5回
2024/03 訪問
至福の入籍記念日
ドメーヌ ベルターニャ
シャンボールミュジニー
プルミエクリュ
レ プラント
遂にこの鶏肉に最も合うと思われるシャンボールミュジニーを常備されるようになりました。
しかも、プルミエクリュ。
モダンスタイルの生産者なので、10年くらい寝かしても美味しいでしょうが、2021年を今抜栓しても美味しく飲めるシャンボールミュジニーです。
抜栓てすぐ開かない状態でもエレガンスとフィネスを感じます。
タンニンや酸味が前に出ていません。
さて、鶏の方は焼き具合など明らかに日々進歩しておられる感じです。
そして、やはりこちらのお店の鶏の脂は本当に軽くて美味しいです。
餌も環境も徹底して拘っておられるのがよく分かります。
しかも、そのような鶏は健康ですから身体にも良いです。
白肝などピノ・ノワールに合う料理もあるので、ワイン好きにとっては至福のディナーとなります。
素晴らしいワインとバランスが取れる料理というのは極めて少ないのです。
城助の握りならコート・ド・ニュイの村名レベルでもマリアージュが楽しめます。
チッチャやバール・チッチャやバッカナールのようなワインを前提にしているお店であってもこの3件が神戸界隈で卓越しているだけで、他のフレンチやイタリアンはほとんどダメです。
ワインの選択と料理のクオリティ、いずれも寸足らずで、修行をされたレストランのレシピを食材との会話もなく、ただ再現しているだけです。
焼き鳥というジャンルでしっかりとワインと料理のマリアージュが楽しめて、料理そのもののクオリティが極めて高いというお店は、私が知る限り関西にはありません。
ラーメンも麺の弱いところが少し良くなっていました。
ところで入籍記念日と書きましたがこれは去年のことです。
今年は私の誕生日に伺いましたが、その時のレビューをあげていないことに気がついて、急いでアップさせて頂きました。
とにかく忙しくて夜の外食自体があまりできていません。
よって1年ぶりに伺いましたが更に進化をされていて驚きました。
それについては近いうちにレビューをアップさせて頂きます。
※とんしの「本当に美味いもの」ブログ
再開しました。
正月のあのワイン当ての番組の真実について書かせて頂いているので、よろしければご覧下さい。
2025/04/08 更新
2024/01 訪問
日々の進化で更なる喜び
仕事が押して予約時間よりもかなり遅くなってしまいました。
申し訳ないことをしました。
走って喉が渇いたので、珍しく妻と生ビールを頂きました。
プレミアムモルツの香るエールの生です。
国産の大量生産のビールは基本的に飲みませんが、マスターズドリームだけはまあまあ美味しいと思っています。
プレミアムモルツも比較評価としては良い方だと思います。
無添加ですしね。
ちなみに国産の大量生産のビールにはコーンスターチなどの添加物が入っています。
アレが気持ち悪いので外食ではほとんどビールを飲まないのです。
ただ、プレミアム・モルツも本来のビールの味を楽しむものではないと思っています。
常温で飲めるでしょうか?
ビールは香りと独特の旨味がきちんと綺麗に出ていないと美味しいとは思いません。
シメイブルーやイネディットには素晴らしい香りやちゃんとした綺麗な旨味があります。
それはともかくとして、生ビールの入れ方が抜群です。
泡がきめ細やかで美味しいです。
認定を受けているだけのことはあります。
徹底的に美味しいものを提供したいという気持ちの現れです。
頂いたもの。
妻のメモではなく私のメモ。
前菜。
白肝
ももたたき
生野菜
焼き物。
つくね
セセリ
皮
蓮根
膝周り
せぎも
縁側
ハラミ
キンカン
ヒップ
〆。
ラーメン
親子丼
書き忘れているものもあるかも知れません。
鶏のクオリティの高さは前回散々書かせて頂きましたので、繰り返しませんが、今日のレベルも高かったです。
これくらいが標準値になると、神戸、阪神界隈では抜きん出たお店になるでしょう。
ただ、調味料はアレ無添加で、上品でエレガントな鶏肉ですが、比内地鶏のような旨味の塊というわけではないので、鶏肉の味を感じないという方はおられるとは思います。
私と妻は大好きです。
あと、つくねが名物のお店は結構ありますが、こちらのお店のつくねは表面が硬くなくてかなり繊細でエレガントです。
作り方も焼き方もかなり手間暇かけておられます。
個人的にはかなり好きなつくねです。
ラーメンは、私の好きな正統派にスープを変えておられましたが、スープのクオリティが高いので麺が負けていました。
ロックンビリーS1のラーメンはスープは美味しいけれど、麺は柔らかくて普通と仰る方がおられますが、私は違うと思っています。
日本一というよりも完全に誰も真似できないあのラーメンのスープは、あまりにも繊細で旨味がエレガントなので、少しでも麺に弱点があるとそれが顕著に出てしまいます。
弱点とは即ち添加物のことです。
特にかん水はアンモニア臭と独特の嫌な味、苦味に近いような不快な味があります。
スープにあの添加物が入っていると、添加物と添加物でまぶされてわかりにくくなりますが、スープが無添加だと必ず麺のあのかん水の気持ち悪いアンモニア臭と嫌な味が目立ちます。
かなり良い麺でも全くダメです。
私は気持ち悪くなるのです。
ロックンビリーS1の麺がフニャフニャなのは、添加物が入っていないからです。
よってお店の告知通り麺硬めなどできないのです。
あの調味料が入っている不快感や舌のビリビリが気にならないとか、かん水のあの気持ち悪さが気にならないということが、好みというカテゴリーで分けられてしまうのであれば、世の中の視点というものはそのようなことなのでしょう。
私は個人的には異なる価値観と視点を持っています。
ちなみに無添加スープでも白湯だと麺の弱点はわかりにくくなります。
なので、嫌いではないですが、私は個人的には白湯に走るラーメンにはプロフェッショナル性を全く感じません。
生野菜ですが、年明けにも関わらずクオリティの高いものを入れておられました。
私は独身時代生野菜があまり好きではありませんでした。
不味いからです。
要するに外食しかせずに、寿司屋のように生野菜が出てこないお店にばかりに行っていたので、本当に美味しい生野菜を頂くことがほとんどなかったからです。
たまに美味しいものに出会っても自分で買って家で食べるということはありません。
今は、家での食事では厳選した生野菜だけを食べるので外食で不味い野菜が出てくると食べたくなくなります。
美味しいとまで感じるものは稀有ですがこちらのお店の生野菜はどれも本来の甘みがあって全て美味しいです。
この辺りのことに対して手を抜かないという点が私がこのお店が大好きな理由の一つです。
ワインは前回と同じです。
ジャン・クロード・ボワセ
ブルゴーニュ ピノ・ノワール
2020
ブルガリアーナ ピノ・ノワール
2020
1本のつもりでしたが、料理が美味しいので、やはりオーバーランです。
ブルゴーニュの方はこの鶏肉に合っていますが、やはりなかなか開きません。
パフォーマンスが発揮される前に全部飲んでしまいます。
タンニンは穏やかですが開くまでは果実の旨味が前に出てこないので、酸味が強くて酸っぱいワインと感じる方がおられるかも知れません。
ブルガリアは抜栓してバンバンタイプなので、ピノ・ノワールを飲まれる方にはブルガリアの方をお勧めします。
果実感もはっきりわかるので美味しいと思われる方が多いでしょう。
本日もオーバーランありがとうございました。
家で酔っ払って、シャルドネを飲んでしまいました。
また、近いうちに伺います。
2024/01/08 更新
2023/12 訪問
神戸に引っ越してから初めて
初訪問から二度目は1ヶ月以内にと決めていたので、また土曜日の早い時間に予約させて頂きました。
妻は楽しみと言っていますが、私はワインは大丈夫なのかと不安でなんとも言えない気持ちで伺いました。
まあ、ワインが難しそうだなと思えば、飲まなければ良いのですが、こちらのお店の鶏は繊細で旨味がほのかな感じなので、米の旨味が全面に出る日本酒はどうなのかなあと思ってしまいます。
前回〆は満足できませんでしたが、今日はワインも含めて完全にお任せでいってみようかな、その方が楽しめるかな、それとも、、、と考えながらお店に向かいます。
妻に相談するといくらなんでも2回目でそれはお店にご迷惑がかかるでしょうと言われてしまいました。
うーん。
じゃあ、選びますか。
大体食べたいものは決まっていますし。
ブルゴーニュの行末
先ずはワイン選びです。
今日最初の勝負です。
前回と同じものプラス4本、計5本の選択肢を用意してくれていました。
迷いましたが、結局、飲み慣れているACブルゴーニュにしました。
ジャン・クロード・ボワセ
ブルゴーニュ ピノ・ノワール
2020
開くのに時間がかかり、その前にタンニンと酸、特にタンニンが前に出ていると食事の邪魔をするので、その点が心配でした。
抜栓してすぐでも滑らかなタンニンと穏やかな酸。
開いていないので果実感や旨味はまだ隠れたままですが、ヴォーヌ・ロマネを連想させるようなワインだということが分かります。
開くまで少し時間がかかりそうですが、こちらのお店の鶏に合っています。
最初の難関突破で安心しました。
ネット情報
生産者
葡萄は完全に除梗し、破砕はせずに重力の力を利用してタ ンクに入れる。マセラシオンは、1週間のコールド・マセラシ オン(12°C)を含み、21-25日間。醗酵には生来の酵母を使 用(酵素やタンニンといった醸造用の添加物は一切使用し ない)、時折ピジャージュを行う(最大8回) 澱引きをせずに澱の上で10ヶ月間熟成(新樽使用率10%) 非常に繊細なオーク樽熟成が可能となるよう、低温で長時 間トーストされたフランス産の樽を使用。
ブルゴーニュ・ワイン界のヌーベルバーグニュイ・サン・ジョルジュを本拠とする「ジャン=クロード・ボワセ」社の会社設立は、1961年。以来、ブルゴーニュ地区の著名ネゴシアンおよびドメーヌをその傘下に収めながら成長を遂げ、今やブルゴーニュ最大のワイングループとなりました。グループ社長の名前を冠した「ジャン=クロード・ボワセ」ブランドは、グループのブランド戦略の柱として、高品質とブランドイメージを重要視しながら発展してきました。
ワイン評価
輝くルビー色で、フレッシュな果実味、エレガントな酸味、やわらかなタンニンを持ち、ブルゴーニュの正統なスタイルとしてお手本になっています。アロース・コルトン、ジュブレィ・シャンベルタンなどのAOCブドウをブレンド。ガーネット色の外観で、熟したチェリーなどの香りがあり、爽やかなタンニンと程よい酸味があるワインです。
さて、次の勝負は鶏肉のクオリティです。
日々個体差があるので今日どうなのかは食べてみないと分かりません。
白肝刺し
前回よりも遥かに旨味が深いです。
個体差でしょうが、同じ生産者の鶏なんだろうかと思うほどです。
1羽で買っておられるので、この時点でかなり美味しい鶏が食べられることが確定しました。
あまりにも違うのでご主人に今日の鶏は物凄く良いですねと言うと、一昨日あたりから凄く良いのが来ているんですと仰いました。
いつも書いていますが、クオリティの高い食材ほど、個体差が激しいので、毎日の食材との会話が極めて重要になります。
その根本的なことがわかっていない料理人の方が多過ぎると書くからまたアンチが増えますが、本当のことだからどうしようもありません。
何故そんなことがお前にわかるんだと言われますが、一口食べた瞬間に分かります。
当然、そうでないものをそうだと言って出されれば、もっと明確に分かります。
噛んだ時に食材から出る味で分かるのです。
どんなに味付けでカバーしようとしても、食材そのものの味は変えようがないからです。
最も本質的な話です。
ももたたき
神戸に引っ越してから外食で食べたももの中で一番美味しいです。
脂が軽いだけでなく、繊細で、肉自体もエレガントと言えるような旨味があります。
ワインで言えば、シャンボール・ミュジニーのような肉の味です。
このような鶏肉の味は、分かる方には物凄く分かるでしょうが、分からない方には分からないでしょう。
焼き鳥という食べ物が大衆的なもので、なんたら調味料を振って、国産の大量生産のビールを飲みながら、ブハーと言って食べるものというイメージがあるからです。
分からない方にとっては鶏肉の味がない、ポーションが少ないのに、料金設定は凄く高い焼き鳥屋ということになります。
このようなことを書くと議論をしたがる方がおられますが、それは世の中で最も無意味なことの一つです。
十人十色。
生野菜
鶏味噌が合っています。
つくね
この鶏なのでつくねもかなり美味しいです。
ふりそで
脂が軽くてきめ細やか。
なかなか食べられないレベルです。
あか
脂だけでなく、この鶏の旨味がはっきりと分かります。
白肝パテ
美味しいし、当然、このピノ・ノワールに合います。
最高。
ヒップ
脂と肉の旨味が融合している部位です。
ナス
ねぎみ
ネギも良いものです。
この鶏に中途半端なネギは合わせられません。
ハツ
部位の取り方が他の店とは異なり、1羽ごと買われている良さが出ています。
このようなハツは人生で初めて食べさせて頂きました。
とんでもなく酷いクオリティの鶏肉を使いながら人気のある店が三宮にありますが、月とスッポン。
比良山荘の話ではありませんよ。
超一流の味です。
焼き鳥を食べて数十年ぶりに感動しました。
妻は家でもそうですが、料理とワインが美味しいと私よりもワインを飲むペースが早くなります。
アロース・コルトン、ジュブレィ・シャンベルタンなどグラン・クリュだらけの村の畑の葡萄をブレンドしているワインとのことですが、開くとヴィラージュのヴォーヌ・ロマネを飲んでいるような錯覚に落ちる果実感や旨味が出てきて、鶏とのマリアージュまであるので、妻のペースが早過ぎて遂にボトルが空になりました。
いつもは私がオーバーランするのに、今日は妻が外食でオーバーランです。
同じワインをもう1本飲みたかったのですが、無かったので、あえてブルガリアのピノ・ノワールを選択しました。
ピロート・ジャパンの担当者がこのようなブルゴーニュ激高騰の最中に、かなりリーズナブルなのにマリアージュまでバッチリなピノ・ノワールを持ってきたので、ブルガリアのピノ・ノワールも持ち込んだのには必ず意味があると思ったのです。
妻の会社は以前ピロードジャパンと取引があり、スイスの白を試飲で持って帰ったのですが、あまりにも美味しくて驚いたことがあります。
葡萄は忘れましたが、多分シャルドネ、スイスにこんなに美味しい白があるのかと感動しました。
そのことがあったので、あえてブルガリアのピノ・ノワールを選択したのです。
ブルガリアーナ ピノ・ノワール
2020
ジェロ・ボワムの安藤さんの名言をお借りすると
開けてバンバン
要するに抜栓してすぐでもパフォーマンスをしっかり表現できるワインです。
2020年なのにタンニンも寝かせたような穏やかさがあり、濃縮した果実感が最初から全開なので酸味も強く感じません。
ピノ・ノワールが苦手という方もこのようなピノ・ノワールの美味しさが分かりやすいワインはお勧めです。
恐るべきピロート・ジャパンの担当者。
ネット情報
ブルガリアーナは、ブルガリアの鮮やかなテロワールに敬意を表し、異教徒の起源にまで遡ることができるような、地域特有のものを表現している。ブルガリアは、ワイン醸造や紡績といった伝統的な事業を通じて、何世紀もの間、外部からの支配を受けながらも、独自の文化的アイデンティティを維持してきた。
テイスティングノート
透明感のある美しいチェリー色。ノーズは心地よいスパイスを示し、ほのかな ハーブ、胡椒、スパイス、肉、ドライストロベリーを伴う。ミディアムからフルボディで、熟したタンニンを感じ、ドライで繊細な後味が続く。
ここからは追加です。
妻も感動したもものたたきとつくねをリピートして、他お任せとあえて胸とささみをお願いしました。
胸やささみは旨味を感じにくく、パサつく感じがする部位だからです。
もものたたき
鈴木漬けをつけてくれましたが、これがまた美味しいです。
メニューにもありますね。
ももの味は、先ほどの部位が究極のところだったことが分かります。
ちょっと落ちています。
魚など顕著ですがクオリティが高い食材は、ほんの少し場所が違えば部位が同じでもかなり味が違います。
トップクラスの鮪などは恐ろしいほど味が異なります。
城助で鮪を食べた時に、私が食べているものと隣の方が食べているものは明らかに味が違うと思います。
どっちがどっちかは知らんけど。
背肝
クオリティが高いと背肝にも品格があります。
エレガントで良いピノ・ノワールに合う部位です。
今回は塩ではなく、タレですが、食材との会話が感じられるタレです。
このようなクオリティの背肝に主張の強いタレは全く合わないからです。
繊細な味のタレです。
焼き鳥も鰻もタレを食べる料理ではありません。
つくね
つくねは先ほどと同じ味です。
椎茸
何かオイリーな感じだったので何かを塗っていたのでしょう。
胸
ささみ
胸とささみは、鶏肉の旨味を感じにくいところですが、ちゃんと旨味はありました。
1羽買いと言われなくても、他の部位を食べて、この部位を食べれば同じ鶏だと分かります。
最後の勝負は〆です。
ラーメン
まあ、この鶏で出汁をとっているので食べなくても分かります。
阪神界隈の訳のわからないラーメン屋とは完全に一線を画する美味しさです。
たたきと卵付きの焼きおにぎり
妻のものを一口だけ食べましたが今回は柑橘系は感じませんでした。
まだ食べたらず、ワインも残っていたので、最後に再び前回同様親子丼をお願いしました。
前回と明らかに味が違います。
美味しいです。
ご主人に話すと、前回は煮詰めちゃったのかなあと仰いました。
この味なら次回からラーメンと親子丼を両方頂きたいです。
この日の鶏のクオリティは、城助の言葉を借りれば、
抜群
です。
美味しいではなく、抜群です。
これが平均値で出せるのであれば、とんでもないお店ということになります。
京都に東京の超有名店の暖簾分けしたような予約困難店があり、まだ食べてませんが、神戸に引っ越してから初めて心から満足できる鶏を食べました。
阪神界隈の予約困難店やタイヤの有名店、人気店とは次元が違います。
ご主人も奥様も、口数が多い方ではありませんが、ホスピタリティも超一流です。
私が何を食べ、何を飲みたいかをたった1回で全て把握されて、今日のためにできることは全てやってくださったということがヒシヒシと伝わってきました。
妻も全く同じことを感じていました。
今夜はあみさの大切な記念日なので、妻が昨日肉のオカダで仕入れた牛肉でビーフシチューを作ってくれて、ワインはジブリオットのジュヴレ・シャンベルタンを朝から抜栓して、キチンと開いた状態で飲みます。
しかし、城助やチッチャやバールチッチャやリシュリュゥのような特別な存在は、家での拘りなど全て吹き飛ばすのです。
しかも、どのお店もクオリティに対する料金設定が異常と言えるほど安いのです。
私たち夫婦にとっては、間違なくそれらの異常なお店と同じくらい大切なお店になりました。
存在は存じ上げていましたが、あることがきっかけとなって伺おうと思ったのは正解でした。
まるで導かれたようです。
プライベートにおいて、城助以外では寿司を食べないのと同じように少なくても関西ではこのお店以外で焼き鳥は食べません。
他では食べたくないからです。
自分で比内地鶏を買って焼いて、シャンボール・ミュジニーを飲んだ方が他の店で食べるよりも遥かに美味しいのだから。
わかる方にはわかるので、かなり近いうちに予約が取れなくなるでしょう。
よって1月の予約を取らせて頂いて帰りました。
これからもできる限りそのようにします。
シャンボール・ミュジニーがお好きな方は持ち込みたくなるでしょうね。
城助の握りとアンリ・フェレティグのシャンボール・ミュジニーのように。
美味しいワインを2本開けて、2人で3万円。
これを高いと感じるか安いと感じるかは貴方次第です。
2024/01/06 更新
2023/11 訪問
上質でエレガント
妻は生ビールからですが、私は基本的にはベルギービールとイネデイットとほんの一部の日本の地ビールしか飲まないので、赤ワインからスタートです。
グラスは無いようなのでボトルをお願いしました。
プラクシス ピノノワール "PRAXIS" Pinot Noir
MOORILLA (ムーリラ)
ミネラル、熟したいちごなど様々なアロマが感じられるミディアムです。
ソフトでシルキーなタンニンを合わせ持ち、果実味が前面に出たスタイルでありながら、野生酵母の複雑さを和らげたワイン造りを目指しているそうです。
開くまでは酸が前に出ていましたが、開くと果実味が感じられ、こちらのお店の繊細な鶏に合うピノ・ノワールだと思います。
オーストラリア産、いわゆるニューワールドなので心配しましたが、ニュージーランドのTikiのように美味しい物もありますね。
シャンボール・ミュジニーだったら最高ですが、まあ城助じゃあるまいし、リーズナブルな料金で飲むのは無理でしょう。
常連の方がワインを持ち込んでおられましたが、遠くからエチケットを見ると、ヴォーヌ・ロマネの畑名の入った村名レベルでした。
まあ、市場価格は1万5000円弱でしょうから、外食で飲むと3万円とか4万円でしょうね。
そこまでの贅沢は家でのデイリーでもなかなかできません。
デイリーでは1万円以上はちょっとねえ。
月に1回か2回ですね。
我が家は家でも週に5本以上ワインを飲むのでそれはいくらなんでもという話です。
まして、シャンボール・ミュジニーだけでなく、ジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネやACブルゴーニュレベルでもドメーヌ・フーリエを外食で気軽に飲むことなど城助とリシュリュゥ以外では無理です。
まあ、リシュリュゥでは、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズやコント・リジェ・ベレールやDRC(世界最高峰を二分するラ・ロマネとロマネ・コンティをそれぞれ単独所有するドメーヌ)のエシェゾーを飲んでいるので全く別次元の話です。
グラン・クリュはむしろ単独でワインだけを飲みたいですしね。
話が逸れましたが、いずれにしても私たちが普段家で飲んでいる3000円台から5000円台くらいのリーズナブルだけど、1万円の味はするねというコスパが凄いワインを手頃な価格で飲めれば良いのです。
極めて数は少ないですがそのようなワインはワイン大高騰中の今もあります。
厳選に厳選を重ねて、家でのリストに入っているデイリーワインはそのようなものですので、真剣に探せばあります。
そんな基本的なことをしない店は好きではありません。
日本酒も然り。
刺身。
むねユッケ
美味しいです。
ただ、少し味付けが濃いかな。
白肝
良い肝です。
味わいがエレガントでピノ・ノワールによく合いました。
焼き物。
つくね
味わい深い上質感のあるつくねです。
変にゴテゴテと味付けしていないところが良いです。
あか(内腿の柔らかいところ)
大変美味しいです。
貴重な部位なのでしょう。
はらみ
脂が軽くて、旨味が上品です。
そり
美味しいです。
ナス
まあ、野菜は普段アホみたいにコストをかけているので、家で食べている物と比べると、、、という感じです。
せぎも
塩。
塩でせぎもは初めてでした。
妻が大感激で、こんなせぎもを食べたのは初めてとずっと言っていました。
ねぎみ
ネギもちゃんとしたものを使われておられます。
追加
鶏パン
鶏のミンチがのったパンに火を通したもの。
ピノ・ノワールにめちゃくちゃ合っていました。
焼き物。
皮
まあ、食材のクオリティが高いから美味しいです。
ペタ 腰回り
食べたことあるのかな?
脂がやはりかなり軽いです。
ただ、鶏味噌はない方が良いです。
せっかくのエレガントな鶏肉の味を楽しめず、鶏味噌の味になってしまいます。
〆。
妻は
焼きおにぎり たたきと黄身。
私は
親子丼です。
残念だったのは〆です。
少しずつシェアしましたが、親子丼は明らかに味付けがこくて、特に醤油の角が出ていて、しかも砂糖が多くて甘過ぎました。
砂糖が多いのに何故醤油の角が出ているのでしょうか?
鶏肉や卵の良さが削がれてしまっています。
この食材でこの味付けは、?です。
出汁の味で鶏肉や卵の旨味を引き立てた方が良いでしょう。
焼きおにぎりは、胡椒がスパイシー過ぎて、焼きおにぎりの香ばしさやたたきの旨味をダメにしていました。
次回はラーメンを頂きます。
親子丼と焼きおにぎりは私にはちょっと無理です。
とは言え、ワインのセレクトのセンスは抜群で、鶏肉のセレクトや火加減や料理としての組み立ては素晴らしいので、今後は焼き鳥となればこちらのお店に通わせて頂きます。
ピノ・ノワールともよく合う鶏肉です。
いずれ、予約困難な谷口や鳥一途やとり篠やアヒルを凌駕すると思います。
2023年11月現在、伺いたいと思う焼き鳥屋はこちらのお店だけです。
上記の予約困難店を含めて関西では他にはありません。
旨味調味料に頼っていない焼き鳥は、上質でエレガントなので好きです。
ただ、この繊細でほのかな甘味、旨味というものを感じとって美味しいと言ってくれるお客がどれほどおられるのかは私には分かりません。
焼き鳥屋もちゃんとした料理を出さない高級店が少なくないです。
ちゃんとした料理という名称は、クオリティの高い食材の良さを最大限に引き出したものだけに許されるものです。
2023/11/23 更新
唸りまくりました。
松尾芭蕉が生きていたらそのような俳句を詠むでしょう。
頂いたのはお任せコースです。
繊細なピノ・ノワールとマリアージュする鶏料理の数々。
珠玉です。
最近、夜の外食が少ないのでなんと1年ぶりになりましたが、驚くほど進化させておられて驚きました。
良い食材の良さを最大限に引き出す、究極の引き算の料理の数々。
この日のラーメンもそうですが、ここがもう少しこうなりませんかと申し上げると必ずその部分を改良されておられます。
バール・チッチャの中村さんのようです。
遂に鶏レバーのエグ味と臭みをほぼ皆無にしながら旨味だけを引き出したあの中村さんです。
直近ではイタリアンでは不可能だと思っていた鯛の刺身を使った究極の料理を完成されました。
永来権以外の阪神エリアの焼き鳥屋さんは全て伺っていますが、個人的にはずば抜けていると思います。
食材も良いのですが、とにかく料理の技術が極めて繊細です。
だから、ワインは、ジュヴレ・シャンベルタンでもヴォーヌ・ロマネでもなく、シャンボール・ミュジニー。
この日は年が若いのでシャンボール・ミュジニーのプルミエ・クリュは飲みませんでしたが、価格は2万円。
ブルゴーニュ、特にコート・ド・ニュイが異常に値上がりしている今、シャンボール・ミュジニーのプルミエ・クリュのボトルが2万円というお店は阪神エリアでも他にはないと思います。
心血を注いだ繊細な料理をリーズナブルに提供されようとしておられます。
ワインで儲けたいとは思わないプライドを感じます。
※とんしの「本当に美味いもの」ブログ
再開しました。
正月のあのワイン当ての番組の真実について書かせて頂いているので、よろしければご覧下さい。