25回
2021/12 訪問
濃密な食前酒
かなりのペースで伺っていますが、1回しかレビューをアップしていません。
このレビューも既に私のワインに対する感覚とは一致しませんが、この時点でこう感じていたというものです。
ワインの余りにも深い世界を知り始めて、人生が狂いそうです。
まあ、家で凄いものを飲もうとせずに、こちらのお店で感動を味わい続ければ良いのでしょう。
上質なワインの味を覚えてしまうと人生が変わってしまいます。
食事の前に伺いました。
こちらのお店のワインはお腹がいっぱい、お酒もしっかり飲んだ、という状態で頂くにはあまりにも勿体ないので、食前酒を頂くのがおすすめです。
いつも美味しいワインを出して頂けますが、今日は特にSSS級ばかりでびっくりしました。
こちらのお店では常連に対しては、何杯飲まれますか?これから何を召し上がりますか?と聞かれます。
個々の状況に合わせて中島さんが提供するものを選んでくれるのです。
そのようなお任せで出してもらうと素晴らしい時間を過ごすことが出来ます。
今宵は中島さんが良いのばかり出しましたと仰いましたが、いつも良いですとお応えしました。
ただ、なるほど特に凄いなと感じました。
ちょっとずつを何杯か頂きましたが、特に2杯目のシャンパーニュには痺れました。
サー・ウィンストン・チャーチル、、、。
写真をご覧下さい。
シャンパーニュも白も本当に凄いものは、グラスに注いで暫くしてから少し温度が上がると香りと旨味が増します。
開くというのは赤だけの話ではないのです。
深い味わいのシャンパーニュ。
家でも、外食でもよくシャンパーニュを飲みますが、ちょっと次元が違います。
ひねていない熟成感が半端ないです。
そして、腰が抜けそうになったのは、私が最後に頂いた赤。
妻は更にもう1杯飲んでいましたが、いや、これはなんとも表現の仕様がありません。
香りも素晴らしいですが、旨味が綺麗で深く、ワインの素晴らしい世界が奥の奥まで広がっていくのを感じます。
ソムリエなら上手い表現をするのでしょうが、どんなに説明をされても、これは飲まないと想像もつきません。
多分、普通のワインバーで1杯飲んだら、2〜3万円だと思います。
高いワインを良い状態で飲めば、ここまでの凄みがあるということです。
ただ、困ったことが一つ。
シャンパーニュも白も同じですが、特に赤に関しては、家で飲んでも、他の店で飲んでも、美味しいと感じなくなってしまいました。
鮨でも何でもそうですが、ワインも新しい異次元ステージに入ってしまうと、普段飲むものが全て美味しくなく感じてしまいます。
まあ、勿論、それはそれとして飲むのですが、、、不味いと顔をしかめるものでなければ。
2022/01/28 更新
2021/10 訪問
何故レビューをあげなかったのか?
この1年で6、7回伺っていますが、あえてレビューあげていませんでした。
決定的な理由があります。
私にはこのお店について語る資格がないと思っているからです。
今も同じ気持ちです。
何故資格がないのか?
ワインのことが全く分かっていないからです。
例えば、ボルドーとブルゴーニュ。
ワイン通の方は、日本人はボルドーが好きだがブルゴーニュの方が本当は美味しいと仰います。
ボルドーだろうがブルゴーニュだろうが、美味しいものは美味しいし、不味いものは不味いと思っているので、いわゆるワイン通の方が仰ることに納得できません。
高級クラブでオーパスワンを開けて喜ぶ方がおられます。
確かに美味しいワインだと思いますが、大金を払ってオーパスワン、オーパスワンと騒ぐことに違和感を感じます。
ワインショップで買っても3万円くらいしますからね。
自分の生活レベルからすれば安いものではありませんし、そこまでの価値を感じません。
食べ物でも飲み物でも私の美味しい、不味いの判断の基準はまず、変な雑味がないか?嫌な風味がないか?口の中に不快になるような感覚が残らないか?です。
逆に言えば、それがなければ、とりあえず、不味くないとなります。
後は、外食でも家でもコストの問題が出てきて、そこから初めてその先のより高い次元の判断をすることになります。
美味しくても3万円のワインを家でデイリーで飲むことは無いのです。
3000円前後、少し贅沢して5、6000円です。
日本酒だと、私だけでなく多くの業界人が日本一と言う鍋島は、特別なものを除き、一升瓶で7000円未満です。
日本一の日本酒は、世界一。
世界一の飲み物が、妻と1回の食事で2000円ちょっとのコストです。
3合ちょっとくらいしか飲みませんからね。
それを考えると廉価なワインでも3000円くらいのコストがかかり、ブショネもあるような飲み物には興味が湧くはずがありません。
妻が好きなので、私は、週に2、3回ワインを飲みますし、何種類かのワインを店や家に置いていますが、ワインにはブショネがあり、日本酒よりも劣化している確率が高いので、興味が持てません。
オークションで何百万円もするワインが取引きされていますが、ブショネだったらどうするんだろうかといつも思います。
転売すれば、利益になるし、ブショネのリスクを回避できますが、実際に飲むとなると大変なリスクがあります。
とにかく、ワインは同じものでも、ブショネもあれば、劣化もあり、年によってかなり味が異なりますし、樽による個体差もあり、防腐剤が入っており、基本的にはシャプタリザシオン(補糖)をしますし、スパークリングはドサージュもあります。
個人的には、ワインとチーズなどとのマリアージュには拘りますが、味が安定しておらず、いじくり過ぎているイメージがあるので興味が無いのです。
興味もなく、真髄も知らない人間が、レビューを書くこと自体が失礼であり、書いたとしてもまともなことが書けるはずがないと思っているからです。
高校生の頃読んだ古文の文章がずっと頭に残っています。
ある人が、私の和歌をあいつが批評するのは納得するが、漢詩を批評するのは許せないと激怒する話です。
すいません、和歌と漢詩は逆だったかも知れませんが、要するに自分とあいつでは和歌に関しては私が劣っている、しかし、漢詩は私の方がずっと優れている、漢詩において劣っている奴が私の漢詩を批評することが無礼極まりないと言うのです。
心の狭い人の話ですが、人の心というものは大昔から同じだなと思いました。
ただ、客観的には正しい面もあります。
優れた漢詩を詠めない人間に、優れた漢詩を詠む人の批評など論理的にできないはずです。
違う話ですが、高校生の時に、例えば、東大や早稲田や慶應を目指している生徒に、それらの大学よりもはるかに難易度が低い大学を卒業した教師が勉強を教えるのは根本的な矛盾があるのではとずっと思っていて、一切高校の授業は聞いていませんでした。
授業中は、授業とは全く関係ないことを3年間考えていました。
大学受験など、所詮、自分が必要なことを考えて、合格できるように自分自身の勉強方法や生活リズムをカスタマイズして努力するものであって、志望校よりも難易度の低い大学のための勉強しかしてこなかった人間に勉強を教わるなどということは根本的に論理矛盾しているから、無駄なのです。
まあ、いずれにしてもワインにそれほど興味がなく、知識も経験もない者にあーだの、こーだの言う資格もなければ、能力も何もないのです。
東大受験の失敗者が、合格した人に東大合格のための勉強方法を教えるのと同じです。
では何故今回レビューをアップしたのか?
最初のきっかけはアーモンド香のするシャンパーニュを飲んだ時です。
シャンパーニュは上手く熟成するとなんとも言えない香ばしい香りがするのだと感動したのです。
その日は、他の方とお店にいましたので、早速翌日、妻にアーモンド香のするシャンパーニュを飲ませたくて、初めてこちらのお店に連れてきました。
それから、少しはワインに興味が出て、ある日、とても美味しいブルゴーニュの赤を飲んだ時に、なるほどこれがワインの奥深い部分かと初めて思いました。
所謂ワイン通の方が仰る「薄くて旨い」という味はこれかと思ったのです。
わかりやすい葡萄の旨味は本当のワインの魅力とは異なるということなのでしょう。
表現がわかりにくくなりますが、あえて言えば、出し汁のようなワインの旨味が口の中に広がり、残る感じです。
ワイン通が、ブルゴーニュ、ブルゴーニュという意味が初めて理解できました。
勿論、ブルゴーニュでも不味いものはあるでしょうが、本物を飲んで初めてその魅力が分かったのでした。
それでもワインのことなど分かりませんので、レビューをあげるつもりはなかったのですが、この日、他のお客がおらず、妻と私だけだったので、中島さんが、ワインについての色々な話をしてくださり、かなりの種類のワインも飲み、ある意味、私のワインに対するわだかまりが解けたので、レビューを書かせて貰いたいと思いました。
ちゃんとした状態の本物を飲めば、ワインの奥深い世界が目の前に広がっていきます。
その世界を見たい方には、是非こちらのお店にいらっしゃって頂きたいと感じたので、レビューをあげさせて貰いました。
所謂、ワイン通と自負される方にはお勧めしません。
もしかしたらこのお店の凄みを逆に味わせて貰えないのかも知れません。
当然のことですが、泥酔した方も勿論いらっしゃらない方が良いでしょう。
ある方がこちらのお店は高いと仰っていましたが、真逆です。
価格というものは、提供されるもののクオリティで決定されます。
酷い食材やおいしいふりをしている飲み物を出す割には価格設定が高いお店は山ほどあります。
値段が高級で色々な意味でクオリティが低級な店です。
需要と供給でそのような劣悪な商売が成り立つから存在しています。
こちらのお店は、クオリティからしたら、激安です。
チーズなども本当に美味くてそのワインに合うもの出して下さいます。
中島さんは、万単位の数のワインをお持ちとのことで、生きている間に全てお出しするのは難しいかもと仰っていたので、料金設定を安くして、本物をより多くの方々に知って貰いたいとお考えなのかも知れません。
私や妻にはそのような思いがハッキリと伝わってきました。
その意味では中山城助と同じ思いをお持ちなのでしょう。
中山城助は、誰も理解してくれないと常に嘆いていますが、中島さんも同じ思いをされておられるのでしょうね。
所謂、ワイン通の方には楽しめないお店なのかも知れませんね。
くだらない私の人生の後半に、ワインの奥深い世界という新しい幸せを与えてくださいました。
ありがとうございます。
これからも宜しくお願い致します。
2022/04/30 更新
2020/10 訪問
初めて妻を
懐かしいレビューが見つかったのでアップさせて頂きます。
少し前にアップさせて頂いたレビューの翌日、初めて妻をリシュリュゥに連れていきました。
アーモンド香のするシャンパーニュというものを経験させたかったからです。
ドゥラモット ブリュット
ブラン ド ブラン ミレジメ
ブラン・ド・ブランを飲ませて頂いていますね。
素晴らしいアーモンド香と深くて優しい旨味。
妻も驚いていました。
このような素晴らしいシャンパーニュが飲めるからでしょうか?
リシュリュゥにいらしてことがないけれども、名前は知っているという方は、あー、シャンパーニュのお店ですねと仰います。
最初のオーナーはシャンパーニュに拘る方だったのでそのような印象になっているのか?
シャンパーニュのインパクトが凄いので、そんな話になっているのか?
リシュリュゥの魅力は、泡も白も赤も等しくあると私は思っているのですが。
ギィ・ラルマンディエ キュヴェ・シーニュ・フランソワ ヴィエイユ・ヴィーニュ ブラン・ド・ブラン
ブランドブラン、シャルドネの名手のシャンパーニュ。
ええもん飲ませて貰ってますなあ。
この頃はまだシャンパーニュの美味しさに驚いていた頃です。
シャンパーニュって深い旨味や香りがあるんだなあと。
2023/12/28 更新
2020/10 訪問
アーモンド香
下書きのままのかなり前のレビューですが、私がワインに目覚めるきっかけとなった時のものなので、アップさせて頂きます。
ちょうど3年前のようですね。
この日も何杯かシャンパーニュを頂いたのですが、初めてアーモンド香というものを経験して驚きました。
シャンパーニュ
ドゥラモット2008
高いシャンパーニュは美味しいと思ってはいましたが、ここまで奥深いものと知らなかったのです。
熟成された素晴らしいシャンパーニュだけから感じるこの独特の香りは私にとってとても心地良いものでした。
ドゥラモットは1760年創業のシャンパーニュ・メゾン。
創業者フランソワ・ドゥラモットの長男ニコラ・ルイはマルタ騎士団のシュヴァリエ(騎士)で、1824年にアルトワ伯シャルル・フィリップが国王シャルル10世として即位した際には、商事裁判所長官として参列し、レジオン・ドヌール勲章を受けています。
ドゥラモットは、拠点をシャンパーニュ、コート・デ・ブランのグラン・クリュのひとつ、ル・メニル・シュール・オジェ村に置き、あの幻のシャンパーニュ、「サロン」の姉妹メゾンという位置づけを担っています。
「サロン」は単一品種、単一クリュ、単一収穫年のシャンパーニュのみを生産し、この100年間にリリースされたのはわずか30数ヴィンテージにすぎず、「サロン」が造られない年、そのブドウはこのドゥラモットのために使われています。
そのようなシャンパーニュが熟成されて時に醸し出す香りや深い味わいにはもう感動しかなく、次の日に妻を連れて行ったのでした。
この時から、私はワイン、いや、リシュリュゥというワインバーにハマりだしたのでした。
2023/11/08 更新
昨年末のレビューなので少し古いです。
しかも、この日から4日後のレビューを前回先にあげてしまいました。
こちらのお店もかなりリピート率が高くなっているので、死ぬほどレビューが溜まっています。
初めて伺った時のものは下書きに何も書いてありませんので、2020年のいくつかのレビューは一生アップすることが出来ずに終わるでしょう。
本日はシャルドネのお勉強です。
シャンパーニュ、白、赤といつもの感じです。
ワインに詳しい方は写真をご覧になって、どんなワインだったかご確認下さい。
ワインの名前が全然覚えられないのです。
私はかなり前にもチーズを頂いたことがありますが、妻はこの日が初めてだったかも知れません。
ワインに関しては、それぞれ個性がかなり違っていても美味しいとしか言いようがありませんが、実はチーズもかなりハイクオリティです。
家では週に2、3回はワインを飲むので、当然チーズもそれなりにクオリティの高い物を買います。
しかし、リシュリュゥで出されるようなチーズは食べられません。
同じチーズを同じお店で買っても駄目なのです。
理由は、中島さんがこの部分のこれくらいの熟成と細かく指定して買われるからです。
私も同じことをしたいのですが、買う量が多いわけでなく、流石にそこまでのことは言えません。
あるチーズ屋の方が、中島さんは同じチーズでも会社が違うとすぐ分かると驚いておられました。
妻も驚いていましたが、中島さんなら当然わかるでしょう。
ワインは当然としても、チーズにもこれほどまでに拘っておられるのですから私は驚きませんでした。
そして、これを申し上げるとまた袋叩きにあいますが、私も中島さんと同じ立場だったら分かると思います。
クオリティの高いチーズは、同じ種類でも生産者や会社によってかなり味が違います。
ただ、熟成の度合いによって、全く同じチーズでも1日違えばかなり味が変わるので、同じチーズを買い続けて、そのチーズの熟成による変化を全て知っていないとわからないと思います。
ご興味のある方は青カビのロックフォールを生産者を変えて3種類食べ比べをされれば分かると思います。
熟成度でも味が変わるのでやや難しいかも知れませんが、赤ワインとのマリアージュも含めて比較されるとわかり易いと思います。
ジュヴレシャンベルタンなどのブルゴーニュの赤には合わないので、旨味が強いボルドーの赤などで試すと良いかも知れません。
ブルゴーニュの赤がお好きな方はウォッシュチーズで試されるのが良いでしょう。
但し、一番重要なことは、それぞれのワイン、それぞれのチーズ、全て個別具体的に異なると言うことです。
今、このレビューを書いている途中でブルゴーニュの赤にウォッシュチーズを合わせていますが、中々ピタッとはいきません。
いずれにしてもリシュリュゥのチーズは常にベストに近いものが出てきます。
年の初めに今日の○○は年始なのでちょっと弱いと仰ったものがありましたが、それでも私が普段買うものよりは美味しかったです。
とにかく、ワインもチーズも徹底して拘り抜いておられます。
ナポリを見てから死ね。
日光を見ずして結構と言うな。
リシュリュゥを知らずにワインとチーズを語るな。
まあ、東京には恐ろしい値段のワインバーがありますから、ワインに関しては値段もクオリティも天井知らずですが、少なくても神戸界隈ではそのように思います。
勿論、中島さんは、超高級ワインもいっぱいお持ちなので、例えば、300万円で泡と赤と白とデザートワインをとリクエストしたら、凄いワインをリーズナブルな価格で提供して下さるようです。
実際にそのような常連の方もおられるようなのです。
私には無理なので、セレブの方、是非ご相伴にあずからせて下さい。
飲み慣れていないワインを飲んでも、私にはその価値は分からないと思いますが、、、、。