31回
2022/04 訪問
食材と味付けに関する大いなる誤解
友人と妻と3名で伺いました。
城助に3人で伺うはずだったのですが手違いがあったようで入れず、なんとかをバールチッチャに入れないかと思い伺いました。
少し待てば入れるということで数十分待つと幸運にも入れました。
予約無しにも関わらず、いつもの石窯の前の席に座れました。
常連の方々の間ではアリーナ席と言われているようですが、私はこちらの席以外で食べたことはありません。
いつものようにカスタマイズして頂いた前菜からのスタートです。
ワインは勿論お任せのペアリングです。
料理というものは食材の良さを最大限に引き出す芸術的な技術だと私は思っています。
ところが世間の大勢はそのような考えではないようです。
料理とは、肉や魚や野菜に対する味付け、食感を良くするものというイメージがあるようです。
まあ、いちいち食材に拘っていられない家庭での料理はある意味そのようなものかも知れません。
我が家では家での料理にもある程度食材のクオリティに拘りますが、まあうちは異常なので普通はそうでしょう。
しかし、飲食店で提供される料理はそのようなものであっては困るのです。
美味しい味付けにしていたら、それで美味しいのだから何倍もの値段がするハイクオリティ食材を使う意味があるのかという疑問を持つ方もおられるようです。
逆なのですね。
城助や青木さんや中村さんがやられておられることは。
先ずはハイクオリティ或いはトップオブトップの食材があり、その素晴らしい潜在能力をいかに最大限まで引き出すか。
それが高級店の料理です。
他に頂いたものは写真をご覧下さい。
最近はなるべく写真を撮るようにしていますが、あくまで美味しいものを美味しく食べたいだけなので、途中で撮るのを忘れます。
何を楽しみに飲食店に行くのかという話です。
人それぞれでしょう。
2022/11/18 更新
2022/04 訪問
アフター城助2
結構2022年訪問のレビューが下書きになっているので、少しずつアップさせて頂きます。
オーバーランです。
城助でしっかり食べて飲んだ後に友人と城助常連の方と3人で伺ってしまいました。
妻から厳禁されているオーバーランハシゴなので、当然写真は撮れていません。
予約困難店になってきた今はこのような伺い方は出来ません。
流石に前菜はお願いしませんでしたが、ピッツァとパスタを食べながら、ワインをたらふく飲んでしまいました。
ご一緒した友人も2022年から、かなりバールチッチャに通い詰めたようです。
料理やワインが美味しいのですからリピーターが元々多いのは当然のことですが、2022年の後半から勢いが凄いです。
以前からのヘビーリピーターの方は、食材のクオリティがますます高くなり、進化していることを実感しておられると思います。
また、最近のヘビーリピーターの方はやはり中村さんのお人柄に惹かれていることもあると思います。
特に石窯前のアリーナ席と言われている席は、中村さんとの会話というご馳走が加わるので、また行きたいという気持ちが強くなるのだと思います。
このレビュー内容は2022年のものですが、2023年はいよいよ予約が難しいお店になるでしょう。
また、これからいらっしゃる方はワインはお任せにすることをお薦めします。
自然派がお嫌いな方でなければ楽しんで頂けると思います。
2023/02/25 更新
2022/04 訪問
アフター城助
バールチッチャはバールですので、以前はワインを頂くだけで伺うことができました。
今はかなりお忙しいので無理かも知れません。
城助でしっかり食べて飲んだ後に、その日はたまたま入れそうな雰囲気だったので階段を上って扉を開けると中村さんがおられました。
飲みだけでも大丈夫と中村さんが仰ってくれたので美味しいワインを数杯頂きました。
色々な話をしてとても楽しかったです。
中村さんの料理人としての矜持。
志しを持って真摯に努力し続ける人の姿を見続けることができる幸せ。
私は安易に応援しますという発言が嫌いです。
口だけの応援。
応援するとまで発言するのであれば、その人に対して時間とお金を使い、精神的、物理的にプラスの何かを与えなければ、応援などと上から目線の不遜な言葉は言えないというのが私の独善的な考えです。
料理人としての姿を見せて頂けることに感謝するのみで、応援させて頂くとか、伸びしろがあるとかなどとは口が裂けても言えません。
2022/12/17 更新
2022/03 訪問
シャプタリザシオン
最新のレビューを続けてアップさせて頂いていますが、溜まっている今年の誕生日以降のレビューを順番にアップさせて頂きます。
最初はフランチャコルタです。
とても美味しいです。
フランチャコルタは、フランスのシャンパーニュよりも厳しい条件で作られていて、シャプタリザシオン(加糖)が無いか、ほとんど無いというスパークリングワインです。
クオリティが高い割にはシャンパーニュほどネームバリューがないので、中途半端なシャンパーニュよりも遥かに美味しくて、かなり安いということで、コスパが素晴らしいワインです。
イタリアンブランドのパーティーなどで出されており、私はGUCCIのパーティーで出されている銘柄を仕事で使っています。
最近は、リシュリュゥでハイクオリティなシャンパーニュばかり飲ませて頂いていますが、やはりフランチャコルタは本当に美味しいです。
まあ、フランチャコルタにも色々なものがありますが、これまでの経験ではどれを飲んでも美味しいですし、コスパが素晴らしいです。
いつもの前菜盛り合わせ。
中村さんにお願いしていつもある程度カスタマイズして頂いています。
美味しいとしか申し上げようがありません。
もはや絶対に食べずにいられないスダチ牛の熟成カルパッチョ。
抜群です。
この日のレビューよりも最近は更に牛肉のクオリティが高くなっているので進化しています。
牛肉の脂が苦手でほとんど食べられない私がこの牛肉本来の美味しさが引き出されているカルパッチョは喜んで頂きます。
牛肉の脂の美味しさではなく、熟成することによって醸し出される牛肉本来の旨味が凝縮されています。
サラーメ。
今や定番化したピッツァです。
妻の大好物。
オレンジとピスタチオの上にモッツァレラチーズ。
チッチャもそうですがバールチッチャのメニューは何回も試行錯誤して作られ、試食を繰り返したのちに合格したものだけが提供されます。
バールチッチャのメニューも全て最終的には青木さんの判断で、出して良いかダメかが決められます。
拘り抜いた料理しか提供されないので当然何を頂いても美味しいです。
トスカーナ風 赤鶏のバター煮。
鶏肉のバター煮は初めて頂きました。
少し味が濃いかなと思いましたが美味しいです。
同じものは作れませんが、この料理を参考にして家での料理に加えたいと思います。
新メニューがあるたびに、これは何回試食を繰り返されたのだろうと思いながら頂きます。
正にキムタク主演ドラマの東京グランメゾンの世界ですが、イタリアンでここまでやられている店はかなり少ないと思います。
料理だけで3万円、5万円のイタリアンでもどこまでやっているのでしょうか?
東京時代に青山のお高〜いイタリアンで食事をしましたが、全然美味しくなくて、イタリアン嫌いに拍車がかかったことを思い出しました。
2022/10/23 更新
2022/03 訪問
入籍記念日 ディナー内容の遅めのランチ
城助とバールチッチャは異常な数のレビューが溜まっているので昨日の城助に続いてこちらのお店のレビューをアップさせて頂きます。
要するに今年に入ってからの夜の外食は城助とバールチッチャばかりなのです。
バーは、リシュリュゥがほとんどです。
よって、リシュリュゥのレビューも爆溜まりです。
3月の上旬は妻の誕生日、入籍記念日、私の誕生日と5日以内に大きなイベントが続きます。
3月は子供であるワンコの誕生日もあり、何かとプライベートが一番忙しくなります。
よって仕事もありながらの外食も多くなるのですが、今年の入籍記念日は、夜は家でまったりするということになりました。
ということで、仕事の関係で14時頃からになりましたが、こちらで記念日の食事をさせて頂くことになりました。
中村さんが、普通にディナーの内容でのご注文で良いですよと仰って下さったので、ワインもガバガバ飲みました。
最初は当然泡です。
フランチャコルタだったかな?
前菜の盛り合わせはこちらのお店の看板メニューの一つですが、私はいつも中村さんと話をして中身を任せています。
よって、好きなものばかりの盛り合わせになります。
例外的に豆の料理だけはあまり好きではありませんが、普通のイタリアンの前菜は一品くらいしか食べたいものがありませんのでクオリティの高さは図抜けています。
ちなみにこのレビューを書いている2022年9月現在では豆料理も進化していて私の好みのものに変わっています。
次は当然、スダチ牛の熟成カルパッチョ。
これは結構古いレビューですが、この後も毎回必ずこの料理は頼みます。
何度食べても飽きません。
初めて頂いてから注文しなかったことはありません。
最高!
本日のピッツァは初めてフンギを頂きました。
ピッツァの安定感も凄いです。
このレビューを書いている9月現在では、妻が大好きなのでサラーメがピッツァの定番となっています。
そして大好きな牛肉煮込み。
トスカーナ風ランプレドットです。
誕生日には好物を食べなければなりません。
何度食べても美味しいです。
ただ、9月現在では、魚の直の仕入れなど新しい食材が増えているのでお腹がいっぱいで食べられなくなっています。
あー、このレビューを書きながら食べたくなりました。
中村さんがイタリア研修に行かれるので、その前の10月のうちに最低2回は伺いたいですね。
伺えるかな?
ここ最近は城助も月3回ペースなのでスケジュール的に微妙ではありますが。
パスタはレモンパスタです。
シンプルですが美味しいです。
しらすがかかっているものが大好きです。
パスタは2種類頂きましたが凄く美味しかったです。
ところでこの頃から更に最近はワインのクオリティが素晴らしくなっています。
リシュリュゥはワインのクオリティもコスパの良さも異次元なので別の話になりますが、低めの料金設定で高級イタリアンを凌ぐような食材を求め続けておられるだけでなく、ワインにもかなり力を入れておられて、次は、次は、次はと更なる上を目指しておられます。
リシュリュゥを紹介させて頂いたことがとてもプラスに働いているようでとても嬉しいです。
遅いランチなのにいつもながら長居してしまいました。
中村さん、いつもありがとうございます!
p.s.
2022年10月からバールチッチャのランチメニューは無くなります。
ディナー同様のアラカルトで予約の受付も数組限定になります。
ランチの予約をされる方はお気をつけ下さい。
また、イタリア研修で少し長めの休業があるそうなので、予約をされる方はお店に確認をされるのが良いと思います。
2023/01/01 更新
2022/02 訪問
感激!スダチ牛の熟成カルパッチョ
既に情報が遅くなってしまいましたが、ランプラドットと両雄並び立つ看板メニューが登場しました。
徳島産スダチ牛の熟成カルパッチョ〜カルネサラータ仕立て〜
クオリティが高い牛肉の旨味をいかに最大限に引き出せるかを考えて、試行錯誤を繰り返して完成させた料理であることがわかります。
チッチャは勿論のこと、バールチッチャも拘り抜いて厳選した料理だけがお客に提供されます。
コストと価格や注文からの提供スピードまで全て考えられてメニューとして表に出ています。
食材のクオリティをまだ最大限に引き出していないとか、提供するスピードの問題でメニューには載せられないとか、色々な理由でメニュー化されていない料理が沢山あります。
常に新しい仕入れ先、常に研究開発、常に進化なのです。
写真を見るとこの日恐らく初めてホワイトアスパラを食べているようです。
かなり入手困難なホワイトアスパラでどの部位も抜群に美味しいです。
トップオブトップクラスの食材の新規開拓は困難を極めます。
魚介類に関しては何度も城助のレビューで書かせて頂いているように大金を積めば仕入れられるというものではないのです。
完全なピラミッド構造があって、数に限りがあるので、トップオブトップを買える人は限られています。
先ずはそこに食い込まなければなりません。
売る側の仲買にもプライドがありますから、トップオブトップの食材をトップオブトップの料理に出来る料理人にしか売りたくありませんし、継続的にずっと一定数を買い続けなければなりません。
生産者からの直となると更にハードルは高いです。
売り先がほぼ決まっているのでそこに入り込むには料理人の志や真剣さや技術が厳しく問われます。
それは牛肉にも豚肉にも鶏肉にも言えることで、全ての条件をクリアして完成された料理だからこそ、敢えて外食で食べたいという話になるのです。
別にブロイラーの鶏肉を使った焼き鳥でもなんでも召し上がる方が納得されているのであれば、それが大衆料金であれ、高級店の料金であれ良いのです。
嘘さえなければ。
私個人としてはわざわざそのような鶏肉を食べるために鶏肉の専門店に伺うことはしたくないということです。
家で食べるよりも不味いので。
素晴らしい料理は芸術です。
決して真似することが出来ない芸術を味わいに行くとなるとワクワクします。
新規の高級店に伺うのがあまり好きではないのは、新しい芸術と出会えるというワクワク感が裏切られた時に奈落の底に落とされるからです。
高い料金を払い、大切な時間を使っているのに、料理に対する真摯な姿勢が全く無かったり、嘘をつかれたりした時の絶望感は筆舌し難いものがあります。
齢も重ね、今は芸術と言える料理を頂くことだけが楽しみなのですから。
独特な雰囲気を楽しむ立ち飲みも大好きですが、まあそれはそれです。
そのような文化を楽しみます。
2022/07/13 更新
2022/01 訪問
幻!生ハムの王様
n/aの特別ワイン企画のディナーの後、少し食べ足りない気がしてバールチッチャに伺いました。
この日は1月の末ですが、こちらのお店もアップしていないレビューが溜まり過ぎです。
完成していない下書きを仕上げていると、記憶が混乱しているはずなので、詳細について矛盾する点があるかも知れません。
その点はご了承下さい。
鰆のカルパッチョ徳島の濃いアメトマト。
クラテッロ・ディ・ズィベッロ 幻の生ハムの王様。
椎茸のフリット。
牛もつ煮込み、即ちトスカーナ風ランプレドット。
ジェノベーゼのパスタ。
少しって、、、。
n/aでフルコースを食べバイザグラスでワインを飲んだ直後、これだけ食べて飲んで、、。
異常者です。
このレビューをアップしている現在はもうありませんが、感動したのはクラテッロ・ディ・ズィベッロ、即ち幻の生ハムの王様。
塩味が優しく、旨味が上品で深いです。
中村さんが「水野さんがお好きなトップオブトップの食材です。」と仰っていました。
鰆のカルパッチョの塩梅も良かったです。
ワインは何杯飲んだのでしょうか?
料理の品数と同じ以上飲んだはずです。
美味しいと、いくらでも食や飲みが進むのです。
でも、n/aのフルコースの後なのに食べ過ぎました
2022/06/04 更新
2022/01 訪問
アフター城助
城助の2回転目の後、妻と一緒の時はタクシーに乗りますが、一人の時は乗りません。
健康のためになるべく歩くようにしているのと、短い距離でタクシーに乗るのは苦手だからです。
3000円以上じゃないと中々タクシーは乗れないですね、悪くて。
ということで、2回転目の後、このお店の前を必ず通ります。
もう午前1時を過ぎていたのですが、開いていたのでフラフラと入ってしまいました。
妻には内緒です。
ただ、後日バレてしまったので今このレビューを書いています。
実は今や常態化したアフター城助の1回目はこの日でした。
バールなので、お店が開いていればワインバーとしても使えます。
バールチッチャでのニュースタイル。
アフター城助シリーズです。
中村さんと色々な話をしながらワインのグラスを重ねるのは楽しいです。
この日、初めて頂いた?白が気に入って、その後もあると飲ませて貰っています。
生産者ベリサリオ。
カンブルジャーノ・ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ・リゼルヴァ。2016年。
長い名前のワインで覚えられませんが、後日、妻も飲んで美味しいと言っていて、家で飲むために検索していたので、ここに書くことが出来ました。
家でも飲みたいのですが、通常のルートでは手に入らないため、いつもバールチッチャで飲ませて貰っています。
とても楽しいひとときでした。
バールチッチャのバー使い。
居心地満点です。
2022/04/22 更新
2021/10 訪問
志高き料理
まずはドラピエカルトドールをグラスで頂きます。
美味しいシャンパンです。
ワインは全てお任せのペアリングにしました。
いつもの前菜盛り合わせと牛のもつ煮、即ちトスカーナ風ランプレドットを注文します。
このお店のウリの前菜盛り合わせはボリューム満点で種類も多く、当然味も美味しいです。
太めの麺のアルデンテのイカスミのパスタも凄く美味しかったです。
自然で濃厚な旨味が心地良いです。
キチンと食材にこだわって、手間暇かけて、試行錯誤を繰り返しながら出来上がった料理の数々。
その辺で手に入る食材で専門書の教科書をそのまま再現したり、修行先で習ったレシピそのままの料理が飲食店のほとんどを占める中で、正にプロフェッショナルが研究して完成した料理であることが分かります。
上から目線のお前に何が分かるんだと空爆級のご批判を浴びせられますが、分かるのです。
食材のクオリティと料理のコンセプトや味付けの方向性が完全に一致しているか、こんなもんかと適当にやっているのか、全く考えていないのかが食べると分かるからです。
食材のクオリティは良ければ良いほど良いですが、提供価格との相談があります。
そのお店のコンセプトから当然提供する価格という問題があるので、何でもかんでもトップオブトップを使うことなど99.99%の店ではできません。
そもそも仕入れることが出来ないのです。
ルートがないからです。
価格との相談しながらどれくらいのクラスの食材をどのように提供するかを追求すれば、当然、教科書や修行先で習ったレシピで対応することは不可能です。
となると今まで5億回書かせている通り、食材との会話が必要になります。
同じ食材でもクオリティが高いものはその日によってクオリティに著しい差が出るので、食材との会話は必ず必要です。
和食系でよくあるのは、修行先と全く同じレシピで、価格との関係で食材のクオリティだけ下げているケースです。
もう、一口でそのような店は何を考えて料理を作られておられるのか分かります。
食材の弱点、クオリティの低さをカバーしながら、それでもその食材の良さを引き出そうと努力していないことがたった一口で分かるのです。
修行先が超高級店だと、同じ食材でもそのクオリティの高い食材の良さが前面に出ます。
弱い食材を使えば、逆にその食材の弱さ、不味さが前面に出てしまうのです。
当然のことです。
ところが、そのことを考えないのか、分からないのか、元々どうでも良いのか、とにかくそのような杓子定規な店が星の数ほどあります。
だから、日本料理や寿司などの和食系の新規開拓は基本的にしたくないのです。
但。
は宝くじよりも低い確率を引き当てただけで、例外中の例外です。
よく、城助ばかり誉めると言われますが、彼はトップオブトップの食材も最高の仕上げにしますが、原価が安い食材の仕込みに3日かけたり、いつもより食材が弱ければ、明らかにアプローチや味付けや熟成を変えてきます。
その気迫が一口食べただけで、伝わってくるから凄いと唸るのです。
そんな究極の志高き料理をいつも食べていれば、そうではないものは一瞬で分かるのです。
私たち夫婦の家庭での料理でさえも、常に試行錯誤を繰り返して、より良い料理を求め続けています。
忙しい中でもやり続けている家庭における料理に対する努力の100分の1もやっていないと一瞬で分かる料理が世の中に満ち溢れています。
それどころか意図的におかしなことをしている店も少なくありません。
そんなものを飲食店で出されて喜ぶ人などいるのでしょうか?
価格設定があるので、別に家庭で使っている食材や調味料よりも高価なものを使った料理だけが食べたい訳ではありません。
そのお店の設定した枠内で、なるほどプロフェッショナルと言えるような料理が出てくれば感動するのです。
逆のことがあまりにも多過ぎます。
何故、私がバールチッチャの中村さんの料理が好きかというと、志の高さを感じるからです。
カジュアルなチッチャというコンセプトですが、それはそれで非常に難しいです。
料理だけでなく、店のオペレーションのコントロール、ワインの選択、食材の選択、バイトの方々の教育や管理、原価コントロール、売り上げ増加、収益増収。
城助ほど寝ていないということはないようですが、朝方までお店にいらっしゃって、ランチもやられておられます。
その状況で、志高き料理を求め続けるということは凄いことですし、そのことは一口料理を食べれば分かるのです。
前菜のレバーのパテなど巧みに臭みを消して、上手く処理されておられますが、いかに試行錯誤を繰り返してここに至ったのかが手に取るように分かります。
後のレビューに書かせて頂きますが、つい最近頂いた新しい料理は正にそのような料理でした。
バールチッチャの看板料理としてとても有名になるでしょう。
志高き料理人を私は心の底から尊敬しますし、僅かなことしか出来ませんが応援もしますし、なによりも常に感謝をしています。
真逆の場合は、当然真逆の気持ちになります。
だから、空爆級のご批判の嵐になるのでしょうし、色々な方々から睨まれるのでしょう。
しかし、この分野のこの拘りだけが私の人生唯一の拘りなので、絶対に変えることは出来ません。
クオリティオブライフです。
生きている意味がない。
そして、それはこのまま日本の偉大なる食文化が終わってしまって欲しくないという願いでもあります。
悪貨は良貨を駆逐する。
16世紀の財政家グレシャムが言っています。
16世紀から真実は語られているのです。
だから多くの方々のご批判に耐えながらレビューを書かせて頂いています。
追伸
昼と夜を間違えで入力していることに気が付いたので修正しました。
各点数も最近の感覚よりも低くなっていたので、修正しました。
2022/04/08 更新
2021/09 訪問
青木シェフからの薫陶
ランチもやられていてパスタも美味しいですが、夜のメニューを頂くべきお店ですね。
前菜おまかせ盛合わせ
24ヶ月熟成パルマ生ハムとモッツァレラチーズ、自家製ロースハムとトンナートソース、自家製レバーパテ、ピザ生地に青のりを練り込んだもの、戻りカツオのマントヴァーナ、白インゲンとサルディーニャ産からすみを炊いたもの。
私は塩が強い生ハムが嫌いで、家で食べる場合も中々気にいるものが手に入らないのですが、こちらの24ヶ月熟成物は、塩辛くなくてモッツァレラとの相性も抜群で美味しかったです。
自家製のロースハムも塩が控えめで旨みがしっかり感じられましたが、とにかく驚いたのはレバーのパテです。
パテドカンパーニュと同じ理由でどのお店で頂いても美味しいと思ったことがないのですが、こちらのお店のものは本当に美味しいです。
要するに臭みが全くありません。
そして、青木さんのお店の特徴なのですが、柑橘系の使い方が極めて上手いです。
チッチャでは、最近、ずっと青木さんと話しているのですが、どの料理もとにかく、何十回何百回と試行錯誤を繰り返して、点のような抜群の旨みのバランスの狭いエリアをを見つけるそうです。
ビオワインのペアリングも店が終わった後で、何度も何度も試行錯誤して決めるようです。
なるほど、だからペアリングと言いながら、何も考えていないワインとボヤけた味の料理を出すということがないわけです。
中村さんが青木さんとの二人三脚で料理開発した過程が透けて見えるような秀逸なレバーのパテでした。
教科書通りとか、老舗の店のコピペでは決して作れない料理です。
このような料理人の志が感じられる料理が私は好きなのです。
逆のものは大嫌いです。
妻の料理や私がネットのレシピを応用して作った料理の方が美味しいです。
二人とも料理人ではないので「志」はありませんが、与えられた条件でなんとかベストのものを作ろうと試行錯誤を繰り返すからです。
そうやって、我が家の定番料理は決まっていきます。
日々より良いものを求めています。
メインは
トスカーナ風ランプレドット。
宮崎牛を使った牛もつ煮込みですが、調味料での誤魔化しがない本当に美味い料理です。
大昔に書きましたが、私は家でカレーを作る時に水を一切使いません。
野菜の水分と旨みをベースにするからです。
そのようなものがなく、あーでもない、こーでもないとやたらスパイスの組み合わせで複雑な味を出そうとするカレーは大嫌いです。
味そのものに全く深みがないからです。
このランプレドットは、野菜の旨みが深いです。
私は甘いのが嫌いとよく書かせて頂いていますが、それは普通の砂糖やみりんで甘くしているのが嫌いなのです。
野菜の優しい自然な甘みは大好きです。
だから家で夕食を食べる時は、贈答用のフルーツ専門店で果物を買って頂くのです。
それでも果物は日によって当たり外れがあります。
とはいえ、百貨店のフルーツ売り場のものよりは遥かに良いです。
しらすとレモンのパスタ。
これはもう美味しいとしか言えません。
味付けもレモンの風味もしらすの旨みも麺の美味しさも最高です。
チッチャとは異なりますが、また、違うパスタの美味しさが楽しめます。
サラーメのビスマルク。
トマトソース系のピッツァです。
刻んだサラミと半熟卵がのっています。
とにかく生地が美味しいです。
塩が強くないので風味を感じます。
店主の中村さんの話では、イタリアで権威のあるピッツァの店では塩の量が決められているのですが、保存のために塩が多くて日本人の口には合わないので、独自の研究で塩の量を決めて、生地を熟成させているそうです。
教科書や権威ある店の奴隷にならないというのが料理のベースに無ければ、それは仕事として客に出すものではないというのが私の持論です。
勿論、食材がピンのものであれば、変に料理しない方が良いと思います。
私が今気に入っている日本料理のお店はその辺りが徹底しています。
タイヤの店で修行されたとは思えないほどの素晴らしい感性です。
鰻を白焼きで出す時には、皮の裏にあるカビ臭さのようなものが目立ってしまいます。
だから蒲焼きにして誤魔化すのですが、それは誰でも出来ます。
敢えてそれを白焼きで出すにはどうすれば良いかを考えて、弱点を克服しましたという料理を出してくるのです。
雲丹も然り。
みょうばんの風味を強く感じる雲丹は不味くて食べられません。
チッチャの青木さんはジュレにしてその風味を極力消して雲丹の旨みを生かしておられます。
その日本料理のお店も雲丹の弱点をわかっていて、それを克服しましたという料理を出してきます。
鱧が弱ければ、通常では出さないような料理をして、なんとか鱧の旨みを感じさせる。
逆にクエがピンに近い凄いものだと刺身でシンプルに出したりします。
それこそが食材との会話であり、客に出す料理です。
ところがそのような料理は世の中にほとんどありません。
食材の強みや弱みがわかっていないのか、教科書に書いてあるからそれで良いと考えているのか私にはわかりませんが、一本調子の何やら料理のようなものを出してきて、料金も高いです。
本当に日本の食文化は高いのか、そのようなものをタイヤや京都の高級店で出されるといつも疑問に思います。
ヘーゼルナッツのデザート。
手作りでしょうね。
美味しかったです。
次回は緊急事態宣言が明けてから伺って、ビオワインとのペアリングを楽しませて頂きます。
仕事が忙しくなる前なら一人で昼飲みも良いですね。
妻も大変気に入ったので、一人で昼飲みをしたら怒られるでしょうが。
まあ、アルコールを飲まないと最後の方で味がわからなくなるというリスクは無くなりますが、美味しいものには相性ベストのアルコールを合わせたいというのが私たち夫婦の共通認識です。
特に妻は料理が美味しいと飲むペースが私よりも早くなります。
ところで、私たちの食べるペースが早いのでお急ぎですかと中村さんに言われましたが、美味しいものだと食べるペースが私も妻も異常に早いのです。
妻は最初の一品が不味いと帰りたいと言います。
私はコースだと嫌でもちゃんと食べます。
2度と来ないと思いつつも完食します。
2022/03/03 更新
2021/06 訪問
爽やかで美味しいパスタ
午前の仕事の後、城助に用事があり、用事を済ませた後に不動坂を降って、家に向かって歩いているとこちらのお店がまだ営業しているのに気が付きました。
14時過ぎだったと思います。
お忙しいお時間ではないので夜のメニューも出来ますよと仰って頂きましたが、パスタに前菜をつけるセットでスパークリングをお願いしました。
チッチャの姉妹店ということで前菜にも期待しましたが、私の好きではない酸味が強いものもあり、イタリアンのランチの前菜だなあという感じでした。
パスタは何を頂くか迷いましたが、シラスとレモンのオイルソースシチリア風にしました。
パスタはトマトソースなど酸味の強いものは好きではありません。
酸味とオイルソースだけで味を整えるイタリアンの味付けが嫌いなのです。
しかし、こちらはチッチャの姉妹店。
パスタで絶対にハズすことのないチッチャの姉妹店なのです!
あえて、レモンとオリーブオイルという嫌いな組み合わせのパスタを頼んだのです。
私が期待が持てるなと思っているお店で初めての時によくやることで、ベックでも、臭くて苦くて風味に繊細さが全くない大嫌いなパテドカンパーニュを食べました。
大嫌いな料理が美味しければ、その料理の存在価値をシェフが熟知している証拠であり、そのようなセンスのお持ちのシェフが作られる料理は何を頂いても標準を遥かに超えるからです。
逆に言えば、魚介類など私の大好きな食材を使った料理が不味いのであれば、どんな料理も壊滅です。
魚介類のように食材のレベルが料理の味に直結するものは、食材の選択や良いところは伸ばし、弱いところは上手く補うという点で、料理のセンスが顕著に出るのであって、どうしようもない魚の刺身を旨味の強い醤油で食べさせるなど論外中の論外。
それはお金を頂く料理ではありません。
しかし、高級店においてもこれを何も考えずにやられておられます。
「日本人は美味しい醤油をつけて食べればなんでも喜ぶやろシリーズ」です。
クオリティの高い魚介類は、何もつけずに食べても強烈な旨味がありますが、旨味がない魚介類は醤油の味しか感じないので、それを料理として出す日本料理のお店の存在価値とはなんなのでしょうか?
馬鹿馬鹿しい。
そんなものを食べたいのであれば、毎日大丸神戸店で刺身の盛り合わせを買って、家で使っている10年以上かけてやっと見つけた素晴らしい醤油をつけて、鍋島を飲みながら晩酌をした方が遥かに有意義な食事になります。
不味い魚介類をただ単に切って、旨みの強い怪しい醤油と一緒に出す。
素晴らしい、逆に。
さて、いつものように話がそれましたが、大嫌いな筈のレモンとオリーブオイルの組み合わせのパスタ、とても美味しかったです。
まさに、料理。
シラスが食材として良いこともありますが、シラスとレモンとオリーブオイルの組み合わせとその味の塩梅が素晴らしいのです。
妻にもどうしても食べさせたいと思い、土曜日のランチで2度ほど電話させて頂きましたが、人気で予約ができません。
妻が平日に伺うのは、なかなかチャンスがないので、一緒に伺うとしたら夜しかないのかな?
アラカルトの夜の料理がどうなのか食べてみないと分かりませんが、パスタに関しては素晴らしいです。
恐らく他のパスタを頂いても標準よりは遥かに美味しいでしょう。
シラスとレモンのパスタは、良いシラスが仕入れられないと作れないので、今度いつ頂けるのだろうかと寂しい気持ちになってしまいます。
多分、妻とは夜伺うと思います。
より好きなお店になるかも知れませんね。
2021/09/19 更新
料理に対する真摯な姿勢。
閉店後、料理の研究も試行錯誤も青木シェフと楽しみながら毎日毎日追求し続けておられることが料理からヒシヒシと伝わってきます。
日々更に進化し飛躍されておられます。
2022/11/05 更新