はらぺーにょ@大阪さんが投稿した京 上賀茂 御料理秋山(京都/北山)の口コミ詳細

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はらぺーにょ@大阪 (40代前半・男性・大阪府) 認証済

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京 上賀茂 御料理秋山北山/日本料理

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 4.2
1回目

2012/07 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

美味しい空気の流れる京料理:上賀茂秋山

偶然家族が普段お世話になっている方から予約を譲って頂いて京都の料理屋へ行く事になった。
不勉強ながら名前は知らなかったのだが、ミシュラン一つ星のお店で予約が取りにくい人気店らしい。
上賀茂秋山さんというお店。

予約は18時半から入れた。
どうやら一斉にお料理を出されるお店のようで京都から最終の新幹線で帰るから早目に料理を出して欲しいというと出来かねるとの答えが。
先に出る事は出来ると言うので少々不安だが行く事にした。

場所は名前の通り上賀茂にある。
最寄駅は京都市営地下鉄烏丸線の北山駅。
駅からは徒歩十分ほどだ。

周囲は住宅街なのだが、三叉路になった所に突然垣根付きの古民家を改装したお店が現れる。
秋山と彫られた看板がかかり良い雰囲気。
駐車場もすぐそばにある。

さて18時20分頃に着いて通されたのは玄関横の土間。
囲炉裏を囲む様に小さな椅子があるのでしばし待つと山うどの冷茶を振舞われた。
暑い中には有難い。

お茶を飲み干すとカウンターに通される。
待った順番にきちんと案内してくれるのが当たり前の事だが気持ちがいい。

中は10席ほどのカウンター。
目の前に厨房の様子がよく見える。
竈があったり大きな土鍋が飾ってあったり民家らしさとモダンさを融合させた楽しい雰囲気。

早速ビールから。
食事は7,000円からあるようだが15,000円のお任せにした。

皆順番に着席し、にこやかに迎えて頂いて軽く喉を潤すと最初の一品が。

京都の夏に相応しい鱧の登場である。
(結局鱧尽くしになるのだが。)

鱧と胡瓜、茄子、ズッキーニ、蛸と、イタチが入ってます!とのお言葉に頭にはてなが浮かぶ。
どうやら柴漬け風にしてあるようだ。

続けて秋山さん自ら料理の説明を面白おかしくして下さる。
イタチは胡瓜の大きくなったものを言うようで。
らっきょうの漬け汁に漬け込んだ胡瓜とイタチを煮込んだものが入っていた。

「今日は京都でイタチ食べてきてん言うて自慢して下さいよ。」

なんて言う。面白い。

暑い最中だったので紫蘇で柴漬け風にしたのが滅法美味くビールもすぐ飲み干してしまった。

飲み物のメニューはないそうで日本酒をおすすめしてもらう事に。
結局、二時間程で奥播磨ブルーラベル、不老泉、近江藤兵衛、風の森を飲んでしまった。
他にも種類があるようで素晴らしい品揃え。

二品目はお椀。
玉蜀黍と枝豆を練り込んだ鱧しんじょが入っていた。
お出汁はやや鰹節強めで味も濃いめ。
暑いのとお酒に合わせてくれたのだろうか。
バランス抜群とまではいかないがかなり美味しい。
しんじょも玉蜀黍と枝豆が夏らしい。

三品目。
明石の鯛を軽く二時間昆布締めにしたもの、穴子の紐造り、北海道産北方領土付近で採れた雲丹を海苔の佃煮と。
おまけに淡路島の雲丹と鱧の焼霜造りが。
鯛は寝かせた味で旨み良し。
穴子の紐造りも良い。
そして北海道産の雲丹がバッチリ。
塩で醤油で頂き満足。
後の淡路島の雲丹、鱧も良いので酒が進む進む。

四品目は鰤に島らっきょうを刻んでまぶしたもの。
鰤は明石産。
夏だが身を肥らせて味が良い。
また島らっきょうの野味と酸味が脂を抑え、素晴らしい調和を醸していた。

五品目。
途中途中に秋山さんのトークが冴え渡り楽しい雰囲気。
団扇に盛られた八寸は、川津海老、紫いんげんの辛子和え、白菜菜、干し柿の白和え、韓国南瓜ととりがいを南瓜の種で和えたもの。
いずれも辛子を使ったり、上品に白和えを仕上げて夏に重苦しくない誂え。

八寸と酒で凌いでいると、次の仕込みの骨切りの途中に先が鉤針のようになった骨を抜き出して見せてくれた。
この鉤状の骨を断ち切らなければならないので難しいんですとの事。
へー、だから下手にやると骨が邪魔に感じるんやなあと感心しきり。

六品目。
2キロもある大物の鱧を炙り土ごぼうと山椒で頂く。
下には小さなご飯。
普通は500グラム程のようで飛び切り大きい。
身だけ食べると少々大味だがその分ごぼうの煮付けの味を吸い食べ応えあり美味い。

そして、七品目が愁眉の出来。
滋賀県は長浜の郷土料理鯖素麺のアレンジ。
へしこの出汁にとろみをつけ、 ゴマ鯖の炙り、獅子唐、トマト、茄子と供したもの。
後でへしこの炙りも出たがこりゃ美味い。
へしこの出汁が良い味だし、目新しい。

しかし食べた事がないのでどう作られたか聞いてみると、
前々から作りたいと思っていたそうでようやく出せるものが出来た、
新作を考える際には郷土料理を土台に割り算して組み合わせを変えていくんだという含蓄のある話まで飛び出した。

と、楽しい時間もあっという間。
新幹線の時間が近づいてきた。
予め間に合うようタクシーを呼んでもらってあるがご飯が食べられるのか不安。

少しそわそわしていると、玉ねぎ、トマトの田楽が。
肉味噌がたっぷりかかってあり、それを竈で炊いた土鍋ご飯と掻き込む。
お焦げも一人先によそってもらって塩ではふはふと飲み込む。
時間が無い中だが、鱧と穴子の煮凝りなんかも掻き込んで大満足した所で家族を残して一人先に出る事に。

お土産に時間のせいで食べられなかったデザートを持たせて頂き秋山さん自らにタクシーまでお見送り頂いた。

なんとか地下鉄に乗り京都駅で新幹線に乗り込んで一息。
お土産を開けてみると笹に包んだ水羊羹と粒餡、そして一つ丸ごとのパッションフルーツが出てきた。
これを下品に車内で頂いて食事は終了。

駆け足の二時間半だったが振り返ってみると大変良い時間だった。

さて予約が取れないのもよく分かる。
元は京都吉兆で修行されたと聞いたが研究熱心で気持ちが充分に行き届いた方と感じた。
また、他の厨房の若手の方々も生き生きとし気持ちが行き届いている。
それもあって店内が全体的に良い空気に包まれているように感じた。
良いお店でした。

また必ず行きます。

  • 鱧と胡瓜、茄子、ズッキーニ、蛸を柴漬け風に。

  • 玉蜀黍と枝豆を練り込んだ鱧しんじょのお椀。

  • 明石の鯛を軽く二時間昆布締めにしたもの、穴子の紐造り、北海道産北方領土付近で採れた雲丹は海苔の佃煮と。

  • 淡路島の雲丹も。

  • 鱧の焼霜造りもおっとり刀でやってきます。

  • 鰤の炙りは島らっきょうを刻んだものと。野味と酸味が脂を抑えます。

  • 黒米と松の実のお粥。地味溢れます。

  • 川津海老、紫いんげんは辛子和えに。白和えは白菜菜、干し柿。韓国南瓜、とりがいは、南瓜の種で和えて。

  • 2キロもある大物の鱧を炙り土ごぼうと山椒で頂きます。下には小さなご飯。

  • 鯖素麺。へしこの出汁を絡め、 ゴマ鯖の炙り、獅子唐、トマト、茄子と。

  • へしこの炙り。

  • 玉ねぎ、トマトの田楽。肉味噌。

  • 肉味噌とばっちり。炊き立ての土釜ご飯。

  • 鱧と穴子から取った煮凝り。

  • 新幹線で食事の続きを。粒餡と水羊羹、パッションフルーツ一個。

  • パッションフルーツはフレッシュで美味い。

2012/07/17 更新

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