2回
2021/11 訪問
穏健な雰囲気と応接、そして驚愕のコストパフォーマンス…良店
2021/12/03 更新
2018/10 訪問
嫌味の無い如才無さと旨い鮨
過日の富山日帰り出張。午前中でサクッと仕事を終えての昼餉。事前予約にて正午に伺う。公共交通機関だけで伺うにはかなり不便な立地。周辺の住宅に溶け込んだ瀟洒で目立たないファサード。少々古い表現だけれど「大人の隠れ家」といった感じ。
店内は無彩色を基調とした凛とした和モダンの空間。先客はアジア系観光客と思しき若人二人。主人に誘われてカウンター席に着座。お昼のコース5,400円の始まり。
まず供されたガリがとても美味しい。お隣さんにはginger-picklesと説明されていて、なるほどと首肯。
お鮨。小肌、烏賊、鮪赤身、鰹、いくらの小丼といったとてもポピュラーな種をきちんとした技術できちんと旨い鮨に昇華している印象。中トロの炙り、昨今比較的廉価な寿司店でも供する種だが、ガスバーナーではなく、きちんと炭火で対応されるところ、実直で誠実。ガスバーナーの炙りの臭いの話や地元仕入れの難しさ等の話で盛り上がる。臭みの全く無い穴子、ひりりと山葵の効いたかんぴょう巻、カステラ風玉子焼、あらのお味噌汁まで隙の無い構成。大向うを唸らせるというより、解る人には解ってもらえる・・・的な職人仕事。
岡山出身のご主人の応接のやわらかさ、秀逸。sightseeingのお客さん二人に対する英語での応接の如才無さも素晴らしい。広島で修行されていたらしいのだが「奉公」と表現されていたところ、印象的。
コースとは別に冷酒を二合、酒肴に白海老、小肌のガリ巻の二種、握りにトロ、鯖を追加。約1時間半の饗宴、大満足で大団円。
こちら、基本的にネット予約・精算を採用されており、請求金額は当日夕刻メールで来るのだけれど、請求金額を見たらびっくり。税込11,000円強はその質量を鑑みて、驚愕のコストパフォーマンス。大したサービスもしないのにサービス料を取るような鮨店が跋扈する中、嬉しい誤算。
富山駅までのタクシーを呼んでいただき、イケメンの息子さんが店外まで、傘を差し出していただいたお見送り。恐縮。近郊在住であれば、月に一度は伺うだろうな…などと思う良店。ミシュラン、たまにはいい仕事するねといった感慨。
2018/10/13 更新
相方との一泊温泉旅行の帰り。高山方面から富山に回って、お昼ご飯をこちらで頂くことにする。事前予約の上、タクシーで13:00に訪問。ランチコースはお一人様税込み5,500円という破格値で、ポケットコンシェルジュさんによる事前決済方式。
帰りの新幹線まで時間もあったので、生ビールを頂いて、酒肴をお任せにて追加。地の物で旬の物がよどみなく五品ほど。甲箱蟹が解禁されていたのは僥倖。日本酒の取り揃えも満寿泉だけでも7~8種、その他主のお気に入りの蔵からの直接仕入れで品書きに記されているものだけでも20種以上。そしてその知識の質量に凄み。本日は富山・林を2合ほど。切れ味よろしき味わいで魚ととても相性が良い。〆の玉子焼きとかんぴょう巻きまで、鮨ひと通りをいただいて本日の昼餉大団円。
大満腹・大満足で店を出る。後日決済の追加金額を確認したら、え、間違いじゃないの…安すぎる。この内容で、二人で、もとのランチコースと合わせて25,000円切るって…。地の物をきちんとした目利きで仕入れてきちんと仕事がされていて、この設えのお店で頂いて、このお値段は、驚愕のコストパフォーマンス。往復の交通費使っても東京高額店で同等の酒肴・鮨を頂くより安く上がるのではないだろうか。
必ずまた行こう…と思わせてくれる佳店。★★★★★じゃないのは、予約が少々面倒なのと、拙宅から遠いから…。