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昭和懐古的偏愛レビュー~ときどき昭和歌謡
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浮かれ三亀松 (男性・東京都) 認証済
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1回
昼の点数:5.0
2022/03 訪問
清々しい本寸法の江戸前仕事
過日の札幌出張。前日業務を未明に終えて、翌朝遅めにホテルをチェックアウト。帰京の飛行機は15:00発のJAL。札幌の中心街から、残雪の舗道を事前予約していたこちらに向かっててくてくと歩く。今回の一泊出張唯一のお楽しみ。11:25頃店前に着くと丁度暖簾を掛けている最中。「予約しているものですが、伺ってもよろしいですか」と尋ねると丁重にカウンター席にご案内頂き、傘と荷物と上っ張りを預かってもらう。店内は所謂町場寿司店的普請なのだけれど、細部にわたってクリンネスが行き届き、その古さが渋みとなって不思議と凛としたほどよい緊張感の漂うよろしき雰囲気を醸し出している。漬け台には例のお鮨屋さんスタンダードの玻璃製冷蔵庫。これが尋常ではなく美しく磨き上げられていて、そこにはきちんと仕込まれた種がずらりとそして整然と置かれている。勿論握り用に切りつけられているようなことはなく、当店の拘りをひしひしと感じる陣容。悪路を歩いてきて喉が渇いており、昼餉のあとは帰京するだけの身。少々背徳的な気分でまず生ビールを干して、お茶とお任せ寿司十六カンを所望。まず塩と甘酢のガリ二種が供される。これがどちらもきちんと美味しい。これから始まる握りへの期待が否応もなく高まる。主から「苦手なものはございませんか」の声掛け。「ありません」と即答すると、最初の一貫は鯛から。さくっと頂くと「舎利の大きさはいかがでしょうか」「丁度良いです」。都心一流店でもなかなかないホスピタリティ。白身3種にはじまる饗宴。どの種もきちんと江戸前仕事が施され、目の利いた仕入れと仕込みに好感。本日は鰹・墨烏賊・鰯・漬鮪が白眉の出来栄え。鰹に至ってはその火入れの藁や手法をその仕入れの具合によって適宜変えているという。そんなご主人の鮨に対する知識、矜持とその情熱は素晴らしく、何故小柴の蝦蛄がダメになってしまったのか、日本人が何故魚好きなのか等…そんな蘊蓄を交えた会話も楽しい。最後に煮穴子と潮汁を頂いてあっという間の一通り16貫終了。墨烏賊を追加、かんぴょう巻を締めに頂いて、本日一時間ほどの贅沢昼餉大団円。お茶の差し替えもスムース、お勘定も丁寧な応対を頂き、ノンストレスで豊かに約1時間を過ごすことができた。お勘定の際に「タクシーはお呼びしますか」との声掛けも嬉しい。そして提示された勘定書きに驚愕。え、この質量と満足感で税込7,810円⁉…申し訳ないほどのお値打ち感。飲食店の勘定書きを見て感動したのは、往時の川治さん以来。酒肴と酒でゆったり3時間、お大尽接待仕様高額店が好みの方、走り、名残、稀少高額種好みの方…には向かないお店かもしれないけれど、とにかく「鮨好き」の方には訪れてほしい。握りの出来栄え・仕事は都心一流店と遜色ない、清々しい本寸法の江戸前仕事が味わえる佳店。なかなか伺う機会が設けられないことがとても残念。通える場所にあればなぁ…といった感慨。
2022/03/24 更新
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家族・子供と
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女子会
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大人数の宴会
接待
一人で入りやすい
知人・友人と
禁煙 分煙を含む
喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
過日の札幌出張。前日業務を未明に終えて、翌朝遅めにホテルをチェックアウト。帰京の飛行機は15:00発のJAL。札幌の中心街から、残雪の舗道を事前予約していたこちらに向かっててくてくと歩く。今回の一泊出張唯一のお楽しみ。
11:25頃店前に着くと丁度暖簾を掛けている最中。「予約しているものですが、伺ってもよろしいですか」と尋ねると丁重にカウンター席にご案内頂き、傘と荷物と上っ張りを預かってもらう。
店内は所謂町場寿司店的普請なのだけれど、細部にわたってクリンネスが行き届き、その古さが渋みとなって不思議と凛としたほどよい緊張感の漂うよろしき雰囲気を醸し出している。漬け台には例のお鮨屋さんスタンダードの玻璃製冷蔵庫。これが尋常ではなく美しく磨き上げられていて、そこにはきちんと仕込まれた種がずらりとそして整然と置かれている。勿論握り用に切りつけられているようなことはなく、当店の拘りをひしひしと感じる陣容。
悪路を歩いてきて喉が渇いており、昼餉のあとは帰京するだけの身。少々背徳的な気分でまず生ビールを干して、お茶とお任せ寿司十六カンを所望。
まず塩と甘酢のガリ二種が供される。これがどちらもきちんと美味しい。これから始まる握りへの期待が否応もなく高まる。主から「苦手なものはございませんか」の声掛け。「ありません」と即答すると、最初の一貫は鯛から。さくっと頂くと「舎利の大きさはいかがでしょうか」「丁度良いです」。都心一流店でもなかなかないホスピタリティ。白身3種にはじまる饗宴。どの種もきちんと江戸前仕事が施され、目の利いた仕入れと仕込みに好感。本日は鰹・墨烏賊・鰯・漬鮪が白眉の出来栄え。鰹に至ってはその火入れの藁や手法をその仕入れの具合によって適宜変えているという。そんなご主人の鮨に対する知識、矜持とその情熱は素晴らしく、何故小柴の蝦蛄がダメになってしまったのか、日本人が何故魚好きなのか等…そんな蘊蓄を交えた会話も楽しい。最後に煮穴子と潮汁を頂いてあっという間の一通り16貫終了。墨烏賊を追加、かんぴょう巻を締めに頂いて、本日一時間ほどの贅沢昼餉大団円。
お茶の差し替えもスムース、お勘定も丁寧な応対を頂き、ノンストレスで豊かに約1時間を過ごすことができた。お勘定の際に「タクシーはお呼びしますか」との声掛けも嬉しい。そして提示された勘定書きに驚愕。え、この質量と満足感で税込7,810円⁉…申し訳ないほどのお値打ち感。飲食店の勘定書きを見て感動したのは、往時の川治さん以来。
酒肴と酒でゆったり3時間、お大尽接待仕様高額店が好みの方、走り、名残、稀少高額種好みの方…には向かないお店かもしれないけれど、とにかく「鮨好き」の方には訪れてほしい。握りの出来栄え・仕事は都心一流店と遜色ない、清々しい本寸法の江戸前仕事が味わえる佳店。
なかなか伺う機会が設けられないことがとても残念。通える場所にあればなぁ…といった感慨。