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ムニュ スペシャル
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グジエール
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新玉ねぎのムース 足赤海老のジュレ
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紀州赤鶏のコンソメ
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湯浅産天然岩牡蠣 白ワインのジュレと共に
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フランス産鴨と紀州赤鶏のパテアンクルート
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和歌山県産イサキのグリエ ソース ヴァン ルージュ
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仔羊の鞍下肉の岩塩包み
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仔羊の鞍下肉の岩塩包み
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フランス産 仔牛背肉のロティ
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フランス産 仔牛背肉のロティ
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フロマージュ
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プレデセール
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ミロワールショコラ ヴァニラアイスクリーム添え
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かれこれ10回以上は訪れただろうか。
恥ずかしいレビューをしたくなかったので書いてなかったが、いつかは書かなければならないので書かせて頂こう。
良い店には良い料理人と良いソムリエだけでなく、良いパティシエ、一流の食材・ワインの調達力(コネ含む)、良い常連、良い立地、良い雰囲気と到底シェフ一人で揃えられるものではないし、色んな要素や歴史も必要なのだ。
若き才能のレストランもたくさん出てきていてすごいなと感嘆する事も多いが、すべての要素に置いて円を描くように満足なレベルに至るところは日本にも数えるほどしかないだろう。
その一つがこちら。
老舗の大看板である「タテル・ヨシノ」の力と和歌山の滋味とそれを纏める一人の才能が結実しているレストラン。
その才能こそは手島純也シェフである。パリ時代のステラマリスでも吉野シェフに師事し、「タテル・ヨシノ芝」を任されていたが、和歌山がオープンの際にこちらを任された若武者である。
さて、和歌山にこちらの店があるのは吉野シェフの亡くなられた奥様の悲願(林真理子の「もっと塩味を!」をご参照)であり、地の食材を活かすという意味がある。
舞台は和歌山駅からタクシーで10分ほどの「ビッグ・愛」という県民交流センター。
近辺では一番高いビルになる。中には病院やホテル、県の施設などが入り乱れる市役所っぽい建物だ。
こちらのフロア案内の12階にレストランと書かれているのが、この「オテル・ド・ヨシノ」。
この日は併設のホテルであるランドマークホテル和歌山に宿を取り、万全の態勢で臨んだ(1フロア違いで寝るだけラクチン)。
店内は壁側はすべて窓に取っていて、間隔をほどよく開けたテーブル席が並んでいる。モダンでカラフルな置物があったり、雰囲気だけいえば、新しそうで纏まったフレンチレストランといった印象。
一番厨房に近いテーブルに通されて、今日もムニュ・スペシャル。ご相談の上、カスタマイズ頂いたもの(要は食いしん坊)。
シャンパーニュをグラスで貰ってスタート。ジャクソンの735。リリースされたばかりのもの。
いつもの一口目はグジェール。シャンパーニュに最も合うアミューズだ。
チーズの濃厚な風味がシャンパーニュを引き立てる。
・新玉ねぎのムース 足赤海老のジュレ
オードブルは濃厚な新玉ねぎのムースに、さらに濃厚で爽やかな足赤海老のジュレ。
雲丹も甘く濃厚。味わいの組み立て方が良い。いずれも淡路島からだろうか、丁寧な仕事で甲殻類の旨味がぎゅっと感じられるのに雑味は無い。
・紀州赤鶏のコンソメ
手島シェフのコンソメはジビエの時期により花開くが、もちろん春先のこういった鶏のコンソメでも濃厚さと香味野菜やその他の具材の味わいが際立ち、複雑で立体的な奥行きのあるコンソメとなる。一口どころか、季節ごとのコンソメを水筒に入れて持ち歩きたい。
・湯浅産天然岩牡蠣 白ワインのジュレと共に
こちらでこれを頂くのは二度か三度目かだが、とある六本木のとある牡蠣のポシェより私は何倍もこちらが好きだし、何度も食べたい。
(比べられても困るだろうが。)
でっぷりと肥えた岩牡蠣は白ワインのジュレを纏って光り輝くようだが、実はこの下に隠れているクリームがリッチネスを加えて爽やかな白ワインの風味とクリームの濃厚さと牡蠣の持つミネラルとが渾然一体となる。
カットしてあって食べやすい大きさにされているのも好意的だ。
このあたりはラモネのシャサーニュモンラッシェ1erのLa Boudriotte 11。
ふくよかでミネラルを感じる味わいは牡蠣とバッチリコン。お互いを引き立てて大変楽しい時間。
・フランス産鴨と紀州赤鶏のパテアンクルート
この日のメインはパイ包みに向かず、白アスパラも手配されていたものの、良いものが来なかったのでパテアンクルートが登場。
鴨と赤鶏フォアグラとコンソメのジュレを階層的な美しさで表現された古典料理。
パートの見事な焼き具合、ファルスの包み込むような味わいがこれらを一体にして楽しませる。
・和歌山県産イサキのグリエ ソース ヴァン ルージュ
魚料理は珍しいイサキ。大衆魚だが、しっかりとした焼き目を入れて、ここに赤ワインのソースと併せる。
実にソースがよく合う。イサキの味と脂が赤ワインに負けずにがっぷりよっつである。
周囲にはコゴミやコシアブラなどの山菜のフリット。大衆的と言わず、野性味を感じさせる良い皿である。
・仔羊の鞍下肉の岩塩包み
そして、メインの一品目(!?)。なんと今回は二品あるが、仔羊の鞍下肉が笑えるほど肉質が良い。
こんな良い鞍下肉は滅多にお目にかかれないと思うほど、シルキーで優しくてただしっかりと味わいがある。
ジュと一緒に舐めとるように食べてしまう。
・フランス産 仔牛背肉のロティ
仔牛の背肉のロティ。こちらも嫋やかで柔らかく噛むほどに滋味を感じる。アスパラは三種類。
モリーユ茸とジロール筍が季節を感じさせて素晴らしい。
二品目のメインだという事を忘れて夢中に食べてしまった。
・フロマージュ
こちらのフロマージュがまた絶品。残った赤ワインとアルマニャックまで頂いて、ブリー・ド・モーにエポワスにコンテにクロタンにサントモールにあとラングルだっけ。やや記憶が曖昧ですが、いずれもチーズ専門店以上の熟成と味わい。
・プレデセール/ミロワールショコラ ヴァニラアイスクリーム添え
デセールはミロワールショコラ。ヴァニラとの相性でするっと頂いた。
さて、若輩者でフレンチを説明するほどの知見は無いが、この熱意のレベルを毎回季節に応じて出せるのは大変な事だと素直に脱帽する。
夏には鮑、冬にはジビエと皆食べにくるものだが、春だって秋だって期待以上だし、何よりいつも色んな店への不満として持っているが、メインで失望した事がない。
オードブルが美味しかったねという店は掃いて捨てるほどあるが、アミューズからメインに至るまで期待感と緊張感を途切れさせないで、メインでクライマックスを迎えるという店にはあまり出会えなくなってきた。
手島シェフと話していて、一度、皿の上のあるものをすべてミキサーにかけて食べても美味しく無ければならないと言っていた事があった。
また、古典料理を学んで死ぬまでに一品でもそれを超えるオリジナルが作れればいいと言ってていた事もあった。そういった熱い気持ちは吉野シェフや斉須シェフや田代シェフといったレジェンド達に正面からぶつかりたいという大変な気持ちの現れなのだ。
ただ美味しい物を作る事、食べる事だけでなく、微に入り細に入り、歴史や文化や人の思いに好奇心と勇気を持って立ち向かう気持ちが今の素晴らしいオテル・ド・ヨシノを作っているのだと思う。
食べている方も試されているような緊張があるが、例え日帰りで片道4時間かけても、季節ごとに必ず訪れなければならないレストラン。
そんな店がある事に感謝してまた訪ねたい。