海が目の前に広がる。

ひとくち食べてひとくち飲む、ぐおーなんだこれ本日一番のお皿でした。
淡白なカサゴはムニエルでもフリットでもない感じ。そこに濃くも爽快なグリーンピースが混ざり合う。十分に味わったあと、これまた風味(の種類)豊かなツヴァイゲルト・レーベが第2のソースのように振る舞い喉へ去っていく。

それに白ウドもいい、ソースもワインも程よく濃厚なので時折ウドの山菜らしいポジティブなエグみでリセット。初夏を過ぎ夏に移りゆこうとする春はラストダンスを舞う。

赤ワインに合う魚料理や逆も然りというわざとド定番を外すケース、あるじゃないですか。
本件はそのグラデーションのど真ん中ズバリと突いてくる。
あーなんだやっぱりフランス料理っておもしろいなーそろそろ酔っぱらってきたぞ。
※この文章を書いてるときはシラフです


魚料理も終わり、メインディッシュのためにお互いともワインは赤に移る。
連れのグラスはミシェルグロのモノポールでブルゴーニュを貫いてもらい、良いワインは続く。
こちらのペアリング4杯目は同じくミシェルさんのシャンポールミュジニー。まさかの同じ生産者コンビ。
どストレート150kmのブルからスローカーブの国産赤も臆せず投げストライクを奪うソムリエ、相当なワイン好きに間違いない。
からのシェフもこのマリアージュに応えているわけだから、この二人はほんとにベストバッテリー。

パンもソース要員で少し残していたのですが、ここでリリーフ・ミルクパンが登板。
おおー、連れも大好きなミルクパン。以前の口コミを見て、出てくるかなぁとソワソワしていましたが結果的にお互い恵比須顔。
それも、結婚披露宴でよく出るあまーいやつではなく、ミルク感さっぱりめで後の肉料理のジュと赤ワインのソースと一緒に食べればソースに仄かな乳感が加わり、最初のフランスパンよりもこれはこれで1つの料理になる。

パンのプレゼンテーションですら、してやられた。いま我々はシェフの手のひらで転がされているのだ。


そろそろ書き疲れてきた、だが書きます。
素晴らしい食事には物語があるんだ。ショー・マスト・ゴー・オン。

さあ来た、メインのプラット!牛フィレ肉の豚肉のええ部位巻き(名前忘れた)。ヤングコーン。
もう間違いないですね、ギュチッと嚙み締められる牛フィレは脂の重みなく、巻かれた豚肉によって閉じ込められた肉汁が噛むたびにじゅっわじゅわとあふれ出る。
(旨くて堪らなくて思い止まらず"N・I・K・U・J・U"と書こうと思ったけどダサいからやめた、書いたけど)

口内を肉のうま味で官能的に満たされた上で流し込むミュジニー。

つけ合わせはジロール茸のソテー・ピクルスにアスパラガスの原型、アスパラソバージュ。未知の食材ばかり。きのこのピクルスが口直しにいい。
フランス料理人は常に新しい境地を開拓する余り、こちらも初めて知る食材と向き合い、含蓄を得る。

メニュー表に牛フィレと併記していたヤングコーンは、あらグリルしただけと思いきやグラタン仕様で皮ごとお隣に鎮座まします。
これも旨い、ぽくぽくとしたコーンに童心ながらペシャメルソースとチーズがこっくり合う。

いや当店がすごいのはこれらの複雑なメニューを毎月考えていること。
はぁ、脱帽しすぎて禿げそう。


と、余韻に浸っていたころにグラスが取り替えられ、忘れていたペアリング最後の1杯(コンドリューアルビュエル、もうダメ)が注がれる。
あれ食事はもう終わりなんじゃ、と思っていましたが「メインのもう一品がこちらです」と。

そうでした。
当店のメインは「クラシックとモダンの2皿で」というコンセプトが矜持であり、今回はさすがにないだろうと括っていましたが、漏れなく出てきましたあああありがとうございますヤッタネ!

最後の最後のお料理は同じく牛フィレ肉の中華風バーガー。
牛フィレ肉をコッテリタレ(何系か思い出せず)に絡め、タケノコと合わせて中華パオズに挟みます。
ですがこれがアミューズの如き小さくて、且つ酔いの勢いもあってひとくちでパクついてしまった大失態。。ワインとも合う味覚と記憶はありますが、これは私が悪いのです。
でもこのバーガー仕様はモナリザ(しつこい)のアミュブでも出てくるので踏襲しているのかたまたまなのか。これは毎月通うしかない。


料理に満足し、お互い忘れていたころに(なんだかんだ入店から2時間以上経っている)お誕生日ケーキ。デザートと一緒にしないサービスもいいなあ。利益はどこかしらでちゃんと取ってくださいね。


そしてデセール。今回はマンゴーとメロン、なんとパフェで出てくる。
底からフランボワーズのソース、ショコラムースとクレームブリュレ、フレッシュメロンにマンゴー、シフォンケーキと、、だめだ複雑すぎてもう覚えてない。ただ美味い。


ラストランは大好きパリブレスト(輪っかのシュー生地。挟まっていたはオレンジにビターチョコレートクリーム)。
ミニャルディーズひとつだけといっても、そこに一球入魂の仕事の込みよう。前のパフェもそうだし当店のパティシエ、シェフ、ソムリエはほんとに職人。を通り越してエンターテイナー。

折り目正しくエスプレッソでキリッとおめざ。ごちそうさまでした!


大事なことだから二回言うけど、とても素晴らしいフレンチでした。
メインだけでなく、コースを通じて、古きと新しきを演出し、しかもそれぞれが漏れなく美味しい。

クラシックとモダン、王道と革新。
フレンチは姿を変えつつも温故知新のごとく歴史を巻き戻すような料理、宇宙?曼荼羅?あー、表現が難しい、それだけ考えさせられ、思慮深くなるもの思いました。何いってんだこいつ。


最後には岩田シェフご本人が各卓を廻りご挨拶。
お名刺もいただき、来月のメイン(金華豚!)も伺いつつ、今日のメニューや諸々について軽く話して今日の宴はおひらき。

ただ今後はやっぱり貴店での鳩が食べたいな、と申し出ると当面はなくまた時期が来たらとのこと。
そうですよね、きっちりシーズンのフランス産の鳩様をいただけるので、シーズンごとのメニューや頃合いを見ます、退店とともに満たされた満足感と未来へと高まるエナジー。


……うん、次は食べるぞ!!鳩が食べたい!食べたいよー絶対食べたい食べたい食べたいポッポー

  • 本日の演目、メニュー

  • ワインの質は間違いない

  • 昼シャンで今日のゴングを鳴らす

  • 今回のアミューズブーシュたち。泡が止まらん

  • カツオの瞬間燻製。ジャポネフランセーズ

  • 鉄分感じるカツオの肉々しさに新玉ねぎの甘さと薬味。

  • ザ・ブルゴ。

  • パン一発目はいい意味で個性無し。なんでも合う

  • バターもOOも良い引き立て役

  • 白アスパラムースに帆立のお花畑

  • 実際はもう味覚のジャングルで個々別には楽しめんごめん

  • ブルゴーニュ。

  • 苫小牧岩見沢。

  • 赤ワインに合うポワソン

  • 5月31日。春のラストダンス

  • ミシェルクロその一

  • 大人なパン俺

  • ミシェルクロその二

  • 今回の真打、牛フィレとヤングコーン

  • 豚肉に拘束されたフィレの肉汁なんて、とんでもなくうまいっしょ

  • あ、ヤングコーンもペシャメルソースに拘束されてました、てへぺろ

  • 忘れたことにコンドラール

  • 革新の一突き。もうちょっと食べたかった

  • 革新を俯瞰から

  • バーガーメイ。

  • ハピバの一皿

  • ハピバ別アングル

  • パフェも出てきます。抜かりない。

  • メロンとマンゴーおいしーい(ここら辺ボキャブラリがない)

  • 改めて誕生日おめでとう

  • 楽しい食宴もいつかは幕を下ろす

  • パリブレスト。思わずこれ大好きと言ってしまう

  • 〆のエスプレッソで覚醒。スーパー旨かったです。

2025/06/04 更新

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